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雨ヶ岳・竜ヶ岳 [富士山とその周辺]

2012/09/26(水)

■第236回 : 雨ヶ岳(1771m)・竜ヶ岳(1485m)


この日の行先は、富士山のすぐ西隣にあって、その富士山をはじめとする大きな展望が魅力の雨ヶ岳と竜ヶ岳です。
今年は思うように山に出掛けられず、今回の山行も約2ヶ月ぶりで、さほどヘビーでないコースを選んだつもりでした。
ところが、はじめに登った雨ヶ岳が予想を遙かに超える急坂だった上、久しぶりなのに加減せずにいつものハイペースで登り下りしたことで、山を始めて以来最大の危機を招いてしまいました。

それは2つめに登った竜ヶ岳頂上でのこと。両足がいっぺんに攣るという緊急事態が発生したのです。
攣り方もこれまでに経験したことのない激しさで、しかも両足ともなので、一旦は全く歩くことができなくなったほど。
幸い、比較的短時間のうちに再び歩けるようになって、大事には至りませんでしたが、ホント冷や汗をかかされました。

 累積標高差(登り):1236m / 距離:12.7km / 歩行時間:4時間35分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間0分 

(往路)
大沼 06:11-06:20 相模大野 06:25-07:09 新松田
新松田 07:11-07:25 小田原 07:36-07:59 熱海
熱海 08:05-08:45 富士 08:52-09:10 富士宮
富士宮 09:20-10:10) 県境

(登山行程)
県境バス停   10:15
端足峠     11:15-11:20
雨ヶ岳     12:30-12:45
端足峠     13:30-13:35
竜ヶ岳     14:05-14:20
石仏      14:40
本栖湖畔    15:15-15:45
本栖入口バス停 16:00

(復路)
本栖入口 16:05-16:40 河口湖 17:10-17:55 大月
大月 18:01-18:31 八王子 18:39-19:02 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

富士宮駅からバスに揺られて、「県境」バス停で下車します。
ここは静岡県と山梨県の県境。そして今日はこのあとも、県境の稜線をたどる区間の長いルートです。
バスが来た方向に少しだけ戻ると、東海自然歩道の入口があります。今日はここからスタート。


東海自然歩道は、木立の中を穏やかな傾斜で登っていきます。
少し歩くと広場があって、「根原公衆トイレ」が建っていました。
ところどころで、真新しい階段や桟道を見掛けました。
この区間は、今年の7月頃まで通行止めだったのですが、その時に補修されたのでしょうね。


この分岐点で東海自然歩道と分かれると、そこからは急激に高度を増していきます。
でも、ジグザグの折り返しがずっと続いて、登山道の傾斜は抑えられていた模様で、さほど急には感じませんでした。


端足峠は、雨ヶ岳と竜ヶ岳を結ぶ稜線の道と、峠越えの道とが交差する十字路。ここでひと息入れていきます。
端足峠から見る富士山。富士山自体には雲がかからず、頂上まで明瞭に見えているのに、背景に雲が多くて、今ひとつスッキリとした写真にならなかったのが残念です。
振り返ると、下山予定地の本栖湖が、木々の間に見えていました。肉眼では、青色がもっと鮮明できれいだったです。


雨ヶ岳への登りしなは、ササの中の穏やかな道でしたが・・・
すぐに急登に変わると、それが頂上までずっと続くのでした。
ただでさえ急な斜面を、ほとんどジグザグを描かずに直線的に登っていく、いわゆる「鉄砲登り」です。
大きな段差も多く、日陰のジメジメした地面が滑りやすいという北側斜面特有の足場の悪さも加わり、かなり大変。あまりの辛さに、最初の100mほどを登るか登らないかのうちに早くも嫌気が差して、引き返そうかと悩んだくらいでした。


単調で展望もなく、変わり映えのしない急登を小1時間ほど頑張ると、一旦少し開けたササ原に出ます。
久々の山なのに、予想以上の急登となり、途中で少し足が攣りそうな気配がありましたが、なんとか持ちこたえました。
でも、まだ頂上までは150mほどの標高差を残していて、上に見えている頂上付近もまだまだ遙か上です。
引き続き急坂を登り詰めていきます。ササが深くなってくると、ようやく上空が明るくなり、頂上が近付いてきた模様。
なお「山と高原地図」では、頂上直下に「笹の急斜面」と注記されていますが、この付近は割と普通に歩けます。
最も傾斜が急だったのは、登り始めの標高差200mほどの区間でした。


雨ヶ岳の頂上は、ササと白樺に囲まれた、こぢんまりとしたスペースでした。
つい先程まで下る人と時折すれ違っていましたが、ちょうど無人となったタイミングに当たって、静かに過ごせました。
とはいえ、途中で追い越してきたバスツアーの団体がいずれ到着してくるので、休憩時間は15分に決定です。
展望はほぼ東側に限られて、その中心はやはり富士山です。恐らく、元々あった樹木をこちら側だけ伐ったのでしょう。
雨ヶ岳からのパノラマ。富士山は両方の裾野を末端まで見渡すことができました。右端で霞んでいるのは駿河湾です。
背景が青空だったら、なお良かったのですが・・・(拡大した画像はこちら)


雨ヶ岳から端足峠までは、来た道を引き返して戻ります。急坂に終始しますが、慎重に下れば問題となる箇所はなかったです。ただし雨中・雨後など、ウェットなコンディションの時は最大限の注意が必要でしょうね。

快調なペースでサクサクと下ってきたのは良かったのですが、そのせいで膝が笑いまくっています。
これほどの膝の笑い方はかつてない程で、久しぶりの山だったことを思えば、もう少しゆっくり下るべきだったのかも。
端足峠から本栖湖に下ってしまう選択肢もあったのですが、体力的にはまだ余力があると感じていたので、計画通りにここから登り返して、竜ヶ岳を踏んでいくことにします。その判断が後々トラブルを生むことになろうとは・・・


竜ヶ岳へは、南に面した明るいササの斜面を進みます。ジグザグに刻まれた道で傾斜も抑えられ、比較的楽に歩けます。
北側の薄暗い斜面で展望もなかった雨ヶ岳への道とは、好対照な雰囲気でした。
途中で樹林の中に入りますが、それを抜けて再度ササ原に出ると、頂上は間もなく。頂上直下は気分の良い道でした。


竜ヶ岳の頂上は、ササ原の中を切り開いた広々としたスペースでした。
雨ヶ岳の時と同様、頂上の手前で下る人とすれ違ったばかりでしたが、着いてみたら嬉しいことに無人でした。
ほぼ全周の展望がありますが、やはり富士山の存在感は格別ですね。
富士山よりも南側のパノラマです。中央右寄りに2つ並んだ大きなピークは、先程までいた雨ヶ岳(右)と毛無山(左)。
そこから写真右端にかけて、遠く霞んでいるのは南アルプスの南部です。(拡大した画像はこちら)
少し場所を変えると、南アルプスが全部見られるようになりました。(拡大した画像はこちら)


それは何の前触れもなく、突如としてやってきました。
ベンチに腰掛けての短い休憩を終えて、ぼちぼち下山するか、と立ち上がろうとした時です。
両足の腿が一瞬にして同時に攣って、立ち上がることすらできなくなりました。
しかも、かなり強度の攣り方で激しく痛みます。ついさっきまで普通に歩いていたのが、もう嘘のようです。

慌てて腰掛け直して足をマッサージするも、立ち上がろうとするとまた両足が攣る、ということを何度か繰り返します。
これまでにも登山中に足を攣ることはありましたが、いつも片足だけでしたし、少し休めば快復する程度のものでした。
こんな激しい攣り方は始めてで、それが両足いっぺんにです。これでは、しばらくの間は全く歩けないかもしれません。

しかし絶望感に浸る暇はありません。バスに乗ってきた以上、帰りもバスに間に合わせないと、帰れなくなるのです。
それで悪戦苦闘を続けているうちに、ついに光明を見出しました。
きちんと立ち上がろうせずに、膝を伸ばさなければ、そこそこ足が動かせることが分かったのです。
試しに、中腰のままで、膝が曲がった状態をキープして歩いてみると、なんとか前へ進めるのでした。

極めてブザマな格好なので、誰かに見られていたら躊躇したかもしれません。
でも幸いに、なりふり構う必要のない無人の頂上です。中腰でそろりそろりと下山を開始しました。

始めは麓まで何分かかるのかと不安でしたが、少し歩いているうちに、徐々に足が伸ばせるようになっていきます。
さらに数分が経ち、下りの傾斜が強まった頃には、もう普通に歩けるように戻っていて、ホッと胸を撫で下ろしました。
日頃の行いが良かったのでしょうか・・・


頂上からは見られませんでしたが、本栖湖方面に下り始めたあたりからは、河口湖とその周囲の山々が見えてきました。
まだ、中腰で歩いていた頃の眺めですが・・・
さらに、ちょっと遠いですが八ヶ岳(左奥)も見られました。
その右手の稜線は奥秩父へと続いていて、この写真でも金峰山あたりまでが入っているはずです。
そして進行方向では、眼下に青木ヶ原樹海が広がるようになりました。


竜ヶ岳から約20分で、「石仏」と案内されていた場所に着いて、ここで一旦平坦になります。この頃にはもう完全に普通に歩けるようになっていて、小さな社で守られた三体のお地蔵様に、感謝の気持ちを込めて手を合わせてきました。
石仏のすぐ先には、展望台を兼ねた休憩舎もあって、ここからも富士山がきれいに眺められました。
竜ヶ岳を振り返ります。縮小写真では分かりにくくなりましたが、写真中央のササ原には、ここまで下ってきた道がジグザグを描いている様子が、クッキリと見えていました。


さらに下って行くと、ゴールの本栖湖が樹木の間からチラチラと見えるようになってきます。
ササ原を抜けると穏やかな森の中に入って、気持ちの良い道になります。
しかしこの頃、早くも筋肉痛が始まっていて、木段を下るのが辛くなっていました。
車道に降りてから、標識に従って進むと本栖湖畔に出ます。
バスの時間には余裕があったので、水際まで降りて、30分ほどゆっくりしていきました。


平日だからか、本栖湖バス停の周囲は閑散としていて、何軒かの土産物屋もあまりヤル気がなさそうです。
なお、これから乗ろうとしているバスはここまで入ってこないので、さらにバス停1区間分を歩いて国道へ向かいます。
最後は本栖入口バス停で河口湖駅行きのバスを待ちます、というか、ほぼ定刻でやって来て、あまり待ちませんでした。

筋肉痛はその後、翌日には階段を下るのが困難になり、翌々日になると平坦な道ですら歩くのに不自由するほどで、かつてない重い症状となりました。3日後も階段を下れない状況は続き、普段通り歩けるようになるのは4日後のこと。
今回は反省材料の多い山行となりましたが、反省点については、後日ホームページ版の記事で振り返りたいと思います。

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