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見城山・日向山、そして梅の木尾根から大山へ [丹沢]

2014/06/14(土)

■第286回 : 梅の木尾根から大山(1252m)


今回の行先として選んだのは、超地元でホームグラウンドと言っても良い丹沢です。
その丹沢の中でも、自宅のあたりから見えるために毎日のように見上げている大山に登ってきました。

歩き慣れた大山なので、今回は変化を付けて、まず見城山・日向山という超低山をプチ縦走してから、登山地図には掲載されていないマイナールートの梅の木尾根で大山を目指しています。
梅の木尾根は、上部でやせた岩っぽい尾根が出現するなど、大山周辺の一般登山道とは全く違う雰囲気が楽しめて、大いに気に入りました。しかも誰にも会うことなく歩き切れて、その静けさも実に心地良かったです。

 累積標高差(登り):1455m / 距離:12.1km / 歩行時間:5時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
南警察署前 06:36-06:46 相模大野 06:57-07:09 本厚木
厚木バスセンター 07:30-07:56 広沢寺温泉入口

(登山行程)
広沢寺温泉入口バス停  08:05
見城山    08:50-09:00
日向山    09:15-09:25
537m峰    10:05-10:10
二ノ沢ノ頭  10:35-10:40
大山     12:40-13:05
蓑毛越    13:50-13:55
蓑毛バス停  14:20

(復路)
蓑毛 14:27-14:49 秦野 15:04-15:34 相模大野
相模大野 16:08-16:23 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

本厚木駅で小田急線からバスに乗り換えて、広沢寺温泉入口バス停から歩き始めました。
車道を歩き始めると、前方にこれから登る大山が見えてきましたが、まだまだ遠く、しかも標高が100mあるかないかという地点からのスタートなので、遙か上に見えます。大山は、写真中央で一番奥にうっすらと重なっている程度の見え方なのですが、肉眼では頂上に建つ電波塔群が見えていたので、すぐに大山だと分かりました。


10分も歩けば広沢寺温泉への分岐点に出て、左手には登山者用の駐車場とトイレがありました。
そのすぐ先に愛宕社へ登るこの階段があり、小さな道標が「←見城山」と案内していました。
愛宕社で登山中の安全を願ってから、すぐ右手から始まる山道に取り付きました。


登山地図には載っていない道ですが、何もなければ滑りやすそうな斜面に木段が丹念に設置されていたほか、道標による道案内も万全でした。きっと地元の方々が、日頃から良く整備して下さっているのでしょう。
上部では少し傾斜がきつくなるものの、手を使うような箇所はありませんでした。
この日最初のピーク、見城山に着きました。解説板によると、戦国時代には物見山として利用され、周辺を見張ったり合図を送ったりした場所のようですが、現在は木立に囲まれて展望はほとんどありません。
山名が書かれたプレートは、樹木の根元に置かれて固定されていなかった代わりに、チェーンがその樹木に巻かれて盗難防止の役割を果たしているようでした。


ここから先、しばらくの間は一般登山道になります。
まずは見城山から一旦下って、次に向かう日向山との鞍部である七曲峠を通過していきます。
七曲峠には山の神の祠が置かれていました。かつては良く歩かれていた道なのでしょう。
七曲峠から日向山への登りは、比較的穏やかな道が続きます。実はこの区間は、6年前に1度歩いているのですが、大した特徴もないためか、その時の記憶をハッキリとは思い出せませんでした。


日向山の頂上は、木立に囲まれながらも、木漏れ日が注ぐ明るい場所でした。
無人の頂上には、10分ほど休憩している間にも誰も現れず、この日はなかなか人と会いません。
標識よりも存在感のある大きな石祠には、天明八年(1788年)と刻まれているとのことです。
日向山は南東側だけが少し開けていて、相模湾や江ノ島や三浦半島などが見えていました。
写真を縮小したら、三浦半島は不鮮明になりましたが、江ノ島(写真右半分に)はこのサイズでも明瞭です。
次に進む方向の案内を確認した時、なんとマイナールートのはずの「梅の木尾根」の名前を見つけてビックリ。
梅の木尾根も下部はハイキングコースにもなっているので、あくまでそのコースを示していただけだと今では考えています。でも現地でこれを見た時点では、道標に名前が出るほど整備されてしまったのかと勘違いして、すでにマイナーなルートではなくなっているのかと、肩透かしを食らったような気分になりました。


日向山の西側にある十字路状の鞍部に下ると、そこの道標にも「梅の木尾根」の名前が。でも良く考えてみると、行先ではなく尾根(しかも距離がたった0.18K)を示すだけの道標って、なんか変ですよね。
「梅の木尾根」の指示標を良く見ると、「大山方面 マイナー」とマジックで書き加えられていました。
梅の木尾根に入ると、小刻みにアップダウンを繰り返しながら進むようになります。
ハイキングコースらしく、しばらくの間は、各ピークごとにこんな道標などが立っていました。
537mピークにはベンチも置かれていました。この日は最初から見城山・日向山と登り下りが続き、梅の木尾根でもアップダウンが繰り返され、すでに結構な疲れが溜まっていたので、たまらず休憩していきます。これから1252mの大山に登るというのに、まだ500m台でこんなに疲れていて大丈夫かと、正直不安になっていました。


537mピークからすぐのこの地点で、ハイキングコースは梅の木尾根から外れて下っていきます。
梅の木尾根の続きは、「大山」と書かれた私製の小さな道標が、足元でひっそりと案内していました。
いよいよマイナールート区間に入りますが、踏み跡は概ねしっかりしていて、尾根自体も明瞭なので、進路に不安を感じることはありませんでした。ただ、あまり見通しのきかない尾根を登る単調な道がしばらく続きます。


単調な尾根を登り切った所が二ノ沢ノ頭でした。マイナールート上らしく、ほとんど何もないピークです。
山名も、境界見出標の赤杭にマジック書きされているだけです。それでも、ここで大山への進路がほぼ直角に右折するからか、ハイキングコースとの分岐点で見たのと同じ標識が、その方向を案内してくれていました。
展望もほとんどありませんが、少し下った所では海側が少し開けていて、江ノ島などを眺められました。
二ノ沢ノ頭から先は稜線歩きとなって、ようやく目的地の大山がスッキリと見られるようになりました。
が、二ノ沢ノ頭までの登りもそこそこ急で、さらに疲労が進んでいたのに、大山までの標高差はまだ600m近くあって、まだ半分も登れていません。まだ遙か上にある大山を見て、途中撤退が頭をよぎり始めていました。


その後は、やせた尾根の区間が長く続くようになります。
やせ尾根は、次第に岩混じりになります。このあたりの一般登山道にはない雰囲気が新鮮で面白かったです。
途中には完全な岩尾根になる箇所も現れます。左右もそれなりに切れ落ちていますが、尾根幅が十分にあるために危険を感じる程ではなく、ちょっとしたスリルを味わうくらいの感覚で、楽しみながら歩けました。
岩尾根上からは時折遠くに大山を眺められました。(写真右端が歩いている岩尾根です)
最後のほうになると、岩の露出した急斜面が立ちはだかり、ここは若干手も使って登ることになりました。
こんな調子で、梅の木尾根の上部はずっと楽しんで歩くことができたので、また来てみたいと思っています。
ただ、やせ尾根の区間もアップダウンが続き、登りが急斜面になることも多いため、その前からの疲労感を持ち越して入ったこの日は、大山の稜線に出る手前で、疲労の蓄積から足があまり上がらなくなってしまいました。
梅の木尾根を余裕を持って楽しむには、余計な寄り道をせずに、最初から尾根に直行するべきだったようです。


梅の木尾根を登り詰めると、この地点で大山と三峰山を結ぶ稜線の縦走路に出ました。
写真右下から上がってきて、誤進入防止のロープを跨いで縦走路に入ってきた形です。
ずっと人に会わずに歩いて来ましたが、縦走路に出た途端、単独行の男性とすれ違いました。
なお、道標の上部には「↑梅ノ木尾根」と親切にマジック書きされていましたが、下降時に進路を誤りやすい箇所がいくつかあったため、この尾根を下りに使うのは歩き慣れてからのほうが良さそうです。
このあたりの縦走路は穏やかで、なかなかいい雰囲気です。一般登山道ってなんて歩きやすいんでしょうか。
ただ困ったことに、すでに疲労困憊の領域に達しつつあって、雰囲気の良さを楽しんでばかりもいられません。
稜線上からはたびたび大山を望めますが、標高差はまだ350m以上あり、絶望的な眺めにも感じられました。
普段ならスルーしたであろう、カンカン照りの下のベンチも、今の私にとってはオアシスでした。この時点で疲労感が半端ではなく、休み休み少しずつ登るのがやっと。この状況であと350mも登れるものなのか、登れたところで無理なく下れるのか、撤退が適切な選択ではないか、と、このベンチでさんざん逡巡しました。


迷った挙句、登りがしんどいだけで、平坦な道や下りではまだ普通に歩けたため、さすがに撤退の決断は難しく、もう少し頑張ってみることにして、見晴し台からの超メジャーコースとの分岐点まで登ってきました。
ここまでで体力の限界が感じられたら、頂上が目前のこの地点から、見晴し台に下ってしまう選択肢もありました。でも、あと100m少々ならばなんとかなりそうなので、頂上を目指す決心をようやくここで固めました。
大山の頂上直下は木段が連続して、さほど疲れていなくても苦しい場所なので、とても普通には登れません。
ゆっくりと1段1段を踏みしめつつ、さらにたびたび立ち止まって呼吸を整えて、どうにか登り切りました。


お昼どきと重なり、大山の頂上には人がいっぱいでした。標柱の向こうの関東平野は霞んでいます。
景色が霞んでいるからか、展望盤には人だかりがありません(この時たまたまだとは思いますが)。
山頂茶屋も大賑わいでした。
なんと6回目の登頂にして、ついに三角点を発見です。
昨年も一昨年も探したのに見つけられなかったのですが、こんな所にあったのね。
海側の眺めは、ぼんやりとしていて今ひとつ。梅の木尾根にいた頃まではクッキリと見えていた江ノ島も、辛うじて分かる程度になっていました。下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
頂上の北側からの展望も、主役になるはずの富士山が雲の中で裾野しか見えず、近くの丹沢一帯を見渡せるにとどまりました。下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


頂上を後にして下り始めてみると、下りは案外普通に歩けるようで安心しました。石ゴロで歩きにくい上に、傾斜も比較的急な道ですが、いつものように快調に下り、コースタイムの半分で蓑毛への分岐点に着いています。
大山の主要登山道の中では唯一、蓑毛に下る道をまだ歩いていなかったので、蓑毛方向に進んでみました。
すると石ゴロの箇所は少なくなりましたが、木段がずっと続いて、相変わらず歩きにくかったです。
次の下社への分岐までは人を時折見ましたが、その分岐を過ぎてなお蓑毛に向かうと、ほとんど人がいなくなります。そして、段差がない普通の坂道に変わり、こんな穏やかな区間もあったりして、歩きやすくなりました。
蓑毛越に来るのは2回目で、4年前の前回は前方から来て左手に折れています。この手前にはショートカットする近道もあるのですが、その時の足跡と繋げたくて、少し遠回りしたのでした。今回はここを右手に下ります。


蓑毛越からの下り始めは、苔むした石垣に守られた道が続きました。
大山への参道として、古くから良く歩かれていた道のようです。
その後も下りは順調そのもので、普段通りのペースで車道まで下って来ました。もうバス停はすぐ先です。
ゴールの蓑毛バス停に到着です。あと5分だけ早く着けば1本前のバスに乗れたのですが、それがヤビツ峠発の便だと分かっていたので、敢えて間に合わせることはせずに、ここ始発の便に合わせて歩いてきました。

タグ:丹沢
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