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牛奥ノ雁ヶ腹摺山・小金沢山・大菩薩嶺 [大菩薩とその周辺]

2015/10/10(土)

■第310回 : 牛奥ノ雁ヶ腹摺山(1990m)・小金沢山(2014m)・大菩薩嶺(2056m)


今年は比較的地味な行先ばかりが続いていたからか、たまにはメジャーな所にも行ってみたくなって、5年ぶりに大菩薩に向かいました。今回のコースは、2009年に1度歩いている小金沢連嶺の一部に、登頂が4回目を数えるものの単独行では2006年に1度登ったきりの大菩薩嶺の周回を合わせたものです。
3連休の初日ということもあってか、大菩薩界隈は予想通りに賑わっていましたが、小金沢山あたりではほとんど人に会わずに静かに歩くことができて、楽しみにしていたこんな風景との再会も果たせました。

 累積標高差(登り):994m / 距離:11.8km / 歩行時間:4時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間5分 

(往路)
古淵 05:50-06:12 八王子 06:35-07:38 甲斐大和
甲斐大和 (増発便)07:45-08:15 大菩薩湖入口

(登山行程)
大菩薩湖入口バス停 08:20
牛奥ノ雁ヶ腹摺山  09:40-09:50
小金沢山      10:15-10:25
石丸峠       11:10
大菩薩峠      11:35-11:40
雷岩        12:10-12:15
大菩薩嶺      12:20-12:30
雷岩        12:35
上日川峠バス停   13:10

(復路)
上日川峠 14:00-14:45 甲斐大和 15:30-16:30 高尾
高尾 16:31-16:38 八王子 16:49-17:01 橋本
橋本 17:04-17:15 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

3連休初日で混みそうなので、甲斐大和駅で下車したら速攻でバス停に向かいましたが、まだ早い時間にもかかわらず続々と登山者が続いてきます。この状況から臨時便が2本出ることになって、その1本目に乗りました。
臨時便がすぐに出発してくれたおかげで、「大菩薩湖入口」バス停には予定より25分も早く到着できています。これから歩くのは比較的マイナーなコースなので、満員のバスからここで降りたのは私だけでした。
5分ほどバス道路を戻って、左に分岐するこの林道に入ります。バスは自由乗降なので、この前で降りることも可能でしたが、それではスタート地点の写真がサマにならなそうなので、バス停まで乗って行ったのでした。
林道が最初にカーブする地点で、1つ手前の「すずらん昆虫館前」バス停から上がってくる道が合流しました。
登山地図に書かれている正規のコースはそちらなのですが、今回のように1区間余計にバスに乗ると、スタート地点の標高を100m近く上げられるため、そうして歩き始めの区間をショートカットした形になっています。
こんな林道を15分ほど登ります。マイナーコースらしく、前後に人の姿が見当たらず、当分は静かに歩けそう。
ふと右手を見ると富士山が目に入りました。雲が多くてスッキリしない天気なので、いつ見納めになるか分からないからと、一応写真を撮っておきましたが、結果的に富士山は最後まで頑張って見えてくれていました。


林道の終点に達すると、その先に登山道が続いていました。
「登山道入口」の標識に従って、いよいよ山道に入ります。
山道は、細いながらも明瞭に続いていきます。現在は一般登山道に昇格しているものの、私が持っている2012年版の登山地図では赤破線路だった道で、向かう先も割と地味な山なので、今でも歩く人は多くないのでしょう。
そんな訳で、ここからはクモの糸にかかりまくりでしたが、巣というほどにまで成長したものがなく、あまり不快な思いをせずに助かったので、早朝にでも誰かが歩いてくれていたのかもしれません。
山道が始まって7~8分で、日川林道を横断します。ここまでは、山道の右手側に伐採地が多く見られるなどして、自然の中を歩いている気分にはなれず、付け替えられた様子がある道も歩きやすくはありませんでした。
ここまでの道は、私製の小さな標識による最小限の案内だけが頼りでしたが、林道を横断した先には立派な道標が立っていたほか、木段もここで初めて現れて、ここからようやく登山道らしくなります。


といっても伐採地はもう少し上まで広がっていて、そこを抜けるまでは木段ばかりの苦しい区間が続きました。
やっと森の中に入ると、俄然雰囲気が良くなって、気分も一気に清々しくなります。ただ、ほとんどジグザグを描かず直線的に進む箇所が多い道は、傾斜が強まれば登るのもキツくなり、楽には歩かせてはもらえません。
道は引き続き明瞭で、迷いようのない1本道でもあるのですが、時折こうして道標が道案内をしてくれました。


かなり登った頃、地面に少しずつササが現れるようになって、森の雰囲気が変わり始めました。
標高が1900mを過ぎると、所々で景色が開けるようになります。雲が多かったこの日、展望にはあまり期待できないと思っていたのですが、意外にも南アルプスや八ヶ岳が、霞みながらもちゃんと見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
特にこの富士山の見え方には、水墨画調の趣があって、すごく気に入りました。
さらに登ると、地面をササが覆うようになって、小金沢連嶺らしい雰囲気がじわじわ迫ってきました。
いよいよササが深くなってくると、頂上はもう間もなくです。


牛奥ノ雁ヶ腹摺山の頂上に出ました。誰にも会わずに登ってきましたが(途中で見掛けたのは鹿2頭のみ)、この頂上も無人で、目論見通りにもうしばらくは静かに過ごせそうです。
あまり広い頂上ではなく、周囲の景色も、ほとんどの方向は木立の間からの眺めでした。
なぜか頂上には、登ってきた道を案内するきちんとした道標はなく、私製の標識が「下山道(日川林道経て県道バス停方面)」と示しているだけ。でも歩きにくい箇所はなかったので、下りでも全く問題ないと思います。
さすが秀麗富嶽十二景(大月市選)の二番山頂に選定されているだけあって、富士山の方角だけは開けていました。富士山は相変わらず味のある見え方をしています。 (下の写真にマウスを乗せると、山名を示します)。


牛奥ノ雁ヶ腹摺山から小金沢山へ向かうと、最初は気持ちの良いササ原の稜線を歩き始めます。
この区間を6年前(2009年)に歩いた時は、ササ原の中に何本かの道が交錯して分かりにくい場所があったのですが、今では明瞭な1本道になっていて、進路に不安を感じることはありませんでした。
比較的風景が絵になる場所ばかりで写真を撮っていますが、実際にはこんな気持ちの良い道がずっと続くわけではなく、稜線を外して樹林の中を進むこともあって、そうなると結構歩きにくい道になったりもするのでした。
この日、稜線上は相当涼しかったのですが、それでも紅葉にはまだ早く、色付いた木々は稀に見る程度でした。


小金沢山に到着しました。バス道路を離れてからというもの、全く人を見ていなかったのですが、ここで初めて2人組の先客と挨拶を交わしたほか、休憩中には単独行の人たちがさらに2人現れています。
小金沢山も、牛奥ノ雁ヶ腹摺山とともに秀麗富嶽十二景の二番山頂に選定されています。
小金沢山の標高は2014m。来るのが1年遅かったか。
小金沢山では、東から南にかけての方角を眺めることができます。南側には富士山が見えていたほか、富士山の左側には、先ほどまでいた牛奥ノ雁ヶ腹摺山が、奥にある黒岳と重なるようにして見えていました。


小金沢山の先になると、樹林の中を小刻みにアップダウンする道が続くようになり、足元の悪い場所も少なくなくて、次第に足に疲れが溜まってきます。一部では道が不明瞭になっていて、進路に迷う箇所もありました。

どうにか樹林帯を抜けると景色は一転。この開放的な景色に再会したくて、このコースを選んでいたのです。
狼平と名付けられた付近の様子です。このあたりの風景が、大菩薩エリアの中で一番好きかもしれません。
写真右手の天狗棚山を越えた先に石丸峠があり、さらに写真左手の熊沢山を越えると、その向こうに大菩薩峠や大菩薩嶺があります。 (下の写真にマウスを乗せると、山名を示します)。
小金沢山からのアップダウンが響いて、足が重たくなっているので、天狗棚山への登りは少々苦しく感じます。
そんな折、天狗棚山を巻く道らしい踏み跡を発見。みんな考えることは一緒なんだと思いながら入ってみると、最初明瞭だった踏み跡は、次第にササに埋もれるようになり、しまいにはササ藪漕ぎとなってしまいました。
それでもササを分ければちゃんと地面に道が続いているのが分かって、天狗棚山の向こうで登山道に復帰できたのは良かったのですが、帰宅後に過去の記録を振り返ると、なんと6年前にも全く同じことをしていたらしい。


天狗棚山を過ぎれば、間もなく目の前に石丸峠が現れます。ここの景色も私の超お気に入り。
それにしても、正面の熊沢山の向こうが大混雑の大菩薩峠にもかかわらず、ほんのひと山越えただけでこんなに人が少ないのはなぜなんでしょう。しかも、別に見所がない訳ではなく、こんなに素敵な景色が見られるのに。
石丸峠で、歩いて来た方向を振り返ったところです。1度ここで、のんびりと過ごしてみたい。
熊沢山に少し登りかけたあたりで石丸峠を振り返りました。何度見ても飽きない景色です(冒頭と同じ写真)。
もう少し熊沢山に登って、再度振り返りました。左下隅が石丸峠、その上が天狗棚山で、そこから右に下る稜線の右端あたりが狼平です。狼平の左上で少し霞んで見えているのは雁ヶ腹摺山(牛奥ノ雁ヶ腹摺山とは別)。


大菩薩峠は案の定ごった返していました。落ち着かないのでスルーしようかとも思いましたが、小金沢山から休みなしで歩いてきたので、腰掛けられる場所が見つかったこともあり、5分ほど滞在して少し息を整えました。
最後に、本日の最高点・大菩薩嶺を目指します。結構疲れてきましたが、幸いこの先にはもう、苦しくなるような急な登りはありません。人が多いので、歩くペースも先行者との兼ね合いやすれ違いの状況次第となります。
賽ノ河原を通過します。人が多いように見えないのは、写り込む人が少なくなるチャンスを狙って撮ったから。
雷岩まで来れば、頂上へはわずかな登りを残すのみ。頂上は展望がないので、ここで展望を楽しんでいきます。
雷岩の上からの展望です。朝から高曇りで長くは持たないだろうと思っていた展望が、正午を過ぎたこの時間まで、悪いなりにもそこそこ見られたのは上出来だったと言えるでしょう。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


大菩薩嶺の頂上は樹林に囲まれていて、全く展望のない地味な地点。多くの人は記念写真を撮ったらほかにすることがなく、すぐ下に雷岩という気持ち良く過ごせる場所があることもあって、ここで長居する人は少数です。
午後に入って、登頂のピークを過ぎていたからか、写真の順番待ちも1組だけですみました。
一旦通り過ぎてから振り返っていますが、ここに写っているのがほぼ全部という、手狭な頂上です。
日本百名山と山梨百名山の標柱を1本で兼ねているのは、ちょっとほかでは見たことがない気がします。


さて、ここで下山先を思案することになりました。当初の計画では、まず反対側の丸川峠へ下り、その先で柳沢峠へと足を伸ばすか、それとも裂石へ下るかは、バスの時間との相性を見て決めるつもりでした。どちらにせよ、この先は人が少なくなって、再び静かに歩けることが期待できるコース取りです。
ところが、最初にバスの臨時便に乗れて予定よりも早くスタートした上に、その後も順調過ぎるくらいのペースで歩けてしまい、どちらに下っても、バスが来るのをかなり待つことになってしまいそうな按配でした。
それでも初めて歩くコースならば、計画の変更は考えなかったと思いますが、どちらも過去に歩いていて、特段のこだわりがありません。天気予報以上に雲が多くて、空模様がいつまで持つかも気になるところです。
少し悩んだ結果、短時間で下れて、バスもコンスタントに出ている上日川峠に行先を変えることにしました。

ということで、雷岩まで戻ったら、唐松尾根を下ります。メジャールートではあるものの、急坂のため下りに使う人は多くないはずで、これから登るという人も減ってきたこの時間、そんなに混んでいないと思われました。
しかし想定外だったのが、煩わしいガレ場が長く続き、なおかつ傾斜が急で歩きにくくて仕方なかったこと。この道はこれまで登りで使ったことしかなく、下りでここまで歩きづらいとは認識できていなかったのです。
こんなガレ場の連続に、いい加減嫌気が差してきますが、悪路には慣れているほうなのでグングンと下ります。
長く感じたガレ場が終わって、道が穏やかになると、ようやくホッとひと息つくことができます。
ここまで順調に下れたことで、バスの時間との折り合いはすごく悪そうな感じですが、朝のように人が多ければ臨時便も期待できそうなので、この先もとりあえず一目散に下ってしまうことにしました。


福ちゃん荘の前に出ました。ここまで来れば、もうあとひと頑張りなので、このまま歩き続けてしまいます。
福ちゃん荘と上日川峠の間は、いつも山道ばかりを選んでいたので、今回は車道を歩いてみることにしました。
多少のアップダウンがある山道と違い、一定の下りが続いたことから、体力的には楽だったのかもしれません。でもその一方で、硬い路面が足への負担に感じられたので、少なくとも下りにおいては、どちらも一長一短という印象です。なお、山道はすぐ右手の斜面に付いていて、そこを歩く人たちの姿も車道から良く分かりました。
上日川峠に到着したのは、1時間おきのバスが出た10分後というタイミングの悪さ(頂上で悩まずにすぐ下り始めていれば、1本前に間に合ったのでしょう)。すでに次のバスが2台停まっていましたが、その運転手とほかの登山者との会話を聞いていると、帰りのバスは定刻にしか出していないらしく、ここで50分待ちが確定です。
バス停の前で、腰掛けて待てる場所といえば、ロッヂ長兵衛のベンチくらいのもの(下の写真)。タダで座るのもどうかと思い、アイスクリームを注文して食べながら待つことにしました。なんて商売上手なんでしょうか。
ところで、朝の甲斐大和駅の混雑はどこへやら、その後もバス停にさほど人は集まらず、意外にもバスは1台だけでしかも空席を残しての発車となりました。朝1番のバスで来た人たちは、大半がこの上日川峠からの周回なので、1本前の便に間に合っていたり、または食事休憩などで帰りの時間がバラけてしまったのでしょうね。

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