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旧藤野町の7つの低山を巡る [高尾・陣馬]

2014/03/15(土)

■第279回 : 石楯尾山(270m)・京塚山(358m)・八坂山(420m)


標高の低い、いわゆる「里山」を歩くのは、寒い時期ならではの愉しみです。でも今年は、雪がある所を狙って少し標高の高い所に出掛けることが多かったので、まだ低山をほとんど歩いていませんでした。
春本番を迎えてからでは、暑くて不快になってしまうため、今週はどこかの低山にと思ったのですが、悩ましいのは2月の大雪の影響がまだ随所に残って、高尾山あたりでも快適に歩けるまでにはなっていないらしいこと。

そこで、うんと標高を落として、今や自宅と同じ神奈川県相模原市内の山となった、旧藤野町の山々を7座巡るコースを歩いてきました。標高が200~300m台ならば、さすがに雪も残っていないだろうと選んだ行先です。
標高が低い割には、見晴らしの良い山が多くて、意外にも大きな展望が楽しめると分かったのは収穫でした。

 累積標高差(登り):714m / 距離:12.3km / 歩行時間:3時間45分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 06:33-06:55 八王子 06:58-07:05 高尾
高尾 07:11-07:24 藤野

(登山行程)
藤野駅  07:30
石楯尾山 08:10-08:15
一本松山 08:40-08:45
古峯山  09:05
京塚山  09:20-09:30
秋川橋  10:05
八坂山  10:40-10:50
峰    10:55
(日連)金剛山 11:00
杉峠   11:10
藤野駅  11:45

(復路)
藤野 12:09-12:22 高尾 12:23-12:29 八王子
八王子 12:40-13:02 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

これから登るのは、市街地にほど近い山々です。藤野駅前に着いた時には、すっかり朝靄に煙っていました。
裏山の中腹には「緑のラブレター」があって、朝靄が少し晴れると姿を現しました。このあと、この近くにも寄って行く予定です。旧藤野町は芸術の町というだけあって、このような野外彫刻があちこちで見られます。
良く見ると、1つ前の写真でもうっすらと見えていて、上の写真にマウスを乗せると、その位置を示します。


藤野駅からしばらくは車道を歩きます。二車線の県道なのに、路肩にはまだ結構な高さで雪が残っていて、とっくに雪が消えた自宅周辺と同じ市内とはとても思えない状況でした。
やがて進行方向に見えてきた権現山は、まだしっかりと雪に覆われていました。
見るからになだらかな稜線は、実際に歩いてもとても気持ち良かったので、また近々行きたいと思っています。
遠くに見える雪はまだしも、細い道に入ると目の前に残っている雪の量も増えていて、他人事ではありません。
悪いことに、雪なんて消えているとばかり思って、防水性の全くないメッシュ地のシューズを履いて来ています。もしも登山道にもこんなに雪が残っていたら、何もしないで即撤退せざるを得ないので、気を揉みました。


ほどなく、右手に石楯尾神社が現れました。ここには元々寄って行く計画だったので、その通りに鳥居をくぐるまでは良かったのですが、燈籠の間に溜まった雪で、早くも靴が足首の上まで埋まってしまいます。山に入ってもいないうちから靴を濡らす訳にもいかず、こちら側から入るのを諦めて、すぐに引き返しました。
という訳で、裏手にある駐車場側から入って参拝していきます。境内にもまだ雪が多く残っていました。


石楯尾神社の向かい側に、石楯尾山の登山口があるのですが、登山口からしてこの状況とは、目を疑いました。
踏み抜いたら靴がすっかり埋まる深さがあって、とても非防水の靴で歩く気にはなれません。
幸い、すぐ隣にも別の登山口があり、全く雪が残っていなかったので、こちら側から登ってみることにします。
雪が残っていたのは登山口だけだったらしく、山道に入ると、ほとんど雪を見ることもなくなりました。
登山道の両側にはずっとツツジが並んでいます。花のシーズンには見事な景色になりそう。


登山口からの標高差はほんの40~50mなので、10分もかからず、あっという間に石楯尾山の頂上に到着です。
そこには「しあわせの鐘」があって、名前の由来は分かりませんでしたが、記念に1回鳴らしておきました。
頂上の北西が「見晴し台」となっていて、北側にほぼ180度の大展望が開けていました。ほんの少ししか登っていないのに、そんなに広い範囲が見渡せて、なんだかすごく得をした気分になります。
西側では、下の道路から見えていた権現山(写真右)や扇山(同左)が、雪化粧した姿を見せていました。
そして北側から東側にかけては、こんな具合に、相模川を挟んで対岸にそびえる山々が見られました。ちなみに、この写真の範囲はすべて相模原市内で、すっかり行き慣れたエリアでもあります。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


石楯尾山から先は尾根伝いに進みます。日差しの下で明るい尾根道を歩けるのも、樹木が落葉したこの時期ならでは。このあたりでは、尾根上や南側の斜面に雪は全くなく、北側の斜面でわずかに残っている程度でした。
名倉峠で一旦車道に出て、少しだけ車道を歩きます。
一本松山の登山口は、名倉峠の北と南の2箇所にありますが、下る時とコースがダブらない北側を選びました。
すると北側の斜面だけに、登山道にも少し雪が残っていましたが、深さはほんの数cmで全く問題ない量でした。
なお、雪面に見られたのが小動物の足跡だけでしたから、降雪後はまだ誰もここを歩いていなかったようです。


一本松山の頂上は狭くて、この写真に入っている範囲がすべてです。
しかも三角点以外に目立つ物がなく、ここまで徹底して何もないと、その潔さが気持ち良く感じられます。
でも地面を見ると、山名標が置かれていました。かつてはどこかに立てられていた物なのでしょう。
一本松山は周囲を樹木に囲まれて、ほとんど展望はありませんが、唯一扇山の方角だけが少し開けていました。


一本松山と京塚山の間は、穏やかな尾根道が続いて、気持ち良く歩ける区間でした。
ここが古峯山への分岐点。案内図には「休憩所」と書かれていたので、てっきり休憩舎でもあるのかと思っていたら、ただテーブルが置かれているだけでした。


分岐点から、古峯山にも寄り道していきます。小さな祠とテーブルがあるだけの、地味な山頂でした。
先程の分岐点から歩いてくると、下ってきたら山頂に着いた、みたいな具合なのですが(もちろん手前で少しは登り返しましたが)、でもその先は相模川へ向けて大きく下っていくので、視界が開けて眺めは良かったです。
古峯山からの展望です。石楯尾山と比べると、西側が樹木で見えない代わりに東側が広がっていて、高尾山のあたりまで見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


分岐点まで戻って、次は京塚山へ向かいます。
標高を上げてきたからか(といっても350mですが)、尾根上の登山道にも僅かに雪が残るようになりました。
京塚山の頂上に着きました。元々さほど広さがないところに、標柱やらテーブルやらベンチやらが所狭しと置かれて、少し雑然とした雰囲気になっています。
祠や石碑も設置されていましたが、どちらも比較的きれいで新しそうなものでした。何らかの信仰に根ざした活動が今も続けられているのでしょうか。
京塚山ではどの方向の展望も樹木越しですが、標柱の後方には、次に向かう八坂山と金剛山が見えていました。
これらの山々は、秋山川を挟んだ対岸にあるので、このあとは一旦下って、秋山川を渡ってから登り返します。


ということで、京塚山から秋山川に向けて下り始めますが、ある寄り道のため、途中にある分岐点から下山コースを外れます。すると、北向きの斜面に入ったためか、登山道上に見られる雪が少し増えてきました。
寄り道の目的地が近付いて、最も近くにある分岐点まで来ると、ちゃんと案内が出ていました。
この下にあるのが「緑のラブレター」です(その上端がこの写真の下部にも写っています)。藤野駅周辺やその向こうの山々から良く見えるようになっているので、当然こちら側から見る景色も開けていました。
ちなみにこの鐘の名前は、ラブレターに掛け合わせたらしい「愛の鐘」。今度は鳴らしはしませんでしたが‥‥
巨大な野外彫刻である「緑のラブレター」を真上から見てみます。白い部分は封筒で、赤く見えているのはハート形の封緘なのですが、近過ぎるためか、どうも良く分かりません。
真横から見てみても、赤い部分がハート形をしているのが分かった程度。白い部分に関しては、もっと平坦に張られているのが本来の姿かもしれないのですが、この時は雪が乗ったままで、その重さであちこちが凹んでデコボコしていて、それも分かりにくかった要因かもしれません。訪れた時期が悪かったようですが、そうでなくても、元々遠くから見た時に分かるように作られている物なので、近くから見られるのは想定外なのでしょう。
近過ぎて分からないのならと、もう一段下にあるコースに降りてみたら、そこはまだ雪が沢山残っていました。先行者が踏み抜いた足跡があって、それに合わせて足を置きながら進みますが、少し靴が濡れてしまいました。
「緑のラブレター」を、今度は真下から見てみましたが、封筒面の延長面上から眺めたのではどうにもならないと、やっと気付きました(苦笑)。やはりこれは、遠くから眺めるのが唯一の正解のようです。


次に登る山は秋山川を挟んで反対側なので、その後は一旦ふもとまで下って、秋川橋を渡ります。
市街地の中をしばらく歩いて、八坂山の登山口に来ました。これから歩くのはマイナーなコースで、少なくとも書籍などでの紹介記事は見たことがありません。案内しているのは、整備した「ふじの里人」のウェブページと現地の案内板くらいだと思われるのですが、登山口は案内図などの掲示があって分かりやすくなっていました。
最後の民家の横を抜けた先では、どう見てもその民家の庭か畑ではないかと(積雪で良く分からなかったけれど)思われる中を通過します(写真は通過した後で振り返ったところです)。
民家の庭か畑らしき場所を通過した先には、この案内図が見えていて、それで進むのを躊躇せずにすみました。


案内図の地点で、八坂山に直登するコースと杉峠に向かうコースが分かれていて、直登コースを選びました。
すると降雪の影響か、道が不明瞭となり、この小さな沢を横断するまでの間が、少し分かりにくかったです。
でも尾根に取り付いたら、そこから先は明瞭な道が続いていました。
良く踏まれていますし、傾斜が急な箇所にはロープも付けられたりしていて、良く整備されているようです。
八坂山の頂上に到着しました。ここは2年前にも来ていて(その時は反対側から)、2度目の登頂です。登山道の傾斜はややキツめでしたが、ふもとからの標高差は200mもなく、さほど苦しい登りではありませんでした。
八坂山は西側が大きく開けていて、スカッとするような展望を楽しむことができます。なんと南アルプスの農鳥岳も、純白の頂上部が顔を出していました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


八坂山からほんの1~2分、ほぼ平坦な尾根を歩いてきたところに、この日の最高点である峰(日連峰山)の頂上があります(正確な最高点は少しだけ南側にズレている模様でしたが)。
山の名前は、「山と高原地図」が「峰」、「ふじの里人」の案内図が「峰山(日連峰山)」、そして現地にあった古い標識は「峯」と、三者三様でしたが、この記録では「山と高原地図」の「峰」を採用しています。
峰からの展望は、八坂山よりもさらに広範囲の大パノラマでした。ほぼ南にある西丹沢から、北にある笹尾根までがズラリと見渡せて壮観です。ほんの200m登ってこの大展望ですから、ここには来る価値大でしょう。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
大パノラマの中央付近で、南アルプス・農鳥岳など、白く見えている山々をアップにしてみました。
  ※写真の上にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


本日の仕上げとして、最後に日連金剛山に向かいます。
この日はここまで、山の中では全く人を見掛けていなかったのですが、実は車道歩きの途中では2つのグループと遭遇していて、その一方が金剛山の登山口に向かっているのを見ていたので、いやな予感はしていました。
すると案の定、頂上はこんな状況でした。登山者が少なくて、静かな雰囲気を好む人が来るような山なのに、こんな大所帯で乗り込まれたら、居合わされた側は不運としか言いようがないです。騒がしい人達でなかったのは救いでしたが、私には落ち着いて休める場所もなく、また喫煙者が何人もいたお陰でどこにいても不快でした。
(こういう人達の中には、静かな山の雰囲気を全く知らない人がいるのかも。なんか勿体ない気がしますが)
ということで、2年前に来た時に修繕中だった社が新しくなった姿を確認したら、そそくさと引き返しました。


日連金剛山から東へ延びる尾根は、ほとんど降雪の名残もなく、快適に歩くことができました。
杉峠に着きました。ここまでは、2年前に歩いたコースを逆方向に辿ってきたことになります。
杉峠には、2年前には見られなかった丸太のベンチが新設されていました。
ここまで来たら、あとはもう残す距離もわずかです。初めて歩く道ですが、15分もすれば登山口に戻るので、意識はもう歩き終えた後のことに及んでいて、はや帰りの電車のことなども考え始めていました。


ところが、杉峠からの最後の下りが、この日の全てのコースの中で最もクセ者だったとは・・・
いきなり、結構な深さの雪に見舞われました。凹んだ所が道になっているため、そこに大量の雪が溜まり、融けずに残っている状況です。しかも降雪後はほとんど歩かれていないらしく、ツボ足で苦闘した1人分の足跡が残されているのみ。極力そこに合わせて足を置きますが、歩幅が合わないと足首の上まで潜るので厄介でした。
倒木が完全に道を塞いでいる箇所も複数。ここなどは、雪が乗った急斜面のため、上にも下にも迂回できなかったので、枝を掻き分けて強引に抜けてくるしかありませんでした。
その後も時々深く踏み抜いてしまう雪道が続いて、次第に靴の中が濡れてきてしまいました。残している距離が僅かだと分かっているので、気にせずにすみましたが、もしもこの日のコースを逆方向に設定していて、歩き始めがここからだったら、いきなり靴の中を濡らして、それ以上歩き続ける気にならなかったのではと思います。


なんとか車道に出て一旦はホッとしましたが、それも束の間、実はまだこの先も道順が分かりにくかったり、山道区間の再来で雪道が復活したりして、先程の分岐点に戻るまでは気が抜けませんでした。
無事に分岐点まで戻れたら、あとは住宅地を抜けて藤野駅に向かうだけです。駅の手前まで来ると、朝来た時には靄がかかっていた「緑のラブレター」がクリアに見えるようになっていたので、カメラに収めておきました。これのすぐ上と、少し下で積雪が横一列に見えているあたりを、先程まで歩いていたことになります。
藤野駅まで戻ってきました。そういえば、珍しくスタート地点の駅の写真を朝に撮っていなかったような。

タグ:高尾・陣馬
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