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宝篋山 / 国土地理院・地図と測量の科学館 [茨城]

2014/03/22(土)

■第280回 : 宝篋山(461m) / 地図と測量の科学館


この日の行先は茨城県の宝篋山。筑波山のすぐお隣にあって、筑波山よりもちょっと低く、住宅地からも程近い、いわゆる「里山」です。標高は低いながらも、関東平野を一望する大きな展望を楽しんできました。

今回、短時間で手軽に登れる山を選んだのは、実はもうひとつ別の目的もあったから。
それが、国土地理院の「地図と測量の科学館」の見学です。地形図などの利用を通じて、登山者なら誰もが日頃からお世話になっている国土地理院が、地図と測量に関するさまざまな興味深い展示を行っている施設です。
3Dメガネをかけて立体的な日本地図の上を歩いたり、屋外では地球が丸いことを実感できる超大型地球儀の上を歩けたりと、特に体験型の展示が期待以上の面白さで、時間の過ぎるのがあっという間でした。

 累積標高差(登り):515m / 距離:9.0km / 歩行時間:2時間0分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:47-05:50 町田 06:02-06:37 新宿
新宿 06:41-06:59 秋葉原 07:12-08:05 つくば
つくばセンター 08:35-09:12 小田東部

(登山行程)
小田東部バス停 09:15
小田休憩所   09:20-09:25
尖浅間山    10:10-10:15
宝篋山     10:35-10:50
大池・平沢官衙入口バス停  11:40

(復路1)
大池・平沢官衙入口 11:57-12:44 つくばセンター

(国土地理院への往復 & 地図と測量の科学館の見学)
つくばセンター   13:45-13:55 国土地理院
地図と測量の科学館 14:00-15:00 (見学)
国土地理院     15:05-15:25 つくばセンター

(復路2)
つくば 15:55-16:40 秋葉原 16:50-16:52 御茶ノ水
御茶ノ水 16:54-17:05 新宿 17:29-18:01 相模大野
相模大野 18:08-18:23 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

5年ぶり3回目のつくば駅。過去2回はいずれも筑波山が行先でしたので、ここから筑波山以外に向かうのは初めてです。これといった建物がない地下駅なので、地上に出てバスセンター前を写しました。
つくバス(つくば市のコミュニティバス)に乗って、登山口へ向かいます。
車窓からは、これから登る宝篋山(右)と筑波山(左)のツーショットがずっと見えていました。
バスに40分ほど揺られて、小田東部バス停で下車します。
バスの乗客は2人しかおらず、もう1人は地元の方だったようです。ここで降りたのも私だけでした。


バス停から5分ほど歩いたところに、登山者向けの小田休憩所があります。
建物内ではトイレを利用することができ、コースマップも配布されていて、登山者には有難い施設です。
建物の右上は宝篋山で、頂上に建っている巨大な電波塔は、つくば駅付近からも分かる程に目立っていました。
小田休憩所の前には大きな駐車場があって、マイカー登山の起点となっていました。地元の人たちによってコースが良く整備され、こうした施設も充実していることで、宝篋山はこのところ人気が出ているようです。
駐車車両の多さからも、その人気ぶりが窺えます。駐車場の背後には、宝篋山のほぼ全体が見えていました。


小田休憩所からしばらくの間は、畑のあぜ道のような所がコースとなっていて、ここは極楽寺コースと常願寺コースの分岐点。要所要所にきっちりと道標が立つなど、道案内は万全でした。背後は引き続き宝篋山です。
畑の中を抜けて山裾に取り付くと、このように車が通れるような道を少し進んでから、山道が始まります。
山道が始まると、始めのうちは傾斜が穏やかな道です。間もなく、沢沿いを進むサブルートが分岐しました。
「沢の小道」に入ると、名前通りに沢の間近を沿うように進む、清々しい雰囲気の道になりました。
何度か小さな沢を渡りますが、どこも水量が少なくて石伝いに渡ることができ、靴を濡らすことはありません。
「沢の小道」は短くて、すぐにメインルートに合流しますが、その先も沢に絡んで進む道が少し続きました。
コースマップにも出ていた「くずしろの滝」は、敢えて名付ける程でもないような、とてもささやかな滝です。
始め穏やかだった登山道も、中腹を過ぎると傾斜がキツくなってきて、上部は木段が続くようになります。
木段が連続する区間は「長長坂」と名付けられていたようです。木段は頂上直下まで続いていました。


今回登りに選んだ常願寺コースは、整備されている6つのコースの中で唯一、宝篋山以外のピークを経由していくミニ縦走コースで、まず尖浅間山の頂上を踏んでいきます。
いたる所に手作り感が満載のベンチが置かれている頂上からは、木立の間に宝篋山が見えていました。ここまで登るともう間近な距離に感じられます。
関東平野が広がる方向が少し開けていて、富士山がうっすらと見えていたのですが、分かるでしょうか?
  ※この写真にマウスを乗せると、富士山の位置を示します。
富士山は春霞に埋もれそうな見え方で、アップで撮った写真でも辛うじて分かる程度でした。


尖浅間山と宝篋山の間は、比較的なだらかな尾根道が続いて、あちこちに気持ちの良い日溜まりがありました。
頂上直下には、バイオトイレがありました。すぐ上に見えているのは、麓からも目立っていた巨大電波塔です。
この鳥居の先が頂上でした。このあと、展望写真を撮るのに夢中だったのか、頂上の写真を撮り忘れてしまっていたのですが、ゆったりとした広さのある頂上でした。ベンチもたくさん置かれています。
しかも、下の駐車場に停められていた車の数から、かなりの人出を覚悟していたのに、なぜか頂上で居合わせたのは十数人程度と少なくて、静かな雰囲気の中でのんびりと過ごせたのが良かったです。
頂上に建てられていたこの宝篋印塔が、宝篋山の名前の由来らしいです。


宝篋山ではほぼ360度の展望がありますが、遠くの景色は春の陽気にすっかり霞んでいます。
ということで、この日の展望の主役は、やはりすぐお隣の筑波山だったでしょうか。左隣には、冠雪した日光連山もぼんやり見えているのですが、同じ方向に雲が出ていた関係で、写真ではもう区別が付きませんでした。
筑波山の右側には、2年前に縦走した加波山・足尾山・きのこ山といった山々を結ぶ稜線も見えていました。
筑波山の左側には、少し霞みながらも関東平野が視界いっぱいに広がっていて、なかなか爽快な眺めでした。
下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。富士山はあまりに朧気で、大きな写真でも発見が困難な有様ですが、7枚前の写真と同じ見え方をイメージして頂くと、少しは探しやすいかもしれません。
頂上の裏側に回ると、霞ヶ浦が見えていました。そのすぐ奥には太平洋(鹿島灘)があるはずで、たぶん海岸線はきっちりと見えていて、その先が全部海なんだろうとは思うのですが、ちょっとハッキリしません。
霞ヶ浦の手前で、少し見下ろすような感じになっているピークは、先程通ってきた尖浅間山です。
霞ヶ浦方面も広く見渡せたのですが、どこまでが陸地でどこからが海なのかがハッキリしないのは残念でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


宝篋山からの下りは、小田コース(1)を選択しました。緩やかな傾斜の箇所が多くて、軽快に下っていきます。
コースの途中には、筑波山が眺められる地点もありましたが、大半は展望のない樹林の中を進みます。
このコースの見所は少なく、頂上付近に万博記念の森があったほかは、この宝篋名水くらいだったでしょうか。
かなり下って、地形図の破線路に出合ったあたりで、山道は砂利道に変わります。
さらに進んで、このような舗装された道に迎えられると、ほどなく最初の人家が現れました。


その後は集落の中に入りますが、まだバス停までは少々距離があって、のどかな風景の中をしばらく進みます。
やがて道路の右手に北条大池が現れると、もうゴールは近いです。
ここは桜の名所らしいので、間もなく賑わう季節を迎えるのでしょうね。
バス停に着くすぐ手前には筑波総合体育館があって、ここでトイレ(左端の建物)を利用していきました。
筑波総合体育館の前から、ついさっきまで頂上に立っていた宝篋山を振り返りました。


大池・平沢官衙入口バス停に到着。ここから、朝と同じ路線のバスでつくば駅に戻ります。
次に向かう国土地理院の見学時間に余裕を持たせるため、ここで乗るバスを少し早めの便に設定したので、休憩を除けば正味2時間で登って下りる、やや駆け足な登山計画だったのですが、予定通りに歩き切れました。
つくば駅のバスセンターに着いたら、まず、バス待合所にあるコインロッカーにザックを預けて身軽になってから、向かいにあるショッピングモール1階のフードコートで適当に腹ごしらえをすませます。
約1時間後、今度は「つくばサイエンスツアーバス」に乗車します。国土地理院のほか、宇宙センターや産総研など、常設展示館を持っているいくつかの研究機関を巡る循環バスです。


やって来ました、前々から気になっていた、国土地理院の「地図と測量の科学館」です。
つくばサイエンスツアーバスは、国土地理院の敷地内まで入り、この正面入口のすぐ前で停まってくれました。
館内に入ると、まず、1階のフロアいっぱいに描かれた「日本列島空中散歩マップ」のお出迎えを受けます。
空いている時間だったのが幸いしてか、すぐに係員の方が説明に来て下さり、渡された3D立体視用の赤青メガネを手に、いざ空中散歩へと出発です。高さ1mから見ると、上空100kmを空中散歩することになるらしい。
元は平面図なのに、赤青メガネをかけて見た時の立体感は、もう想像以上でした。
山が相当リアルに盛り上がって見え、そこに足を合わせる時、足が地下にめり込むかのような感覚になります。
さらに海上に出ると、今度は海溝の深さ感がハンパなく、そこに足を置くと落ちるのではと怖さを感じるほど。
これ、結構ハマります。登ったことのある山の上なんかを、何度も往復してしまいました。


続いて2階の展示室に移動します。この立体地形図も、リアルさが凄くて見ものだったのですが、やはり平面の写真にしてしまうと、その凄さが伝わらなくなってしまうようです。
登山者には馴染み深い三角点も、測量に関するコーナーに展示されていました。
標石や盤石が地中深くまで埋められている三角点の構造が良く理解できます。
広い展示室には、地図や測量に関するさまざまな展示のほか、体験型のコーナーもいろいろとあって、大人でも子どもでも楽しめるようになっていたと思います。


展示は屋外にもあって、この「日本列島球体模型」もスグレモノでした。
白いドーム状の物体は、1/20万に縮小した地球に相当する球面で、その上には同じ縮尺で日本付近の地図が描かれています。この上も自由に歩くことができて、高度300kmの宇宙空間から日本列島を眺める体験ができます。
空いている時間だったので、この時この展示を見ていたのは私だけ。ほかの人に左右されず自由に歩き回れたのは良かったのですが、撮った写真はどれも、比較対象がなくて大きさが分かりにくいものばかりでした。
そこでGoogleマップの写真を載せてみました。右上で円形に見えているのがこの展示です。駐車場に停められている車との比較で、その大きさの程が分かりますでしょうか。
手前の地球儀で、日本を中心に書かれている白い円が、奥の「日本列島球体模型」の範囲らしい。
日本列島付近に登ってみて、こんなにも地球は丸いのかと認識を新たにしました。
地球全体から見たら、日本の面積なんてほんの僅かなのに、その日本列島だけでも、こんなに丸みがかかっていたんですね。これも一見の価値ありです。屋外展示なので、ぜひ天気の良い日を選んで訪れてみて下さい。


同じ場所では、地球と月との比較もできます。この地球儀は1/1200万なのですが、少し離れた場所に、これと同じ縮尺の距離と大きさで月が配置されているのです。(この写真にマウスを乗せると、月の位置を示します)
地球儀を離れて、月球儀の所に来てみると、こちらもちゃんと地形が描かれた精巧なものでした。
月から地球を見ると、こんな具合になるようです。(この写真にマウスを乗せると、地球の位置を示します)
この写真だと地球儀が小さく見えている印象かもしれません。でも現場では、地球から月を見るよりも随分と大きく見えるという、知識としては当然分かっていることを、実体験として感じられるのが良かったです。


最後の仕上げはこの売店で。地図記号バッジや地形図を断裁したメモ帳(これはお買い上げ!)など、数々の地図グッズが所狭しと並び、地図関連の書籍も充実していますし、地図そのものもわんさかと売られていました。
こちらは売店で購入した日本地図クリアファイル。その上に載せたのは、左がつくばサイエンスツアーバスの1日乗車券(首から提げられるホルダー入りで発券された)、右がつくば市コミュニティバスの1日乗車券です。
この施設は見学時間の目安が1時間となっていて、この日の計画では滞在時間がまさにその1時間だったのですが、思っていたよりも盛り沢山の展示があって、期待以上に楽しめました。じっくりと見られなかったものも少なくなかったので、また折を見て、今度はもっと時間をタップリと取って来たいと思います。
見学を終えたら、正面入口前で帰りのバスを待ちます。奥に見える建物は国土地理院の本館です。

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