SSブログ

東山・高ボッチ・鉢伏山 [八ヶ岳とその周辺]

2010/06/12(土)

■第176回 : 東山(1429m)・高ボッチ(1664m)・鉢伏山(1928m)


鉢伏山は美ヶ原や霧ヶ峰のすぐご近所にあり、花の百名山として知られていますが、南北の両アルプスと八ヶ岳から間近に囲まれて、それらをぐるりと見渡せる展望の山でもあります。
ところが、一応は良く晴れていたにもかかわらず、空気が澱んでいてスッキリとした展望がなく、満足に見えたのがすぐ近くの美ヶ原や霧ヶ峰だけというのはガッカリでした。
それでも、高ボッチ高原の伸びやかな景色や、満開で迎えてくれたズミの白い花、鉢伏山から扉温泉へ下るルートにあった美しい針葉樹林など、多くのものが印象に残る山歩きとなっています。

 累積標高差(登り):1367m / 距離:21.0km / 歩行時間:5時間25分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:59-05:21 八王子 05:35-06:20 大月
大月 06:23-07:12 甲府 07:25-08:53 塩尻
塩尻 09:10-09:40 御野立口

(登山行程)
御野立口バス停 09:40
東山      10:55-11:05
荷直峠     11:25-11:30
高ボッチ    12:10-12:25
鉢伏山荘    13:40-13:45
鉢伏山     14:00-14:30
扉温泉     15:45
三城口バス停  16:10

(復路)
三城口 17:25-18:10 松本 18:35-20:35 八王子
八王子 20:44-21:06 古淵

※今回GPSの電池切れにより、下記ルートマップの軌跡は推定です。

大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

塩尻駅から塩尻市地域振興バスに乗って、終点の御野立口で降ります。ここでいつものようにGPSの電源を入れると、なんと電池残量がゼロ。充電池の充電が不完全だったようなのです。
今日は最初の東山までの間で、実際に道があるかどうかも不明な地形図の破線路を追おうとしていたので、GPSが使えないのは大きな痛手です。でも今さらどうすることもできないので、久しぶりに地形図とコンパスで歩き切る覚悟を固め、不安も抱えつつの出発となりました。

最初は車道を歩いて、塩嶺キャンプ場の展望台やトイレを見送った後で、左に山道が分かれていました。
それはしばらくして送電線巡視路だと分かるのですが、その後は矢印だけが書かれた意味不明の標識にも助けられて、送電線鉄塔の建つ1120m小ピークにたどり着きます。小ピークには岡谷市教育委員会による「大分水嶺」の標識が立てられていました。

送電線鉄塔のピークから、北に小径を下り、塩嶺野外活動センター内の遊歩道などを経て北上を続けていくと、地形図にはない真新しい林道に出ました。
その林道をしばらく進み、細い直線道と直角に交差する十字路を左折して、細い道でかなりの急斜面を一直線に登って行くと、登り詰めた地点が東山の頂上でした。
「東山山頂」の標柱と三角点は、それぞれ少し離れた地点に見つかっています。

東山から東へ延びていた踏み跡を下ると、すぐに地図にも載っている林道に出ました。
出てきた地点には特別な目印もなく、明瞭な踏み跡ではあるものの、分かっていないと入り込めないような雰囲気でした。

あとはもう、この林道を素直に進むだけです。最後のほうでハイキングコースの標識に従って山道でショートカットしていき、再び林道に出ると、そこが林道終点の荷直峠でした。

荷直峠からの登山道は、とてつもない急登でした。しかも標高差約200mにわたって非常に長く続きます。岩場は別として、普通の土の道で、これ程の急坂がここまで長く続くのは、ちょっとほかでは記憶がないほどです。
雨後などで地面が濡れて滑りやすい状況下では、特に下りで安全に歩けるとはとても思えません。良くこんなところにハイキングコースを通したものだと思ってしまいました。

なんとか急坂を登り切って、傾斜が穏やかになると、そこで出迎えてくれたのは、小さな白い花をいっぱいに付けたグミの木の群生でした。
頭上が一面に白く染まって感じられるほどの大量の花の下をくぐっていくと、やがて高ボッチの頂上が目前に見えてきました。
そして一旦車道に出ると、全くハイカーを見なかったこれまでとは雰囲気が一転して、あっという間に観光客の世界に変わります。ツツジをお目当てに多くの人々が車で訪れていたのでした。

遊歩道を歩いて高ボッチの頂上に出ると、人出が多い割には、観光客が頂上で長居しないこともあってか、比較的静かな頂上でした。
しかし澱んでいた空気の中で見渡せる景色は、眼下の諏訪湖と、すぐ近くの霧ヶ峰くらいまでしかなく、これには少々ガッカリです。次に向かう鉢伏山は、まだかなり遠くに見えていました。

高ボッチから鉢伏山へは、鉢伏山荘まで約6kmに及ぶ車道歩きが続きます。強い日差しの下でかなり気温も上がっており、しかも木陰のほとんどないアスファルトの道路を延々と歩くのは、ほとんど苦行に近いものがありました。
それでも道が平坦なうちはまだ良かったのですが、4km近かったほぼ平坦な区間を歩き終えると、ついに残り2kmの登りの始まりです。

炎天下での舗装道路の登りは、もう拷問というほかなく、流れ落ちる汗の量が半端ではありません。熱中症が心配になるほどの状況で、とにかくゆっくりと、度々水分補給をしつつ、でも同じペースをキープして登り続けていきます。
ようやく鉢伏山荘に着いた頃には、心身ともにかなり疲弊していたので、駐車場脇のベンチでひと休みしていきました。

鉢伏山荘からは、ほんの15分で鉢伏山の頂上に到着しました。遊歩道脇の最高点には、標識と三角点があるだけでしたが、その奥へわずかに下っていくと、いくつものベンチと展望台の建つ広場となっていました。
空気の澱みは相変わらで、展望台に登ってみても、南側に眼下の諏訪湖、北側にすぐお隣さんの美ヶ原が見えるばかり。東西に見えるはずの八ヶ岳や北アルプスは影も形もありません。でも先客はご夫婦と見られる2人組だけの落ち着いた雰囲気で、やがてその2人もいなくなると、その後20分ほどは静かな頂上をずっと独占する贅沢な時間となりました。

鉢伏山から鉢伏山荘近くまでの分岐点まで戻って、扉温泉へ向かう道に入ります。すぐに針葉樹林帯に入るのですが、ここがなんとも美しい森でした。これまでに見てきたほかの針葉樹林とは別格の美しさです。

美しい森の中をぐんぐんと下り、朽ちかけた営林小屋の前に出て、前鉢伏山のほうから下ってくる道を合わせると、あとは沢沿いの道に変わります。爽やかな水音を聞きながらの緩やかな下りもすこぶる気分が良く、さらに尾根末端まで下ると、今度は美しい白樺林が出現しました。
1000m近い高度差を下る道ですが、それを長いと感じさせない気持ちの良い景色が続いて、これまでに歩いた中でも上位に入る好印象の道となりました。

扉温泉から先は、舗道道路を30分ほど歩いて三城口バス停へ向かいます。
バスの時間にはまだ早すぎるので、バス停の向かいにある「そば処 やまべ」で、ソバでも食べながらゆっくり過ごしていきます。

そのお店は、70歳台のおばあさんが1人で元気に切り盛りしていました。
ざるそばの大盛りを注文すると、出てきたのはとても風味の豊かなソバで、ソバ湯も好みの濃厚なものが出てきましたし、付け合わせのフキの煮付けも美味しかったです。
おばあさんも気さくに話をする方で、店の雰囲気も良く、とても満ち足りた気分でこの日の山歩きを締めくくることができました。

最後は三城口バス停から路線バスで松本駅へ向かいます。公共交通で唯一、美ヶ原へ乗り入れているこの路線は、1日に2本という頻度でどうにか運行されているのですが、この便の乗客はわずか6人だけでした。来年以降の運行がどうなるか心配でなりません。

タグ:筑摩山地
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。