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高鈴山・真弓山・風神山 [茨城]

2017/12/23(土・祝)

■第369回 : 高鈴山(623m)・真弓山(290m)・風神山(241m)


この日の行先は、茨城県日立市の高鈴山です。近場にあって行きやすい山でも、メジャーで魅力的な山でもない割には、今回が珍しく2度目の登頂となっています。この山を巡っては、前回の時も比較的長めの周回コースを歩いたのですが、今回は20kmを超えるさらなるロングコースを歩いてきました。

しかも、長距離とはいえ、アクセスが不便な山へのアプローチに延々と車道を歩いただけという、このところ多かったパターンとは違い、今回は最後の下りを除けばほぼ全体が山道だったので、5時間以上かけて歩き終えた充実感はなかなかのもの。ただ、見所の多くが高鈴山までの最初の約4kmに集中していたため、以降の大半を占める17kmは距離が長い割に見所にも変化にも乏しく、やや単調な道のりに感じられたのが否めませんでした。

 累積標高差(登り):981m / 距離:21.4km / 歩行時間:5時間5分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:24 品川 06:45-08:34 日立
日立 08:40-09:12 御岩神社前

(登山行程)
御岩神社前バス停 09:15
御岩神社     09:20-09:25
賀毘礼神宮(※)  09:40
賀毘礼の高峰(※) 10:00  (御岩山)
高鈴山      10:25-10:35
日立高鈴GC   11:35
真弓神社     12:50-13:10
真弓山      13:15
風神山      14:10-14:20
風の広場     14:25-14:30
大甕駅      15:10

※賀毘礼神宮、賀毘礼の高峰・・・2文字目の毘は、正しくは田へんに比と書きます(田比)。
 御岩神社のウェブサイトでは、ひらがな表記の「かびれ神宮」「かびれの高峰」が採用されています。

(復路)
大甕 15:28-15:57 水戸 16:53-18:13 東京
東京 18:16-18:32 新宿 18:38-19:14 相模大野
相模大野 19:25-19:40 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

日立駅からバスに乗って、御岩神社前で下車します。私を含めて3人いた乗客は、全員同じ区間の乗車でした。
太平洋沿岸の日立駅前ではさほど寒さを感じなかったのに、これから登る高鈴山を越えて、その裏側に当たるここまで入ると、山間に漂う空気はキンキンに冷えていて、路面が白く見えるのも凍結しているからなのでした。
御岩神社へ通じる左の道も、一部凍結していました。不用意に足を運ぶと滑るので、そろりそろりと歩きます。


御岩神社には2~3分で到着。まだ朝早くて静かだろうと思っていたら、意外にもそこそこ人出がありました。
境内に入ると、推定樹齢500年、約3mの高さの所から幹が3本に分かれた「三本杉」がお出迎えです。境内には幹周りの立派な杉が数多く並んで荘厳な雰囲気を醸し出していましたが、その中でもひときわ立派でした。
三本杉のすぐ先で楼門(大仁王門)をくぐります。境内はすっかり新年を迎える準備が整っていました。
この拝殿に26の神様が祀られているほか、全山合わせると188もの神様が祀られていることから、「日本の神様ほぼ全てにお参りできる」と評判が広まり、それでこんな寒い時期の早朝から参拝者が訪れているのでしょう。


境内からは、奥宮の賀毘礼神宮まで表参道と裏参道の2本の道で周回できるようになっていて、表参道に入ると、しばらくは傾斜の緩い散策路のような道が続きました。これなら観光客でも問題なく歩けそうです。
最後のほうで少し傾斜が急になって山道同然になりますが、そうなると間もなく、前方に建物が見えてきます。
下の御岩神社境内からは20分ほどで、奥宮の賀毘礼神宮に着きました。
賀毘礼神宮にも、私でも名前を知っている天照大神をはじめ、3柱の神様が祀られているようです。


賀毘礼神宮の先には、さらに御岩山(賀毘礼の高峰)への登山道が続いています。御岩山自体もご神体とされていることから、御岩神社と合わせて巡る人が多いのか、このあとも頻繁に人とすれ違いながら稜線直下まで登ると、直登コースの岩場は、東日本大震災の影響による落石が原因で立入禁止になっていました。
岩場を迂回するトラバース道からも、頭上の稜線にいくつもの大岩がそそり立っているのが見られました。
稜線に上がると、神峰山と高鈴山を結ぶ登山道が通っていて、高鈴山までは2014年にも歩いた道になります。
軽く登ると、間もなく御岩山への分岐点に出ます。前回はスルーしてしまったので、今回は寄って行くことに。


分岐点からは大した登りもなく、すぐに「賀毘礼の高峰」の標識が立つ地点に出ました。周囲には多くの巨岩が点在し、ここが信仰上の聖地であることは大いに頷けます。しかし地形的には尾根上の小さなコブに過ぎず、一般的に山頂と見なされる地点ではないので、この記録では御岩山を登頂した山には含めないことにしました。
御岩山からの展望がこちら。北側が大きく開けていて、この日のコースで最も広い範囲を眺められた場所でした。ただ、少し距離のある日光連山や高原山などが、ほとんど存在感がないくらい霞んでいたのが残念です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
日光連山や奥久慈男体山などの方角を少し大きな写真で。このサイズでも日光連山はハッキリしないのですが。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


御岩山から高鈴山への登山道に戻ると、御岩山の南斜面を巻いて進む間は平坦に近いトラバース道が続きます。
少し進むと、御岩山からの道が右の尾根から降りてきて合流しました。実は先刻、御岩山の山頂からそのまま稜線を進めないか、先の様子を少し探り、道がないのを見て引き返したのでしたが、どこに道があったのだろう。
その後、登山道は尾根歩きに変わり、何度かのアップダウンを経て高鈴山に向かいます。
休憩舎の前を通過する頃には、高鈴山の頂上にある電波塔が間近に見えるようになっていました。
休憩舎の前を通ぎると、最後は少しだけ車道を歩くようになります。


高鈴山に到着です。御岩山まで人が多かったので、ここも誰かいるものと思っていたら、意外にも無人でした。
高鈴山でも北側を中心とした展望が開けていて、そちら側を向いた展望テラスがあります。
高鈴山からの展望です。方角的には御岩山とほぼ同じで、御岩山よりは少し狭い範囲の眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方、山頂の南側には電波塔などが林立し、歩ける範囲が限られていて、展望もほとんどありませんでした。


高鈴山から真弓山方面への道は、山頂に立つ道標がアバウトな方向を指して道の所在を示していたものの、南端の電波塔脇から山道に入る箇所には何の案内もなく、やや草深い道だったこともあって少々不安を感じながらの歩き出しです。でもその後は、要所には道標が立っていたので、道迷いの心配をする必要はなさそうでした。
最初に登り返したコブの先には、補助ロープの下がる急降下が待っていました。急斜面が降り積もった落ち葉で滑り台と化していて、ロープがなければ転倒は必至でしたし、この日の長いコースで唯一の要注意箇所でした。
道自体はしっかりしていますが、盛んに歩かれているという感じでもなく、中には笹が道を覆うような箇所も。
その後は小刻みなアップダウンを何度も繰り返しつつ、徐々に高度を落としながら、日立高鈴GCへ向かいます。ゴルフ場に着くまでの間、途中で近くに林道が現れる以外は景色がほとんど変わらず、単調でかなり長く感じます(実際に長いのですが)。大きな登り返しがなくて、1度にドッと疲れたりしないことだけが救いでした。
日立高鈴GCまでの山道がようやく終わり、車道に出た地点を振り返ったところです。


進行方向のすぐ先には日立高鈴GCの入口があり、右側はもうグリーンが広がっています。写っているハイキングコースの案内図には、事前に得ていた情報通り、コースがゴルフ場内の道を通ることが明記されていました。
ということで、躊躇なく日立高鈴GC内に入れますし、入った後も堂々と歩くことができます。
歩くのはゴルフ場の外周の道なので、プレーの邪魔になってしまうようなことはありません。
ほどなくクラブハウスの建物が見えてきたら、その手前をスルーする形で先へ進みます。
これはハイカーにとって有難い配慮ですね。ただ、高鈴山 → 真弓山という方向に歩く人にとっては、この看板が現れるのはクラブハウスの前を通り過ぎた後でした。
その後、左に分岐する道があって少し気になりましたが、そこには何の案内もなかったので見送り、そのまま道なりに進んでいくと、次第にグリーンが近くなって、しまいにはコースを横切って進む事態に。その頃にはもうゴルフ場内に完全に入っていて、いくら何でも変だろうと思い始めた頃、ついに道は行き止まりになりました。
きっとさっきの左の道が正解だったんでしょ、でもそこまで戻るなんて面倒臭いなぁ、と思いながら引き返そうとしたら、すぐにこの景色になって、右奥にそれらしい道と道標を発見。行ってみると、やはりそこに登山道があって、逆方向に歩く人には道標がきちんと進路を示していました。クラブハウスの利用に関する看板といい、不十分な道案内といい、高鈴山→真弓山の方向に歩くハイカーの存在はあまり想定されていないのでしょうか?


ゴルフ場を離れると、間もなく登山道は広い道に合流して、当分はその広い道を進むようになります。車の轍が残るその道は、かつては車道だったらしく、ほとんど平坦に近いほど勾配が緩やかで、ここは楽に歩けました。
しばらく進むと地図にない新しい林道との交差があり、そこを過ぎると次第に道が細くなっていきます。そしてこの道標の地点で右に直角に折れると、その先は久々の山道に変わりました。
山道に変わっても、起伏が比較的穏やかなのは良かったのですが、随分先にある真弓山にいい加減近付くまでの長い間、ずっと変わり映えのしない景色が続いて、いつまでもダラダラと歩かされた印象です。
高鈴山と真弓山の間は、ただでさえ距離が長い上に途中に見所らしい見所がなくて、正直なところ退屈でした。それゆえか、そこを2時間以上かけて歩いている間にすれ違ったのも、たった2人だけにとどまっています。私自身も、ここにもう1度来ようという気には、ちょっとならないかなぁ。


採石場への車道に出れば、面白味に欠けた長い山道もようやく終わって、真弓神社が間近に迫っています。
車道を少し歩くと、すぐに右に分岐する道に対して、「真弓神社の参道のため車両進入禁止」という趣旨の掲示が出ていたのを見て、そこを入ってみました。結果的にこの判断で正しかったのですが、ここにもハイカー向けの道案内はなく、何故かやはり高鈴山→真弓山の方向に歩くハイカーは冷遇されているようです。
その道は、すぐに風神山からの道と合流したあと、この山門をくぐった先からは下りに変わります。
最後に少しばかり登り返しましたが、車道から通算すると結構下った場所に真弓神社がありました。ここまでずっと、道標に書かれた「真弓山」の案内に従って歩いてきた訳ですが、これだけ下った場所を山頂とするのは無理がありそうですし、実際に境内には山頂を示す標識等は見当たらず、今のところ「真弓山」は行方不明です。
拝殿の正面に回りました(上の写真は横から写したもの)。山の上にあるにしては、なかなか立派な神社です。
真弓神社からは南西側が少し眺められるようになっていて、筑波山方面がうっすらと見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
起伏が穏やかな道だったとはいえ、ここまで14kmを歩いた足には疲労が溜まっていますし、この先もまだ7km以上歩かなければならないので、神社に軽くお参りした後は、少し長めの休憩を取って足を休めていきました。


来た道を少し引き返すと、高鈴山と風神山との分岐点。先程は左から来たこの地点を、今からは右に進みます。
その道を少し登ると、途中で左側の高みへ通じる薄い踏み跡が分かれたので、そこを入ってみました(写真は分岐点を振り返ったものなので、手前中央から分かれた踏み跡が右端の高みへ向かっている様子になります)。
その踏み跡で、上の写真の右上端付近の小ピークまで僅かに登ると、そこに真弓山の標識がありました。
標識があったので、この記録では一応この場所の位置と標高を真弓山としましたが、私製標識だけにどれだけの信憑性があるのかは定かではありません。実際に標高値ひとつ取っても、地形図を見る限りこの地点が290m圏にあるのに対して、標識では280mとなっていて、結構肝心な値のはずなのに食い違っていますし‥‥。
ちなみに、真弓神社境内の「真弓山ハイキングコース総合案内板」の地図では、一番高い場所に「陣ヶ峰(標高約300m)」と書かれていました。地形図と照合すると、そこは現在地のすぐ南隣にある別のピークで、確かにそこがこの一帯の最高点になります。ただそこを「真弓山」としていないことから察すると、「真弓山」は真弓神社がある山を漠然と示す名称に過ぎず、特定のピークを指す用途には使われていないのかもしれません。
なお最後に、「陣ヶ峰(標高約300m)」付近の様子も窺ってみたところ、そこも登山道から僅かな距離で達することができそうなのに、そこへ通じる踏み跡は見当たらず、ピークもほぼ藪に覆われた状態っぽかったです。


ともあれ、あたりで一番高い一帯を通過すると、山道は間もなく車道に一旦吸収されます。
車道を少しだけ歩いて、この地点から今度は風神山を目指して再び山道に入ります。これ以降は、どちらの方向の道案内もしっかりしていたので、真弓山と風神山の間は良く歩かれているのでしょう。
この区間では、山道がアップダウンを頻発するようになります。大きな登り返しこそないものの、すでに長い距離を歩いてきた足には、ちょっとした登りでも堪えるようになってきました。
登山道がたびたび2本に分かれるようになると、どちらも行先が同じだと道標がきっちり示してくれました。
その中には、分かれたままでかなり長い距離を進む区間もあり、分岐する時点では先々で合流することを予め見通すのが難しいことも多かったので、こういう道標はありがたかったです。
風神山が近付いてくると、アップダウンが収まってきて、穏やかに歩ける所が増えてきました。


風神山の山頂付近は公園として整備されていて、山名の3文字を冠した「風の広場」「神の広場」「山の広場」があり(反対側の日立市街から登った時に、この順で現れます)、いよいよその一角に入ったようです。
山頂があるのは「神の広場」で、三角点と休憩舎が設置されていました。周囲の樹木のため展望はありません。
標高が低く、すぐ下にある市街地から楽に登れるので、もう少し人がいるかなと思っていたら、思いのほか閑散としていました。お散歩にはちょっと遅い時間になっていたからでしょうか。
このほか山頂には、山名の由来となった風神・雷神の碑がありました。
山頂で少し休んだあとは芝生広場へ。展望台があったので登ってみましたが、何も見えなかったです。
最後に、太平洋が一望できるという「風の広場」へ移動すると、そこでは期待通りの景色が待っていました。
風の広場からの展望です。左端が日立港や日立市街で、右端は下山先の大甕あたりになる模様(そこも広義の日立市街になりますけれど)。水平線に丸みが感じられる眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
さらに右のほうには、東海村の原子力関連施設や、常陸那珂港の火力発電所などが見えていました。


風神山からの下りは、最初から車道歩きになります。でも風神山までの18kmは、ほぼずっと山道を歩いて来られたので、最後の3kmくらい車道を歩くのは良しとしましょう。
山を下り終えると、日立研究所の白亜の建物群が見えてきて、その横を抜けてさらに車道を進みます。
大甕駅付近の町並みがかなり近付いてきました。
大甕駅に着くと、その周辺は大規模整備事業による工事中。駅自体も全面改築中で仮駅舎による営業でした。

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