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城山・葛城山・発端丈山 [伊豆]

2013/01/12(土)

■第247回 : 城山(342m)・葛城山(452m)・発端丈山(410m)


先週の秩父が寒かったので、今週は南に行こうと決めていて、伊豆半島の付け根にやって来ました。
今回縦走した3つの山々は、標高こそ低いものの、頂上では揃って雄大な展望が開けています。
富士山や天城連山のほか、南アルプスまで見渡せて、空気の澄んだ冬ならではのパノラマを楽しんできました。

中でも特筆すべきは、海に近い山でこその、山と海の両方が織りなす美しい風景に溢れていたことでしょう。
青く輝く海、白砂青松の田子ノ浦の海岸線、そして雪を抱いた富士山と、3拍子揃った眺めはもう絶品でした。

 累積標高差(登り):809m / 距離:11.2km / 歩行時間:3時間15分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間0分 

(往路)
南警察署前 06:16-06:30 相模大野 06:39-07:30 小田原
小田原 07:36-07:59 熱海 08:05-08:18 三島
三島 08:31-09:02 大仁

(登山行程)
大仁駅   09:05
城山    10:10-10:20
葛城山   11:10-11:30
益山寺   12:20-12:30
発端丈山  12:45-12:55
長浜バス停 13:20

(復路)
長浜 13:24-14:01 沼津 14:23-14:43 熱海
熱海 14:50-15:11 小田原 15:25-16:17 相模大野
相模大野 16:30-16:45 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

伊豆箱根鉄道の大仁駅で下車。終点・修善寺の2つ手前です。駅舎の背後に見えるのが、まず最初に登る城山。
駅前ロータリーの中央で湯気が上がっているので、何だろうと思ったら、大仁温泉の湯が引かれていて、足湯と飲泉ができるようになっていました。ここが帰りの駅だったら、電車を待つ間に利用できたのになぁ。


国道に出ると周囲から建物がなくなって、目の前には荒々しい岩肌がむき出しの城山が立ちはだかります。
ロッククライミングのゲレンデとして人気の山ですが、登山道も付けられていて、普通に歩いても登れます。
駅から25分ほど車道を歩いて、登山口に到着です。そそり立つ岩壁がもう目の前でした。


岩山らしく、登山道とはいえ岩がゴロゴロした中を進みます。
枯れ沢の中を歩くような具合の箇所が多くて、雨中・雨後などは川の中を歩くことになりそうでした。
2回ほど、クライミングルートへの分岐を見送りました。
分岐点のすぐ上から人の声が聞こえてきたりしたので、準備中のパーティーがいるようです。
登山道からも、何度か垂直の岩壁が見られました。まだ壁に取り付いている人はいないようです。


葛城山へ向かう縦走路と、城山頂上へ往復する道との分岐点。登山口から30分ほどかかりました。
登山道は、城山の南面全体に広がる岩壁の基部を巻くように進んで、城山の西の肩を目指してきた感じです。
城山頂上への道は、はじめは穏やかでしたが、そこはやはり岩山。頂上が近くなると岩道っぽくなります。
道の両脇にはウバメガシが生い茂り、いかにも南の山という雰囲気を醸し出していました。


城山の頂上に着きました。すぐ手前で6人ほどのパーティーとすれ違っていて、ほかにも人がいるんだろうなと思っていましたが、幸いに無人です。狭い頂上なので、ほかの人を気にせずに歩き回れるのはラッキーでした。
歩いてきた西側は樹林ですが、岩壁がすぐ下まで迫る東側と南側は大きく開けていました。
北側も、富士山までは良く見えていました。この時間はまだほとんど雲がなく、スッキリとした姿です。
富士山のすぐ手前で、愛鷹山が富士山とほぼ一体化していて、さらに手前には1年前に登った沼津アルプスも。
南側に見えているのは天城連山の核心部。中央付近の一番高いピークが主峰の万三郎岳です。
縮小していない写真は【こちら】です。
四等三角点は、岩に直接埋め込まれた珍しいタイプ。天辺の丸い金属プレートに名称等が刻印されていました。


分岐点まで戻って、葛城山へ向かう縦走路に入ります。するとしばらくは穏やかな道でした。
少し登って林道に出ると、路肩には車がズラリと並んでいました(ここに写っているのはそのほんの一部)。
こんな所からでは、自分の足で登る分はいくらもないので、ロープウェイ代を節約したい観光客のものでしょうか。頂上に立てればそれで良くて、山を歩くことにあまり興味がなければ、まぁ仕方のないことですね。
すぐ左手を見ると山道の続きがあって、林道はちょっと横切る程度でした。


少し進むと分岐点に出て、この標識を見ますが、「出払い」なる現在地名が初見なのは差し支えないとしても、「内山」も「外山」も意味不明で、標識の役目を果たしていません。全て地元でしか通じない地名なのでは?
親切な誰かが「外山」の下に「かつらぎさん・発端丈山」とマジック書きしてくれていて助けられましたが、それがなければ左右どちらに進むべきか迷うところでした。
このあたりでは、同じ体裁の標識をいくつも見掛けました。
先程の分岐標識は少しだけ残念でしたが、でも地元の人たちの、山を愛する気持ちが伝わります。


山腹道をしばらく進んで、葛城山の背面登山口に出ました。ここからは、写真右上に延びる踏み跡を追います。
標識を良く見ると、うっすらと消えかかって「やめな危い」「急登」といった書き込みが。
でもヤマレコなどの情報によれば、山慣れた人が、少なくとも登りで歩く分には、さほど問題がない模様です。
ということで、構わず登ってみました。最初からかなりの急登ですが、はじめはまだ普通に歩けています。
が、写真を撮る余裕があったのは最初のうちだけ。次第に傾斜がきつくなると、地面もガレていたり、脆くて崩れやすかったりして、しばしば立ち木に掴まりながら登りました。この道は下りには使わない方が賢明です。


急斜面の途中ではひと息つけるような場所もなく、ずっと登り続ける感じでしたが、標高差は150mほど。
20分ほどで急に開けた場所に出たら、もう頂上は目の前で、観光客の話声なども間近から聞こえてきます。
ここはパラグライダーの滑空場らしく、この写真の背後には風向・風速計を付けたヤグラが立っていました。
その先は直接には頂上を目指さず、ピークの東面をトラバースするように進んでから、遊歩道に出ました。
ここはΨ字状の分岐点。写真中央と右側の石段は整備された遊歩道ですが、出てきたのは左側からでした。
ここから出てきたのですが、頂上側には登山道の案内がないばかりか、「立入禁止」のテープが塞ぎ、「関係者以外通行禁止」の木札まで立っていました。やはり、この道を下るのは勧められていないようです。


「順路」の標識に従って、2つ前の写真の中央の道を登ると、すぐ上が葛城山の南峰です。
展望図のあるテラスに立つと、南側を中心としたパノラマが広がっていました。こちらは天城連山。
西側には、2回に分けて歩き通した伊豆山稜線が並んでいます。こちらは稜線北部の金冠山や達磨山のあたり。


そのすぐ北側には別のテラスがあって・・・
そのテラスからは富士山が眺められました。
全国各所にある、この歯の浮くような薄っぺらいネーミングの地名はどうにかならないかと思いますが・・・
それ以上に目を覆いたくなったのが、この見苦しい落書きの数々。低俗な地名に釣られてやってくるのは、所詮その程度の人たち、ということでしょうか。
すぐ脇には、「縁結び」と書かれたハート形の絵馬が多数あって、こちらは真摯な思いが伝わってくるものでした。周囲からも歓迎され祝福される恋人になりたいのであれば、個人的な思いはこうしたものに記すにとどめて、決して公共物を汚したりはしないもの。実際にこの絵馬を書いた人の多くがそうしているはずです。
テラスを降りた一段下からは、白銀の峰々がズラリと並ぶ南アルプスを眺められました。
下は縮小写真に山名を記入したものですが、フルサイズの写真は【こちら】です。


南峰から遊歩道を歩いて、北峰に移動してきました。葛城山の頂上となる最高点はこの上です。
ここでも、やはり展望の主役は富士山。ちょうどこの頃、山頂は笠をかぶっていました。
頂上の展望台からは、西の南アルプスから北の箱根の山々までが一望できる大パノラマが楽しめました。
縮小していない写真は【こちら】です。
観光地だけあって、三角点も解説が書かれた石碑付きの立派なものでした。


北側に少し下ると、ロープウェイの山頂駅に出ました。周囲には売店や食堂があり、駅前の展望デッキからの眺めも良かったです。もう少し過ごしやすい季節のほうが賑わうのでしょうが、展望を楽しむならば今ですよね。
展望デッキには「絶景 富士見の足湯」があって、展望を見ながら暖まれるようになっています。が、この写真は構図を失敗して、肝心の富士山が足湯の屋根に隠れてしまいました。。。
西から冷たい強風が吹き荒れていたこの時、さすがに利用者はいません。実は帰宅後に調べたところ、その強風のため13時以降はロープウェイの運行が中止されていたのですが、取り残された人はいなかったのでしょうか。


頂上からは東西の両方向に下山路がありますが、「小坂みかん園方面」と案内された東側の道を下ります。
頂上からの下り口には、もっと大きくて目立つ標識があったのですが、写真を取り忘れていました。
東側の下山路は、ぐるっと大回りするように下ります。距離は長くなりますが、それだけに傾斜は緩やか。
途中でロープウェイの下をくぐります。ロープウェイが下る先は伊豆長岡温泉街。


15分ほどで舗装された細い道に出ます。下山方向は右ですが、このあとさらに発端丈山を目指して左折します。
少し歩くと、葛城山西側の下山路が下ってきました。こちらは少し急で、上部には歩きにくい箇所もある模様。
その先はしばらく舗装路を歩きます。次に山道に入るのは、舗装路が右に急カーブして下り始めるこの地点。


山道を少し登ると分岐点に出て、右折して発端丈山に進むと、次第に植林の中の道になりました。
 (その分岐点を左折すると、すぐに先程までいた葛城山の背面登山口に出ます)
穏やかな道が続いて、益山寺への分岐点。片道10分ほどなので、ここから益山寺に寄り道していきます。


益山寺は、平安時代の弘法大師による創建と伝えられます。ひっそりと山中にたたずむ古刹は、着いた時は全く人の姿もなく、閑けさそのものでした。悠久の歴史にしんみりと思いを馳せるには、やはりこうでなくては。
境内には、樹齢800年を超える大楓(左)と、同400年近い大銀杏(右)という、2本の巨木が並んでいました。
これだけ幹回りが立派だと、ただ見ているだけでも圧巻ですが、紅葉の頃はさらに見事らしいです。


分岐点まで戻って、最後のピークとなる発端丈山へ向かいます。すると道幅が広がって遊歩道っぽくなりますが、意外に傾斜がきつく、疲労が溜まった足には少しこたえました。
発端丈山に付きました。着いた時は5人のグループがいましたが、ちょうど下山しようとしていたところで、すぐに私だけの頂上となっています。
発端丈山からも、富士山がきれいに眺められました。ただし南アルプスなど遠方は、そろそろ霞み気味です。
先程までいた葛城山です。肉眼では、左肩にあるロープウェイの駅や展望台などの建物が良く見えていました。


頂上からは海が見えませんでしたが、下り始めて2~3分すると海側の展望が開けて、そこで見たものは‥‥
青く輝く海面、美しい孤を描く海岸線とそこに延びる緑の松林、奥には雪を抱いた富士山という絶景でした。
冒頭の写真と同じものですが、この日見た中で最も印象的な風景だったので、もう1回載せてしまいます。


長浜・三津方向に下る道は、一貫して急降下が続きます。所々にはロープが下がる箇所もありました。
この日は地面が乾燥していて問題なく歩けていますが、雨後などで滑りやすいと泣きが入りそうな急坂でした。
少し下ったところには、小さな「展望台」がありました。
展望台からは、海が大きく見えていました。その向こうの南アルプスも、まだ辛うじて見えています。
縮小していない写真は【こちら】です。


かなり下ったところに、今度は「見晴台」が出現です。
いよいよ、大海原がすぐ眼下にまで迫ってきました。今日も無事に下山できそうです。
やがて登山道は、みかん畑などの中に入っていきます。


長浜バス停に到着しました。道路は海岸線スレスレを通っていて、バス停背後の護岸壁の下は、すぐに海です。
バス停に立つと、目の前にはこんな景色が広がっていました。この景色を見ながらバスを待ちます。

タグ:伊豆
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コメント 2

ぴすけ

cellistさん、美しい写真の掲載、ありがとうございます。
私も、発端丈山の下りに眺めた、淡島が浮かぶ景色は、忘れがたいものです。
海を見下ろしながらの下りは、爽快でした。
展望台が老朽化しているような雰囲気で、少々怖かったですが。
私が行った時は、生憎と富士山は雲の中でしたが、城山から見渡す狩野川流れる伊豆の風景も、素晴らしかったです。

精力的に山を歩かれていらっしゃる御様子、なによりです。
今後も、いろいろな山の記事を楽しみにしております。
by ぴすけ (2013-01-16 21:29) 

cellist

ひすけさん、コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。

今回の山々は、ぴすけさんのブログで拝見したのがきっかけで計画したものでした。
ぴすけさんのお陰で実現した山行ということができそうです。
また、その時読んだ過去の記事を改めて読み返させて頂いたのですが、なんと同じような構図の写真が次々と出てきたのに驚いています。

年末にはダーリン殿のご病気の記事が出ていて心配しておりましたが、ちょうどお休みに入るところだったようなので、ゆっくりご静養できましたでしょうか。

私のほうは、昨年夏頃に思うように出掛けられない時期がありましたが、秋以降は比較的体調が安定してくれているので、それが続いているうちにと、せっせと出掛けているところです。
かといって、こうも毎週のように出掛けてしまうと、山以外の普段の用事が消化できずに溜まる一方で、最近はそれが少しストレスになりつつあります(苦笑)。
何事も、ほどほどにしないといけませんね。。。

by cellist (2013-01-17 21:31) 

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