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燕岳 [北アルプス]

2013/09/22(日)

■第263回 : 燕岳(2762m)



この日は4年ぶりに北アルプスに出掛けてきました。カメラを持ち歩くようになって初めての北アルプスです。
登ってきた燕岳は、花崗岩とハイマツが織りなす白と緑のコントラストが美しいのですが、そこに、ひと足早く色付いた木々が少しだけ赤や黄色のアクセントを加えていて、さらに賑やかな色彩を楽しめました。
そして頂上に立てば、圧倒的な存在感の槍ヶ岳を中心に、北アルプスを代表する表銀座・裏銀座の両コースを一望する大パノラマが広がります。最後には雷鳥のお出迎えまで受けられて、山の良さを堪能できた1日でした。

 累積標高差(登り):1451m / 距離:10.4km / 歩行時間:5時間45分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間55分 

(往路)
[前日] 古淵 15:38-15:41 淵野辺 15:47-15:55 橋本
     橋本 16:02-16:13 八王子 16:31-18:34 松本(泊)
[当日] 松本 04:35-04:53 穂高 05:05-06:00 中房温泉

(登山行程)
中房温泉   06:00
第一ベンチ  06:25
第二ベンチ  06:45-06:50
第三ベンチ  07:15-07:20
富士見ベンチ 07:45-07:50
合戦小屋   08:10-08:20
燕山荘    09:10-09:25
燕岳     09:50-10:05
燕山荘    10:25-10:30
合戦小屋   11:10-11:20
富士見ベンチ 11:40
第三ベンチ  12:00-12:10
第二ベンチ  12:30-12:40
第一ベンチ  12:50
中房温泉   13:15

(復路)
中房温泉 14:15-15:10 穂高 15:22-18:01 八王子
八王子 18:08-18:30 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

松本で朝を迎えるのは今年2度目。夜明け前のホームで、夜行快速の「ムーンライト信州」号を待ちます。
穂高駅で夜行快速に接続する登山バスに乗り換えて、中房温泉に着く頃には、すっかり朝になっていました。
中房温泉は、北アルプス表銀座コースの玄関口だけあって、初秋の朝6時でもこの賑わいです。
ここに至る道路は、中房温泉に着くかなり手前から、夥しい路上駐車で大変なことになっていました。
1つ前の写真に写っているトイレの前を抜けると、そこはもう登山道。すぐに急な登りが始まります。


この登山道には、合戦小屋に出るまでの間、短い間隔で4箇所にベンチがあります。
ここが最初の第一ベンチですが、まだ登り始めて25分しか経っていなかったので、ここは素通りしています。
さらに20分ほど登って第二ベンチに着いたところで、小休止して呼吸を整えました。
第二ベンチの先には、この登山道には珍しく平坦に近い区間がありました。
比較的急な箇所が大半を占めているのですが、大人気の登山道だけあって、前後に人が連なってなかなか写真を撮る間がなく、たまたま視界から人が消えて落ち着いてカメラを構えられたのがこの場所でした。
もう25分ほど登ると第三ベンチがあって、ここでも少し休んでいきました。


4番目のベンチの名前は第四ベンチではなくて「富士見ベンチ」。
その名の通り、遙か遠くに富士山が見えていました。ほんのりと淡くて写真にはうまく写らなかったのですが。
上部へ行くに従って、花崗岩やそれが風化した白砂が増えてきました。
この登山道は、登山地図で「北アルプス3大急登」の1つとされていますが、極端な急傾斜の箇所はなく、整備の行き届いた道が歩きやすいことや、休憩用ベンチが適度な間隔で置かれていることから、自分に合ったペースで歩く限り、さほど苦しくないのではと思っています(あくまで日帰りの装備で歩いた印象に過ぎませんが)。
さらに標高を上げると、木々の色彩に秋の気配が感じられるようになってきます。
合戦小屋に到着すると、燕岳までの登りもほぼ2/3を終えていて、残すところは1/3です。
この小屋は名物がスイカですが、今年は昨日の土曜日が最後だったらしく、タッチの差で見られませんでした。


合戦小屋を過ぎると、色付き始めた木々がさらに増えていきます。
中には、はや鮮やかに染まった紅葉も。
そして紅葉の先に目をやると、稜線から顔を出しているのは槍ヶ岳の穂先でした(左奥は大天井岳)。


合戦沢ノ頭に着くと、これから進む方向がいい感じに彩られていて、その中を通るのが楽しみになります。
槍ヶ岳も、穂先だけではない全容がどんどん現れてきています。
そして、目指す燕岳もハッキリと見えてきました(右奥)。
写真を縮小したので分かり難くなりましたが、燕山荘もここで初めて視界に入っています(中央やや左寄り)。


秋の気配漂う尾根道を、気持ち良く歩いて行きます。
次第に花崗岩の露出も増えて、燕岳にやって来たんだという気分が盛り上がります。
高度を増すにつれて、槍ヶ岳の向こうには、穂高岳へと続く稜線も姿を現しました。北アルプスの核心部です。
南東側は、遙か遠くまで見渡せていました。一番奥で霞んでいる山並みは、写真左側が八ヶ岳、右側が南アルプスです。その間には、まだうっすらと富士山も見えていたのですが、やはり写真には写りきりませんでした。
登山道脇では、紅葉しかけたナナカマドが、真っ赤な果実をたわわに実らせていました。
燕山荘の建物も、どんどん近付いてきています。


いよいよ燕山荘に到着。まずは、色とりどりのテントが設営されたテントサイトの横を抜けていきます。
そして稜線に上がりました。今立っているのが表銀座の稜線上で、向こうに見えるのは裏銀座の稜線です。
この写真に入っているのは、左から鷲羽岳・水晶岳・野口五郎岳といった面々。
これから向かう燕岳も、もう間近です。白と緑のコントラストが本当に美しい。
そうそうたる山々が目の前で一堂に会している中で、やはり槍ヶ岳の存在感は群を抜いていました。
裏銀座の稜線がすべて見渡せている大パノラマが、もうとにかく圧巻でした。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら です。


燕岳に向かう前に、ちょっと燕山荘に寄り道していきます。
燕山荘は、登山誌アンケートによる、泊まって良かった山小屋ランキングで1位に輝いた実績を持っています。
建物内にお邪魔してみると、ただトイレを利用するだけだったのに、受付スタッフさんの応対が丁寧かつ気持ちの良いものだったので、その評価もなるほど頷けると実感したのでした。


燕山荘から燕岳までは、短い間ですが、まさに稜線漫歩という言葉が相応しい極上の山旅が味わえます。
まず最初に受けるのがイルカ岩の歓迎で、槍ヶ岳をバックに撮ってみました(定番すぎるカットですが)。
振り返れば、槍ヶ岳の先には、いつしか穂高岳まで見えるようになっています。


燕岳までの間、白砂の稜線が、花崗岩のオブジェの間を縫うように続いていきます。
しばらく下降気味に歩いて来ましたが、このあたりから最後の登りが始まります。白い砂が目にまぶしい。
頂上が近付くと、花崗岩の山肌に取り付く感じになりますが、普通に歩ける道がうまく付けられていました。
燕山荘からの稜線を振り返ると、このあたりまでは比較的なだらかだった様子が良く分かります。
頂上直下はやや急になって、木段がいくつか連なりました。でも、さほど長くは続きません。


燕岳への登頂まであとわずか。頂上はこの通りの狭さですが、展望は周囲のどこからでも楽しめます。
この小1時間ほどですっかり雲が増えていたのですが、展望への影響がなかったのが幸いでした。
狭い頂上では、次々と人が現れては、代わる代わる記念写真を撮っていきます。
頂上に立って初めて、さらに北側へと続く稜線が見られました。北燕岳の頂上にも、誰かが立っています。
そして北燕岳の左奥に見えているのは立山でした。
これが頂上からの大パノラマ。ここに写っているだけでも、日本百名山が6座も入っています。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら です。


燕岳から燕山荘への帰り道で、すれ違った人から教えられた方向に視線を送ると、いました、雷鳥です。
手前の白砂の部分は、もう人が歩くような所なので、本当に登山道のすぐ脇まで出てきていた感じでした。
2羽のうち1羽をアップで。ずっと会いたいと思っていて、その念願がようやく叶った瞬間でした。


あとは来た道を下るだけなのですが、なんだか登ってきた時よりもカラフルになっているような。
登る途中で撮った写真(30枚ほど前)と比べると、日差しが陰った影響で暗い色調になってしまったのですが、この2時間半ほどの間にも、明らかに分かるほど発色が進んでいた印象でした。
色付いた樹木はまだ散発的でしたが、全山が秋色に染まる頃にはさぞかし見事な眺めになるのでしょう。
合戦小屋まで下ってくると、小屋前のベンチは、登る時よりもずっと賑わっていました。
これから登って、人気の燕山荘で1泊して、ゆっくりと山を楽しむ人のほうが多いのでしょうね。


登山口まで戻ってきました。まだ1時過ぎなので、今から登り始める人の姿もちらほら。下山中も最後まで登る人たちと頻繁にすれ違いましたが、夏山最盛期ほどの混雑はなかったようで、時間のロスは少なかったです。
登山口から見上げると、東側の山は雲に巻かれることが多くなっていました。
燕岳あたりでも、もしかするとスッキリとした展望は午前中だけだったのかもしれません。
快調に下ってこられたため、1時間ほど余裕があって、登山口でゆっくり荷物などを整えつつ帰路に備えます。
身支度が整った後は、バス乗り場が近くから見える場所に腰掛けて、様子を窺いながら待っていると、発車時刻の30分前頃に行列ができ始めたので、すかさずその列に加わりました。


旅の最後は穂高駅のホームです。
朝5時に降りた時は、まだ真っ暗で何も分からなかったのですが、ローカル線らしい旅情あふれる駅でした。
穂高駅のホームから北アルプス方面を見ると、だいぶ雲が出てきています。
中央やや右寄りに見える富士山型の山が有明山で、燕岳はそのすぐ左奥なのですが、見えていない様子でした。

タグ:北アルプス
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