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大仁田山 [奥多摩]

2012/03/27(火)

■第227回 : 大仁田山(505m)


平日のこの日は、奥多摩の前衛の低山を軽く歩いてきました。
一般登山道が埼玉県側からしかないためか、注目されることの少ない不遇の山ですが、それだけに静かに歩けそうです。
埼玉県側から登った後は、バリエーションルートの都県境尾根を歩いて、東京都側に下るルートで歩いてきました。

 累積標高差(登り):596m / 距離:7.3km / 歩行時間:2時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 06:08-06:30 八王子 06:34-07:18 東飯能
東飯能 07:31-07:32 飯能 07:38-08:05 石原橋

(登山行程)
石原橋バス停 08:10
白鬚神社   08:25
愛宕山    09:05-09:10
大仁田山   09:35-09:50
雲ノ峰    10:15
久方峠    10:20
小沢峠    10:45-10:50
上成木バス停 11:00

(復路)
上成木 11:15-11:46 東青梅駅北口
東青梅 11:56-12:10 拝島 12:20-12:32 八王子 12:40-13:02 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

飯能駅からバスに乗るのは、普段から良くあることなのですが、今日はいつもとは少し違う気分です。
というのも、利用した国際興業バスが、2年後に飯能エリア全路線からの撤退を表明しているから(詳しくはこちら)
移動手段を持たない方々が困らないように、地域住民の視点に立った解決策が出されることを望んでいます。


石原橋バス停で降り、少し戻って入間川の対岸に渡ります。
最初の寄り道は、この白鬚神社。
何気なく、ぶらりと立ち寄っただけなのですが、なんと奈良時代頃の創建と伝えられる、由緒ある神社だったのでした。
本殿も室町時代の造営とのこと。集落に囲まれてさり気なく建っていたのに、こんな歴史のある神社だったなんて。


それにしても抜群の天気で、どちらを向いても雲ひとつない快晴です。これから登る方角も、空の青さが鮮やかでした。
もっと展望の良い山に行くべきだったのかも、と少し後悔しました。


白鬚神社のすぐ次の曲がり角で、早速道標を発見します。こちらのルートは、案内が実にしっかりしていました。
一番奥の住宅脇を抜けた先で、それまでの舗装道路が登山道に変わります。
はじめは沢沿いをじわじわと登っていきますが、沢は枯れている区間が多かったです。


ちょっとした分岐点にも、漏れなく道標が立っています。
低山では、登山道以外にも多くの道があるために迷いやすかったりするのですが、この山ではその心配は不要でした。
ただし、草木のうるさい箇所は少しあったりします。夏には藪っぽくなりそうですね。
尾根に上がると植林地が続きますが、下枝がしっかり落とされているなど、良く手入れされている様子です。
このため日差しがたっぷりと地面まで届いて、明るくて気持ちの良い道でした。


地形図の412mピークが愛宕山。
登山道が巻いているという情報を得ていたので、そこに通じているのは踏み跡程度だろうと思っていました。
ところが、ここにもこんな立派な標識が。
標識ばかりか、頂上への道には木段まで整備されていました。急斜面だったので、これは有り難かったんですけれども。
頂上は木立に囲まれていて、ほとんど展望はなく、スペースもさほど広くありません。
それでも、何故かベンチはたくさん。ここに、こんなに人が集まることなどあるのでしょうか。


愛宕山を過ぎると、「いぼとりじぞう」なるものがありました。
帰宅後に調べてみると、寛政五年(1793)の建立とのことでしたが、今でも手入れが行き届いていて、とても綺麗でした。
この分岐点から、少しの間だけ耕作地の中を抜けていくようになります。
「山道」にも踏み跡は見られて、そちらが近道らしいのですが、あまり歩いて欲しくない事情があるのかもしれません。
こんな所を通りながら、のどかな山里の雰囲気を味わっていると、秩父のユガテをちょっと思い出しました。


このあと、少し先で農作業をしていた男性としばらく会話をしていくことになりました。
てっきり地元の方かと思ったのですが、そうではなく、なんと趣味で作物を栽培していると聞いてびっくりです。
普段はサラリーマンとして働いていて、お休みを利用して畑仕事に通っているそうです。

近年は猪や鹿などに荒らされて、満足に作物を育てられなくなり、地元の農家の多くは畑から離れてしまったとのこと。
その方は趣味だからこそ、そういった被害と折り合いを付けながらでも楽しめる余裕があるのかもしれません。
また、そうして人の手が入り続ければ、耕作放棄地も荒廃を免れるので、趣味で地域貢献しているとも言えそうです。

そうこうするうち、頂上直下の分岐点まで来ました。頂上はもうすぐ先です。


頂上には、こんな立派な石柱が出現していました。
側面には「南高麗地区まちづくり推進委員会」「平成二十四年三月吉日」と彫られていて、つい最近設置された模様。
でも、こんな地味な山には、左上のささやかな標識が丁度お似合いで、この石柱はちょっと仰々しい気がします。
三角点のそばには、まだ真新しいベンチが。これも石柱と同時に作られたのでしょうね。
木立に囲まれていますが、全く展望がないかと思っていたら、都心方向を眺めることができたのが意外です。
はるか遠くには、スカイツリーも確認できました。かなり霞んでいたので、写真にはうまく写りませんでしたが。
そして、何かが逃げていく足音に気付いて目を向けると、そこにはなんと、ニホンカモシカが。
すでにかなり離れていたのですが、カメラのズームを最大にして、どうにかギリギリ写ってくれました。


大仁田山から東京都側の小沢峠への道は、登山地図には載っていない、いわゆるバリエーションルートです。
でも、こんな道案内が割と頻繁に現れて、進路に迷う局面は少なくてすみました。
とはいえ、道形が不明瞭な箇所は少なくありませんでした。あまり歩かれていない様子ですね。
時々この標識を見ましたが、このコースをハイキングコースと言うには、ちょっと整備不良だと思います。


途中の小ピークには、「大峰山」という名前があるようです。
ただしこの地点、地形図では500m圏となっていて、510m圏ではありません。「五一五米」としている根拠は不明です。
また、このすぐ先の標識のない所で、踏み跡が2方向に分かれていて、正しく進むには地図と方位の確認が必要でした。
さらに進んで、490m圏のピークには「雲ノ峰」という私製の標識が掲げられていました。
写真手前で地面に見えているのは、青梅市の二級基準点です。


一旦下って、久方峠を通過していきます。
峠越えの道が直交することになっていますが、踏み跡が見られたのは成木側だけです。
飯能側は、ちょっと見ただけではどこにどう道が付いているのかが、全く分かりませんでした。
久方峠には、久林峠という呼び方もあるようですね。


さらに進むと、登山道のすぐ下が開削されて、新しい林道が作られようとしていました。
しかし、こんな所まで林道を通して、一体どこの誰が利用するというのでしょう。
激しく山肌を削った様子が一目瞭然。そしてこのあと、崩落防止のためにコンクリートでカチガチに固めてしまうはず。
税金を無駄遣いした上に自然まで破壊して、喜んでいるのはきっと政治家と建設業者だけ。少しでも良心があったら、そういう職業には向きませんね。


ベンチが2つある小沢峠に着きました。
時折不明瞭になる道を緊張しつつ歩いてきましたが、この先は一般登山道ですし、前に1度歩いているのでもう安心。
しかも、大仁田山~小沢峠間は結構急なアップダウンが多くて絞られましたが、あとは緩やかに下るだけです。
残っていた距離もわずかで、小沢峠からは僅か5分ほどで登山口に出ました。
道路に降りたのは、この写真の右端のあたりで、少し歩いてから振り返っています。
結局この日は最初から最後まで、自分以外のハイカーを全く見掛けず、途中で会ったのも、畑作業の男性だけでした。


山里の雰囲気を残す成木集落では、梅が満開となっていました。
待合室付きの上成木バス停。私が着くとそのすぐあとに、地元のおばあさんも現れて、バスが来るまでの間、ずっとお話をさせて頂きました。

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