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八王子城山・富士見台・高ドッケ [高尾・陣馬]

2016/11/20(日)

■第339回 : 八王子城山(460m)・富士見台(550m)・高ドッケ(560m)


今回歩いたのは、ここ数年の間に新たに整備されたらしい、私自身その存在を最近になって知ったコースです。ほとんどの登山道を歩いてしまった感のある高尾界隈でも、探せばまだ知らない道があったりするものですね。
歩きやすくて快適だったその新しいコースは、分岐点ごとの道案内も万全で、親切な道標の数々に細やかな心配りが行き届いているなど、整備されている方々の愛情が感じられて、とても気持ち良く歩いてきました。

また、スタート地点の心源院で、ささやかながら紅葉が楽しめたり、コース後半の富士見台では、人混みとは無縁の中で静かに富士山を眺めることができたりと、ショートコースの割にはいろいろと見所もありました。まだあまり知られていないコースのようですので、今回は普段より写真を多めに使って紹介したいと思います。

 累積標高差(登り):792m / 距離:8.1km / 歩行時間:3時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間5分 

(往路)
古淵 06:33-06:55(先発遅延06:29-06:50) 八王子
八王子 06:58-07:05(遅延07:06-07:14) 高尾
高尾 07:20-07:28 川原宿大橋

(登山行程)
川原宿大橋バス停 07:30
心源院      07:35-07:45
秋葉神社     07:50-07:55
向山北砦     08:05
大六天      08:15-08:20
八王子城山    09:10-09:15
富士見台     09:50-10:00
高ドッケ     10:20-10:25
富士見台     10:40-10:45
小山神社     11:20-11:30
裏高尾バス停   11:35

(復路)
裏高尾 11:44-12:01(臨時11:40-11:58) 高尾
高尾 12:01-12:08(遅延12:04-12:11) 八王子
八王子 12:30-12:42 橋本 12:44-12:55 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

高尾駅から、このバスに少しだけ乗って行きます。後方で陣馬高原下行きの乗り場に長い列ができているのと対照的に、こちらの乗客は2人だけ。並んで待つ必要もなく、発車間際まで写真を撮っている余裕もありました。
高尾駅から10分ほどの川原宿大橋でバスを降ります。周囲に歩いている人の姿はほとんどありません。自宅付近では、雨は夜中には上がった様子でしたが、このあたりは明け方まで雨が残っていたような道の濡れ方でした。
バス通りを戻る形で川原宿大橋を渡っていると、川の上流側にこれから歩く予定の尾根が良く見えていました。


川原宿大橋バス停から5分ほどで、登山口でもある心源院に到着です。紅葉の名所として知られる程ではないけれど、そこそこ楽しめる場所だとの情報を得ていたので、見頃であろう時期に合わせて出掛けてきてみました。
本堂に向かって左手のモミジやイチョウが、いい感じに色付いています。
まだ朝早い時間ということもあってか、境内にこの時いたのは私だけ。このくらいの規模の紅葉でも、人混みに紛れずに静かな中でのんびりと楽しめることが、なによりも心地良く感じました。来てみて良かったです。
色付いている樹木の本数は少ないながら、1本1本はやはり綺麗でした。
こちらの2本は、色付くのはまだこれから、という様子でした。もうしばらくの間は楽しめそうですね。
私がいた10分ほどの間、結局ほかには誰も現れませんでした。朝早くに来てみて、静かに楽しめたのは目論見通りだったのですが、境内がまだ日陰の時間帯だったとは!(この点はさすがに事前には思い至らず)。このため、撮った写真はどれもくすんだ色合いになってしまいましたし、明るい陽光の下でも見ておきたかったです。


紅葉を十分に楽しんだら、心源院の境内を後にして、奥にある秋葉神社の鳥居をくぐって登山道に入ります。
はじめはスロープ状のジグザグ道を登っていきます。登山口には、誰でも自由に使えるようにと、たくさんの杖が置かれていて、有志の方々がボランティアで整備したらしい道ならではの暖かな雰囲気が感じられました。
ジグザグ道を登るにつれて、次第に心源院の境内を上から見下ろすようになりました。
境内にまで朝日が差し込むのは、もうしばらく時間が経ってからになりそうですね。


最後に少しだけ石段を登ると、その上が秋葉神社の境内でした。
心源院から秋葉神社までは、写真を撮りながらゆっくり登って5分というところでした。この日は朝から気温が高めで、まだいくらも歩いていないのに汗ばんできたので、早くもここでジャケットを脱いでいます。
まだ、すぐ下に心源院があって、さほど高い場所というわけではありません。でも、ちょっとした山の上にある(のもまた確か)にしては、狭い境内ながら立派な神楽殿があるなど、風格が感じられる神社でした。


秋葉神社の本堂の奥から、いよいよ登山道が始まりました。穏やかな尾根上に付いている、緩やかで歩きやすい道です。最近になって登山地図に載るようになったにしては、良く踏まれていて道幅も広い印象でしたから、整備が進んだのがここ数年のことだったとしても、道は以前からあっていくらかは歩かれていたのでしょう。
こうしたベンチが随所に置かれていて、手間を惜しまずに心を込めて整備した様子が窺えました。
心源院~向山北砦間には、実はコースが3本もあって、今回選んだのは一番歩かれている秋葉神社経由のコースです。この地点で、残る2本のうち男坂コースが合流しますが、そちらは倒木で通行止めとなっていました。
はじめのうちコースが3本あるのは、尾根が末端で3本に分岐して、そのそれぞれに道が付いているからなのですが、周囲の景色を見ながら進んでいると、目前に迫った次の小ピークで、まだ合わさっていないもう1本の尾根が合流するのが分かりました。実際に道標が立っているのも見えて、確かに分岐点になっているようです。
その分岐点が向山北砦で、右から女坂コースが合わさります。振り返ると歩いて来た方向が開けていて、ここで尾根が2つに分かれることや、それぞれに道が付いて心源院の方向に下って行く様子などが良く見て取れました。なお、さらに暑くなってきたので、ここでフリースのベストも脱いで、山シャツ姿になっています。


向山北砦の先も、道は引き続き穏やかでした。
ほどなく次の分岐点が現れます。このコースは分岐点ごとに必ず分かりやすい道標が立っていて、八王子城山までの間、道に迷う心配は全くなさそうでした。これだけ整備するのに、一体どれだけの労力をかけたのだろう?
その分岐点からは、大六天への道が分かれていました。展望の良い地点らしいので、寄り道していきます。


分岐点から大六天まではわずかな距離で、1分もかかりませんでした。
展望が大きく開けていて、置かれていたいくつものベンチに腰掛けながら、その眺めを楽しむことができます。
大六天では、北側から東側にかけての広い範囲を眺めることができました。気温が高いゆえか、まだ朝早いのに空気が淀んで、特に都心方面は霞んでしまっていましたが、それでもなかなか爽快な景色でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
ところで、小春日和どころではない季節外れの陽気に、ここまで登ってくるともう山シャツ姿でも暑くて仕方ありません。大六天で山シャツの袖をまくって半袖にしたら、あとはもう自宅に帰るまでずっとその格好でした。


大六天から先に進み、八王子城山への道に入ると、それまでよりも道が細くなりました。私の想像ですが、心源院から大六天までなら、歩くのは易しくて山登りというほどのことでもないので、大六天までが地元の人などに普段から散歩がてら良く歩かれたりしているのに対して、大六天より先は歩く人が少なくなるのでしょう。
そして時折、クモの糸に引っ掛かるようになりました。ここから先は、今日はまだ誰も歩いていないようです。大六天まではそういうことがなかったので、早朝に歩いた人がいたのかもしれません。
三叉峠という地点(地形的には峠ではなくピークです)で、北条氏照墓への道を左に分けました(北条氏照墓への分岐は、すぐ先にもう1箇所あり)。とにかくこの道は、分岐という分岐には必ず親切な道案内があります。
ツツジ台と書かれた地点にはベンチと1級基準点。写真を撮る場所が次々と現れて、なかなか先に進めません。


368m標高点ピークを前にして、このコースで最も急な登りが立ちはだかりました。でも距離は短かったです。
368mピークにもベンチが置かれていました。良く見ると、ベンチの上に何かあります。
ベンチに打ち付けられていたのは道案内でした。なるほど、これなら別に道標を立てる手間が省けますね。
上の写真はベンチの手前側にあった道案内で、進行方向側にもちゃんと別の案内が付けられていました。


368mピークはその前後がともに急坂だったので、ピークを越えたら一旦ガクンと下ることになります。
急な坂道に、雨に濡れたままの落ち葉が積もっていて滑りやすく、ここは足元に注意して慎重に下りました。
八王子城山が近くなってくると、登山道のところどころに岩の露出が見られるようになります。
またまた分岐点に差し掛かります。はじめは四叉路に見えましたが、実際には三叉路でした。
右後方に鋭角に折れていたのは、松竹へ下る道でした。地形図に実線で描かれていて、登山地図にも前々から載っていた道ですね。これより先は、以前から良く歩かれている道ということになりそうです。
前方を見ると、直進方向に踏み跡があって、八王子城山に直登できそうな感じでしたが、道標が示しているのは左に回り込む道だけでした。雨上がりで足元があまり良くないので、ここは案内通りに歩いておきましょうか。


ほどなく「柵門跡」の解説板とベンチがある地点に出ました。いよいよ八王子城山の核心部に入っていきます。
柵門跡も分岐点になっていて、八王子城山への最も一般的なコースが左から合わさり、この日初めて見る、行政が設置した公的な道標が立っていました。ここまで誰にも会うことなく静かに歩いてきましたが、ここからは登山者が増えていきそうです。すでに前方からは、先行者らしい人たちの話し声が聞こえてきていました。
柵門跡からは広い道をジグザグに登っていきます。ところどころで見られた石段は、山城の遺構でしょうか。
途中には、八王子市街が一望できる地点がありました。彼方には都心の高層ビル群が霞んで見えていたので、空気が澄んだ冬の朝ならば、そこまでスッキリと眺めることができそうです。
休憩舎が建つ地点にも解説板がありました。ここで、直進する富士見台への道(のちほど歩きます)から、本丸跡がある八王子城山の頂上への道が分岐していたので、まずは頂上を目指して分岐道に入ります。


まず、すぐ上にある八王子神社への短い石段を登ります。
八王子神社は、一見ちゃんとした建物に見えて、正面から見えているのはほとんどが覆屋(おおいや)でした。良く見ると、中にある小さな本殿の周囲を、屋根と骨格だけで壁のない建物が覆っている、変わった構造です。北条氏照が山城を築いた際に八王子権現を守護神として祀ったことが、「八王子」の地名の起源だとか。
山の中だけに、さほど広くない境内には、ちょっとした神楽殿のような建物もありました。
八王子神社の奥に、道標が「本丸」と案内する山道が続いていました。頂上は間もなくです。
狭い頂上には、小さな社と八王子城址の碑のほか、本丸跡の解説板があるだけで、山名板など頂上を示す物はありません。なお、八王子城山の標高を446mとする資料が結構ありますが、最高点の本丸跡は地形図の446mピークではなく、その南西に隣接する別のピークにあり、国土地理院の標高データでは460mとなっています。
頂上の社については何も説明がなくて、どのような謂われのものかは分かりませんでした。
この日は私にしては珍しく、八王子城山への到着が予定より10分だけですが遅れていました(普段ならば大抵、かなり前倒しになるのです)。心源院からのコースで、何かあるごとに小休止しつつ、いつになく多くの写真を撮りながら歩いていたのがその原因でしょう。ゆっくり登ってきただけに疲労感は少なかったですし、ベンチすらない頂上では立って過ごすしかなかったので、頂上での休憩を5分で切り上げて、先に進むことにしました。


富士見台への道に戻ると、しばらく下りが続いたのち、深い堀切になっていた「馬冷し」と呼ばれるこの地点から登りに変わります。この先はこれまでよりきつい傾斜の登りが増えて、ようやく登山らしくなってきました。
途中で詰城跡を通過します。本丸陥落時に最後の砦となる場所だったようですが、現在は石垣の名残らしい大石がゴロゴロするだけ。天守閣跡という碑が立っているものの、それらしい建物が建っていたかどうかは良く分かっていない模様です。まぁ、すごく狭い場所なので、建っていたとしても櫓くらいのものではないでしょうか。
詰城の先には八王子城跡最大規模といわれる堀切があって、そこへの下りは足元が悪くて要注意でした。その後はやや急な登りが断続的に続く少し苦しい区間を経て、北高尾縦走路となっている尾根に上がります。

北高尾縦走路に出たら、わずかに左に登ったところが富士見台。ここも楽しみにしていた場所でした。
富士山は、期待通り綺麗に見えていました。富士山の手前を奥のほうで横切っているのは道志の山々、その手前が高尾-陣馬縦走路の稜線で、左側の割と平坦なピークが小仏城山、道志の山々の手前の鞍部が小仏峠です。
富士山を少しアップで。しっかりと冠雪した姿をスッキリと眺められたのは、今シーズン初めてでした。
富士見台から、最終的には東の尾根を下りますが、今からそのまま下ってしまうと少し物足りない感じなので、反対側にある高ドッケまで往復する計画を立てていました。歩きはじめがゆっくりしすぎていた影響で、予定通りのバスに間に合うのか少し際どいタイミングになっていましたが、この先が順調に歩ければ大丈夫でしょう。


ということで、北高尾縦走路を一旦西に向かいます。隣接する杉沢ノ頭には、下って登って5分で到着しましたが、山頂には三角点があるだけで、狭くて展望もありません。時間にも余裕がないので、写真を撮ったら先へ。
杉沢ノ頭と高ドッケの間は、一旦大きく下ってから急斜面を登り返す具合で、大きな段差もしばしば現れます。
高ドッケへの登りは2段構えになっていて、頂上に近い2段目がこの日一番の急登。ここは結構苦しみました。
少々辛い思いをして着いた高ドッケの頂上は、予め分かっていたとはいえ、狭くて標識も展望も何もなく、地図でも見ながら歩いていないと確実に見過ごすような、あまりに地味すぎる地点です。今回は歩く距離と標高差を少し余計に稼ごうと足を伸ばしましたが、普通はおよそここを目標にして来る人など、まずいないでしょうね。
気持ち良く長居できる場所でもなかったので、急登で乱れていた息が落ち着くまで待ったら、時間も気になることですし、すぐに引き返します。往路と同様に杉沢ノ頭はスルーして、富士見台へまっしぐら。

本日2度目の富士見台です。先程は多くのハイカーと居合わせたこの場所も、再び戻ってきた時は無人でした。
富士山を見てみると、ほんの40分ほどの間に背後の空が白く霞んでしまって、なんだかパッとしない眺めに変わっていました。わずかな時間差で、まだ空に青さがあったうちに見ておけたのは、ラッキーだったんですね。
さて、ここで時間を最終確認すると、乗る予定にしているバスはちょうど1時間後で、バス停までの標準コースタイムは1時間10分。普通に歩いていればまず間に合うと思いますが、何があるのか分からないのが山道です。しかも、それまでずっと20分間隔で運行されているバスが、なぜかその便を逃すと次が1時間後というダイヤなので、間に合わないと悲惨なことになりかねません。引き続き、少し飛ばし気味でバス停を目指しました。


富士見台から、今度は南東に向けて尾根を進みます。道は軽く下ってから530m圏のピークに登り返しました。
530m圏峰はてっきり無名峰だとばかり思っていたら、熊笹山と書かれた山名板が樹木に掛けられていました。
なるほど、そのピークを過ぎると、地面がクマザサに覆われるようになりました。
裏高尾バス停への分岐点まで来ました。富士見台からここまで、標準タイムで35分のところを20分で来られたので、この日初めて計画上の時間よりも先行できて、5分だけ貯金ができたことになります。でも、山道ではいつどんなアクシデントが起きて時間をロスするか分からないので、この先もペースは落とさずに下ります。


分岐点からの下りは、概ね快適に歩ける道が続きました。しかし、かなり下ったあたりで2度にわたり、滑りやすい赤土が露出した短い急斜面があって、それらの箇所では補助ロープを頼りに慎重に下っています。
下るにつれて高速道路の走行音が大きくなっていき、最後に道路に降り立ちました。裏高尾バス停は摺差バス停と同じ方向にあるので(道標等には裏高尾バス停の名前は一切出てきません)、ここは右に進みます。
フェンスの左側は、中央道と圏央道が交差する八王子ジャンクションです。この区間は道がヤブっぽく、突破していく間に棘状の植物の種子がウェアやザックにいっぱい付着してきて、あとで取り除くのがひと仕事でした。
少々急な階段を下って、さらにジャンクションに接近します。ヤブっぽさは、この階段を下るまで続きました。
こんなに高速道路(本線ではないけれど)のすぐ脇を歩くなんて、なかなか珍しいのではないでしょうか。
このあと中央道の下をくぐって‥‥
JR中央線の踏切を渡ったら、もうバス通りはすぐ先です。
季節外れの暖かさになった上、最後はペースを上げて歩いてしまい、下りなのに大汗をかかされていました。でも幸いに最後までほぼ順調に下り切れていて、バス停にはかなり早く着けそうです。踏切を渡ってすぐのところに小山神社があったので、境内でウェアを着替えたり汗を拭いたりして、バスに乗る前に身なりを調えました。
裏高尾バス停には少し早めに着いて、すっかり油断していたら、すぐにバスが来たので驚きました(1本前が遅れて来たようです)。バスに乗ってから分かったのですが、この日は八王子いちょう祭りが開催されていたことから、国道20号線がもう大渋滞していて、バスも定刻での運行ができなくなっていた様子だったのです。

タグ:高尾・陣馬
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