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金勝アルプス [関西]

2018/11/24(土)

■第394回 : 金勝アルプス(鶏冠山(490m)・龍王山(604m)


今回訪れたのは、滋賀県栗東市の金勝アルプス(こんぜあるぷす)。関西への日帰り遠征です。
標高500m前後の低山ながら、稜線には花崗岩が風化した巨岩や奇岩が点在して、あたかもアルプスの高山帯のような景観を形作り、その中を縫って進むアスレチック感覚のコースが魅力で、大変楽しんで歩いてきました。

 累積標高差(登り):869m / 距離:10.4km / 歩行時間:2時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:39 新横浜 06:00-07:24 名古屋
名古屋 07:37-08:00 米原 08:18-08:50 草津
草津 09:00-09:30 上桐生

(登山行程)
上桐生バス停 09:30
鶏冠山    10:20-10:30
天狗岩    11:10-11:20
白石峰    11:35
龍王山    11:50-12:00
横ヶ峯展望所 12:05-12:10
金勝寺    12:30-12:55
道の駅こんぜの里りっとうバス停  13:25

(復路)
道の駅こんぜの里りっとう 14:20-14:50 手原
手原 15:12-15:17 草津 15:21-15:53 米原
米原 15:57-16:25 名古屋 16:29-18:39 小田原
小田原 18:46-19:39 相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR草津駅から、車内で京都っぽい言葉が交わされていたバスに30分揺られて、終点の上桐生からスタートです。
このあたりは「近江湖南アルプス自然休養林」として整備されていて、すぐ先には大きな駐車場が現れます。キャンプ場などもあるからか、この日は登山道でも中高生くらいの若い世代のグループを多く見掛けました。
駐車場にあった、トイレが入った建物にはハイキングマップが置かれていたので、1部頂きました。
駐車場の奥から登山開始です。


はじめは舗装された道(北谷林道)を、紅葉の名残を感じながら進みます。
最初の分岐点で一旦で北谷林道と分かれて、落ヶ滝(今回は行きませんでした)と案内された道に入ります。
すると山道に変わりますが、このあたりでは傾斜はまだまだ緩くて、楽に歩けました。
分岐点には必ず道標があって、コースは良く整備されていました。この地点で落ヶ滝への道と分かれて、北谷線(北谷林道の続き)に向かいます。一旦登山道に入っていたのは、林道歩きが長いと味気なさそうだったから。
登山道から北谷線への連絡道は、あまり歩かれてないのか少々荒れ気味ですが、歩きにくいほどではありません。進むにつれて本格的な登りになってきて、初冬らしい冷え込みの中でも汗をかかされるようになりました。
傾斜はきつくなる一方で、次の分岐点で北谷線に出たら、たまらずジャケットを脱いでいます。本当は、その下のフリースも脱ぎたいくらいの暑さでしたが、空気が冷え冷えしていたので、そこまで思い切れませんでした。
が、そこまでの登りはまだ序の口だったらしく、分岐点の先には、さらに急な登りが待っていました。
一貫して急登が続いて、段差の大きな所も多い苦しい登りに、汗が止まりません。仕方なくフリースも脱いで山シャツ姿になりましたが、風に吹かれると逆に少し寒くなるほどで、この時期はウェアの調整が悩ましいです。


稜線に上がるとようやく傾斜が収まり、ほどなく、ピークというほどではない、ちょっとしたコブに出ました。
そこにあった私製の標識でも、山と言えるほどの地点でもないことが、書きぶりに現れていたような‥‥。
北東側がいくらか開けていて、この日初めての展望を少し楽しめました。


さらにひと登りで、鶏冠山に到着です。木立に囲まれた、展望のない地味なピークだからか、ここには寄る人も少ないようで、着いた時は無人。休憩中にあとから現れた登山者も1人だけでした。
標識と三角点以外には何もありません。休んでいると身体が冷えるので、ここで再びフリースを羽織りました。
標識だけは矢鱈とあるのが五月蠅い感じの頂上です。左上の物などは3つもあって、もう見苦しいだけでした。


鶏冠山からはどんどん下ってしまいます。途中には、ロープの助けが必要だったザレ場の急斜面もありました。
こんなに下ったら、龍王山はまた1から登り直しになってしまうと心配になり始めた頃、ようやく落ヶ滝から登ってくる道との分岐点に出ました。ここが鶏冠山と龍王山との鞍部になります。
鞍部からの登り返しは、ごく普通の山道で始まりますが‥‥。
次第に花崗岩が目立つようになって、岩盤が道の形に掘り下げられたような場所も。
時には、露出した花崗岩の間を縫って進むようになります。
登山道脇では、巨岩や奇岩をたびたび目にするように。
振り返ると、巨岩越しに琵琶湖などが眺められるようになっていました。


そしていよいよ、花崗岩の露出帯に突入して、さらに景色が一変しました。低山ではなかなか見ない風景に、テンションが上がります。行く手には天狗岩も見えてきました(写真右端)。
進むにつれて、天狗岩が近付いてきました。上のほうに登ると展望が素晴らしいらしいので楽しみです。
露岩帯には険しい箇所もありますが、多くは普通に登り下りすることができて、ここもロープは不要でした。


天狗岩の真下までやって来ました。見上げると、結構な数の人が上のほうにいる模様です。
ロープを使ってほぼ真上に登っていくのは最初だけで、あとは手足を使ってよじ登るような具合の箇所が続きます。危険を感じるほどの傾斜や険しさはなく、ちょっとしたスリルを味わう程度でした。
が、てっぺんの岩(写真右)の基部まで来たところで、なんと前が混み合っていて進めません。さすがにこの岩の上には登れないのですが、でももう少し先まで行けるはずですし、行かないと展望が楽しめないのです。
しかしタイミング悪く、この時周囲にいたのが未成年のグループで、引率する大人もいないのか他人に配慮する様子なんてなさそう。少し待ってみても、今いる場所を動く気配がないので、諦めて下りてきてしまいました。
天狗岩を少し過ぎてから振り返りました。もし登れれば、琵琶湖方面がスッキリと眺められたはずだったのに。
この時、天狗岩の上部はこんな様子でした。私が行けたのは岩の左側面あたりまででしたが、その先を右側に回り込めば、展望の良い場所に出られたようなのです。もう少し粘ってみても良かったのかも知れません。


天狗岩を過ぎても、露岩帯はまだまだ続きます。
さらに進んで、耳岩まで来ました。やはり要所となるポイントには、それなりに人がいますね。
耳岩にも先客が多く取り付いているようでしたが、元々ここは登るつもりでなかったのでスルーしました。
ここでは岩と岩に挟まれた、狭い場所を通過していきます。
上の写真の場所を通過してから振り返りました。
巨岩・奇岩帯はもう少し続きます。展望は残念でしたが、歩いていて楽しい景色に満足感を味わえていました。


分岐点となっている白石峰にも、休憩中の人が多数いました。
白石峰から龍王山へ向かうと、ほどなく茶沸観音の前を通過します。
その後は花崗岩の露出がめっきり減って、ありふれた表情の登山道に戻り、出会う人も少なくなりました。鶏冠山や龍王山は、展望がなくて面白味には欠けるピークなので、天狗岩を周回するだけの人が多かったようです。


龍王山の頂上直下には八大龍王の祠があって、このあと向かう金勝寺の奥宮にあたるようです。頂上が狭いので、休憩にはこちらのほうが向いているようでした。
そこからほんのひと登りで龍王山に到着すると、そこは4~5人もいれば混み合ってしまいそうな、手狭な場所でした。この時も、この右側で2人の登山者が食事中だったので、写真は頂上の左側半分を撮ったものです。
鶏冠山ほどではないにせよ、龍王山も私製標識が乱立していて邪魔臭かったです。なおウェブでは「竜王山」の表記が一般的なのに対して、公式の地図や道標が「龍王山」としているので、この記録はそれに合わせました。
龍王山では、わずかに開けた木立の間から、北側の展望を少しだけ楽しめました。


龍王山から金勝寺に向かうと、少し下ったかと思えば登り返しがあったりして、大きく下ることはありません。
そうこうするうち、車道に出てしまうと‥‥。
車道の終点が横ヶ峯展望所になっていて、北側を中心に大きく広がっている眺めを楽しめました。
展望鏡もありましたが、有料なので使うのは遠慮しておきます。
横ヶ峯展望所からの眺めです。概ね晴れていたこの日、なぜかこの昼前の時間帯だけ日が陰って、せっかくの展望写真がパッとしない出来になり、朝は見えていた琵琶湖対岸の比良の山々も、雲に隠れてしまっていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
展望所を背にした小高い場所には、馬頭観音堂がありました。これも金勝寺と何か関連があるのでしょうか。
車道に出てしまったので、金勝寺へは車道歩きになります。途中では時折、見納めの紅葉を楽しめました。


金勝寺の入口に着くと、ほとんど人のいない時間に当たったようで、あたりは静寂に包まれていました。
寺務所で拝観料を納めると、管理人の方が、境内に点在するいくつものお堂や、それらに安置されている仏像などについて、とても丁寧に説明をして下さいました。
金勝寺の境内に入ると、参道の石段を登り詰めた先に仁王門が見えてきました。このとき石段を下ってきた1人の男性が、広い境内にいた唯一の参拝者だったようで、その方とすれ違ったあとは、私ひとりしかいなくなった境内で静寂な佇まいに存分に浸れるように。それゆえ、ここが今回の山行で最も印象深い場所になりました。
まずは仁王門をくぐりますが、その前に‥‥。
仁王門を少し違った角度から。
紅葉がまだ残っていてくれたこともあって、どこを写しても割と絵になります。
参拝順路に従い、次は二月堂へ。小さなお堂ながら、堂内では巨大で迫力ある明王像が仁王立ちしていました。
本堂も、控えめな紅葉の中に佇んでいます。
奈良時代の創建と伝えられる歴史ある古刹の本堂です。創建当初の建物は室町時代の火災で焼失したとあり、現在の建物はその後(江戸時代?)に再建されたものらしい。
本堂だけは、内部の撮影を禁止する掲示がなかったので、ご本尊の木造釈迦如来座像を撮らせて頂きました。
虚空蔵堂では、畳に上がって虚空蔵菩薩像などを拝んでいきました。
15分ほどで境内を回り終えても、美しい景色と閑かさを自分ひとりで独占している贅沢さに、ちょっと去り難い気持ちでした。そこでベンチでもうしばらく過ごし、次の参拝者が参道に現れたのを潮時に腰を上げています。


金勝寺は、以前は公共交通では来られない場所でしたが、現在は「こんぜめぐりちゃんバス」が目の前まで来てくれます(ただし季節運行で、今年は今週末の運行が最後)。私ももちろんこれに乗りますが、次のバスまで1時間以上も待つので、この先の下調べができていなかったことを気にしつつも、もう少し歩いてしまうことに。
ということで、次のバス停があり、飲食や買物ができて時間もつぶせる「道の駅 こんぜの里りっとう」を目指して、歩きを再開します。車道の続きでは、それまでと同様に紅葉を少し楽しめたりもしました。
ほどなく三叉路に出たら、地図によると、右折して車道を進めば難なく道の駅に出られるようです。調査不足だった以上、安全策を取るべきか迷いましたが、退屈そうな車道歩きに気が進まないでいたところ‥‥。
地図にはお誂え向きに、三叉路を直進した先で分岐する「ナンダ坂狛坂石段」なる道が書かれていて、それでも車道とほぼ同じ距離で道の駅に出られそうなのです。どんな道なのか一切不明なことに一抹の不安を感じながらも、何か困っても時間には余裕があるし、車道歩きよりは面白いだろうと、ここからその石段に入ってみます。


するとその石段は、結構急な上に想像よりもずっと長く、いつまでも下り続けてなかなか終わりません。緩い坂道の車道と同じだけ下れば十分なのに、それを遙かに超えて下っているとしか考えられず、いやな予感が‥‥。
ちょっとした広場に出て、ようやく急な下りが収まりましたが、一体どこまで下ってしまったのだろう。
そこは「滝広場」となっていて、確かに後方に小さな滝があります。が、まず石段自体があまり歩かれていない様子で少々荒れ気味ですし、この広場も雑然としていて、あまり気分良く過ごせる場所ではありませんでした。
その後は車道に合わさって、さらに軽く下っていきます。
桂谷池という場所に出て、ようやく現在地が把握できたのは良いけれど、案の定、大いに下り過ぎていました。
なので桂谷池からは石段が登りに。ここまでの展開から確信していたとは言え、実際に見て少々へこみました。
その先で道が分岐するようになると、案内が決して分かりやすくはないので、多少行き当たりばったりで進まざるを得ない展開にもなりました。「県民の森」を目指してみて、結果的に正解だったから良かったのですが。
結構な登り返しの挙げ句、次の広場まで上がると、ようやく先ほど別れた車道が同じ高さに近付いていました。
そのすぐ先で「ナンダ坂狛坂石段」から車道に戻りました。楽だけど退屈そうな車道と、余計な登り下りをさせられて特段の見所となる景色もない石段のどちらが良かったかは、考え方次第でしょうか。


再び車道を歩き出したら、間もなく前方に「道の駅 こんぜの里りっとう」が見えてきました。
「道の駅 こんぜの里りっとう」です。建物内にはレストランや土産物店があり、裏手には足湯もありました。
レストランで「こんちゃんうどん定食」を注文していきます。うどんには猪肉が入っていて、多少の固さはあったものの、あっさり目の味付けが好みと合っていて、美味しく頂きました。
道の駅に隣接して広い公園があったので、食後はそこでバスが来るまでの時間を過ごしています。


最後は「道の駅 こんぜの里りっとう」のバス停で、「こんぜめぐりちゃんバス」を待ちました。
ところで「こんぜめぐりちゃんバス」には、往復乗車時にお得になる1日フリー乗車券のほか、朝に乗った上桐生への路線バスと合わせて片道ずつ利用できる「金勝山相互乗車券」も用意されていて、後者を利用しました。
今回の私のように上桐生への路線を先に利用する場合、「乗車証明書」を受け取っておく必要があります。この日は草津駅での乗車時に、他の乗客が運転手に請求していたのを見て、私も便乗して一緒に受け取りました。証明書は十分な用意があるとは限らないようで(この時も慌てて取り寄せていた)、請求は早めが良いようです。
こちらが「金勝山相互乗車券」です。上桐生への路線バスの「乗車証明書」を提示すると、支払い済みの運賃との差額で購入できました。

タグ:関西
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