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烏帽子岳・湯ノ丸山 [上信越]

2013/07/06(土)

■第258回 : 烏帽子岳(2065m)・湯ノ丸山(2101m)


この日は、国の天然記念物に指定されているレンゲツツジの大群落を見に、湯ノ丸高原に行ってきました。
今年の見頃は先週頃だったらしく、花はもう最終盤の様相で、草原が一面のピンク色に染まる程ではありませんでしたが、小さな群落ならばまだ随所に健在で、ツツジに関しては滑り込みセーフといったところでしょうか。

ただ、読みが大きく外れたのが天候です。終日どんよりとした曇り空で、山の上のほうはガスの中にすっかり入ってしまい、展望はほとんど楽しめませんでした。でもそれだけならば、時々あることなのですが・・・
稜線上では強風が吹き荒れて、時には身体を持っていかれそうなほどの突風にも見舞われる厳しい状況です。
視界がさらに悪くなればルートを見失う危険すらあったので、計画を一部縮小して、早めの下山となりました。

 累積標高差(登り):715m / 距離:11.7km / 歩行時間:3時間40分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間50分 

(往路)
大沼 06:05-06:15 相模大野 06:19-06:57 新宿
新宿 07:00-07:13 東京 07:52-09:21 佐久平
佐久平 09:40-10:40 湯の丸(地蔵峠) 10:50-10:55 つつじ平

(登山行程)
つつじ平   10:55
鐘分岐    11:10
鞍部分岐点  11:40
烏帽子岳   12:15-12:25
鞍部分岐点  12:50
湯ノ丸山   13:20-13:35
鐘分岐    14:00
あずまや分岐 14:25-14:45
湯の丸バス停 15:20

(復路)
湯の丸 16:00-17:00 佐久平 17:14-18:06 大宮
大宮 18:13-18:45 新宿 19:01-19:39(延着19:44) 相模大野
相模大野 20:05-20:20 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

佐久平駅で新幹線から路線バスに乗り換えます。
この時点で周囲の山々はすべて雲の中にあって、展望のない山行が決定したようなものでした。
ダイヤ通り、きっちり1時間バスに揺られて、地蔵峠(バス停は「湯の丸」)まで上がってきました。
バスの乗客は6人だけ。同じ路線は3年前にも帰りだけ利用していますが、その時の乗客も6名でした。
この路線も、一体いつまで続くことやら・・・


天気が怪しいので、少しでも早いうちに先に進もうと、ほんの短い距離ですがリフトを利用しました。
前方にはこれから登る湯ノ丸山があるはずなのですが、雲の中で全く分かりません。
冬のスキーゲレンデは夏は放牧場になるらしく、リフトのすぐ脇では牛が草を食んでいました。
リフトを降りた地点で振り返ると、反対側にあるはずの山々も、やはり雲の中でした。


ツツジ平に入ると、早速レンゲツツジがお出迎えです。
冒頭に書いた通り、一面がピンク色に染まる勢いはもうありませんが、まだなんとか楽しめる状況でした。
ここまでの登山道もリフトも人が少なめだったのですが、ツツジ平の中も人の姿は散発的です。
花だけを楽しむならば、先週のほうが良かったのでしょうが、人が入らない写真のほうが好きな私には、このくらいの感じが丁度良かったかも(最盛期を外した負け惜しみも若干入ってますが・・・)。
ツツジ平では、ツツジの木々の間を、どこでも歩けるような感じになっていました。


ここからは、レンゲツツジに近寄って撮った写真を4枚ほど。(1枚目は冒頭と同じものです)
あまり人が行かないツツジ平の端のほうでは、牧牛もツツジに囲まれてマッタリしていました。


ツツジ平を後にして、鐘のある十字路から烏帽子岳への道に入ります。
この時は手前から出てきて左折しましたが、後ほど湯ノ丸山から奥の道を下ってきて、右手に進むのでした。
ちなみに、鐘の音は良く響くので、濃霧時に鳴らすと後続者の目安になるのだとか。
緩やかに下って、この中分岐を右折すると、道は再び登りに変わります。
写真では分かりにくいのですが、ここ数日は雨が降る日が多かったようで、少しぬかるんだ道が続きます。
泥濘の酷い箇所はないので問題なく歩けるのですが、常に足元を気にして歩くので少々ストレスを感じました。


稜線に上がった所が、烏帽子岳と湯ノ丸山との鞍部で、この時は人がいっぱいいました。
ここから、まず先に烏帽子岳を往復して、その次に湯ノ丸山へと向かいます。
烏帽子岳への道は、すぐに稜線から外れて、比較的なだらかに登っていきます。
鞍部から10分ほどで、いよいよガスの中に入っていきました。
このあたりの斜面でも、あちこちでレンゲツツジが咲いていました。
再び稜線に出ると、ガスで視界はこんな感じ。これ以上ガスが濃くならないことを祈ります。


稜線の登山道脇では、さまざまな高山植物が開花期を迎えていました。こちらはアヤメ。
イワカガミを初めて見られたのは、ちょっと嬉しかったです。
ハクサンチドリは、初めてだったのはもちろん、名前も分からなかったので、帰宅後に調べました。
このあたりのレンゲツツジは、赤に近い鮮やかな色合いのものが多かったです。


いよいよ烏帽子岳の頂上が迫っていましたが、ガスに視界を遮られて、すぐ近くなのにほとんど見えません。
これは、珍しくガスが薄くなった時に撮った写真ですが、このあとすぐにまた隠れてしまい、登頂前に頂上を見られたのはこのわずかな一瞬だけでした。
頂上直下は岩屑が折り重なった斜面でした。ここは岩が乾いていて良かったです。
烏帽子岳の頂上では360度の展望があるはずなのに、視界は100m程度しかなくて、ほとんど何も分かりません。
寒風が吹き荒れて、立ち止まって5分もすると寒くなってきたので、ウインドブレーカーを羽織りました。


烏帽子岳頂上に10分ほど滞在していた間には、1度だけ周囲のガスが晴れてくれました。
ここまで歩いてきた稜線がこんな感じだったのだと、初めて分かった瞬間です。
南西側斜面の草原には、レンゲツツジの花が続いていました。眼下に見えてきたのは上田市街でしょうか。
その斜面の草原をアップで撮るとこの通り。
そこここでレンゲツツジが咲いているさまは、肉眼ではもっと鮮やかに見えていたのです。
そして北西側に見えてきたのは、菅平高原のようです(写真左上)。
とすると、そこから右へ上がる稜線の先に四阿山があるはずなのですが、それは最後まで見えませんでした。


烏帽子岳を後にして、鞍部まで戻ってくると、先ほどとは一転して、ほとんど人がいなくなっていました。
バス利用では、地蔵峠到着が最速で10:40ですから、登山のセオリーを無視した遅い時間に登り始めざるを得ないのですが、マイカーでもっと早くに着いていた良い子の皆さんは、とっくに下山する時間だったのでしょう。
なお、写真正面がこれから登る湯ノ丸山ですが、こちらも登っていくうちにガスの中に入る模様です。
湯ノ丸山に登る途中で、いつか一度は見たいと思っていたサラサドウダンを発見して、ちょっと感激でした。
満足に咲いていた木は2本しかなく、地面に散った花びらを見ることが多かったので、その2本が辛うじて咲き残ってくれていた模様です。
しばらく登っていくうちに、再びガスの中に入りました。気温は低くて涼しいのに、霧に巻かれると湿気が多くて妙に暑苦しく、登り坂では大量に汗をかかされて不快です。そのためか、湯ノ丸山への登りではペースが上がらず、珍しくバテバテな感じで、最後は肩で息をする始末でした。


湯ノ丸山の頂上は、烏帽子岳以上にガスが濃くて、近くの物ですら良く見えないという厳しい状況です。
この写真ではクリアな感じに見えていますが、これはデジカメが何か余計なことをしたからと思われ、現地ではほぼ乳白色の景色が広がるばかり、という印象でした。
頂上ではさらに、強風が猛威を振るっていました。ここに写っている2人の登山者も、突風に身体が煽られて、写真を撮るのもままならないといった具合です。
 (写真では鮮明なこの2人の姿も、肉眼ではガスに霞んでもっとぼんやりとしか見えていませんでした)


ということで、冒頭に書いた通り、以降の行程を打ち切って、湯ノ丸山から下山を開始しました。
ある程度高度を落とすと、そこから下は穏やかな天気となっていて、正面には3年前に登った籠ノ登山が頂上まで見えてきたほか、この日最初に回ったツツジ平も見下ろせました(写真左下の草原)。
再び鐘のある十字路に出ました。このまま下ると時間が余るので、ここから鹿沢温泉への道に入ってみます。
すると途端に人の姿を見なくなって、もう地蔵峠に戻るまで、結局1人のハイカーも見なかったのでした。
鹿沢温泉への道には特別な見所がなかったので、なんとなくダラダラと歩く具合になります。
ずっと草原を歩くのかと思っていたら、途中からは森の中に入ります。さほど魅力がないためか、あまり歩かれていないらしく、このように草深くなっている箇所も見られました。
森の中を抜けて正面が開けたら、目の前があずまやの建つ分岐点で、20分ほどゆっくりしていきます。
ツツジ平から遠く離れたこのあたりまで来ると静かで、時間が遅いということもあったと思いますが、20分もいたのにほかには誰も現れませんでした。


あとは林道を緩やかに下っていきます。
林道から車道に出たところです。
ここから車道をショートカットする山道を歩く予定でしたが、入口からして草深くて、入るのに躊躇します。
少し進んだだけで早速クモの巣に引っかかったので、快適には歩けないと判断して引き返し、車道を歩くことにしました。この道、この時期はあまり歩かれていないのでしょう。
地蔵峠へはずっと登り坂が続いて、最後に少し汗をかかされて、湯の丸バス停に戻ってきました。
夏季限定、しかも1日2往復だけの帰りのバスの乗客は、行きよりも1人増えて7人でした。増えたのは、高峰温泉側から歩いてきたか、または前の日から泊まりだった人でしょうね。

ツツジは終盤で最盛期ほどの見事さはなく、展望が全く楽しめなかったり、久々の山行のためか途中からバテ気味になり、怪しい天候への不安もあって予定コースを短縮するなど、やや消化不良気味の山行になりました。
しかし、人の多い山が好みではないために、夏の時期にいわゆる「夏山」を登ることが少ない私にとって、この時期に咲く花のいくつかを初めて見られたのは収穫でしたし、どうにか天気が持ってくれたのも良かったです。

タグ:上信越
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コメント 4

松理

 ご無沙汰しています。
 あの辺りは,烏帽子岳~湯ノ丸山,湯ノ丸山~角間山,つつじ平散策という形で計3度行きましたが,いずれも花盛りいい思い出です。
 それだけにこの記事を読んで残念に思いました。
 月並みな表現ですが,次に行く時は,天気がいいといいですね。
by 松理 (2013-07-07 22:28) 

cellist

松理さん、お久しぶりです。
やはりここのツツジは何度もご覧になっていましたか。

この日、ツツジはそこそこ咲いてくれていたのですが、どうせならば青空の下で見たかったので、
それだけが残念でした。角間山を登り残してしまいましたし、また行くこともあると思うので、
その時まで路線バスが存続してくれていると良いのですが・・・

ところで、今年ツツジを見に行くのならば、その行先は当然カシガリ山と決めていて、ついでに
ガボッチョも踏んでいく計画を立てていたのです。
ところが、4月の野焼きが山火事に発展してしまったおかげで、今でもガボッチョのあたりを歩くと
煤にまみれるようですし、ツツジが無事かどうかも定かではなかったので、今年は見送っておりました。
私も来年は、天気の良い日を選んで出掛けたいと思っています。
by cellist (2013-07-08 21:27) 

松理

 返信が遅れてしまってすみませんでした。
 ビーナスライン沿いにある富士見台というドライブインのすぐ下にまで火が来たとのことで,以前にあったレンゲツツジの木は,ほぼ全滅という感じでした。
 私も気になっている山であるガボッチョも遠目で見ただけですが,かなりひどくやられている感じでした。
 さすがに,カシガリ山までは火勢は行っていない感じでした。
 1週間前に車山高原~車山乗越~車山肩を歩きましたが,車山乗越の東にもレンゲツツジがかなりあり,来年は,そこに咲く花を見たいと思いました。
by 松理 (2013-07-21 20:46) 

cellist

せっかくコメント頂いたのに見落としておりました。すみません。

富士見台あたりのレンゲツツジは全滅に近いのですか。。。

でもまぁ、せっかく立てた計画があるので、折を見て出掛けてみようと思っています。
そのほうが花期にとらわれずに、気が向いた時にいつでも出掛けられるので、むしろ良いかもしれません。
花を見に行ったのに花期を外してしまったら、なんだか失敗したような気分になってしまいますが、花と関係なく出掛ければ、当たり外れを気にする必要もなくなりますし。
by cellist (2013-08-04 21:42) 

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