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城ヶ崎自然研究路・大室山 [伊豆]

2018/03/31(土)

■第379回 : 城ヶ崎自然研究路・大室山(580m)


この日歩いてきたのは、海・山・花と盛り沢山の見所を詰め込んだ欲張りなコースです。
城ヶ崎海岸駅から歩き始めた途端、満開の桜並木にお出迎えを受けたのを皮切りに、海岸沿いの遊歩道では、変化に富んだ城ヶ崎海岸の景色を満喫、そして一番の楽しみだった伊豆高原桜並木がドンピシャの最盛期で、圧倒的な華やかさに魅了された後は、大室山の頂上でお鉢めぐりからの360度の展望を楽しんでいます。
(見事な満開がずっと続いていた伊豆高原桜並木)

 累積標高差(登り):901m / 距離:14.6km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:34-05:54 本厚木
本厚木 05:56-06:33 小田原 06:45-07:08 熱海
熱海 07:22-07:49 伊東 07:50-08:08 城ヶ崎海岸

(登山行程)
城ヶ崎海岸駅     08:15
ピクニカルコース入口 08:40
門脇灯台       09:00-09:05
蓮着寺        09:30-09:40
対島の滝       11:10
八幡野漁港手前    11:30   (城ヶ崎自然研究路終端)
伊豆高原桜並木    12:15   (高原中央バス停付近)
シャボテン公園バス停 13:05
(大室山リフト乗車)  13:35-13:40
大室山お鉢めぐり   13:40-14:00
(大室山リフト乗車)  14:05-14:10

(復路)
シャボテン公園 14:11-14:50 伊東 15:21-15:44 熱海
熱海 15:49-16:11 小田原 16:27-17:19 相模大野
相模大野 17:28-17:43 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回の下車駅は、伊豆急行線の城ヶ崎海岸駅。同じ電車から降りた乗客は十数人程度で、駅前は静かでした。
駅前からすぐに始まる桜並木は、事前に得ていた情報通り、ちょうど見頃を迎えているようでした。
すぐにバス道路を横断します。海岸沿いの遊歩道の入口には、バス道路を経由するほうが近いので、桜の時期でなかったら左折するところですが、さすがに満開の桜をスルーしては勿体なさ過ぎるので、もちろん直進です。
交差点を直進して別荘地内に入ると、桜並木はそこからが核心部でした。
満開の桜が見事です。2~3日前にはすでに満開を迎えていたらしく、散り始めのものがいくらか混ざっていたようで、風が吹けば桜吹雪がきれいに舞ったりして、すごく風情がありました。
この時間は、ほぼ太陽に向かって歩く具合になり、進行方向が逆光になってしまうので、写真は振り返って撮るほうが明るい仕上がりになりました(以降の写真も何枚かは振り返って撮っています)。
別荘地ということから、大々的には宣伝されていないらしく、ここを歩く人はまばらで(まだ早朝だったこともあるのかもしれません)、車もほとんど通らず、この景色をのんびりと愛でながら歩くことができました。
事前に見てきた案内図で、桜並木が別荘地の途中までとなっていたのに対して、実際には別荘地内はずっと桜並木が続いていたので、かなり長い間楽しめています。
ほぼ真っ直ぐだった道路は、別荘地の末端で右カーブに差し掛かります。このまま道なりに進んでも、目的の遊歩道には出られるのですが、その場合は遊歩道の途中から入る形になってしまうので、この先を左折します。
左折してしまう前に、歩いてきた桜並木を振り返りました。
その後はクネクネと、予め地図を見て決めておいた最短距離の道順で進み、二車線の道路に出たら左折します。


ピクニカルコースの入口には、目印となる石標が目立ちすぎるくらいの大きさで立っていました。
海岸沿いを進むコースなので、左手には海が見えていることが多くなり、潮風を感じながらのハイキングに。
ところによっては、海岸線の近くまで降りてくることもあります。
「ぼら納屋」の前を通過します。伝統的なぼら漁のための建物が、現在はそのまま食事処になっていました。
路面は概ね簡易的な舗装がされていて、歩きやすさは万人向けの遊歩道といった感じ。ただ、登ったり下ったりが思っていた以上にあり、階段の昇降が結構多かったので、体力面も考慮すると健脚者向けでしょうか。
変化に富んだ海岸線と、海の青さが美しかったです。


道の整備状況は良好で、途中には東屋もありました。
東屋の前では海側がいっぱいに開けていて、大海原が一望できました。写真の先に浮かんでいるのは大島です。
城ヶ崎海岸は、この日最後に登る大室山が約4000年前に噴火した際の溶岩流が、その後の風波の浸食を受けて、断崖絶壁や深い入り江など千変万化な海岸線を形作ったものだとか。そのため、見ていて飽きない風景が続きますが、地形が複雑なゆえに高度を一定に保って歩くのが難しくて、アップダウンが多くなっているのでしょう。
行く手に小さな吊り橋が現れると、その先に門脇灯台が見えてきました。


高さ約25mの門脇灯台は、地上17mの展望台まで登ることができます。さらに、近くを車道が通っていて駐車場もあり、遊歩道を歩かなくても手軽に来られるからか、灯台の周辺だけは人が多かったです。
展望台まで上がってみましょう。灯台内部には階段が2系統作られていて、登り下りが分離されていました。
門脇灯台の展望台からの眺めです(窓からの眺めにつき、ワイヤー入りのガラス越しとなりました)。こちらは歩いてきた方向で、コースは写真左端の植生があるあたりを通っていました。
こちらはこれから進む方向で、この海岸沿いをさらに6km以上歩く予定です。
そして山側を向くと、最後に向かう大室山が見えていました(写真中央の薄緑色をした富士山型の山です)。
門脇灯台から先も、海岸線近くに下りたかと思えば‥‥。
すぐに登り返したりというのが何度か繰り返されます。この区間は、遊歩道を軽く歩くくらいのお気楽な心構えでいたのに、すでに足には思いのほか疲労感が生じていました。


ピクニカルコースが終わると、「ニューヨークランプミュージアム&フラワーガーデン」の前に出ました。
その先、城ヶ崎自然研究路の入口までは、少し車道を歩くことになりました。
ほどなく伊豆海洋公園の前を通ります。ここのダイビングセンターはダイバーに人気らしく、まだ朝早いのに園内にはダイビングスーツ姿の人がたくさん。そういえば伊豆急線の車内にも、それっぽい乗客が結構いたなぁ。
車道歩きは蓮着寺の手前まででした。


蓮着寺の境内に入ります。日蓮ゆかりの寺ですが、自身による建立ではなく、開山は日蓮の死後約200年です。
広い境内には、私のほかに誰もいません。閑かさの中で石段を上がり、本堂でお参りしていきました。
本堂前にあった日蓮上人像です。鎌倉幕府から流罪とされた日蓮は、しばらくこの地方に謫居していたらしい。


城ヶ崎自然研究路は、蓮着寺の境内から始まっていました。この標識に従ってコースに入ります。
すぐに蓮着寺の奥の院の前に出ます(なぜか奥の院の写真は撮り忘れ)。洋上に浮かんでいるのは伊豆大島。
奥の院を過ぎると、ようやく土の道に変わりました。ここから先は、普段の山歩きに近い感覚で歩けています。
以降は海岸から離れて歩くことも多くなりますが、時折こうして、海を見渡せる地点への道が分岐します。
上の写真の分岐道の先にあった「灯明台」という場所から見た景色です。縮小写真では識別できなくなりましたが、奥に写っている門脇岬には先程訪れた門脇灯台が見えていたので、それがこの地名の由来だと思われます。


海岸線が入り組んでいるだけに、見られる景色もバラエティに富んでいて、変わった名前の付いた地点を次々と通過します。そんな中、解説板による説明付きの「にちょう」という地点に来ました。
そこには、海岸に達した溶岩流が冷えて固まる過程でできた、大きな亀裂がありました。
「にちょう」の亀裂は、かなりの高さがある陸地内にまで深く切れ込んでいて、そこをほぼ真上から覗き込んだところです。落ちたらまず助かりそうもない高さがあるので、ちょっと足がすくみました。
ここは「いがいが根」と名付けられていて、名前の通り、イガイガした棘のような岩が折り重なっていました。
その後は平坦に近い道がしばらく続き、快調に歩を進めることができた一方で、視界が遮られることが多くなってしまいます。それでも海岸に打ち寄せる荒波の音はずっと聞こえていて、間近に海を感じながら歩けました。
そんなわけで、時折こうして海側が開けても、高巻いた道から見下ろす感じの眺めが続きました。
相変わらず、海岸へ向かうらしい道への分岐が頻繁に現れますが、随分な高度差を行き来する羽目になりそう。足には既に結構な疲労感がある上、最後には大室山への登りも控えているので、分岐は全てスルーしました。
ここなどは、柱状節理の見本になりそうな景色でした。海中に流れ込んだ溶岩が急激に冷やされたのでしょう。


しばらく穏やかだった道も、コースの後半に入ると再び起伏が激しくなります。この頃には私自身の疲労も進んでいて、次第に階段がすんなりとは登れなくなるなど、登りではガクンとペースが落ちるのを実感しました。
さらに進むと、対島の滝展望台への分岐が現れました。ここは小さく下るだけのようですし、入ってみます。
対島の滝は、溶岩台地上を流れる対島川が城ヶ崎海岸に直接落下する、なかなか豪快な滝でした。ここは、対島川の水量が少ない時は滝のように見えないらしいので、ちゃんと流れ落ちるさまが見られてラッキーでした。
上流側を見ると、そこにも小滝が連なっていて、全体を大きな滝として見ることもできるようです。


対島の滝からコースに戻ると、すぐに橋立吊橋が現れました。
橋立吊橋は全長60m。頑丈に出来てはいますが、その長さゆえ、結構揺れました。
橋の上からは、太平洋を一望することができました。こちらは橋の真ん中付近から進行方向を見たところです。
渡り終えた橋立吊橋を振り返りました。
その後も比較的大きなアップダウンが最後まで続き、単に海岸線を歩いていただけなのに、それなりの山をひとつ登り下りしたくらい、足には疲労が溜まっていました。城ヶ崎自然研究路を侮ってはいけなかったようです。
最後は割と唐突に民家の脇に出て、そこで城ヶ崎自然研究路はおしまいでした。


八幡野漁港の手前で、集落に入るところを右折して、ここからは伊豆高原の桜並木を目指します。
急坂を伊豆急線の線路脇まで登ると、その先に最終目的地の大室山が見えてきましたが、まだ遠い眺めでした。
それから国道に入ると、途中にマックスバリュ伊豆高原店があったので、ここでトイレ休憩させて頂きました。
※城ヶ崎自然研究路の案内図には、国道に出る手前あたりに、トイレがある施設として八幡野コミュニティセンターが書かれていたのですが、それを見つけられないまま国道に出てしまったので(帰宅後にGoogleマップで確認してもその所在が良く分からない‥‥)、自由に入れるこのスーパーの存在は有り難かったです。
さらに国道を進むと、いよいよ前方に目的の道との立体交差が見えてきました。
この階段を上がれば、伊豆高原駅前から始まる「伊豆高原桜並木」に出られます。桜の木も見えていますね。


今回の行程で一番の楽しみにしていたのが、この伊豆高原桜並木です。
約3kmにわたって続く伊豆高原桜並木を会場として、先週末から明日にかけて「伊豆高原桜まつり」が開催中。今年はそこに見頃のピークがピッタリとハマッたようで、多くの見物客が繰り出していました。
道路の両側に、桜の木が全く途切れることなくずっと続いていて見事です。
結構交通量の多い道路なのですが、時折車が途切れるタイミングを狙って、車道からも撮ってみました。
一貫して登り坂が続くので、次第に汗ばんできます。そのためか、歩いている人の数は、登るにつれて減ってきているように感じました。同じような景色が続きますから、そりゃ途中で引き返したくもなりますよね。
桜並木は、高原中央バス停付近で左折方向にも分岐します(この写真はその左の道に少しだけ入ったところ)。実は最も濃密な桜のトンネルはこの先にあって、だから人や車の流れも完全にそこを目指しているようだったのですが、私が向かっている大室山からは離れてしまう方角になるので、今回はこの道には入りませんでした。
ということで、左折の道を見送って直進すると、あからさまに人も車も数がガクンと減りました。
それでも桜並木の見事さは変わらずに続いていて、見物客が減った分、落ち着いた雰囲気の中で楽しめるようになります。その反面、坂の傾斜は一段とキツくなって、登るのは辛くなってきました。もう汗が止まりません。


長く続いた桜並木が終わると、道路脇の建物も少なくなって、左手には最終目的地の大室山が姿を現しました。
大室山は頂上部でリフトの営業があり、その区間は徒歩での登山が禁止されているため、最後の標高差約140mは自分の足で登ることができず、一般的には登山の対象と考えられていないと思われます。
でも今回、海抜ほぼ0mの城ヶ崎海岸から、リフトがある標高約400mまでは、自分の足で登ろうとしていて、現在はその途上にあります。まず先に登山口まで車などで上がっておき、そこから上を歩いて登る普通の登山と比べると、その順序こそ逆転しているものの、リフト区間の約140m以外はすべて自力で登っている訳です。
これは、標高580mの山に、標高140mの登山口があると仮定してそこから登るのと意味合いは変わりませんから、大室山への「登山」だと堂々と言えるのではないでしょうか。とはいえ、歩いた区間がすべて車道だったという点において、登山のイメージからかけ離れた内容になってしまったのは正直なところ否めませんが‥‥。


さらに坂を登り、大室高原エリアの入口まで来たら、別荘地の案内図が立つ地点を左折して細い道に入ります。
別荘地内に入ると、正面に捉えた大室山に向けて、いよいよ勾配が急になりました。局所的には車道であることが信じられない程の激坂も出てきます。この日は、前半の城ヶ崎自然研究路を歩き終えた時点でもう、かなり消耗が進んでいたので、そこからさらに400m近く登った挙句のこの急坂に、何度か心が折れそうになりました。
二車線の道路を横断する地点まで来ると、いよいよ大室山が間近に迫ってきました。山体が一年生の植物によって均一な緑色に染められて、それ以上の丈の植物が見られないのは、毎年冬に山焼きが行われているからです。
その後も容赦なく傾斜を増した別荘地内の激坂を登り、ヘロヘロになった頃、大室山の外周道路に出ました。
最後は大室山の斜面を左に見ながら登ります。少しは傾斜が緩んだものの、なおも続く登り坂に、もう汗だく。


ようやく、大室山のリフト乗り場が近付いてきました。誰もがここまで車で来ていて、風がやや涼しいので上着などを羽織っている中、私ひとりだけ半袖なのに大汗をかいて肩で息をしているのが違和感ありまくりです。
リフト乗り場の前まで来ると、そこには長蛇の列ができていて、最後尾に並んでからリフトに乗れるまでに、実に30分を要しました。人混みや混雑が嫌いなので、旬なものを旬の時期に合わせて見に行くような真似を、普段の私は滅多にしないのですが、それを今回はしてしまったことをちょっとだけ後悔しています。
列に並ぶこと30分、間もなくリフトに乗れそうです。
約6分間の空中散歩を楽しみながら、大室山の頂上部へ。


さて、ここで大室山の空撮写真をお見せしたいと思います。こんなものが自分で撮れるはずもなく、当然拾い物なので少し躊躇しましたが、やはり言葉で書くよりも見て頂くのが早いので載せてしまいました。
大室山は約4000年前の噴火によって形成された円錐台状の丘で、手前側の山腹に見られる筋状の部分が、リフトの施設に当たります。最高点はリフトの山頂駅から火口壁を伝った反対側(この写真では火口の奥側)です。


リフトから降りたら早速、大室山の火口壁を一周する“お鉢巡り”を始めます。どの方向も視界を遮るものが一切なく、大展望を得ながら歩けるのが、物凄く気分爽快でした。彼方の洋上に浮かんでいるのは伊豆大島です。
北側を眺めてみると、伊東市街や一碧湖、初島などを見渡すことができました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
東側に目を移すと、シャボテン公園を見下ろす先に、小室山の小さな頂が見えていました。
深さ約70mのすり鉢状の噴火口跡は、アーチェリー場になっていました。
大室山の頂上は、リフトの駅の反対側にあって、リフトの駅よりも40mほど高く、これはその最後の登りです。
登って来た道を振り返りました。


大室山の頂上に着くと、そこには三角点がありました。
三角点を少し過ぎた所には、大室山の解説板が立っていて、それが展望盤も兼ねていました。
その南側の展望です。結構雲が出ていた割には、天城山の万二郎岳がちゃんと見えていました(天城山最高峰の万三郎岳は、遠笠山に前を遮られて見えていません)。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
頂上から、アーチェリー場がある噴火口跡越しに、リフトの駅を振り返りました。
頂上からの下りです。なお雲が多かった西側は、下でリフトの列に並んでいた頃まで見えていた富士山がその雲の中に入ってしまったりしていて、この時は写真を撮るほどの眺めがありませんでした。
このあと、下りのリフトでも駅前にも短い列ができていて少し待たされたりして、乗ったリフトが山麓駅に着く前に乗ろうとしていたバスがバス停に入っていくのが見え、リフトから降りたら一目散に走ってそのバスにギリギリ間に合いました。ということで、最後にバスに乗ったシャボテン公園バス停の写真は取り損なっています。

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