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小沢城址・ありがた山・浅間山 [東京・神奈川(平野部)]

2020/02/23(日・祝)

■第425回 : 小沢城址(天神山,87m)・ありがた山(110m)・浅間山(79m)


新型コロナウイルスの感染が拡大し、公共交通機関しか移動手段を持たない者にとっては、出掛けることが非常に厳しい状況になってしまいました。とりわけ、移動時間が長くなったり、混雑の激しい拠点駅を経由したりする遠方への山行は、感染症の流行が終息するまで見送るしかなさそうです。

それでも行先を近場にとどめて、混雑する乗り物を避け、かつ乗車時間も短くすれば、リスクをある程度低減できそうなので、今回はそうして出掛けてみましたが、その結果、実質的にほぼ街歩きという内容になりました。
とはいえ、途中で巡った3つの小さな頂は、いずれも「多摩100山」(新ハイキング社刊) に選定されていて、山としてのステータスを一応は備えていますから、この記録を「山行記録」と銘打っても差し支えないでしょう。

 累積標高差(登り):326m / 距離:13.6km / 歩行時間:3時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
北ひろば前 06:17-06:29(早着06:25) 町田 06:28-06:43 読売ランド前

(登山行程)
読売ランド前駅   06:50
小沢城址(天神山)  07:35-07:40
ありがた山     08:05
稲城大橋      09:00
浅間山(堂山)    09:50-10:00
浅間山(中山)    10:05
浅間山(富士見百景) 10:10-10:15
浅間山(前山)    10:20
東府中駅      10:40

(復路)
東府中 10:48-11:00 聖蹟桜ヶ丘 11:46-12:37 相模原
相模原 13:00-13:24 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

早朝に路線バスと電車(各駅停車)を乗り継いで、読売ランド前駅へ。目論見通り、どちらも空いていました。
駅前からすぐに細い路地に入ったら、1分歩いたかどうかという早さで「多摩自然遊歩道」の標識が現れます。
さらに1~2分でもう遊歩道が始まって、駅は住宅街に囲まれていたのに、ほんの数分歩いただけで森の中に入ることに驚かされます。ところで遊歩道は直進らしいのですが、右に登る道も分かれていて、そこに立つ案内図によればすぐに1本に合わさるようなので、とりあえず少しでも山らしい所を歩いておこうと登ってみました。
しかし、確かにそのすぐ先で、元の道に戻れそうな下り階段が分かれていたものの、それ見送った先にも山道が続いていて、雰囲気の良さにそのまま歩き続けていると‥‥。
尾根まで登ってフェンス沿いの道に突き当たった時、そこに立つ道標が、左を「よみうりランド入口」、右を「読売ランド前駅」としているだけで、私が登ってきた道は何も案内がなく無視されているのが少し変でした。
それでも、左折の「よみうりランド入口」がまさに目指している方向ではあるので、気にせずそちらに進んだところ、フェンスと竹柵に両脇を挟まれた狭苦しい道が続くばかりで、せっかくの尾根道の雰囲気が台無しです。ちなみに、右側は日本女子大学の敷地らしく、それゆえにフェンスで厳重に囲まれていたのでしょう。
その後も電波塔の前で道が分岐するのに、そこにも道標がありません。尾根は左へと続くようなので、左に進んでみて、結果的にそれで事なきを得ていますが、どうやら遊歩道から外れてしまったらしいことは明白でした。
ほどなく山道が終わって車道に変わったのは良いけれど、やはり、予定とは違う場所に出てしまったようです。
出てきたのは、読売ジャイアンツ寮の脇でした(写真右奥から出てきました)。ここは一体どこなのだろう?
幸いにもすぐ先で、歩く予定だった「多摩自然遊歩道」が左から合わさってきて、正しいコースに復帰できました。計画通りの遊歩道は全然歩けなかったけれど、その代わりに山道を歩けたので、まぁ良しとしましょうか。


そこから先、しばらくの間は車道歩きになります。
右前方に「菅さくら公園」が現れたら右折します。その後、「多摩自然遊歩道」の案内図はあくまで車道を進むよう案内していますが、トイレを利用したかったこともあって、公園内に入ってみました。
すると、公園内を進むこともできました。狭い公園なので、いくらも歩けるところはありませんでしたが。
左手では梅が満開だったのに、フェンスと鉄柵に二重に阻まれて、残念ながら近寄ることができません。
そしてすぐに公園の端に出て、車道に戻ることになりました。


少し先の寿福寺では、隣接する梅林も満開でしたが、ここも入口が施錠されていて中には入れませんでした。
その後「多摩自然遊歩道」は少々分かりにくい経路を進みます。要所には必ず道標が立っているものの、左の細い道に入るこの地点などはその道標が少し奥まったところに立っていて、見落としやすいと感じました。でも、山の中と違って住宅街では、どこにでも道標を立てられる訳でもなさそうですから、仕方ないのでしょうね。
その先も道標通りに進んで、路地裏のような所に入ると、その奥で山道に変わります。
山道を登っていくと間もなく、道標が右への分岐を「小沢城址」と案内していたので右折してみたところ、なんのことはない、右前方の「ふれあいの森」なる緑地内を通るかどうかの違いだけで、すぐにまた合流しました。
「きたん坂」の標柱を見る頃には、元々いくらもない高低差をあらかた登り終えていたようです。
「きたん坂」を上がると右手に平坦地が現れて、道が分岐するので、ここを右折してその平坦地に入ります。
この小広い平坦地は馬場広場と呼ばれていて、小沢城の遺構のひとつなのでしょう。


馬場広場の奥に、「小沢城址」の石碑などが並ぶ一角がありました。
ここがこの日に巡る3つの山の1つめ、小沢城址(天神山、小沢城址山とも)です。
富士登山講の石碑の裏あたりが一番高いようですし、道も付いているので‥‥。
一応、登っておきましたが、そこに何があるという訳でもなく、登り損でした。


小沢城址からは京王よみうりランド駅に向かいたいのですが、そういう人向けの道案内はなかったようです(実は、穴澤天神社への道案内はあって、それに従えば良かったのですが、穴澤天神社は全くのノーマークで何の予備知識もなかったので、それが駅と同じ方角にあるということも知らなかったのです)。
このため、適当な方角に当たりを付けて下っていったところ‥‥。
またしても、見当外れの場所に出てしまいました。
出たところは読売ジャイアンツ球場の向かい側で、京王よみうりランド駅には少しだけ遠回りになりました。
車道を緩やかに下っていくと、間もなく右手に小沢城址への道を見送ります。本当はここに出たかった‥‥。
坂道を下り終えたら、京王よみうりランド駅の南側を通過していきます。
交通量の多い通りに出て左折したら、すぐに次に向かう「ありがた山」への入口があります。
上の写真の地点で右の細い道に入ると、なにやら大がかりな工事が進行中のようで、少々物々しい雰囲気です。


構わずに奥へ進むと、山の斜面に開かれた墓地の入口に出ました。この墓地の上が「ありがた山」になります。
そのため、謹んで墓地の中を通らせて頂きます。周囲のいたる所で大々的に造成工事が展開される中、残されたこの一角だけは平穏が保たれているかにも見えましたが、良く見ると入口のこのあたりは墓の移転が進んで更地に近くなっていたので、この墓地に対しても工事の何らかの影響があるのかもしれません。
墓地は斜面の中腹までで、さらに上の斜面には、夥しい数の石仏や石碑が所狭しと並んでいました。「ありがた山」という名前も、地形としての山を称するというよりは、むしろこの石仏群を指して付けられたものらしい。
最後は「ありがた山石仏群」の中を登り詰めます。4千体以上といわれる石仏が整然と並ぶさまは壮観でした。
頂上部には石塔が並んでいました。
反対側の斜面は工事ですっかり崩されて、見る影もない無残な姿に。
さらに地形図によれば、頂上部の西側にはもう少し高い地点があることになっていますが、そちら側もこの通り地面がむき出しですでに削られてしまっているらしく、おまけに規制線が張られて立ち入り禁止でした。
そんな肩身の狭い場所では長居もできず、石仏群の脇を下って、中腹から下は墓地の中の道を戻りました。
なお、今ではすっかり変わり果てた姿となったこの場所も、山が削られる前は墓地以外の方向から登る山道もあるなど、自然豊かなハイキングコースになっていたらしい。現在「ありがた山」周辺で進んでいるのは、土地区画整理事業による宅地開発と道路建設で、石仏群のある場所もろとも周囲の山林を崩して平らにしてしまう計画になっているとする記事もあり、石仏群についても消滅が危惧されている状況のようです。


「ありがた山」から下ってきたら、来た道を引き返す途中で、梅が咲き揃って綺麗だった所に寄ってみます。
それがこの妙覚寺で、「ありがた山」に登る前に門前をスルーしていたのでした。
本堂です。妙覚寺の境内はあまり広くはありませんが、静かで落ち着いた佇まいでした。このあと、本堂右手に少し小高くなっている所へ向かう石段を見つけて登っていくと、観音堂や鐘楼などを見ることができました。


さて、小沢城址とありがた山はごく近くにあって一緒に巡りやすかったのに対して、次に向かう浅間山は7km以上離れているため、歩けば2時間近くかかりますし、その間はずっと市街地なので車道歩きが延々と続きます。
京王よみうりランド駅から北上して行くと、三沢川に出たところにあったのが三沢川親水公園。ここはトイレが利用できる貴重なポイントでした。
その先も三沢川に沿っている間は、遊歩道を歩けてまずまずの雰囲気。春になれば桜並木が見事なのでしょう。
しかしそれは長くは続かず、稲城大橋通りに入ったら、しばらくは幹線道路の歩道を歩くばかりになります。
稲城大橋が近付いてきました。ここからは、まだ車道の橋しか見えていませんが‥‥。
歩道はもう少し先まで地上を進んで、車道よりも少し遅れて橋に上がるようになっていました。
車道と同じ高さまで上がりました。橋の下を流れているのは多摩川です。
稲城大橋の中央付近に差し掛かったところで、左側の眺めをチェック。
多摩川の上流方向には、遠くに奥多摩などの山並みが見えていました。
さらに左を向くと、富士山が頂上部だけ顔を出していました(写真右端)。写真左端にうっすらと見えている三角形は丹沢の大山で、富士山と大山の間にも、多摩丘陵と重なるようにして丹沢の稜線が見えていました。


稲城大橋を渡り終えたら、中央道沿いに少し進んだのち‥‥。
団地の間を通る細い道に入ると、道に沿うように細長い形の公園があって、ここで久々に土の上を歩けました。
その後は細い道を結んで、最短経路で浅間山を目指します。
細い道なので、西武線の踏切(上)も、京王線の踏切(下)も、どちらも小さな踏切でした。
浅間山通りに入ったら、あとは浅間山までひたすら一本道です。
この通りはあまり見栄えのしない景色が続きますし、距離もそこそこ長いため、少々退屈でした。


明治大学のグラウンドを過ぎれば、長かった車道歩きもようやく終わって、浅間山公園に入ります。
上の写真の道を奥まで進むと浅間山公園の入口です。早速浅間山への石段が現れて、ここが浅間山の登山口とも言える場所になりますが、なにしろ低い山ですから、登る前からもう頂上が見えているような具合でした。
だから、あっという間に頂上へ。開放的な場所でそこそこ広さがあり、ベンチなどもあって寛げる雰囲気です。
浅間山は3つの小高い丘が東西に並んだような地形になっていて、公園の案内図を見ると3つの小さなピークにはそれぞれ名前が付けられており、その中で79.6mと最も高いこのピークは堂山と呼ばれているらしい。
一番高い場所には浅間神社が鎮座しています。
ここは小沢城址やありがた山と比べると、麓からの標高差は物足らないものの(どんぐりの背比べに過ぎませんが)、山名がきちんと付いているだけに、しっかりとした標識がありました。また三角点(等級は二等)は盤石ごと露出しているのが残念ですが、防護石が4つきれいに揃っていて、三角点の構造の見本になりそうでした。
頂上の北側は急な斜面になっていて、すぐ近くまで住宅街が迫っていました。
それに対して、3つの丘が連なる西側から南側にかけての一帯が、浅間山公園として整備されていて、比較的自然な景観が残されています。3つの小さなピークをひと通り巡ろうと、一旦西側の鞍部へと下りました。
軽く登り返したところが中央に位置するピークで、その名も中山です。
中山にもきちんと標識が立っていて、書かれていた標高は74mでした。
再び下った鞍部にはあずまやがあって、その向こう側には、南北に少し長さのある西側の丘が見えてきました。
一番西側の丘に上がると、すぐにテーブルやベンチのある場所が現れます。
近付いていくと、なにやら標識が立っていて‥‥。
そこが「関東の富士見百景」に選定された場所のようでした。これは2005年に国土交通省によって選定されたものですが、実は選定対象が233箇所もの地点に及んでいて、さほど珍しいものでもありません。
とはいえ、やはりそれなりに展望の良い地点で、富士山のほかにも丹沢の山並みがきれいに眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
富士山をアップで。
先に書いた通り、一番西側の丘は南北方向に少し長く続くので、束の間の尾根歩きを楽しむことができます。
丘の南端まで歩いたところが前山で、これで浅間山の3つのピークをすべて踏んだことになります。
前山にも標識が立っていて、書かれていた標高は72.8mでした。


前山を後にして、そのままの方向に下って行くと、案内板も何もない、ちょっと寂れた感じの出口に出てしまいました。公園の西側に回り込めば、大きな看板がある入口があったはずなのですが‥‥。
最後は東府中駅を目指して車道歩き。ここからは大通りを進むだけなので、もう何も見所はありませんでした。
京王線の東府中駅に着きました。
この計画を立てた時点では、帰路は電車を乗り継ぐ一般的な経路を考えていて、まず京王八王子駅に向かい、横浜線に乗り換えて帰って来る予定でした。しかし、すっかり状況が変わってしまった現在においては、八王子となると人が多いですし、横浜線もいつ乗ってもどの車両も割と混雑しているので気が進みません。
そこで、京王線を聖蹟桜ヶ丘で下車し(各駅停車が空いていたので、府中でも準特急には乗り換えず)、そこから相模原行きの路線バスに乗ることにしました。路線バスは閉鎖空間にはなりますが、混み合わない路線を選び、始発地点で前もって並んで、左最前部の座席を確保すれば、他の乗客との濃厚接触はまず避けられます。
もっとも、こうまでして出掛けることが果たして賢明だったのかどうかの答え合わせは、これを書いている現在(山行翌々日)ではまだできていないのですが‥‥。

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