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八子ヶ峰 [八ヶ岳とその周辺]

2018/07/14(土)

■第386回 : 八子ヶ峰(1869m)


この日の行先は2回目の訪問となる八子ヶ峰。八ヶ岳の北西に位置する、開放的な草原状の頂上を持つ山です。
前回の2011年は一般登山道で登り下りしたので、今回はその時とは違うコースを歩こうと、東急リゾートタウン蓼科のトレッキングコースを利用しています。ただそのために、車で訪れることしか想定されていないらしいリゾート地内へ、どうにかして歩いて向かうことになり、それが少々悩ましい問題だったのではありますが‥‥。

 累積標高差(登り):766m / 距離:10.2km / 歩行時間:3時間5分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-05:42 高尾
高尾 06:14-08:49 茅野 09:25-09:56 蓼科湖前

(登山行程)
蓼科湖前バス停         10:05
こぶしの小径(到達点)     10:30
東急トレッキングコース入口   10:55
信濃路自然歩道分岐       11:45
ヒュッテアルビレオ       12:00-12:10
八子ヶ峰(東峰)         12:15
八子ヶ峰(西峰)         12:35-12:45
展望台(満月のベンチ)      13:25-13:55
東急ハーベストクラブ蓼科(本館) 14:00

(復路)
東急ハーベストクラブ蓼科(本館) 14:15-15:00 茅野
茅野 15:18-16:49 八王子 17:00-17:23 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

茅野駅から乗った八ヶ岳ロープウェイ行きのバスは、3連休の初日とあってほぼ満員。途中の蓼科湖で降りてしまう私は、茅野駅に少し早めに着くようにして、バス乗り場の先頭に並んでおき、最前列の席を確保しました。
せっかく蓼科湖前バス停で降りましたが、蓼科湖は遠目でちらっと見る程度にとどめて、足早に立ち去ります。

先を急いだのは、これから歩こうとしているいくつかの経路が、まず最初の目的地である東急リゾートタウン蓼科に通じているかどうかが事前には分かっておらず、そこで右往左往したりする可能性があったからなのです。

もちろんリゾート地ですから、立派な道路で結ばれていて、車で訪れる分には何も不自由しないことでしょう。
ところが公共交通利用でとなると話は別。路線バスに乗ってもその道路の入口付近にはバス停がなく、前後どちらのバス停からも1km近く離れているのです。そこを我慢して歩いたとしても、リゾート地への道路ときたら、交通量は多いのに、全区間を通して歩道のない道が2km以上も続くので、身の危険を感じずにはいられません。
しかもそんな、歩行者を拒絶するかのような道が、なんと同リゾートに通じるほぼ唯一の道路らしいのでした。というのも、どの地図をどう見ても、ほかにはリゾート地内へ繋がっている道が全く見当たらなかったのです。

一旦は途方に暮れたのでしたが、詳細な地図でリゾート地の周囲を良く見ると、東側に隣接する別荘地の道が、リゾート地内の道に3箇所ほどでかなり接近していることが分かります(古い地形図では繋がって書かれた箇所も)。その中に、歩いて通れる箇所が1つくらいあることに期待して、確証のないまま出掛けてきたのでした。

ということで、バスから降りたらすぐ、蓼科湖に背を向ける形で、鹿山別荘地への道に入ります。
10分ほど歩くと、リゾート地へ出られそうな最初の経路への分岐点に出て、ここを左に入ってみます。古い地形図で道が繋がっているのがこの先なので、ここが一番可能性が高いと見ていましたし、最初の候補地でうまく道を見つけられれば、時間のロスも抑えられて最高なのですが、果たしてそう上手くいくのでしょうか。
その道を進むと、すぐに左折する地点から、お誂え向きにリゾート地がある右方向への踏み跡が派生しているのを発見(写真左端)。確実にどこかへ通じていそうな様子に、これ幸いとあまり深く考えずに入り込んでしまった結果、本来進もうとしていた方角とは若干のズレがあることに、この時点ではまだ気付いていませんでした。
踏み跡は最後のほうで怪しくなって、とある別荘の敷地を通ることになってしまったものの、難なくリゾート地側の道路に迎えられました。予定通りなら、すぐ先でゴルフ場に出て、そこからは散策路を歩けるはずです。
しかし、その道路は別荘が建ち並ぶ中をウネウネと曲がりながら続くばかりで、全然どこにも出られません。しばらく歩いたあたりで地形図を確認して、当初の目論見よりも1本右側にある道に出てしまったと分かりましたが、この道でも問題はなかったので(距離的にはむしろ近道になっていたり)、そのまま前進を続けました。


道路を10分ほど歩いた頃、元々歩くつもりだった散策路の「こぶしの小径」と交差したので、ここからその道に入りました。ここまでの経路は、想定とは若干違ってしまいましたが、この先はもう迷う心配はなさそうです。
「こぶしの小径」は、細い沢沿いを進む清々しい道。あまり歩かれていない様子なのが気になりましたが‥‥。
案の定、途中には笹ヤブが出現して、しばらくの間は笹を掻き分けて進むことに。ヤブはこの1箇所だけでしたが、笹の葉が草露で濡れまくっていて、突破したらウェアがビショビショになってしまいました。
穏やかな区間では心が癒される景色も。この日は暑くて仕方なかったけれど、もっといい季節に歩いてみたい。
山道の合間で、別荘地内の道路を何本も横断しながら、緩やかに登り続けていきます。


最後に木段の急な登りを経て、別荘地の一番上の道路に出ると、そこが東急リゾートのトレッキングコースの入口でした。大きな標識が立つなど、登山口として目立った姿を想像していたら、意外にも控え目な佇まいです。
右側に写っているポストのような物の中に、コースの案内図が入っていました。


東急トレッキングコースに入って10分ほどで、行先が蓼科湖と案内される道が右から合わさりました。これが車道経由とかではなく山道で、かつまともに歩ける状況ならば、こちらを歩きたかったと思いましたが、地図に載っていない道ですし、帰宅後にヤマレコを確認しても記録がないコースのようなので、詳細は今も不明です。
最初はそれなりに急な傾斜の道が続きます。この日は物凄く気温が高かった上、このくらいの標高では涼しさなど全くなく、無風でうだるような暑さの中での登りに大汗が吹き出します。まだ序盤なのに体力的にも堪えて早くも足取りが重たくなり、最後まで歩き通せるか不安になりましたし、熱中症の心配も頭をよぎるほどでした。
酷暑に耐えて尾根筋まで登ると、ようやく弱いながら風が通り始めて、暑さが幾らか凌げるようになりました。
道の傾斜は、登るにつれて穏やかになっていましたが、上部では再び急な登りになってカラマツ林に入ります。


急な道を登り詰めると、見覚えのある分岐点に出ました。右から合わさってきたのは2011年に歩いた信濃路自然歩道で、ここから八子ヶ峰の西峰までの間は、その時と同じ道を進むことになります。
分岐点の少し東寄りには、茂みの中に埋もれるようにして、御料局三角点がありました。
分岐点は八子ヶ峰の肩にあたる地点になっていて、ここまで来れば残す登りはあとわずか。次第に景色も開け始めて、木立の間には時折、頂上部に広がる草原や、ヒュッテアルビレオの屋根が見られるようになりました。
進むにつれて景色はいよいよ開放的になって、正面には蓼科山がその堂々とした姿を現しました。
頂上直下で、蓼科山との鞍部にあるすずらん峠からの登山道を合わせれば、頂上まではあとひと息。


ヒュッテアルビレオが建つ頂上部に出ました。ここから先は日差しを遮る物が何もなくなってしまうので、建物が作ってくれた日陰で少し休憩していきます。
八子ヶ峰の頂上には、のびやかな草原がいっぱいに広がっていて、これからこの中を進みます。
少し通り過ぎてから、ヒュッテアルビレオを振り返りました。背後に見える八ヶ岳の南部は雲の中のようです。
ヒュッテから5分ほどの軽い登りで、八子ヶ峰の東峰に到着しました。ただ、ここがこの山の最高点なのに、なぜか標柱がポツンと1本立っているだけで、ほとんど山頂らしさが感じられない地点です。
この通り、標柱のほかには何もなく、周囲にも人が休めるような広さはありません。だから他の人達と同様に、私も写真を撮る間だけの滞在となりましたが、草原の植物保護にはなっているのかな(背景は蓼科山です)。


草原で良く見られた花々をいくつか。こちらはタカネマツムシソウでしょうか(自信なし)。
こちらはエゾカワラナデシコのようですね。このほかにハクサンフウロもたくさん見掛けました。
もうひとつ多かったものといえば、このトンボです。時には、彼らの大群の中を縫うように進むことも。
引き続き、大きく景色が開けた気分爽快の道を進みます。少し遠くには、霧ヶ峰や美ヶ原が見えてきました。


三角点ピークを越えた先で、八子ヶ峰の西峰に到着しました。東峰より若干低いにもかかわらず、明瞭に盛り上がっていて山頂然としているためか、一般的に八子ヶ峰の頂上と言えばこちらを指す場合が多いようです。
歩いてきた草原の道を振り返りました。その背景は、蓼科山(左)と北横岳(右)です。
八子ヶ峰西峰からの展望です。東側には間近に八ヶ岳の峰々が並んでいて、全部見えたらさぞかし壮観だったでしょうけれど、南八ツは稜線上に雲が纏わり付いていて、天狗岳より南のピークはハッキリしませんでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
西側は、美ヶ原あたりまで見えていたのが精一杯で、残念ながら北アルプスは雲の向こう側でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南側では南アルプスも雲の中でした(南アは、朝に中央線の車窓から見ていた時点でも雲の中でした)。なお写真を縮小して不鮮明になってしまいましたが、中央付近に、本日のスタート地点である蓼科湖が写っています。


八子ヶ峰西峰から、2011年に歩いた白樺湖への道を見送って、東急トレッキングコースの続きを進みます。
5分ほどで着くショートコースへの分岐点あたりまでは、概ね草原状の中を下りました。
その後は樹林帯に入りますが、登ってきたコースに比べるとこちらは木陰が少なくて、下りなのに少々暑苦しかったです。また所々で傾斜がやや急になって、特に上部はあまり快適な下りとは言えなかったように思います。
しばらく進むと、建ち並ぶ別荘の脇を抜けるようになり、この頃には傾斜も緩んで歩きやすい道になりました。


かなり下って終点に近付いてくると、その手前に展望台への分岐がありました。
展望台とは名ばかりで、ベンチの先の眺めは樹木によって完全に遮られていました。
ベンチからの実際の景色はこの通り。設置当初は開けていたところへ、樹木が成長してしまったのでしょうね。
ここまで来ればゴールは目と鼻の先で、送迎バスの時間にも余裕があったので、ここでタップリと休んで、しっかり汗が引き、身だしなみを調えてから行動を再開しました(このあと高級リゾートホテルに入るので‥‥)。
なお、この「展望台」は、最新の案内図では「満月のベンチ」とされていて、現在は上空を見上げるスポットとして紹介するようになったようです(でも現地の標識が「展望台」のままなのは、紛らわしく感じましたが)。


「展望台」から1~2分も歩けば、コース終点の案内が現れました。
そこから短い階段を下ると、
東急ハーベストクラブ蓼科の本館エントランス前に降り立ちました。外にいると暑いので、館内に入って送迎バスを待ちましたが、施設の利用者でもないのに、ホテルの受付の方には親切に案内をして頂いています。
最後は東急リゾートタウン蓼科の送迎バスで、茅野駅まで運んでもらいました(駅前で降りたところです)。
リゾートタウン内では一切お金を落としていないので、無料の送迎バスを利用しても良いものやら判断が付きかねたのですが、同リゾートの送迎バスの案内ページに「トレッキングコース利用者」に向けた記載もあることから、少なくとも招かざる客ではなさそうだと思われたので、今回利用してみました。結果的に、ホテルの方も運転手の方も、明らかに登山だけをしに来たような姿の私に対して、ほかの客と同じように接して頂いたので、少なくともこの送迎バスが利用者を選ぶようなことをしていないのは確かなようでした。
とはいえ、そのことをこうして開けっぴろげに書いてしまうことで、何かしらの問題が生じなければという危惧はあるのですが‥‥(大した影響力もないブログなのを良いことに書いてしまいましたけれど)。
最後に、今回は東急トレッキングコースの中で最も長い距離のコースを選択したので、歩き始める時間を少しでも早めようと、行きは自力でコースまでたどり着く計画としていました。送迎バスの行きの便は、一番早いものでもお昼近い時間までなく、それでは遅いだろうという判断からです。
ただ、ここでは起終点の選び方によって、所要2~3時間程度のショートコースを設定することもできますので、その場合には往復ともに送迎バスを利用することが可能になると思われます。

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