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四阿屋山 [奥武蔵・秩父]

2013/05/05(日・祝)

■第254回 : 四阿屋山(771m)


前回から中1日という間隔で少々身体が重たかったこの日は、かな~り軽めのコースに出掛けてきました。
花の時期からは外れて、特段の見所はないと思っていた秩父の低山を、単に体力的にお手頃だというだけの理由で行先に選んでいたのですが、いざ現地に着いてみると、全山で萌える新緑が見事で圧倒されてしまいます。

ちょうど若葉の淡い緑色が、一番瑞々しい頃に当たったのでしょう。しかも天気は快晴、いっぱいの日差しを受けて輝く若葉がもう目にしみて、まぶしいことといったら・・・
心が洗われましたし、感動的ですらあったので、この日、この山を選んで行って良かったと思っています。

 累積標高差(登り):532m / 距離:5.6km / 歩行時間:1時間45分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:2時間40分 

(往路)
古淵 05:27-05:48 八王子 05:50-06:25 東飯能
東飯能 06:36-07:19 西武秩父 → 御花畑 07:25-07:45 三峰口
三峰口 07:51-08:11 薬師堂

(登山行程)
薬師堂  08:15
  (登りは鳥居山コース)
四阿屋山 09:15-09:25
  (下りは薬師コース)
薬師の湯 10:10

(復路)
薬師の湯 10:55-11:15 三峰口 11:34-11:54 御花畑 → 西武秩父
西武秩父 12:08-12:56 東飯能 12:59-13:32 八王子
八王子 13:40-14:02 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

秩父鉄道の終点・三峰口駅を訪れるのは、約3年半ぶり。
実は、頑張ればここに8時前に到着できるというのが、今回のちょっとした発見だったのでした。
駅すぱあとなどの経路検索では、どうしても8時過ぎの到着となり、7時台のバスには間に合わないからです。

西武線から秩父鉄道へ乗り継ぐには、西武秩父駅と御花畑駅の間を歩かなければなりません。でも、そこを6分でクリアできれば、経路検索の結果よりも1本早い電車に間に合いそうだと分かって、実際に試してみました。
はたして、予め秩父鉄道への連絡切符を購入し、西武秩父駅で乗降口に最も近いドアから降りるなど最善を尽くせば、早歩き程度で十分に間に合うという結果になりました。これは今後に向けて大きな収穫です。
なかば駆けるように移動したところ、結局2分近い余裕があったので、最短で4分あればダッシュでいけそう。


三峰口駅から乗った小鹿野町営バスの経路は、5年前に札所巡りをした時に歩いた道そのもので、所々で見覚えのある車窓風景が懐かしかったです。
薬師堂バス停で降りると、バス停の目の前がまさにその薬師堂でした。こちらはお堂の前に建つ立派な仁王門。
札所巡りの時は横を素通りしてしまった薬師堂ですが、寄ってみるとお堂の内外にはお札がいっぱい。
日本三体(三大)薬師として、今なお篤い信仰を集めているようでした。
そして薬師堂の裏手には、隣り合うようにして両神神社がありました。
こちらは里宮で、これから登る四阿屋山の頂上直下にあるのが奥宮です。
バスを降りたその途端から、厳かな雰囲気に包まれて歴史探訪ができるなんて。
この時点ですでに、秩父に来て良かったと思っていたのでした。


車道を少し登ると、やがて右手に大きな門が見えてきて、そこが四阿屋山の鳥居山コースの入口になります。
が、左手にも薬師堂コースの入口があって、すぐ先が「花しょうぶ園」になっていました。
花の時期ではなく、緑に染まった景色が気に入ったからと、なんとなく撮っていただけなのですが、帰宅後に調べてみると、一番奥に写っているのがまさに四阿屋山だったのでした。
右手側に戻って、この門をくぐって鳥居山コースに入ります。
この門が中華風で、扁額に「友好之林」と書かれているのは、ここが埼玉県と中国山西省の友好10周年(平成4年)の記念庭園だかららしい。薬師堂バス停の近くには、友好記念館の「神怡舘」もあるのでした。


石畳を登りながら見上げる山の斜面は、全体が新緑に染まって輝いていました。この先に期待が膨らみます。
しばらく登った所で山道が分かれて、先のほうには道標も見えていますが・・・
道の続きにはこんな建物が見えているので、ちょっと寄り道していきます。
それは観景亭と名付けられた展望台でした。
観景亭からは、四阿屋山がそれと分かるように見えていたほか、記念館が建つ麓側を広く眺められました。
観景亭の近くでは、写真の赤やピンクのほか、白いツツジなどがあちこちで咲いていて華やかな雰囲気でした。


山道に入ると、ついに、さきほど下から見上げていた景色の中に入りました。
これだけ鮮やかな新緑の中を歩くのは、あまり記憶にありません。来るタイミングが良かったのが一番だとは思いますが、秩父の森の豊かさもあってのこと。ここに来て良かったという喜びを噛みしめながら進みます。
道標はしつこいくらいに出てきます。
ちょっとした作業道が分かれるたびに必ず道標が現れて、道に迷う心配は限りなくゼロに近くなっていました。
尾根道らしく、しはらくはアップダウンを繰り返しながら進んでいきます。
かなり歩いて、柏沢からの道を合わせる地点まで来ました。
その分岐点から先は、急登が長く続きました。かなり苦しいですが、新緑に励まされて登っていきます。
この木段の斜面も、写真から受ける印象よりもずっと急だったのですが、木段が終わったと思ったら、むしろその先がいっそう急傾斜で、休み休みでないと登れませんでした。下りなら転がるような感じだったと思います。


急登を登った先で周囲が雑木林から杉木立に変わると、麓で里宮を見てきた両神神社の奥社の前に出ました。
さらに進むと、頂上直下の岩場ゾーンに入る前に警告標識が現れます。
その頂上直下は、ほとんど真上を見上げるような急斜面となって、ジグザグの道には早速クサリが現れました。
でも最初は階段状の道なので、普通に足だけで歩けます。クサリは手すり代わりでしかなく、山を歩き慣れた人にはほぼ不要なレベルで、ここをクサリ場と呼ぶのは大袈裟かと。1度だけ、大きな段差が私の足の長さでは登れず、クサリを掴んで身体を持ち上げましたが、もう少し足が長ければ全くクサリを使わないところでした。
上級者コースのツツジ新道を合わせると、その先は岩場の急登に変わり、いよいよクサリ場らしくなります。
しかしここでも、ゴツゴツした岩には常に手掛かり足掛かりが十分にあり、斜度も垂直には程遠いので、結局登りではクサリを使いませんでした。


岩場を登り詰めた四阿屋山の頂上は、ここに写っている範囲がほぼ全てという狭さでした。
混み合うとすぐに居場所がなくなりそうですが、早い時間なのが幸いして、着いた時には無人。この後すぐに、直前のクサリ場で抜かしてきた単独行の男性も到着しましたが、お互いに場所を譲りながら過ごせています。
すぐ下には小さな祠もありました。箱にはお賽銭がいっぱい。
展望図を見ると全周の山々が描かれていて、かつては全ての方角に展望が広がっていたのかもしれません。
でも当時よりも樹木が伸びてしまったのか、スッキリと眺められるのは両神山の方向だけでした。
両神山のアップです。この形はどこから見ても一目で分かりますね。
南関東にある日本百名山の中では唯一登り残している山なので、近いうちに・・・
そして、木々の間からは二子山の鋭鋒も姿を見せていました。いかにも険しそうな山容ですし、実際に少々厳しいコースらしいので、こちらは遠くから見るだけにしておこう。


頂上を後にしたら、クサリの下がる岩場を両神神社奥社まで戻ります。
下りでも、後ろ向きになって岩場と向かい合う必要がある箇所はなく、普通に前を向いたままでサクサク歩けましたが、さすがにクサリは全く使わないわけにはいかず、何度か身体を支えるのに使用しました。

ところで、工夫して早い時間に来ていたのは、後で触れるお昼の都合や、その分だけ早く帰れることもありますが、人が増えてからではクサリ場が渋滞するので、そうなる前に通過したいという気持ちが大きかったです。
というのも、行き違いによる渋滞だけならばまだしも、岩場で動けなくなる人のために、しばしば余計に流れが滞るらしいからなのです。もちろん、私自身が渋滞を生む立場になる可能性だってありました。
技量以上の場所に挑むのなら、渋滞の原因となり得ることも想定して、混み合う時期や時間帯を避けるのが当然の気遣いだと思うのですが、別に登山に限った話ではなく、そういう配慮に欠ける人が多くて閉口しますよね。


両神神社奥社からは、登ってきた道を左に見送って、杉木立の中を下ります。
途中の分岐で展望休憩舎への案内を見てそちらに向かうと、その建物は唐突に現れました。
さほど展望が良いわけではありませんが、武甲山(中央左寄りで一番高く見えている)や小持山・大持山(武甲山の右に続く稜線上の突起)などが眺められました。


周囲には福寿草やロウバイの園地が出てきて、遊歩道が縦横に交わるようになりますが、道標が「休養園地」を示す方向に従っていくと、ずっと山道を歩くことができました。稜線を進むようになって、新緑も復活です。
しばらく進むと鳥居があって、その先には小さな社もありました。分岐が多くてやや分かりにくかったのですが、ハイキングマップでも神社記号が出てくるあたりなので、予定通りの方向にきちんと進めているようです。
神社の先は少しワイルドな道になって、稜線上の道らしく面白くなってきたぞ、と思ったのでしたが・・・
すぐに前方には道路が見えてきたりして、たちまち遊歩道的な道に戻ってしまうのでした。


道路を横断してさらに進み、休憩舎の建つ地点まで来ると、そこが薬師堂コースと薬師コースとの分岐点。
右折して薬師コースに入ると、手すり付きの階段道が延々と続いて、一気に高度を落としていきます。


道は途中で二手に分かれますが、遠回りする道のほうに展望東屋があるというので、寄り道していきます。
展望東屋からの眺めは、眼下の町並みが中心です。
左下隅には、下山先となる道の駅の駐車場も一角が見えていますが、建物自体はまだ樹木に遮られていました。


道の駅「両神温泉薬師の湯」に到着です。ここには日帰り温泉「薬師の湯」と農林産物直売所などがあります。
背後の山を振り返ると、鮮やかな緑で一色に染まっていて、こんな中を歩けて大満足でした。
コースタイム通りに歩いていれば、バスの時間ギリギリになる見込みでしたが、身体が重たかった割には登りを1時間ジャスト、下りを45分でサクサク歩けて、45分もの余裕ができていました。
頑張ってサクサク歩いて来たお目当ては、日帰り温泉「薬師の湯」の食堂の名物メニューである「薬師そば」。
お腹に不安がある私でも、蕎麦ならばまず問題ありません。ウェブでは数量限定という情報もありましたが、早く着けば着くほど、売り切れている心配も少なくできます。


そして「薬師の湯」の食堂は、食事のみの利用も可で、温泉とは別に、なんと食事専用の入口があるのです。
多くの日帰り温泉では、食事のみの利用が不可だったり、利用できても受付でイヤな顔をされたりと、温泉に興味のない私は冷たい仕打ちを受け続けてきましたが、この素晴らしい親切設計には、もう涙が出そうです。
しかし、喜ぶのは早過ぎました。温泉入口と比べて、なんだか食事専用入口がひっそりしていると思ったら‥‥
そこには絶望的な掲示が。。。食堂だけ営業時間前だったとは!! 早く着けば良いという訳ではなかったか。
待っていれば20分ほどで開店しますが、そうなるとバスの時間までは25分、開店直後では注文後すぐに出てくるかどうかも不明なので、出かかっていた涙を飲んで、また次の機会を待つことにしました。


仕方がないので、時間に余裕がない場合に備えて持参していたパンを食べて、余った時間で周囲を散策します。
実は、最初のほうの薬師堂や両神神社の写真の多くは、この散策時に再訪して撮ったもの。登山前の時点では、ソバを食べる時間を作るために、写真を撮る時間もそこそこに先へと進んでいたのです。
そして最後は、「薬師の湯」バス停に戻って、三峰口駅行きのバスを待ちました。
バス停の隣では、いちご狩りの「おがのファーム」が営業中。いちご狩りって5月に入ってもできるんですね。
ハウスの中では、何人かのお客さんが摘んだそばからイチゴを賞味していました。おいしそうです。
これだけ写真を縮小しても、手前のあたりでは赤い粒がしっかり確認できます。


おまけ。
ローカットシューズの軽快さが気に入っていて、富士山だろうと日本アルプスだろうと、全てローカットシューズで歩いてきましたが、唯一の不満が、足首回りから土とか枝切れとかが入って不快になったりすることです。
これまでは登山用のスパッツで対処していましたが、いつも必ず持ち歩いているのに、着脱が面倒なために横着をして着けないことがほとんどで、帰ってくると靴の中が真っ黒ということがたびたびでした。
そこで、新たにトレイルランニング用のゲイターを購入したので、この日試用してみました。

購入したのはサロモン社の製品で、着脱は簡単ですし、ランニング用だけに適度な伸縮性があり、靴に密着させて装着しても足首の動きに追随してくれて、足運びにストレスがない一方で隙間ができることもありません。
最後まで着けていることが気にならず、それでいて土砂流入に対する防御は完璧で、これは良い買い物でした。
ただ、持っているシューズの中には合わない物もあり、この一品で全て解決とならなかったのだけが残念です。

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