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黒川山・鶏冠山 [大菩薩とその周辺]

2012/05/27(日)

■第231回 : 黒川山(1716m)・鶏冠山(1700m)


今回は、大菩薩嶺のすぐ北隣に当たる黒川山と鶏冠山に登ってきました。標高を上げれば、芽吹いたばかりの淡い緑が輝き、稜線を渡る風もまだ涼しくて、とても爽やかに1日を過ごしています。

このエリアは、かつては公共交通によるアクセスが困難だったのですが、昨年、塩山駅-大菩薩峠登山口間のバス路線が延伸されて柳沢峠や落合まで入るようになり、楽に日帰りできるようになっていたのです。
そこで、鶏冠山に登った後は落合のバス停に下って、帰りにはその路線バスを全線乗車してきました。

 累積標高差(登り):1273m / 距離:15.1km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間0分 

(往路)
古淵 05:27-05:48 八王子 05:50-05:57 高尾
高尾 06:14-07:22 塩山 07:35-08:02 大菩薩峠登山口

(登山行程)
大菩薩峠登山口バス停 08:00
丸川峠        09:40-09:50
六本木峠       10:50-10:55
横手山峠       11:15-11:20
黒川山(三角点)    11:40
黒川山(展望台)    11:45-12:15
鶏冠山        12:25-13:40
落合バス停      14:40
「100年の森」散策   14:50-15:20

(復路)
落合 15:30-16:30 塩山 16:32-17:42 高尾
高尾 17:50-17:56 八王子 17:59-18:21 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

塩山駅から大菩薩峠登山口行きのバスに乗りますが、なんと登山姿の乗客は私を入れて2人だけでした。
その登山口より標高が700mも高い上日川峠まで別のバスが入るようになって、このバスを利用する登山者が激減したのは確かだと思うのですが、この日はJR中央線も極端に空いていたので、お出掛けする人自体も少なかったのかな。
終点の大菩薩峠登山口バス停からスタートします。
ここから上日川峠までの登山道は、歩きやすくて趣のある道なのですが、それを知る人も少なくなったことでしょう。
もっとも今日は大菩薩には登りませんし、上日川峠にも向かわないのですが・・・
バス停のすぐ近くには、きれいな「裂石公衆トイレ」が新しくできていました。
ただ、男女共用の個室を利用しましたが、鍵がないのが大いに謎です(破損等は見られず、最初からなかったっぽい)。


少し車道を歩いて、ここが丸川峠への分岐になります。駐車スペースには、車が9台停められていました。
その後もしばらくは、かつては林道だったらしい幅広の道を進みます。
先程の分岐から15分ほど歩いたところで、林道跡から分かれて尾根に取り付きます。


ようやく始まった登山道は、それなりに傾斜があって、木の根などを足掛かりに最初からグングン登る感じです。そしてすぐに、早くも下山中の人たちとたびたびすれ違うようになります。昨夜はどこかの小屋で1泊したのでしょうね。
道はしばしば深くえぐられていて、露出してしまった岩などがゴロゴロしているなど、歩きにくい箇所が散見されます。
尾根からの展望はほとんどありません。一応、周囲は新緑なのですが、細い尾根だけに森の中にいるという感覚に乏しくて、新緑の中を歩いている印象も持てませんでした。
散発的にですが、時折ヤマツツジを見掛けました。


標高1500m付近を過ぎると、傾斜がきつくなる上に岩が増えてきて、段差の大きな箇所もあちこちに。
それが疲労の溜まってきた足にこたえて、このあたり、かなり苦しかったです。
それでもササが見られるようになると、やがて傾斜も緩み、見上げる空も広くなってきました。
開放的なササ原に出れば、もう丸川峠はすぐ先です。
最後の急登はこたえましたが、一気にコース全体の8割以上を登ってしまったので、もうほとんど登り終えたも同然。
あとは鼻唄混じりでも歩けそうな道がずっと続くだけなので、すでに軽やかな気分になっています。


約6年ぶりに訪れた丸川峠。素朴な感じの丸川荘は、6年前とほとんど変わらない佇まいに見えました。
それでもAED配備の表示があるのは、やはり今の時代ならではですね。大菩薩エリアでは、ここ丸川荘を含めて、計4軒の主な山小屋に配備されています。
丸川荘の裏手は気持ちの良い広場になっていて、ここで少し息を整えていきます。
周辺の木々は、まさに芽吹きが始まったところ。峠は風の通り道なので、いくぶん季節が遅れて進むのでしょうか。


丸川峠から黒川鶏冠山方面に進むと、はじめはコケむした岩屑の中を通って行きます。
かと思えば、新緑とササの道に変わったり。とても雰囲気の良い道なのに、この先は当分、誰にも会わなくなりました。


丸川峠から15分ほどで、寺尾峠を通過していきます。
寺尾峠を過ぎると、尾根を絡んで進むことが多くなって、若葉が萌える明るい道に変わります。
丸川峠と六本木峠の間は、約4kmにわたってほぼ水平な道が続き、これぞまさにトレッキング、という快適な道でした。
次に通過する天庭峠は、あまり峠らしい地形でもなく、標識がなければ立ち止まることもなさそうな場所でした。
天庭峠の先で、1706mピークを巻く途中では、コケの美しい岩道もありました。


六本木峠では、柳沢峠から登ってきた道が左から合わさって、この先では出会う人も増えていきます。
六本木峠を過ぎると、穏やかな道は横手山峠へ向けてむしろ緩やかな下りとなっていて、引き続き楽に歩けます。


横手山峠は、このすぐ下にも別の分岐があって、いくつかの道が変則的に交差していました。
横手山峠から先は、黒川山に向けて、久しぶりの登りに変わります。
ここで150mほど登りますが、傾斜は緩やかで、比較的歩きやすい道でした。
黒川山直下の分岐点。写真左奥から登ってきて、ここで鋭角に折れて右上を目指します。


黒川山の三角点は、分岐点のすぐ近くで、右手の高まりの中にありました。
尾根を西へ進んで、最高点でもある展望台を目指します。この岩塊を登った上のようですね。
ちょうど、占拠していた大団体が引き返すタイミングに当たって、しばらく1人で独占できました。


展望台では、東側を除く三方の大展望が広がっていました。時間に余裕があるので、ここで少しゆっくりしていきます。
南側を見ると、すぐ近くにある大菩薩嶺が存在感を示していました。
そして西側には、昨年歩いた三窪高原のなだらかな稜線が続いています。
北側の奥秩父方向は、ちょっと雲が多く出ていました。
写真左半分で一番高く見えるのが国師ヶ岳で、右端に近いあたりにあるのは甲武信ヶ岳です。


黒川山直下の分岐点まで戻って、今度は鶏冠山を目指すと、すぐに木の根と岩がミックスした急登が立ちはだかります。
でも上まで登り詰めるのかと思ったら、途中から先は巻けるようになっていて、危険を感じる箇所はありませんでした。
鶏冠山の頂上には、鶏冠神社の祠と、山梨百名山の標柱が建っていました。
ここまで順調過ぎてしまって、帰りのバスまでの余裕が2時間もあるので、ここで1時間ほど寛いでいくことにします。
途中、黒川山でも見掛けた大団体が到着して混雑する時間もありましたが、幸い彼らは短い間しか滞在しませんでした。
彼らが去った後はもう誰も来ることがなく、30分以上ひとりで過ごしていたことになります。静かで贅沢な時間でした。
鶏冠神社後方の岩の頂点が、鶏冠山の最高点のようです。
岩の頂点に立つと、南側は相当な高度差でスッパリと切れ落ちていて、覗き込んだら目が眩んでしまいそう。


鶏冠山でも、展望の中心はやはり南側の大菩薩嶺でした。
南側のほか、黒川山では見られなかった東側を望むこともできて、奥多摩などの山並みが広く見渡せます。
この写真では、左奥が御前山で、右奥が三頭山、そしてその両者の間で手前にあるのが鹿倉山&大寺山です。


下山は、黒川山北面の道で落合に向かいます。
あまり歩かれていないのか、道はしばしばか細くなり、やや荒れた箇所も見られました。山慣れた人向きかと思います。
このように、岩が折り重なる中を通ることもありますが、うまい具合にほぼ平坦に歩けるような道が通されていました。
そして、横手山峠から下ってきた道が合わさると、その先は良く踏まれた歩きやすい道に変わります。
このあたりが、この日のルートの中で最も新緑が美しく感じました。それだけ森が豊かなのでしょうね。


軽快に下って車道に降りてきましたが、こちら側から登るには、少し分かりにくい登山口かもしれません。
一応道標はあるものの、何故か目立ちにくい角度で立っているので、自然保護や火の用心などの看板を見て気付くことのほうが多かったりして。
橋を渡って国道(青梅街道)に出たところには、登山道の存在を示すような案内は一切ありませんでした。
登山口の近くにあった小・中学校の校舎も、解体されて更地になっていたので、国道側からは何の目印も見られないことになります。


国道を少し歩くと、東京都水道局の水源管理事務所の向かい側に落合バス停があり、すでにバスが停まっています。
時刻表を確認すると、13:40の到着後、15:30に折り返すまで、約2時間もブランクがあって、運転手さんも大変そう。
バスの時間までは小1時間あります。私の後に山を下ってくる人はもういないはずなので、バス停にいる必要もなさそう。バス停の向かい側を見ると、散策路のようなものがあったので、そこで時間をつぶすことにしました。
その一帯は、水道水源林「100年の森」として、広範囲に整備されている様子です。
が、沢の上流に向けて登る道は、奥へ行こうとするほど時間がかかりそうで、近い範囲をウロウロして過ごすことに。
予め存在を知っていれば、計画段階から時間が余った時の行先に盛り込めたので、あまり知られていないのが残念です。
「100年の森」は、沢の流路が人工的になりすぎていたことに違和感がありましたが、水辺だけに涼しく過ごせて清々しく、うってつけのクールダウンになりました。
水辺でたくさん花を咲かせていたのはクリンソウです。
その場では分からずに、帰宅後に確認したのですが、おかげで新しい花の名前を1つ覚えました。
発車10分前に戻るとバス停はやはり閑散としていて、発車時刻になっても、乗客は私を入れて2人だけでした。
柳沢峠で6~7人が乗ってきて、大菩薩の湯からは超満員になったのですが、せっかく落合まで入るようになったバスなのだから、落合まで利用しませんか、皆さん。

タグ:大菩薩嶺
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