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竜爪山 [静岡]

2018/12/08(土)

■第396回 : 竜爪山(薬師岳(1051m)・文珠岳(1040m)


今回は静岡の竜爪山に登ってきました。古くから山岳信仰の場として修行者に登られていた山で、静岡市内からのアクセスが良く手軽に登れることから、現在も静岡市やその近郊から多くの登山者が訪れる人気の山です。

様々なコースがある竜爪山。登りは平山バス停を起点に、歴史が古く今でも最も一般的な旧道を選んでいます。
一方の下りは途中で一般登山道を外れて、桜峠を経て麻機バス停までの少々長いコースを歩きましたが、こちらはあまり歩かれていないのか、細々とした道が続き道案内も手薄で、バリエーションルートに近い印象でした。

 累積標高差(登り):1236m / 距離:13.8km / 歩行時間:4時間50分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 05:05-06:06 小田原
小田原 06:22-06:45 熱海 06:49-08:05 静岡
静岡駅前 08:15-08:58 平山

(登山行程)
平山バス停   09:00
旧道登山口   09:45
穂積神社    10:40-10:45
竜爪山(薬師岳) 11:25-11:30
竜爪山(文珠岳) 11:40-11:55
若山北分岐   12:30
632m三角点   12:55
桜峠登山口   14:00
麻機バス停   14:15

(復路)
麻機 14:22-14:46 新静岡(伝馬町)
静岡 15:23-16:41 熱海 16:46-17:08 小田原
小田原 17:16-18:11 相模大野 18:30-18:45 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

静岡駅でバスに乗り換えます。今回は新幹線には乗らず、往復ともに在来線を利用して来ました。
平山バス停からスタート。同じバスからは、私のほかに4~5人の登山者が一緒に降りました。


バス停から歩き始めるとすぐに公衆トイレがあり、有難く利用させて頂きます。道路に面した側の壁には、双耳峰の竜爪山をあしらったイラストがデザインされていました。
数分も歩けば人家はなくなります。それでもしばしば車が抜いていくのは、登山者を乗せた車だからでしょう。
かなり歩いてからも、道の両脇や陽当たりの良さそうな斜面には、茶畑が見られました。
駐車車両を見掛けるようになると、間もなく登山口です。


旧道の登山口に着きました。停められている車の台数からも、この山の人気が窺えます。
穂積神社の鳥居をくぐって登山道に入ります。
案内図と案内文によると、登山道脇には古い丁石が残されているようです。穂積神社の手前が三十丁となっているのに対して、そこまでの距離は2kmにも満たないので、割と短い間隔で丁石を見ることになりそう。


登山道を歩き始めてすぐに現れたこの標柱によると、丁石は三十六丁までが正しいようです。
早速、思っていた通りに次々と、道の脇には丁石が現れるようになります。ただ、どれも比較的新しいものに見えて、想像していたような古めかしいものがなかったのは期待外れでしたけれど。
序盤の登山道は割と急で、露岩帯の通過もしばしばですが、手を添える必要があるような箇所は限られました。
時折、近くにある滝への案内が現れますが、この先が長丁場ということもあり、今回はどれも見送りました。
十七丁を過ぎ、次の十八丁が折り返し点だからと気をつけていたのに見逃してしまい、気付いたら十九丁でした。穂積神社は竜爪山を2/3ほど登った所にあるので、これで全体の1/3ほどを登った勘定でしょうか。
急登が続いた序盤に対して、中盤に入ってからは穏やかな傾斜の箇所も多くなります。二十六丁まで登ったところで、右手から新道が合わさりました。
穂積神社までの道のりの終盤では、ところどころで再び急な登りを交えるようになりました。


穂積神社に着きました。実はここまで車で上がることもできるのです。でもこの時は、地元の方らしい十数名の方々が集まって境内の清掃をしておられたので、停められていた車もその方々のものが多かったのかもしれません。また写真には入っていませんが、社務所の隣には公衆トイレと飲み物の自動販売機がありました。
参拝後、境内のベンチで少し息を整えたら、穂積神社の裏から竜爪山への登山道に入ります。穂積神社から先は東海自然歩道のコースと重なるので、道標なども東海自然歩道のものになりました。


はじめ穏やかだった道は、途中から一転して急階段の連続になります。しかしここで、「静岡県の山」に階段道と山腹道の2つがあると書かれていたのを思い出し、よく見ると直進する踏み跡があったので、それが山腹道に違いありません。道標が鉄階段しか案内していないのが少し不安でしたが、その山腹道を追うことにしました。
その道は、細いながらもきちんと続いていて、倒木も処理されているなど、一応は人の手が入っている様子。それなりに急ではあるものの、ジグザグ状の登りですから、傾斜も鉄階段よりは随分マシだったのではないかと。
しばらくすると鉄階段が見えてきて、合流するのかと思ったら、ここではニアミスしただけで、再び離れます。
ところがこの先は、ジグザグ道もいっそう急になり、道が細いこともあって歩きにくい箇所も現れるなど、少なくとも下り向きの道ではなくなります。道標がこの道を案内していない理由も、このあたりにありそうでした。
次に鉄階段と接近したら、今度はそのまま合流しました。
合流点から鉄階段を見下ろすと、急な階段が延々と続いていて、やはりここは避けて正解だったと思いました。
しかし階段地獄はまだ道半ばだったようで、その先にも木段がずっと続いていました。いくら登っても全然終わらないのでげっそりしますし、丸太2本分くらいの大きな段差がある所も少なくなく、かなり苦しい登りです。
そんな中、唯一励みになったのがこの標識でした。あと50m耐えれば、階段から解放されるのか!


頂上直下まで来ると薬師岳北展望地があって、ここで俵峰からの道を合わせました。
展望地では、せっかく富士山が見られそうな方角が開けていたのに、見られた景色はご覧の通り。基本的に良く晴れていたこの日も、なぜか登頂前後の時間帯だけは雲が多くて、展望に関しては残念な結果となりました。
木段は展望地までで終わり、最後の最後だけは、すこぶる緩やかな道になりました。


薬師岳に到着しました。樹木に囲まれて全く展望はありませんが、ここが竜爪山の最高点になります。
お団子型の山名標識も、最高点のこちらにありました。
展望がないからか素通りの人が多い中、最高点に敬意を表して、誰もいないベンチで少し過ごしていきました。


薬師岳から文珠岳へは、一度ガクンと下ります。
登り返しはまたしても木段。でもここは、さほど長いものではありませんでした。


薬師岳から10分ほどで、文珠岳に到着です。標高では薬師岳に10mほど劣りますが、展望が良いからなのか、一等三角点はこちらの文珠岳に設置されていました。
頂上の標識は2種類ありました。ネット上では「文殊岳」の表記も良く見ますが、正しくは「文珠岳」ですね。
開けた南東側にはいくつものベンチが置かれ、多くの登山者が休んでいて、その先には海が見えていました。
南東側の展望を少し大きめに。手前に見えているのは清水港と三保松原あたりで、駿河湾を挟んだ先には伊豆半島が確認できます。雲が多かったこの時間、伊豆半島の山並みは、ぼんやりと霞んで不明瞭でしたけれど。
南側の焼津方面は、高草山や花沢山といった山々の奥に、御前崎がうっすらと見えていました(写真右半分)。
ただ、やはり残念だったのは山側の眺めで、富士山も南アルプスもサッパリでした。


文珠岳を後にしたら、引き続き東海自然歩道を南下します。過剰整備された木段がやや鬱陶しく感じましたが、秋の猛烈な台風によると思われる倒木がきれいに処理されていたのも、東海自然歩道だからこそだったのかも。
若山を前にした鞍部まで下ると、ベンチが置かれていたので、そこでひと息つくことができました。
鞍部から登り返していくと、ほどなく標識とベンチがある地点に出ます。ここが「若山北分岐」で、ここで東海自然歩道を離れて、桜峠への道に入ります。
標識には若山北“分岐”と書いてあるのに、指示標は前後方向だけで、一見すると分岐点には見えませんが‥‥
私が進む桜峠への道は、私製の地味な標識が足元で示していました(2つ上の写真の左端にも写っています)。


桜峠への道に入ると、すぐに公的な道標が現れて、一応はちゃんとした道なのだと安心させてくれましたが‥‥
道はか細くて頼りなく、あまり歩かれていない気配が濃厚です。それでも当面は、危なっかしい箇所に補助ロープが設置されていたり、倒木も片付けられていたりと、最小限の整備はされている感じでした。
送電線鉄塔が立つ地点に出ると、送電線越しに再び南東側を見渡すことができました。頂上にいた時よりも青空が広がっていて、伊豆半島の山並みは最高峰の天城山も含めて全部見えていたようです。
下る途中で、登山道からは外れていたけれど、大した距離ではなかったので、632m三角点に立ち寄りました。
三角点付近には林道が上がってきていて、一旦はその林道を進んで行くと、すぐにまた山道の入口があります。そこに道案内は何もなかったのですが、コンパスで方角を確かめると合っていたので、迷わず進んでみました。
すると、その先も細いながらも明瞭な道が続き、時には簡易的な道標も見られて、あまり不安を感じずに進める状況が続きます。そんな中をしばらく下っていくと、今度は舗装された林道に出ました。
林道上に出て振り返ってみました。森の中から砂利道で「立入禁止」のバリケードの所に出てきましたが、標識があったのは奥にある森の入口付近なので、逆コースを進む人には登山道の所在が分かりにくいと思われます。
ここでも、林道を少し進むと、山道への入口がありました。
その先で、山道は森の中を抜けて、茶畑に出ます。ここでは茶畑と森との境界を進みましたが、そこが道なのかどうかが明確ではなかったですし、これ以降は道案内が乏しくなって、不安を感じつつ進むことが増えました。
ほどなく先程の林道に出て、それを横断してまた森の中へ。
その森もまたすぐに抜けて、再び茶畑に出ました。ここでも茶畑と森との境界を進むのですが、その前に‥‥
この日初めて、スッキリとした展望が見られたので、低い山ばかりの眺めでしたがカメラに収めておきました。この頃にはどの方角も良く晴れていて、この時間であれば、頂上からも展望が楽しめたのではないでしょうか。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
その後は道がいよいよ怪しげになります。幸いだったのは、最後まで紛らわしい分岐のない素直な1本道だったらしく、きちんと踏み跡を追えてさえいれば、結果的に目的地まで迷わずにたどり着けたことです。
1箇所だけ、尾根道と巻き道に分岐する地点では、入口側と出口側の両方にこの道案内がありました。
最後のほうになって、転げるような急坂が現れて、慎重に下ります。ここは補助ロープが欲しいところでした。


割と唐突に開けた地点に出た時、目の前に広がったのは、登山道が新東名によって分断され、大々的に付け替えられた場所として、事前にネットの記事で見ていた光景で、ここまで道を間違えずに来られたと分かりました。
最終盤は道標も少なく、作業小屋脇の狭い空間を抜けたり、農作業用のモノレール脇を歩いたりするなど、登山道らしくない景色が続いて不安だったのですが、なんとか最後まで予定通りに歩けそうでホッとしています。
(ただ、途中の経路まで含めて全てが正しかったのかは不明ですし、次に同じコースを歩いた時に、全く同じ経路で歩ける自信もありません。さらに逆コースの場合には、同じ道を逆にたどれるかが明らかに怪しいと思える箇所が複数ありました。きっと今回も、たまたま順調に歩けただけなのだと思います)


上の写真の階段を下り、その写真の真ん中に写っている道路に出たら、その先にさらに階段が続いていました。
ここでは、新東名が元々あった山を登山道もろとも開削して貫いており、尾根上に付けられていた登山道は、一旦急降下して新東名の下をくぐったのち、同じだけ登り返させられるという、酷い仕打ちを受けていて、そのために長い階段が出現していたのです。せめて、新東名の上を跨ぐ歩道橋を作れなかったものなのでしょうか。
なお、今回は現在の登山道を忠実にたどって、桜峠の登山口まで歩き通したかったので、正直にこの階段を登り下りしましたが、そういう拘りがなければ、この階段を下りずに道路を歩くと楽に麻機バス停に向かえます。
ということで、階段を一番下まで下ったら、新東名の下をくぐります。
くぐった先では長い階段で、元々あった尾根道あたりまで登り返します。すでにかなり長い距離を歩いてきた上での、急で長いこの登り階段は結構きつく、途中でお散歩の親子連れに抜かされました‥‥。
階段のフェンスには、どなたかのお手製の「新東名で寸断された登山道」なる風景のイラストが設置されていました。このイラストの範囲が、新東名によって削られる前までは、全部山だったということなのでしょう。
で、せっかく苦労して階段を登り終えたと思ったら、すぐにまた下ることになるだけという、まさに「徒労」を地で行くような登山道に辟易させられ、桜峠の登山口に到着したらドッと疲れが出ました。


桜峠の登山口で車道に迎えられたら、あとは麻機バス停まで車道を歩いて向かいます。
麻機バス停に到着。何かトラブルがあった訳でもないのに、なんだか色々なことがあった気がする今回の山行でした。バスは12分おきの運行なので、大して待たされることもなく、次のバスに乗れています。
帰りは静岡駅までバスに乗らずに、繁華街に近い新静岡で降りて、軽くお食事をしていきました。

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