川俣川東沢渓谷・天女山 [八ヶ岳とその周辺]
2011/07/23(土)
■第208回 : 川俣川東沢渓谷・天女山(1528m)
今回は涼を求めて、八ヶ岳山麓の渓谷を歩いてきました。
水辺の道は盛夏でも涼しく歩けて、美しい滝には心が洗われ、また清々しい森の居心地も満点と、いいこと尽くしの1日を過ごせています。
山に登ったという感覚には乏しかったのですが、森をじっくり巡るという歩き方は、また違った魅力に満ちていました。
一番の見所は、なんといってもこの、繊細で美しい吐竜の滝でした。
累積標高差(登り):779m / 距離:12.5km / 歩行時間:3時間40分 (休憩除く) 標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) |
(往路)
古淵 05:27-05:48 八王子 05:50-05:57 高尾 06:14-08:20 長坂
長坂 08:44-(北杜市民バス)-09:04 大泉駅・甲斐大泉温泉
パノラマの湯・大泉駅入口 09:20-(清里ピクニックバス)-09:31 吐竜の滝入口
(登山行程)
吐竜の滝入口バス停 09:40
吐竜の滝 09:55-10:00
天狗岩橋 10:50-10:55
東沢大橋 11:20-11:40
天女山 12:25-12:35
中止の滝 13:05-13:10
吐竜の滝 13:30-13:50
清里駅 14:25
(復路)
清里 14:56-(八ヶ岳高原列車8号)-15:21 小淵沢
小淵沢 16:16-(ホリデー快速 ビューやまなし)-18:15 八王子
八王子 18:19-18:41 古淵
大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)
今日はまず、JR中央線を長坂駅(小淵沢の1つ手前)で降りてしまいます。
小海線の本数が少ないため、JRで甲斐大泉駅へ向かうと到着が最速で09:32になるのですが、長坂駅で北杜市民バスに乗り換えると、それよりも30分も早く着いて、しかも清里ピクニックバスに乗り継げるのです。
前に清里に行った時も、ほぼ同様のことをしていたので、この駅で降りるのも2度目となりました。
乗ってきた北杜市民バスの「大泉駅・甲斐大泉温泉」バス停(左)と、次に乗る清里ピクニックバスの「パノラマの湯・大泉駅入口」バス停(右)。
どちらも甲斐大泉駅からは少し離れています。清里ピクニックバスのバス停は、その名の通り確かにパノラマの湯のすぐ前にあったのですが、北杜市民バスのバス停はさらに少し離れた三叉路にポツンと立っていて、もしも乗り継ぎが逆方向だったら見つけられたかどうか・・・
なお北杜市民バスのほうは、最初から最後まで、私が唯一の乗客でした。もしかして、普段は空気だけを運んでいる?
必要はなかったけれど、乗り継ぎの空き時間に坂を登って甲斐大泉駅に来てみました。
音楽活動をしていた頃は、合宿やオフラインミーティングなどで毎年のように来ていたので、懐かしい場所です。
吐竜の滝入口でバスを降りて、ここから歩き始めます。
奥に見えている動物飛び出し注意の道路標識が、いかにもこのへんの道路っぽいです。
少し道路を歩いて、吐竜の滝駐車場。40台くらい停められると思います。ここが遊歩道の起点となります。
遊歩道を歩き始めると、すぐにこんな気持ちの良い森の中の道となりました。
小海線の鉄橋をくぐり、すぐに見えてきたこの橋を渡れば、もう「吐竜の滝」は目の前でした。すでに周囲は滝の水音で満たされています。
吐竜の滝はトップにも写真を出していますが、もう1枚。なんて清々しい場所なのでしょうか。
遊歩道はこの先、歩く人がグッと少なくなります。駐車場から吐竜の滝までを往復するだけの人が多いようでした。
案内図は、何箇所かにいくつかの種類のものがありました。入口でもすでに縦型のものを見てきています。
でも「遊歩道」とは名ばかりで、足場の悪い箇所も多く、ペンキマークを頼りに進むこんな局面も少なくありません。
登山道を歩く心構えと、それなりの足拵えは必要だと感じました。
途中にはいくつも標識の立つ見所があります。でも、どれを指しているのか良く分からないものも多かったような。
ここも「御座石」は分かりませんでしたが、「九段の瀬」は標識の近くから見えているこのあたりだろうと思います。
次は「蘭庭曲水」です。
「獅子岩橋」で対岸に渡ると、すぐに獅子岩が出てきました。
「天井岩橋」と、それを渡る手前にあった「天井岩」。
「蘭庭橋」で、またも対岸に渡ります。
この付近の流れの様子はこんな感じ。
「天狗岩橋」より上流は、この橋を渡って右岸を進むルートと、このまま左岸を進むルートに分かれます。
今回は、橋を渡って進みました。
すると沢を高巻くことが多くなって、水辺の景色は少なくなっていきます。最後の見所はこの「屏風岩」でした。
遊歩道を登り切って、東沢大橋(通称「赤い橋」)に出ました。ここは紅葉の名所でもあります。
八ヶ岳の主峰、赤岳を仰ぎ見ますが、中央に見えている緑色の端正な三角形は前衛の牛首山で、赤岳はといえば、その左後方に辛うじてはみ出しているのがそれ。なんとか頂上が見えているようです。
赤岳頂上から左に続いているギザギザは、左端の突起が天狗尾根の大天狗です。
振り返ると、そこには歩いてきた東沢渓谷が。この森の中をひたすら登ってきたのですね。
峠の茶屋「赤い橋」の駐車場からは、南八ヶ岳を少し広い範囲で眺められました。
右端の赤岳頂上はすでに雲の中に消えていますが、そこから左にキレットを経て、権現岳までの稜線が見えています。
権現岳のさらに左にあるはずの編笠山は、その手前の三ッ頭(写真左端)が邪魔をして隠れています。
東沢大橋から八ヶ岳横断道路を歩いて行くと、左手にはまきば公園が広がっています。
写真左上にうっすらと富士山が見えていることに、写真を編集していて気付きましたが、現地では羊に気を取られていたのか、全く気付きませんでした。
八ヶ岳横断自然歩道に入ると、普通の登山道の区間の合間に、こんな開放的な草原を通っていきます。
この写真でも中央に富士山が見えていますが、やはり現地では(以下略)。
本日の最高点、天女山の山頂です。奥に見えるはずの八ヶ岳は、高い所の稜線はすっかり雲の中に入っていました。
なかなか見つからずに少しウロウロしましたが、三角点は上の写真の石碑の左脇にある木陰で見つかりました。
もう少し奥まで登ると、別の頂上標識がありました。
でも、このすぐ先には駐車場があって車がたくさん。なんか脱力です。
石碑の所に下りてくると、東屋があって、中には展望図がありました。でも今では周囲を木々に囲まれていて、見える景色はほとんどありません。
天女山からの下りは、こんな気持ちの良い森の道でした。傾斜も比較的穏やかです。
少し道路を歩いて、八ヶ岳倶楽部の駐車場のところから、再び山道に入ります。
やや不明瞭になる箇所もある細い道で、中止の滝まで来ました。
この岩棚のどこかが滝になるはずなのですが、この日は空滝でした。雨の後とかでもない限り、この時期は空滝になることが多いようです。
吐竜の滝へ向けて歩いて行くと、まきば公園の南端にある開けた場所に出て、ここで初めて富士山が見えていることに気付きました。
今日2回目の吐竜の滝です。この写真は滝本体ではなくて、渓谷の上流側を写したもの。
こちらに向かって腰掛けていると、吹き下ろしてくる涼しい風がなんとも心地良くて、少し長居しました。
朝にも渡った橋を渡り返してすぐの所から、この標識に従って「キープ自然歩道」に入り、清里駅へと向かいます。
最初に少し長い急登があって、せっかく滝で涼んできたのに再び汗だくになりますが、登り切れば、穏やかで心安らぐ森の中の道となりました。
自然歩道は時々草原の縁を通ります。寝転がると気持ち良さそう。右のほうには富士山も入っていますが、縮小写真では分かりにくくなりました。
清里駅に着きました。ここから、どちらも乗車券だけで乗れる「八ヶ岳高原列車」と「ホリデー快速 ビューやまなし号」を乗り継いで帰ります。
三連休のすぐ翌週ということもあってか、どちらも空いていて、珍しく最後の鉄旅でまで快適なままという、上々の締めくくりでした。
タグ:八ヶ岳
コメント 0