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愛宕山 / 嵐山・嵯峨野 寺院巡り [関西]

2013/03/09(土)

■第250回 : 愛宕山(924m) / 嵐山・嵯峨野 寺院巡り


今回は第250回を記念して、前日泊を絡めて2年ぶりとなる京都に出掛けてきました。
まずは朝一番で、1300年の歴史を持ち、全国に900社を数える愛宕神社の総本山である、愛宕山に登頂。
そして下山後は、その足でそのまま嵐山・嵯峨野エリアに向かい、化野念仏寺や天龍寺などの寺院を巡ります。

ところでこの計画、当初は前回登山のすぐ翌週の予定で、愛宕山では雪景色が楽しめるはずでした。
しかし体調不良が続いて延期を重ねているうちに1ヶ月が経過してしまい、冬でもない、かといって春でもないという中途半端な時期にはなりましたが、季節外れの陽気に恵まれて、軽装で快適に歩けたのは良かったかな。
また寺院巡りでも、世界文化遺産の天龍寺を除けば人が少なかったです。落ち着いた佇まいを感じながら、静かに見て回ることができたので、この時期を選んだのは正解だったと思っています。

 累積標高差(登り):871m / 距離:9.8km / 歩行時間:3時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間30分 

(往路)
[前日] 古淵 14:34-14:59 新横浜 15:22-17:47 京都
    京都駅前 18:21-18:36 四条大宮(泊)
[当日] 大宮 05:42-05:48 桂 05:58-06:06 嵐山
    嵐山駅前 06:22-06:36 清滝

(登山行程)
清滝バス停 06:40
水尾分かれ 08:00-08:05
愛宕山   08:35-08:45
月輪寺   09:15-09:20
清滝バス停 10:20

(寺院巡り)
清滝バス停 10:20
化野念仏寺 10:40-10:50
祇王寺   11:05-11:10
落柿舎   11:20-11:30
常寂光寺  11:35-11:55
天龍寺   12:05-12:25
清涼寺   12:40-12:55
嵯峨嵐山駅 13:10

(復路)
嵯峨嵐山 13:26-13:42 京都 14:29-16:51 新横浜
新横浜 16:55-17:12 町田 17:14-17:18 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

やって来ました、京都。 暮れなずむ空に光る京都タワーです。
四条大宮で一泊して、夜明け前の阪急大宮駅から行動を開始します。
阪急嵐山駅に着く頃になって、ようやく空が明るんできました。
観光地の玄関口も、さすがに早朝は閑散としています。
20分ほどバスに揺られて、清滝に到着です。始発のバスの乗客は、私を含めて登山者4人だけでした。


橋を渡り、狭い路地を抜けていくと、この鳥居の先から愛宕神社の表参道が始まります。
すぐに、頂上を「40/40」とする分数表記の位置案内が現れました。
どのくらい登ったかの良い目安になりますし、40区間もあると数字が進むのも早くて、結構励まされます。
表参道はほとんどが階段状で、自然の坂道はほとんど残されていません。なかなかキツイ登りです。
古くから京都の人たちに「愛宕さん」として親しまれ、大勢の人たちが登り下りした歴史ある参道ですから、こうして手入れされているお陰で、長年にわたって維持されてきたのでしょう。


位置案内には、キロ数表記のものも存在します(前のを忘れた頃になって次を見掛ける程度の間隔でしたが)。
最初に見たのが「神社まで4000」で、その時は意味が分からず、これを見てやっと距離だと分かったのでした。
ところどころに、こうした休憩所が建てられています。そしてここは「30丁目」。
位置案内には、さらに頂上を50丁とした丁目表記のものまであるのでした。一丁ごとにお地蔵さんが現れて、きれいにかけられたエプロンからは、この山が多くの人に愛されていることが感じられます。


朱塗りの柵に囲まれた大杉社。杉の大木は既に朽ちていますが、注連縄が掛けられて祠が祀られていました。
ここが「20/40」なので、ほぼ道半ばのようです。そしてこの先「27/40」までは、ほぼ平坦な箇所も多いなだらかな道が続きました。表参道で唯一楽に歩ける区間です。
大杉社の近くでは西側に展望が開けていましたが、あいくにこの日の景色はこの通り。
朝靄? 春霞? 花粉? 黄砂? PM2.5? たぶん全部でしょう。後半の3つはお呼びじゃないのだが。
この山に特有のこの挨拶、予めウェブで読んで知っていたのですが、残念ながら表参道を登る途中ですれ違った人たちとの挨拶は全て「おはようございます」でした。どうやら、あまりに朝が早すぎてしまったらしいです。
それにしても、この時点ですでに下ってくる人たちは、ほとんど夜明けと同時に登り始めたんでしょうかね。


この「水尾分かれ」で、水尾から登ってくる道を合わせます。関東あたりの山だったら、「水尾分岐点」って呼ばれるのがせいぜいでしょうが、こんな地名からも京都らしさが感じられます。
水尾分かれの休憩所です。ここまでの休憩所には清滝のバス時刻表が掲示されていましたが、ここでは水尾のバス時刻表が掲示されていました。


いよいよ、神社の参道らしい雰囲気になってきました。なんだか気分も引き締まります。
黒門をくぐります。これは愛宕神社に由来するものではなく、かつてこの地にあって、慶応年間の神仏分離令によって破却された白雲寺の惣門だったらしい(傍らに立っていた解説板より)。


少し前から、数字の増え方が早くて変だと思っていたところ、案の定、頂上のかなり手前で「40/40」が出現。
「神社マデ300m」とも書いてあって、それが分かっていながらここがゴールになっているのは、このすぐ先から始まる愛宕神社の敷地内で設置を断られたとかの事情がありそう。
う~ん、悲しいことに、やはり愛宕神社サイドでは登山者をあまり快くは思っていない様子。
でも書かれているのは至極当然の事であり、登山者のマナーの悪さが登山者自身の肩身を狭くさせているに過ぎません(喫煙問題と同じ構図)。結果的に自分達の首を絞めることになる行為を、なぜ正せないのだろうか。


愛宕神社の社務所前で、一旦道は穏やかになります。
ここには超旧式のトイレと、冬場はストーブが焚かれているらしい休憩所がありました。
これが神社への最後の登り。写真から受ける印象よりもかなり急な石段でした。


まずは神門をくぐります。
さらに石段を登った先が頂上。いよいよ社殿内に入ります。
この本殿でお参りした後、さらに進んで奥宮でもお参りしていきました。
奥宮の手前で天井付近を見上げて発見。嘉永元年は、調べて見たら西暦1848年、今から165年ほど前でした。


社務所前まで戻ってひと休みしてから、月輪寺を経由するルートで下ります。
一旦北に向かって少しだけ進み、すぐに出てくるこの分岐を右に折れると、山道が始まりました。
こちらは表参道とは違って、登山道らしい雰囲気に溢れています。
傾斜の急な箇所はほとんど木段になっていますが、歩きやすい坂道も多かったです。
下りで階段道が続くのはシンドイので、こちらの道を下りに選んだのは正解でした。


月輪寺では、元気の良い尼僧の住職さんがお出迎えです。その明るさには救われた気分になりましたが・・・
檀家を持たない山寺のため、維持するだけでも困難なところへ、昨年夏の局地豪雨による土砂崩れが、一部のお堂を埋める被害をもたらしました。応急措置は取られたものの、今後さらに倒壊の恐れがあるとされています。
宝物庫には8点の重要文化財が収蔵されており、被害が及ばないように対策が求められるところですが、土砂に埋まったお堂のほうが文化財指定を受けていないために、国からの支援は受けられないらしい。
多くのボランティアによる復旧作業が進められているものの、今にも崩れそうな崖下での作業は危険を伴う上に、山道を歩いて1時間かかる場所では重機の搬入もままならず、ほぼ手作業に頼っている状況のようだ。
こうして文化遺産が危機に瀕しているというのに、行政はただ手をこまねいて見ているだけなのだろうか。
月輪寺のあたりからは、京都市街を見下ろせるはずなのですが、この日は展望はサッパリでした。


月輪寺への登山口まで降りてきました。ここから清滝バス停までは舗装道路歩きとなります。
途中で道路の下を覗くと、そこに山道があって歩いている人も見られます。
何の道かと思ったら、やがて道路に上がってきて、合流点の標識で東海自然歩道だと分かりました。
高尾山から続いているロングトレイルは、東京・神奈川あたりの区間こそ歩き慣れているものの、遠征先でその続きを見るのはちょっと不思議な気分。それだけ、想像を絶する距離があるということですね。
清滝バス停まで戻ってくると、朝は閉まっていたお店も営業が始まっていました。
後方が愛宕山方向なのですが、山頂は見えていない模様。


清滝バス停からそのまま歩き続けて、嵐山・嵯峨野方面に向かいます。
朝は、右側に見えるトンネルをバスに乗って通ってきましたが、ギリギリ1車線幅しかなくて歩くのがちょっと怖そうだったので、左の道を上がってトンネルの上を越えていきます。


まず最初に訪れたのは化野念仏寺です。
化野念仏寺といえば、やはり特徴的なのは無数の石仏・石塔が並ぶこの光景ではないでしょうか。
奥にあった竹林の道も京都らしい雰囲気でした。


つづいて祇王寺へ。
祇王寺の見所は、やはり美しい苔庭。
こんな時期でどうかな、と思っていたのですが、緑色に輝く庭を十分に楽しめました。


お次は落柿舎。ここは寺院ではなく、芭蕉の時代の俳句道場といったところです。
本庵の茅葺き屋根に、何とも言えない風情を感じます。
庭には鹿威しの音が心地よく鳴り響き、わび・さびの世界を演出していました。
土間に入ると、茅葺き屋根の骨組みを見ることができました。
芭蕉の句碑。「五月雨や色紙へぎたる壁の跡」(嵯峨日記)


こちらは常寂光寺。山門は簡素なものだと思いますが、ポスターとかがちょっと残念。
仁王門は茅葺きの立派なもので、中に運慶の作と伝えられる仁王像が立っています。
池を配した庭も雰囲気がありましたが、もうちょっと緑が元気な季節のほうが良さそう。
本堂背後の山腹を登っていくと、多宝塔が建っていました。
多宝塔のあたりからは、京都市街を眺められますが、やっぱり霞んでいました。


天龍寺へ向かう途中の竹林の道。絵になりますね。
嵐山駅に近付いてきて、人が増えてきたので、人の流れが途絶えるのを少し待ちました。


世界文化遺産の天龍寺には北門受付から入ります。多宝殿の前では、しだれ梅が見頃となっていました。
天龍寺を代表する風景の曹源池庭園です。この時期でももちろん十分に美しいのですが、パンフレットの緑豊かな写真と比べると、ちょっと物足りない印象だったのは否めませんね。
天龍寺には裏手から入っていたので、山門は出てから振り返りました。


最後に訪れたのは、少し離れた所にある清涼寺です。
ここは一般的な観光ルートから外れているらしく、訪れる人が稀で、静かでした。ちなみに拝観無料です。
多宝塔の前では紅梅が満開でした。
阿弥陀堂の前では白梅も少し楽しめました。
さて、予定ルートを全て歩き終えて、時刻は午後1時少し前。さらにほかの寺院を回る時間も十分にあります。
しかし、なにしろ登山後のこと。いい加減足が棒になってきていたので、予定通り帰路に就くことにしました。


予定では 15:30 到着を見込んでいた嵯峨嵐山駅に、なんと2時間以上も早く着いてしまいました。
各寺院での拝観時間を20分ずつ見ていたのですが、小振りな境内の寺院が多くてそこまで時間を掛けなかったのと、朝の登山でもいつものように標準タイムを1時間短縮していて、それらが積み重なった結果のようです。

あれ? 早朝にホテルを出て、朝一番のバスで清滝に着いたのが 06:36 でした。
一方、朝一番に東京から出発したとしても、清滝への到着は最速で 08:49、2時間ちょっとしか違いません。
それで予定より2時間早く回れたのだから、実は日帰りで十分だった訳で、ホテル代損してしまったよ。でも夕方の混雑時の前に帰れて、空いていた新幹線が快適だったから、これで良かったと納得しておくか‥‥。

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