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伊吹山 [関西]

2013/05/17(金)

■第255回 : 伊吹山(1377m)


この日は滋賀・岐阜県境付近にそびえる伊吹山に登ってきました。久しぶりの日本百名山です。
3月に京都・愛宕山に行った折、新幹線が関ヶ原を通過するあたりで、堂々として魅力的なシルエットの山が車窓に現れたのですが、それまで完全にノーマークの山だったので、その時点では名前が分かりませんでした。
こちらがこの日、新幹線の車窓から写した伊吹山。3月に見た時は雪山で、もっと神々しく輝いて見えました。
帰宅後に調べてみると、それが伊吹山で、迂闊にも有名なはずの日本百名山でした。新幹線から間近ですから、関西にありながら東京から楽々と日帰りできてしまうことも分かり、近いうちに登ろうと思っていたのです。
休日に行ってもロクなことがない百名山は、行くならば静かな平日しか考えられません。
ちょうど、取得できていた休暇と好天の予報が重なったので、朝一番の新幹線に乗って出掛けてきました。

 累積標高差(登り):1292m / 距離:12.4km / 歩行時間:4時間5分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間50分 

(往路)
古淵 05:15-05:38 新横浜 06:00-07:26 名古屋
名古屋 07:32-07:59 米原 08:03-08:12 近江長岡
近江長岡 08:45-09:01 伊吹登山口

(登山行程)
伊吹登山口バス停 09:05
三合目      10:05-10:10
八合目      11:05-11:10
伊吹山      11:25-11:50
山頂駐車場    12:10-12:15
八合目      12:40
三合目      13:10-13:20
伊吹登山口バス停 14:00

(復路)
伊吹登山口 14:30-14:46 近江長岡 15:09-15:33 大垣
大垣 15:41-16:13 名古屋 16:24-17:51 新横浜
新横浜 17:57-18:21 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

米原で新幹線から在来線に乗り換えて、近江長岡駅にやって来ました。関ヶ原の2つ隣と書けば、場所をイメージしやすいでしょうか。とにかく駅前にほとんど何もない駅でした。写真右手の建物はバスの営業所です。
新幹線の車窓からと同様に、駅前からも、スッキリと晴れ渡った青空の下に伊吹山が見えていました。
こちらが登山口行きのバス。こんな所まで来て、西武ライオンズカラーそのまんまの車体を見るとは。
帰宅後の調べで、湖国バスが西武系だと分かって納得しましたが、そうすると今度は、ライオンのヘッドマークが消されていたことに違和感がありまくりでした。


15分ほどバスに揺られて登山口のバス停に到着です。平日とあってバスの乗客は十数名程度でした。
歩き始めるとすぐに、登山口のゲートをくぐります。
ゲートをくぐった直後に登山道が始まったので、車道歩きは瞬時に終了でした。


登り始めは森の中。木々の間を縫う木陰の道を、快適に登っていきますが・・・
20分ほどで車道に出たところが1合目。ここで早くも木陰の道はおしまいで、前方にはスキー場のゲレンデが見えてきました。その上にもずっと草原が続くため、この先にはもう日射しを遮るものがほとんどありません。
今頃を過ぎたら、もう暑くて仕方がないでしょうね。この山では、夏は夜間登山が恒例になっているようです。


スキー場のゲレンデを登ります。かなりの傾斜を、ジグザグも描かずに直登するので結構キツイです。
まだ標高も低くて暑いので、この日一番汗をかかされたのが、このあたりだったような。
暑さのほか日射しも容赦ないですが、それは分かっていたことなので、今年初めて紫外線対策をしてきました。
振り返ると、樹木がないだけに、標高の割には広範な展望が開けていました。すでに琵琶湖が大きく見えていたのも印象的だったのですが、写真(右半分の後方が全て琵琶湖なのですが)では分かりにくいですね。
下はこのページの横幅に合わせた縮小写真ですが、大きなサイズの画像は こちら です。


2合目を過ぎると、一時的に木陰が出現します。すぐに終わる短いものですが、ひと息入れるには貴重でした。
そして3合目の手前で、初めて登山道上から頂上が見えてきて、これがなかなか壮観なのではありますが・・・
問題はすでに500m以上を登ってきて、それなりの疲労感がある中で見る景色だということ。
こんな遙か上にゴールを見せられて、まだどんだけ登らされるのかと、心が折られて気が遠くなりそうでした。


3合目に着くと、トイレの建物の向こうには木陰のベンチがありました。登り始めてちょうど1時間、絶好のタイミングで現れたオアシスのような場所は、緑の草原が広がる中にあって居心地が良かったです。
3合目の草原は、白や薄紫の可憐な花が一面に咲くお花畑になっていて見事でした。でも小さな花だけに、漠然と草原全体を広く撮っていたら、すっかり花が埋もれてしまう失敗写真が出来ていただけ。
下は縮小写真ですが、原寸の時点ですでに花がほとんど分かりません。慣れないことをしてもダメなんですね。


5合目を通過する頃には、もう登山口からの標高差の半分以上を登っていますが、まだまだ先が長い感じです。
ずっと上まで続く急斜面の草原には、ジグザグを描く登山道や、先行者の姿がポツリポツリと見えていました。
5合目を少し過ぎてから振り返りました。写真左側で、直下に茶色い屋根の建物が見えるのが5合目、その一段下で数軒の建物が並ぶのが3合目です。そして右半分の後方に大きく見えている琵琶湖は、肉眼ではキッチリと見えていたのに、写真では霞んでいて分かりにくいですね。(大きな画像はこちら)


6合目の少し手前には避難小屋が建っていました。
避難小屋の内部です。靴を脱いで上がるようにスリッパが用意されていて、とても綺麗に使われていました。
登山道の周囲だけは草原になっているのに、草原を外れた両脇の斜面には、普通に木々が茂っています。
草原は見晴らしが良くて爽快ですし、ずっと続くお花畑にも目を奪われますが、なにしろ日射しがきついので、木々の間を縫う所にも道があれば良いのに、ってちょっと思ったりしました。
ずっと頂上を見ながら登っているので、振り返れば、歩いてきた草原が3合目からずっと見えていました。


草原では、とにかくずっと花々が咲き続けていました。花には普段あまり興味がない私ですが、登る途中でひと息入れるついでに写真を1枚撮るくらいのペースがちょうど良くて、ついつい写真を撮ってしまいます。
これら2枚はオドリコソウである確率が高そう。白とピンクの2種類が見られました。
こちらはイブキハタザオでしょうか? このほか、光沢があってプラスチック素材の造花のように見えるウマノアシガタの黄色い花も良く見られましたが、そちらはちょっと使える写真がなかったです。


7合目を通過します。ここで地面に写っている黄色い花は西洋タンポポ。外来種であり、繁殖力が旺盛なために在来種を駆逐してしまうとして招かざる客なのですが、残念ながら非常に多く見掛けました。
草原が7合目の上で終わると、少し低木が見られるようになりました。新緑の柔らかな色合いに癒されます。
祠とベンチがある8合目で2回目の小休止。残す標高差は150mほどとなり、やっと終わりが見えてきました。
標高が上がって暑さも収まったので、紫外線対策として、腕まくりしていた山シャツを長袖に戻しています。


8合目から上では、岩がゴツゴツした道に変わって、少し歩きにくくなります。
しかし、下る時に少し気を付けていれば良い程度で、特に問題となるような箇所はありませんでした。
空が大きくなってきて、いよいよ頂上が近付いてきた気配です。
西遊歩道の分岐点まで来れば、もう頂上はすぐ先。ここからは道の傾斜も穏やかに変わりました。
なお下山時は、頂上部を周回した後に、西遊歩道からここに出てくる予定です。


頂上に着くと、いきなり売店街が出現しました。この日歩いた南側斜面の登山道を選ぶと、標高差が1200m近いガチな登山となりますが、北側は頂上直下まで車道が通じていて、散策程度で頂上に立つこともできます。
この日は比較的静かでしたが、360度の大展望があり、高山植物も豊富とあって、休日は賑わうのでしょうね。
5軒ほどあったらしい売店の脇を抜けて、最高点を目指します。
日本武尊の石像が立つこの地点が、伊吹山の最高点だったでしょうか。
スッキリと晴れて展望が良かった一方で、終始涼しい風が吹いていて長袖で過ごすにはちょうど良く、暑さや日焼けの心配が最小限ですんで、登るには絶好の日和だったようです。
東西に長い頂上には、ずっと草原が広がっています。
もう少し緑の濃い時期になると、さまざまな花が咲き乱れるらしいのですが、その頃は暑いんでしょうね。
日本武尊像の立つ最高点や売店のある側を振り返りました。本当にゆったりとした頂上です。
全方向に見晴らしが抜群で、高い山が周囲に全くないとくれば、三角点の等級が一等なのも当然でしょうか。


展望は、まずは眼下に琵琶湖が大きく横たわる南西側から。登ってきた登山道の方角でもあります。
ちょっと霞んでいたので、琵琶湖の先に比叡山が見えていたかどうか。(大きな画像はこちら)
北側では、折り重なるようにして山並みがどこまでも続いています。全く馴染みのない山域ですが、写真右半分の中央付近で雪を抱いて見える大きな頂が白山だということは、展望図を見るまでもなく分かりました。
大きな画像は こちら ですが、あまりに雄大な展望だったため、これでも結構縮小してしまっています。
ということで、白山のあたりだけの写真にしてみました。左端近くに写る残雪のピークは能郷白山のようです。
白山のアップです。かなり距離があって、ズームを最大限にしているので、少々厳しい写真になりましたが。
こちらは南側の鈴鹿山脈です。写真中央やや右寄りで、比較的クリアに見えている山並みの中で一番高く見えるのが霊仙山。その左上で、霞んで最も奥に高く見えるのが雨乞岳です。
雨乞岳のすぐ左に続いている御在所岳は、前に御池岳が重なって見えていない模様。(大きな画像はこちら)


頂上からは、東遊歩道~西遊歩道と、山頂の北側を1周するルートに入ります。
こんな標識が立っていて、実際に下りの一方通行とされていましたが、登山道としてはありふれた道でしかなく、登山者が危険を感じるような箇所などどこにもありません。観光客向けの注意勧告でしょうか。
そもそも本当に危険だったら、下りの一方通行だなんて意味不明すぎます。ふつう登り専用にするでしょうが。
東遊歩道に入っても、のびやかな草原が続いていました。
東遊歩道は、ニリンソウの大群落で始まります。これは花好きな人たちにはたまらないでしょうね。
山頂一帯ですでに群生していましたが、東遊歩道付近になると、白い花が草原を埋め尽くす様子が見事でした。
ところどころでは、ツルキジムシロの黄色い花も盛大に咲いていました。


花の多い道を20分ほど下ると、駐車場と茶屋が見えてきました。夏期はここまで路線バスも運行されています。
駐車場から、西遊歩道で頂上付近へ登り返します。頂上までの標高差は100m少々で、ずっと砂利敷の遊歩道を歩くだけ。ここまで車で来れば軽装のまま頂上まで散策できるので、登山するという意識は必要なさそうです。
が、遊歩道だと甘く見ていたら、砂利で足元がズルズル滑ったりして、効率の悪い登りを余儀なくされます。
すでに1200m近い標高差を登って登頂を果たした後では、それが精神的に少しこたえました。


頂上直下まで戻って、登ってきた登山道に復帰しました。
これから、ここを下ります。この素晴らしい高度感がたまりません。
3合目付近までずっと見渡せる爽快な眺めですが、特に5合目までは真下に落ちるような感じに見えました。
はじめは露岩の多い道で、足元への注意が必要ですが、それもこの8合目まで。
ここからは、ジグザグで傾斜が緩和された歩きやすい道に終始します。


ということで、なかば駆けるようにして軽快に下れてしまい、先行者を抜かしまくりでした。
みるみるうちに下界が近付いてきます。
朝登ってきた時よりも、琵琶湖はクリアに見えていたような。(大きな画像はこちら)


あっという間に3合目に到着。なんと、8合目から30分しかかかりませんでした。
ここは登りでもひと休みしましたが、最後に時間が余りそうなので、今度はもう少しゆっくりしていきます。
ただでさえ雰囲気の良い場所なのに、涼しい風がさらに心地良く、いつまでも居たい気分にさせられました。
3合目付近をぶらぶらしながら振り返ると、頂上は変わらず青空の下にありました。
登るのが辛かったスキーゲレンデの急勾配は、下りでもやっぱり急で、さすがにここは普通に歩いて下ります。
ここまで標高を落とすと暑さがぶり返していましたが、もう少し長袖のまま頑張りました。
1合目を過ぎると樹林帯に入って、久しぶりの木陰の道。ここで半袖に戻しましたが、もうゴールも間近です。


帰りのバスの時間には、30分の余裕を持って到着しました。
さて、朝のバスが同じだった十数名のうち、この時間のバスに間に合うのは、余程健脚の人に限られるはず。
後続の様子を見ていても、それを目論んでいそうな人は3人程度なので、バス停を離れていても座れそうです。
ということで、近くにある三之宮神社の静かな境内で、ベンチに腰掛けてバスの時間を待ちました。
近江長岡駅まで戻ってきても、伊吹山の上空はこの通り。気持ちの良い青空がずっと続いていました。

快晴で過ごしやすいという絶好の天気に恵まれて、大展望とお花畑の両方を堪能できた大満足の1日でした。
東京から遠出をして出掛けただけの価値が十分にある、とてもいい山だったと感じています。また行きたいな。

タグ:関西
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