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尾白川渓谷・日向山 [南アルプス]

2011/10/01(土)

■第211回 : 尾白川渓谷・日向山(1660m)


雪のようにも海岸のようにも見える白い砂浜、様々な形の花崗岩のオブジェ、そして正面には八ヶ岳が裾野からの全容を見せている。この山は今回で2度目になりますが、「山梨県の山」(山と溪谷社刊)で 『この山に登って誰もが満足して帰る奇観』 と書かれている、まさしくその通りの感動を、今回も味わってきました。唯一残念だったことは、南アルプスがすっかり雲の中に入っていて、肝心の甲斐駒ヶ岳が全く見られなかったことです。

日向山の頂上は、まばゆいほどの一面の白。
こんな鮮やかな白い砂、海岸に行ったってそうそう見られるものではないでしょう。

 累積標高差(登り):1195m / 距離:9.3km / 歩行時間:4時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間55分 

(往路)
古淵 05:50-06:11 八王子 06:35-08:28 韮崎
韮崎 08:50-09:55 尾白川渓谷

(登山行程)
尾白川渓谷バス停 10:05
竹宇駒ヶ岳神社  10:10
旭滝       10:50
神蛇滝      11:15
不動滝      11:45-11:50
錦滝       12:25-12:35
日向山      13:25-13:45
矢立石      14:25-14:35
竹宇駒ヶ岳神社  14:55-15:15
尾白川渓谷バス停 15:20

(復路)
尾白川渓谷 15:25-15:58 小淵沢 16:15-18:15 八王子
八王子 18:19-18:41 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回は、行きと帰りを合わせると「清流と甲斐駒ヶ岳周遊バス」を全線乗車したことになるのでした。
いくつもの名所などを経由するので、目的地には遠回りになりますが、観光バス的な面白さがありました。

尾白川渓谷のバス停は、大きな駐車場のすぐ隣にありました。
尾白川渓谷駐車場のトイレが、今回のルート中の唯一のトイレでした。

駐車場から5分ほど歩くと、竹宇駒ヶ岳神社。甲斐駒ヶ岳を霊峰とする駒ヶ岳講は、今なお信仰を集めています。

神社の先でこの吊り橋を渡ると、渓谷道が始まります。
吊り橋から見下ろす尾白川。環境省の「名水百選」に選ばれただけあって、清冽さはご覧の通りです。

吊り橋を渡るとすぐに、甲斐駒ヶ岳への黒戸尾根登山道を分けます。古くからの信仰の道は、片道9時間を超えるロングルート。いつかは歩いてみたい。

「千ヶ淵」の標識の所から、河原に降りてみました。上から見下ろせなかったので分かりにくいですが、深い緑の釜が印象的です。

この標識の通り、遊歩道のつもりで軽い気分で入ると、面喰らうような所も出てきます。
こんな鉄階段を何度も登り下りしますが、階段を歩いているうちは安全です。もっと上流では、手を使ってよじ登るような急斜面が出てくるのでした。

「三ノ滝」も渓谷道からは良く見えなかったので、河原に寄り道です。
こちらは「三ノ滝」のすぐ上にあった別の滝。ここも緑色の釜が美しかったです。

渓谷道は次第に渓谷を高巻いてしまうことが多くなりますが、時々流れを見下ろすことができました。
こんな大きな岩、一体どこから転がってきたのでしょう。

「百合ヶ渕」は、はるか下を見下ろす具合でしたが、ひときわ深いエメラルドグリーンが鮮やかでした。
「神蛇滝」も渓谷道からはかなり距離があって、こんな遠巻きな眺めとなりました。

神蛇滝から先は、歩く人も少なくなります。それでも不動滝までは、こんな感じの穏やかな道が続いている、はずでした。
ところが沢を横断する箇所が、両岸とも崩壊が進んで通過困難な悪場と変わっていました。
すでに、山慣れた人以外は引き返すのが賢明と思われるほどの状況ですが、何かしら手が入らない限り、今後はさらに悪くなる一方でしょう。
この先の通行禁止区間にあった崩壊箇所なんかよりも、今はまだ通行が規制されていないこの場所のほうが、実はよっぽど厄介だったのでした。

渓谷道の終端に達して、吊り橋と、その奥に不動滝が見えてきました。
吊り橋にはこんな箇所が複数。整備が行き届いていない様子から、渓谷道の神蛇滝から先の区間は、いずれ見放されて通行止めとかになりそうな予感がします。
吊り橋を渡った先の案内図。ここを左に行けば不動滝、右に行けば日向山です。

まずは不動滝へ。といっても少し奥まった所にあって、全容をすっきりと拝むことはできませんでした。
不動滝の前でひと息入れた後は、いよいよ日向山への道へ。こんな警告が出ていますが、4年前のままの姿ならば、危険な箇所はないはずです。

木段は老朽化や風化が進んで、段の欠落が見受けられますが、歩くのに支障があるほどではありません。4年前とさほど変わらない印象です。
この2連の階段は、連絡部分で渡し板が消失していますが、飛び移れる距離なので問題なし。こちらも4年前にはすでにこの状況でした。

問題なく歩けて、林道に上がりました。ここまでの道の様子は4年前と大差なく、特に荒廃が進んでいる印象は受けませんでした。
危険箇所もないため割と普通に歩けますし、実際にそこそこ歩かれている様子が見受けられました。ただし急登が続くので、ここで相当に疲弊しましたが。
林道も、歩き始めは4年前と変わらず、いくらか荒れているといった程度です。
ところが、崩落してきた瓦礫が単に路上を埋めていただけだった箇所は、壊滅的な有様に豹変していました。
路盤がごっそり失われており、もはや、ここに車が通れる道があったことを想像するのは困難です。
ただし少し高巻くようにして踏み跡が付けられていたので、難なくあっさりと通過できています。

錦滝の前には休憩舎があります。ここまで来れば、この先はずっと一般登山道。緊張からは解放されて、休憩舎のベンチで少しゆっくりしていきました。
錦滝の間近まで行くと、少し寒いくらいに冷気が満ちていて、吐く息が少し白くなりました。

錦滝から、急斜面ばかりが続く道を小1時間ほど登ると、いよいよ行く手に白いモノが見えてきました!
そして一面の白砂の中へ。ズルズルと滑る砂に足を取られながら、これが最後の登りとなります。
花崗岩の造形の向こうには、八ヶ岳が見えてきました。

これが日向山の頂上部です。写真を縮小して分かり難くなりましたが、てっぺんの人が立っているあたりに、頂上標識があります。
山梨百名山の標柱。
南八ヶ岳は、スッキリと晴れているようです。

三角点は、頂上標識がある最高点のあたりからは、少し離れた一角にありました。

矢立石への道は、林間の穏やかな下りで始まります。傾斜はやがて増していきますが、それでも登ってきた錦滝からの急斜面に比べたら、雲泥の差でした。

スタート地点に戻ったところで、バスが来るまでに少し時間があったので、最初に渡った吊り橋のすぐ下の河原に降りて、しばらく涼んでいきました。

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