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入川渓谷・大峰 [奥武蔵・秩父]

2012/11/18(日)

■第242回 : 入川渓谷・大峰(1062m)・大黒山(922m)


この日は、秩父の入川渓谷と大峰ハイキングコースを繋げて歩いてきました。
入川渓谷の紅葉は、見頃が過ぎたのを承知の上でしたが、それにしても見事に落葉が進んですっかり冬の装い。
少しは紅葉の余韻でもという淡い期待は、前日に降った強い雨で、葉っぱとともに流されてしまったようです。

一方の大峰ハイキングコースは、落ち葉溜まりのフカフカの道が楽しめて、大峰までは気持ち良く歩けました。
ところが大峰と大黒山の間はあまり歩かれていないのか、一般登山道とは思えない程に道が怪しくなります。
大黒山から秩父湖へ下る道などは、荒廃してほぼ消滅状態。最後は仕方なく車道を大回りさせられたのでした。

 累積標高差(登り):845m / 距離:23.8km / 歩行時間:5時間25分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間20分 

(往路)
古淵 05:58-06:21 八王子 06:32-07:19 東飯能
東飯能 07:24-08:11 西武秩父 08:25-09:25 川又

(登山行程)
川又バス停  09:30
赤沢吊橋   10:55-11:05
川又バス停  12:10-12:20
栃本関所跡  12:40
栃本広場   13:05-13:10
大峰     13:30-13:40
大黒山    14:35-14:50
秩父湖バス停 15:45

(復路)
秩父湖 16:05-17:00 西武秩父 17:30-18:17 東飯能
東飯能 18:32-19:10 八王子 19:17-19:39 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回は約1年半ぶりに訪れた西武秩父駅からスタート。空が抜けるような青さです。
秩父に来た時は、この「秩父漫遊きっぷ」を利用するのがお決まりのパターンとなっています。
約1時間バスに揺られて、入川渓谷の玄関口である川又バス停に到着です。中津川行きのバスは、途中の三峰口駅から先は座れない人が出る程でしたが、ここで降りたのは5人だけでした。


はじめは未舗装の林道を進みます。
渓谷内は空気が冷たいせいか、この通り落葉が進んでいました。どうりでバスを降りる人も少なかった訳です。
また、入川の流れも割と平凡なもので、滝などの大きな見所もなく、やや面白味には欠ける景色が続きます。
しばらく林道を歩きましたが、ここで直進する林道と分かれて、左に分岐する渓谷道に入ります。


この時間、渓谷内はまだ日陰が多くて余計に寒々と感じるのですが、日の当たる暖かい場所では、紅葉の名残りを少しだけ楽しめました。
そして早速、足元にレールを発見! この渓谷道は、かつての森林軌道跡を再整備したものなのです。
これは分岐器ですね。
そして枕木も。昭和44年に森林軌道としての使命を終えた後も、軌道終点付近にある発電所の工事に伴って昭和53年に一時的に復活を遂げた歴史を持つこの軌道跡、レールの保存状態は良好でした。


渓谷は相変わらずの冬景色で、時折思い出したように散発的な紅葉を見掛けるだけでした。
ここは川の近くを歩いていますが、軌道跡との比高が大きくて、覗き込まないと水面が見られない場所も多かったです。すでに書いた通り、川の流れもかなり地味なので、渓谷それ自体を楽しみに来ると拍子抜けするかも。
渓谷道の終点が近付いてくると、いっそう落葉が進んで、もの寂しい景色になります。
一方レールのほうは、橋が架かっている箇所を除けば、ほとんど途切れることなく最後まで続いていました。
ほとんど変化がなかった川の流れも、終点付近になると小滝が続いたりして、ようやく見栄えがしてきました。


渓谷道終点の赤沢出合に着きました。すぐ下では、赤沢谷が轟音とともに入川本谷に流れ込んでいます。
軌道跡だけに、ここまで坂道を意識させられるほどの傾斜は1度もなく、一貫してずっと穏やかな道でした。
すぐ先には「一級河川荒川起点」の碑が立っていました。もちろん、こんな所が源流ではないので、これとは別の「荒川源流点」の碑が、もっと山奥の甲武信ヶ岳直下にあります。


こちらは入川本谷のさらに上流の様子。
もう一方の赤沢谷を見上げると、すぐ上に吊橋が架かっていたので、そこまで登ってから折り返しています。
橋も渡ってみましたが、低い橋なので、橋上からの眺めにあまりパッとした印象はありませんでした。
橋を渡った先には登山道が続いていて、長野県境の十文字峠まで歩くことができます。


川又バス停までは来た道を戻ります。往路で日陰だった場所にも時とともに日が差してきて、名残りの紅葉も少し見栄えがするようになってきました。
こうして紅葉の写真だけを並べると、それなりに楽しめたようにも見えますが、こんな箇所は片手で数える程。
実際のところは、冬枯れの景色に終始したという印象でした。
僅かに残る紅葉はほとんどが黄系だったのですが、赤系も辛うじて1本だけ見られました。


川又バス停に戻った後は、車道で栃本集落へ向かいます。ちなみにこの道、なんと国道です。
栃本は、山の中腹に開かれた集落です。日当たりの良い南向きの斜面いっぱいに、畑が広がっていました。


栃本関所跡の前に来ましたが、入口は閉鎖されていて、中には入れなかったようです。
栃本関所跡のすぐ前には「栃本関所跡」バス停があって、先程までいた川又や秩父湖からもバスで来られます。
ところでこのT字路には大峰への案内がなく、もう少しでこの道路を登ってしまうところでした。
栃本関所跡をほんの10m行き過ぎれば、この登山道入口があったのですが、その存在に気付けたのは、ちょうど別のハイカーが鈴を鳴らしながら下ってきてくれたおかげでした。


栃本から大峰への登山道は、途中で車道を横切りながら、杉木立の中を登って行きます。
作業道と交錯することの多い道でしたが、道案内はしっかりしていました。
栃本広場まで来ました。大きな駐車場の奥に、ちょっとした広場とトイレがあります。
栃本広場って、この駐車場付近一帯の広場を総称する名前だと思っていたのですが、この案内図によれば、大峰の頂上までをも含んだ広大なエリア全体が「栃本広場」のようです。


稜線まで上がると広葉樹の森に入ります。
大量の落ち葉をサクサクと踏みしめたり、蹴散らしてみたりと、この時期らしい楽しさが味わえる道でした。
ただ、今日はじめて北から吹きつけるカラッ風を受ける状況になって、またそれが冷たいこと!
大峰へ向かう途中の「シラカバ広場」。もう少し快適な季節ならば、ここも気持ち良く過ごせるでしょう。
そして栃本広場のエリア全域には、無数のベンチが随所に置かれ、休憩舎もあちこちで見掛けました。あまり景色の良い場所はありませんが、森林浴などしながら、ゆったりとした時間を過ごすには向いていそうです。
大峰の頂上付近では、落ち葉溜まりの深さが、ところによっては足首近くまで埋まるほどになりました。


この日の最高点、大峰の頂上です。ここにも立派なあずまやが建っていますが、せっかく床を高くしているのに、たいした展望はありません。建てた当時よりも、周囲の樹木が成長してしまったのでしょうね。
あずまやの前にあった標識と三角点です。標識は現在地を「大峰」ではなく「大峰山」としていました。


栃本から大峰までは、とても良く整備された道でしたが、栃本広場エリアから抜け出して大黒山へ進み始めると、どんどん道が怪しくなっていきます。途中で時折人工物を見るとホッとするような状況でした。
これは車道に出たところにあったあずまやで、右手の草むらの中には899.1m三角点が埋まっていました。
899.1m三角点から971mピークまでは、木段の連続で一気に登らされました。
ただその先で、もっと急な木段を下ることになったので、ここは逆方向のほうが辛いでしょう。
971mピークを越えると、いよいよ道が不明瞭になります。このあたりはあまり歩かれていないのでしょう。
基本的には尾根伝いなので、迷いやすい箇所はなかったのですが、こんな岩の間を縫って進むようなことも。


再び車道に出ると、正面に「大滝げんきプラザ」が見えてきました。埼玉県の自然体験施設のようです。
「大滝げんきプラザ」の敷地に入ると、それまで樹木越しにしか見られなかった北側の展望が開けました。
あまり馴染みのないエリアですが、右端の丸みを帯びたピークが「芋掘ドッケン」という変わった名前の山。
両神山も同じ方角なのですが、「芋掘ドッケン」やその左隣の鋭峰が隠してしまっている模様です。
「大滝げんきプラザ」の敷地の奥で、この道標を発見して山道に入ります。
なお実際には「大滝げんきプラザ」の敷地内を通るのは正しくなかったようなのですが、適切な誘導がないために分かりづらく、正しい順路は引き返す時にやっと分かったのでした。


大黒山への登りで、かなり色褪せてはいたものの、この日はじめて紅葉の下で山道を歩くことができました。
しかしその紅葉を楽しむ間もないうちに、ほんの数分で大黒山の頂上に到着です。
山名標はなく、ポツンと三角点があるだけで、展望もなく殺風景。居心地が悪くて、早々にここを後にします。


問題は大黒山から秩父湖への下りです。私が持っている2006年版の「山と高原地図」では赤実線で登山道が描かれているのですが、書店で最新版を確認したところ、なんとその赤線が消滅していたのです。
でも最近まで登山道があったのなら、きっと道形くらいは残っているだろうと確信して、そこを下ること以外は考えていません。ただ、道の不明瞭さなどで時間を取られることに備えて、ここまでを飛ばして歩いて時間の余裕は作っていました。

山頂に秩父湖への下山路を示す道標がない時点で、「やっぱり‥‥」とイヤ~な予感はしていたのですが、、、
登山道があるはずの方向を見てみても、道がないどころか、道形すら判然としません。最悪の事態発生です。
ただ、尾根が延びている方角だけはハッキリしているので、どこかで道が出てくるのを期待して下り始めます。
ところが、すぐに急斜面が迫って進めなくなりました。とても普通に二足歩行などできないような傾斜です。
こんな所に道があった筈がないと、別の方向を探ろうとした時、落ち葉の下に木段の残骸を発見しました。

木段があった頃は容易に歩けたのでしょうが、残骸は既に全く頼りにならず、滑るように下るしかありません。
しかも、木段の残骸がすぐに途絶えると、その先にはもう頼れる物が全く見当たらなくなりました。
これ以上強引に下るのは、転倒などの事故を招きかねないですし、なにより無駄に時間がかかりそうです。
このため、相当の大回りになるのは覚悟の上で、確実に歩けて所要時間も読める車道への転進を決断しました。


不明瞭な尾根から撤退して頂上まで登り返し、「大滝げんきプラザ」の入口まで戻ってから、車道を下ります。
延々と舗装道路ばかりが続きますが、時々現れる紅葉が退屈を紛らわせてくれました。


かつての登山道は、ジグザグに折り返す車道を串刺しにしていたので、何度かこのような分岐を見掛けます。
が、ダメ元で道標が示す山道に入っても、標高が高いうちは荒廃が激しくて、行き詰って車道に戻らされます。
それでも、3度目の分岐からはようやく道形がハッキリしてきて、以降は山道を辿れるようになりました。
目的地の秩父湖が視界に入ってきました。大黒山までの時間の貯金が物を言って、車道を大回りしてもバスに間に合わなくなる心配はほとんどなかったのですが、やはりゴールを間近に捉えた時はホッとしました。
遠目からも分かっていたのですが、近づいてみると秩父湖は随分と水位が下がっていました。
もうちょっとマシな景色を期待していたのですが、これでは湖としての見た目はイマイチですよね。


そんなわけで、湖畔をスルーしてバス停に直行です。秩父湖って、もう少し人出があると思っていたのに、広い駐車場にもほとんど車はなく、閑散としていました。ま、あの景観では観光資源にならないのも頷けますが。
秩父湖バス停は、上りと下りで乗り場が離れています。三峰口駅方面はこの簡素なバス停だったのですが、最初に向かった逆方向のバス停はもっと立派で、いかにも両方向のバスが来そうな雰囲気で紛らわしかったです。もし時刻表を確認せず、そこで待っていたら、乗り過ごした可能性大。秩父湖バス停を利用する方は要注意です。

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