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阿夫利山・ムギチロ・入道丸・大平山 [高尾・陣馬]

2011/01/08(土)

■第194回 : 阿夫利山(729m)・ムギチロ(903m)・入道丸(714m)・大平山(510m)


久々に道志の山へ出掛けてきました。今回のルートでは、巖道峠~綱子峠の間だけは一般登山道ですが、それ以外の区間は踏み跡レベルだったり、その踏み跡すらも見られない全く道のない区間だったりします。
特にラストの綱子峠~奥牧野の間は、地形が単純ではない上に、全く踏み跡のない箇所が多く、道が無くても地図とコンパス、またはGPSで歩ける人でない限り、歩き通すのは困難と思われます。
仮にルートを誤らなかったところで、立木だけを頼りに崩れやすい急斜面を登下降するなど、普通には歩けない局面にも多々出くわしますので、その覚悟がない限りは、安易に入らない方が良いでしょう。

 累積標高差(登り):1449m / 距離:15.6km / 歩行時間:5時間45分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 07:02-07:23 八王子 07:38-07:45 高尾
高尾 07:46-08:08 上野原 08:28-08:51 富岡入口

(登山行程)
富岡入口バス停 08:55
金剛山     09:40-09:45
阿夫利山    10:20-10:30
金波美峠    10:50
池之上     11:25
大タギレ    11:30
  (大タギレ~巖道峠の間、道迷いによるロス時間あり)
巖道峠     12:10
ムギチロ    12:30-12:40
平野峠     13:00
入道丸     13:10-13:20
綱子峠     13:35
大平山     14:05-14:15
  (大平山~奥牧野の間、道迷いによるロス時間あり)
奥牧野バス停  15:25

(復路)
奥牧野 15:39-16:07 藤野 16:11-16:30 高尾
高尾 16:31-16:39 八王子 17:00-17:22 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上野原駅から、久しぶりに無生野行きのバスに乗りました。今日の乗客は10人ほどで、今までの中では多いほう。1人を除いて残る全員がハイカーでした。
富岡入口バス停で降りたのは私だけ。これで、少なくとも阿夫利山までは静かに歩けるなと思ったのですが、その後巖道峠から先の一般登山道に入っても全く人がおらず、今日は結局最後まで誰ひとりとして会う人がいませんでした。

金剛山を経由して阿夫利山に至る道は、登山地図には載っていませんが、金剛山までは頂上にある古峯神社の参道が、今でも明瞭に続いています。その参道の始まりが、この鉄の門と木段。

金剛山の頂上には古峯神社の祠がふたつ。「金剛山」を示すようなものは何もありませんでした。ここから先は、祠の後方に延びていく薄い踏み跡を追っていきます。

井戸沢ノ頭を過ぎて、林道から上がってくる道(こちらは最近になって登山地図に載るようになりました)を合わせると、また明瞭な道に変わります。
あまり歩かれていないせいでしょうか、落ち葉が積もり放題で、足首まで埋まる程。サクサクと気持ちの良い音と、足裏の心地良い感覚を楽しめる道が続きました。

阿夫利山の山頂です。周囲を木々に取り囲まれていますが、それらが葉を落としたこの時期は、そこそこの眺めがありました。ここは一般登山道上ですが、意外にも標識は個人設置の小さなものだけです。
南西側では大室山が存在感を示しています。
そして西北西側には、白銀の嶺々が。きっと南アルプスでしょう。帰宅後にカシミールで調べて、左側の端正な三角形は北岳、中央の倉岳山を挟んで右側にうっすらと続いているのが鳳凰三山と分かりました。雪の付いたこの時期だからこそ分かりましたが、無雪期では近くの山とあまり区別が付かないか、またはそこまでの展望がないに違いありません。というか、手前の枝に葉が付いていてそもそも見えないのかも。

金波美峠。これが今日初めて見た、行政設置の道標です。安寺沢~阿夫利山間は、2010年版の「山と高原地図」では一般登山道として赤実線で書かれるまでになりましたが、標識は極めて少ないようです。

金波美峠から先は、踏み跡があったりなかったりとなります。途中で1度違う尾根に入ったことをGPSを見て気付いて、方向修正したりしています。池之上あたりまで来ると、尾根筋がハッキリとしてくるので、踏み跡も明瞭になって歩きやすくなっていました。

池之上を過ぎるとすぐに、この大タギレへの急降下となります。ボロボロと崩れる乾いた土の急斜面を、滑り落ちるようにして下るしかありません。富士山の砂走りにも似た「土走り」といったところ。下り終えると、ローカットのシューズの中には土がいっぱい入っていました。面倒がらずに、スパッツを着ければ良かったかなぁ。
大タギレへの急降下を振り返ります。上が池之上で、そこから伐採地と枯れた林の境界あたりを、強引に滑り降りてきました。

大タギレ~巖道峠は道が繋がりませんでした。
大タギレから先は、ウェブで見た水平歩道を辿り始めましたが、最初の沢の先で早くも道の続きが不明となってしまいます。道がなくても、歩けそうな所があれば先へ進んだと思いますが、斜面全体が崩れやすい急斜面で、どこを歩こうにも少し進むだけで難儀するような状況。今日はまだこの先にも難所が控えていて、ここであまり時間をかける気にもならなかったので、水平歩道の探索は諦めて、安寺沢の本谷を下って林道に出ることにしました。
荒れた谷を下り始めたら、ほんの2~3分で地図にない未舗装林道に出てびっくり。工事車両を通すための作業道のようです。普段は林道を見るとなんだかな~、と思ってしまうのですが、この時ばかりは荒れた谷を歩く必要がなくなって、嬉しさの方が勝りました。勝手なものですね。

安寺沢林道に出たら、あとは舗装道路を緩やかに登って、巖道峠へ到着。2006年12月にここから赤鞍ヶ岳を目指した時以来、約4年ぶりの再訪となりました。

巖道峠からは急登が続いて、ムギチロの頂上へ。ここが今回のルートの最高点です。倒れた木の幹でベンチのようなものが1つこしらえてあって、今日初めて座って休憩していきます。写真では山名板が陰になって字が読みにくくなりましたが、「ムギチロ山頂 903m」と書かれていました。

ムギチロからは、一般道らしい歩きやすい尾根で平野峠へ。平野峠では、峠という峠で普通そうするように、左右の峠越えの道を見送って直進する尾根に入りましたが、これは間違い。途端に踏み跡が薄くなったのですぐに気付いて戻れましたが、峠では道標に従って一旦左へ折れていきます(写真は峠を振り返って撮影したので、この写真では右方向が進路になります)。

入道丸は平野峠からすぐのところでした。今日最初に見る三角点です。

綱子峠で、一般道は右折して綱子川へと下る・・・はずなのですが、行政設置の道標は左折して安寺沢を指しています。ここは県境尾根、上野原市設置の道標が山梨県側を向いているのはある意味当然ですが、その道標にマジックで「難路!!谷を高巻く事」と追記されているなど、あまり整備されていない道のようです。
綱子峠を大平山へ向けて直進すると、ここから先は地図にない道。難路の始まりです。直進方向を示していたはずの道標は、地面に落ちていました。

大平山までの道は、立木だけが頼りの急斜面が続いて、とても普通に歩ける道ではありませんでしたが、何となく道形のようなものはあって、一度も道を間違えずに到着しました。山頂はこのように伐られた材木や落とされた枝などが一面に放置されており、周囲の森もやや荒れている印象で、殺風景なところです。奥の木に括られている山名板も、文字はかすれて消えかかっていました。

大平山から先はいよいよ道が途絶えます。テープ類もほとんど見かけず、県境を示す境界見出標が唯一の目印となりますが、それすらもかなり長い間見かけないこともありました。立木だけが頼りの急登降も続きます。途中で1度違う尾根に紛れ込んで登り返したりしていますが、でもそれ以外は順調で(GPSに頼っているから当然ですが)、地形図の416mピークまで来ました。「ここは416m」の文字は、間もなく消えてしまいそう。

最後も綱子川に下る直前までは、ちゃんと県境をたどれていました。しかし、川への降下点を探しているうちに、大きく左へ(西へ)外し過ぎたらしく、秋山川との合流点のすぐ脇に出てしまいます。昨年下見をしておいた、綱子川の徒渉点よりは随分と西の地点です。綱子川を難なく渡れたのは良かったものの、周囲には登り返す道がありません。昨年確認した徒渉点まで河原を歩いて綱子川を遡ろうとしましたが、すぐに河原がなくなって川の中に入らないと歩けなくなり、高巻こうにも崖に阻まれて進退窮まりました。仕方なく急斜面の中から登れそうな所を探して、四つん這いになりながら強引によじ登ると(前にも同じようなことをした人がいるらしく、先人の足跡があったりもしました)、案外あっさりと林道に上がれて、ホッと胸を撫で下ろします。

最後に前川橋を渡って奥牧野バス停へ向かいますが、なんとその吊り橋が全面通行止めになっていました。道理でそこまでの林道が荒れていたわけです。昨年3月からの措置と書かれており、2010年版の登山地図に間に合わなかったのは仕方ないですね。でも1年前の下見の時は、車両だけが通行止めとされて歩行者は問題なく渡れていた橋で、その後も歩行者の利用しかなかったはずの状況では、そう老朽化が進むとは思われません。今から舟久保を目指して迂回していたのでは15:39発のバスに間に合わないこともあり、強行突破することにしました。しかし、右岸側のバリケードは隙間があって入れたものの、渡った先の左岸側は、このように結構頑丈に塞がれていて、マトモには通れません。ここは欄干の隙間から橋の外側に一旦身を投げ出して、主塔とバリケードの間を抜けるしかありませんでしたが、それでなんとか奥牧野バス停へ向かうことができました。

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