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花貫渓谷・土岳 [茨城]

2015/11/22(日)

■第314回 : 花貫渓谷・土岳(599m)


そういえば今年は、まだ紅葉らしい紅葉を見ていませんでした。
この日に紅葉狩りができそうな行先をと考えたとき、関東地方の大半が曇りと出ていた天気予報の中で、北関東だけは日差しが期待できそうだったので、茨城県の北部にある花貫渓谷まで遠出をしてきました。

もちろんそれだけが目的ではなく、その足で近くにある3つの山々を巡って、紅葉狩りと山歩きの両方をしっかり堪能する、という計画です。ところが2つめに登ろうとした山でハプニングが発生。登山道がとても歩ける状況ではないために、登るのを途中で断念せざるを得ず、その先の計画も破棄することになってしまいます。
結果的に、低山1つを軽く登り下りしただけで終わって、やや消化不良気味の山歩きとなってしまいました。

 累積標高差(登り):469m / 距離:8.8km / 歩行時間:2時間40分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:49 東神奈川 05:50-06:15 品川
品川 06:44-08:44 高萩 09:00-09:20 花貫駐車場

(登山行程)
花貫駐車場  09:20
小滝沢登山口 09:55
土岳     10:40-10:50
中戸川登山口 11:20
花貫駐車場  12:10

(復路)
花貫駐車場 12:30-12:50 高萩 13:01-13:42 勝田
勝田 13:47-15:23 品川 15:27-15:50 東神奈川
東神奈川 15:51-16:24 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR常磐線の朝1番の特急に乗って、高萩駅まで来ました。茨城県内の山行では、今回が最北地点となります。
花貫渓谷への路線バスはありません(平日運行の路線はあるものの、通勤通学ダイヤで観光利用には適さず)。
ただし先週・今週の土日祝(計5日間)に限って、シャトルバスの運行があるので、それを利用しました。
9時発の便は乗客が6名だけとガラガラで、なんだか寂れた観光地にでも行くような雰囲気。でも乗客が少なかったのは時間がまだ早かったからで、混み始める前に来ておいて良かったと、のちに実感することになります。
花貫駐車場までは渋滞もなくスムーズに走れて、ダイヤ通りに到着しました。
駐車場はすでに満車になっていますが、駐車場への脇道に入ってから空車待ちの列が少しできていた程度です。
ところが帰る頃になると、国道にはみ出した空車待ちの列が国道上を延々と塞いで大渋滞を引き起こし、シャトルバスも身動きが取れない状況になっていたので、早起きして朝1番の特急で来たのは大正解だったのでした。
駐車場には多数の露店も出ていて、早くも散策を終えたらしい人たちなどで結構賑わっていました。


花貫駐車場の奥で不動滝への案内を発見、見ると「この先30m」となっています。事前の調査不足で全くの予定外だったのですが、すぐに帰って来られそうな距離なので、寄ってみることにしました。
すぐに花貫川の川辺に下りると、道が分岐していました。どうやら不動滝と乙女滝の2つがあるようです。
まず先に乙女滝へ。落差はせいぜい数メートルと小さくて、割と平凡な印象でした。
不動滝は少し離れて見る形となり、落差が小さい上に斜めに滑り下りる感じで今ひとつ迫力不足。紅葉とセットで見られるという訳でもなく、物足りない印象にとどまったので、写真だけ撮ったらまた駐車場に戻りました。


寄り道を終えたら、案内図で「紅葉並木」と書かれているエリアに向けて、車道を歩き始めます。
吊り橋がある分岐点まで来ました。ここから先の遊歩道は周回できるようになっていて、観光客はぐるっと1周するのが普通なのでしょうが、私は途中から山に入るため歩くのは片道だけで、こちらの道には入りません。
ということで、吊り橋だけ途中まで渡ってみましたが、橋の左右からせり出す紅葉で錦の彩りに染まるのを期待していたところ、この通り落葉が進んでいて、なんともパッとしない見栄えでした。今年は紅葉の進行が早いと聞いていましたが、ここでもとっくに見頃は過ぎてしまっていたようです。
橋から上流側を見ると小さな滝がありました。橋の名前が「汐見滝吊り橋」なので、これが汐見滝なのでしょう。小振りで印象は今ひとつですが、紅葉がもっと鮮やかであれば、もう少しサマになったのかもしれません。


吊り橋と分かれて、車道をさらに進みます。左手に寄り添う花貫川は、吊り橋より上流でもやはり紅葉は見頃を過ぎていましたが、川辺の佇まいがとても綺麗で、紅葉の具合とは関係なく景色を楽しむことができました。
それでも奥のほうには、まだまだ紅葉が楽しめる場所が残っていました。
落葉が進んでいた右岸と、まだ彩りの残る左岸とが対照的です。日照の違いによるものでしょうか。
このあたりから先では、しばらくこんな景色が続きました。
道路上に積もった落ち葉の様子からしても、最盛期と比べれは紅葉の密度はかなり落ちていたのでしょうが、この時間は日差しがなかったので、このくらいの淡い色合いがちょうど程よい感じだったのかもしれません。
このモミジが一番鮮やかだったでしょうか。


渓谷遊歩道の一番奥に、土岳への登山口がありました。
頂上までの標高差は400m足らずですが、登り始めるとすぐ、階段状の道が続く区間が現れます。段差が大きな箇所もたびたびで、早々に息が上がってしまい、低い山だからと油断はできないのでした。それにしても、渓谷から離れた途端、時折晴れ間が現れるようになるとは。渓谷にいる間に、紅葉を日差しの下で見たかった‥‥。
階段状の道が終わっても、その先には岩が露出した斜面が続いていました。急斜面というほどではないけれど、こうなると直線状に登るしかなくて、引き続きグングンと高度を上げていく苦しい道のりです。
時々手を添えれば登れる程度の岩場で、下りでも問題はなさそうですが、頂上手前までずっとこんな道でした。


途中に現れた「大黒岩」。名前の由来とかは分かりませんでしたが‥‥。
苦しい登りが続きますが、中には紅葉が楽しめる箇所もありました。
岩の斜面をようやく登り切ると、降り積もった落ち葉を踏みしめながら歩ける、気持ちの良い道になりました。
そして、穏やかな尾根道を歩くようになると、頂上はもう間近。
さすがに標高を上げると木立の落葉が進んで、木漏れ日が注ぐ明るい冬枯れの道に変わりました。


土岳の頂上に到着しました。頂上部は、ほぼ平坦な地形がかなりの面積で広がっていて、周囲の樹木も東側を除けば疎らで見通しが良く、とても開放的な雰囲気です。
ゆったりとした雰囲気の頂上で、このとき居合わせたのはほんの数人だけ。たくさんあった休憩用のベンチも多くは人待ち顔で、のんびりとした気分で落ち着いて過ごせました。また、時折吹く風は少し冷たかったですが、頂上にいる間は薄日が差していて、何も羽織らなくても寒くなかったです。
三角点は、きっちり最高点と思われる場所に埋まっていました。
立派な展望図も設置されていました。この展望図の広角ぶりから察するに、晴れ渡った日に展望台の上に立てば、きっと大パノラマが楽しめるのでしょう(展望図には日光連山や富士山の名前も)。
とはいえ薄曇りが続いたこの日、展望台に登ったところで、見渡せるのは近い範囲にとどまっていましたし、滅多に来ないエリアなので、どの方向を見てもほとんど馴染みのない景色となります。でもそんな中で、南側に1年前に縦走したばかりの羽黒山・神峰山・高鈴山が見えていたのが、懐かしく感じられました。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名を示します。
こちらは、西側を中心とした180度近い展望の様子です。茨城県の北部は低い山々が高原状に連なっているのですが、さらに遠くにある山々が見えていなかったことで、そのことが良く分かる眺めになっていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


土岳の頂上を後にして、なだらかに広がる頂上部を振り返りました。
下りは、カミナリ用の避難棟の前から、道標に従って中戸川登山口に向かいます。
花貫渓谷からの登りでは、多くの人たちとすれ違っていたのに、こちらの道に入った途端に誰とも会わなくなって、このあとはもう花貫駐車場に戻るまで、ほかの登山者を見ることはありませんでした。
すぐ下にあるキャンプ場までは、良く整備された道です。木段の連続で、下るのは煩わしかったのですが。


けやき平キャンプ場に出ました。ここには車で来ることもでき、その場合は10分少々で頂上に立てることになりますが、そんな短い時間では(しかもあの木段を登るだけでは)、登山の楽しみを感じる間もないでしょうね。
かなり広いテントサイトがあり、この日は分かりませんでしたが、太平洋を望むことができるようです。
中戸川登山口への下り口は、キャンプ場の端にありました。


登山道ははじめ細くて心許なく、誰にも会わなくなっていることもあって若干不安も覚える歩き出しです。
その後、道は明瞭になり、間違いやすそうな箇所では道標による案内もあって、問題なく足を進めることができました。ただ、かなり深い森の中を、ほかに誰もいないだろうと確信しつつ歩くのは、少々心細かったです。
急な登りが連続した花貫渓谷からの道と対照的に、こちらは緩やかな傾斜ばかりが続きます。
平坦に近くて、そこが坂道であることを意識せずに歩けるような区間も多く、ウネウネと曲がりながら進むうちに方向感覚を失ってしまったこともあり、森の中を「逍遙する」という表現がピッタリくる感じでした。
 (もっとも杉の植林が大半で、森自体が持つ雰囲気はそこまで気持ちの良いものではありませんでしたが)
快適に歩けるので飛ばしていたら、20分ほどで中戸川登山口に着いてしまいました。
車道に下りた地点から、歩いてきた道を振り返っています。


中戸川集落ののどかな景色を見ながら、しばらく車道を進みます。
縮小写真では分かりにくいですが、民家の庭先で何本もの柿の木がたわわに実を付けているさまが見事でした。
とはいえ小さな集落のこと、すぐにそこを抜けてしまうと、沿道に何もない道が続くのが、少々退屈でした。
花貫駐車場のほど近くまで戻ってきて、国道に出た時に飛び込んできた景色には、少し驚かされました。
駐車場への脇道から延びてきた空車待ちの車列が国道上まで続き、かなり先まで片側車線を完全に占拠している状況。花貫渓谷がお目当ての車はともかく、別の目的地へ行くのに巻き込まれただけの車には大迷惑でしょう。
  ※分かりにくいので、下の写真にマウスを乗せると、渋滞部分を明示します。
でもこの時点では、冒頭に書いた通り、このあとさらに2つの山々を巡る計画でした。そしてその後は、全然違う方向の登山口に下る予定だったので、この渋滞は全くの他人事だと思っていたのです。


そう、実は1つ前の写真を撮った地点で右を向けば、目の前にこの登山口があるのでした。
ここから、まず都室山に登り、さらに稜線伝いに横根山を踏んだ後で、沢尻湿原を経て福平へと下る計画です。
ところがこの登山道、何故だかろくすっぽ歩かれていない様子なのでした。道には草が生え放題で、木の枝や石などの散乱も多くて歩きにくく、荒廃しかかっている、と言える状況です。
すぐに藪っぽくなり、トゲのある植物が多いために、草を掻き分けて進むのもひと苦労。しかも、少なくともこの日はまだ誰も歩いていないらしく、クモの巣にも引っかかりまくるので、非常に不快です。
倒木もそのままで、ここなどはザックを背負ったままでは通り抜けられませんでした。
進むうちに急速に藪が深まって、道の所在が分からないほどになるのに、そう時間はかかりませんでした。
まだ登り始めて数分しか経っていませんが、あまりの煩わしさでとっくに辟易していたこともあり、無理して道を探してまで進む気になど到底ならず、ほとんど躊躇うこともなく撤退を決めています。
実は最後に登る横根山は、イワウチワの群落が見所の花貫さくら公園からの登山道で滑落事故が多発したため、そのコースが通行禁止となっていて、それ故に、横根山からは反対側の福平に下る計画を立てて来たのです。
ただ、元々イワウチワの群落をお目当てに、その花期にそのコースを登る人しかいないような山だったから、そこが通れなくなった今、ほとんど登る人がいなくなったのかもしれません。横根山とセットで登られることが大半だった都室山にも、同様に人が入らなくなって、それで登山道が荒れてしまったものと想像しています。


それはさておき、登山口まで逃げるように戻りながら、この先どうするかを考えました。
この日最初に歩いた花貫川沿いの遊歩道は、ここから下流方向にも続いていて、花貫ダムの近くにある花貫さくら公園まで行くことができます。まだ歩き足りない気分をそれで満たそうかとも思いましたが、難点はその場合に帰りの足がなくて、路線バスが通る所まで延々と国道を歩かなければならなくなることでした。
結局、ダダ下がりのテンションでは頑張る気もあまり起こらず、あとは大人しく帰ろうと決めてしまいます。

そう、花貫駐車場ならばもう目と鼻の先にあって、国道を少し歩いたらここを左に曲がるだけ。あとはバスに乗りさえすれば駅まで連れて行ってもらえるので、予定変更であれこれと調整し直す手間もかかりません。
それにしても、この渋滞、一体どこまで続いているんでしょうか?
スタート地点の花貫駐車場まで戻ってきました。時間は12:10です。
次のバスは12:35発で、まだ25分も余裕があります。だから露店で何か買って食べる時間くらいあるだろうと思っていたら、乗り場に予想外の結構長い列ができていたので、買い物をやめてそこに加わりました。
聞けば渋滞でバスが全然進まず、2本も前の11:30発がまだ来ていないとか。それで2台分のバスを待つ人が溜まり、しかもそれがいつ来るか分からないと言われ、なんと渋滞の影響が自分にも及ぶことになったのです。
結局11:30発のバスは、約1時間遅れてやっと到着。でも元々12:35発に乗るつもりだったのを思えば、むしろ5分早く発車するのに乗れて、その点は結果オーライでした。(この状況に気付かず、先に露店に行ってしまって、発車時刻寸前に乗り場に戻る気でいたら危なかったけれど)

バスが国道に出ると、駅へ向かう側の車線はスイスイと進むので、あとは涼しい顔で乗っていられたのですが、反対車線には渋滞が延々と続きます。どこまで延びているのかと車窓から見ていたら、花貫ダムを過ぎてもまだまだ続き、市街地に出るまでの半分ほどのあたりに最後尾があって、その長さは2km以上になっていた模様。
渋滞区間に入ってしまったらほぼ1本道で、ほかに逃げようがないのも致命的です。私はほとんど不利益を被らずにすみましたが、花貫渓谷には何の用もなくて、ただ巻き込まれただけの車はたまらなかったことでしょう。

wiki情報等によれば、もう何年も同じことが繰り返されている模様。それに対して、今回私が利用したシャトルバスは、2012年頃に運行が始まったらしく、地元としてできるところから手を打ち始めている様子は窺えます。
年に数日のことでしかないので、あまり思い切ったことはできないのかもしれませんが、観光客をもっと積極的にシャトルバスに誘導するなど、渋滞緩和に向けたさらなる対策が講じられることを望みたいと思います。

タグ:茨城
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