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飯縄山・瑪瑙山 [上信越]

2013/10/13(日)

■第264回 : 飯縄山(1917m)・瑪瑙山(1748m)


今回の行先は、長野市民の山として親しまれている(らしい)飯縄山です。
飯綱高原から登って、登頂後は三連休の観光客で賑わう戸隠高原に下りるルートで歩いてきました。
標高はさほど高くありませんが、頂上からの360度の展望は素晴らしく、特にこの日が初冠雪だった北アルプスの雪化粧が印象的だったほか、屏風のような岩尾根が立ちはだかる戸隠山の峻険な眺めも迫力満点でした。

 累積標高差(登り):949m / 距離:10.5km / 歩行時間:4時間5分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間20分 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:55-05:38 新宿
新宿 05:46-05:55 池袋 06:01-06:37 大宮
大宮 06:50-08:05 長野 08:20-09:02(延着09:10) 飯綱登山口

(登山行程)
飯綱登山口バス停   09:10
駒つなぎの場     10:15-10:20
飯縄山        11:25-11:35
瑪瑙山        12:20-12:40
戸隠キャンプ場バス停 13:50

(復路)
戸隠キャンプ場 14:23-15:38(延着15:50) 長野
長野 16:18-17:46 大宮 17:53-18:26 新宿
新宿 18:41-19:20 相模大野 19:25-19:35 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

長野駅からバスに50分ほど揺られて、飯綱高原の飯綱登山口バス停で下車します。
登山地図では、写真左手に分岐する車道に入るのが登山口へのルートとされていますが・・・
バスの進行方向の少し先に見えている一ノ鳥居苑地に、まずは寄って行きます。
飯縄山は山中にトイレが全くないので、この苑地にあるトイレは貴重な存在なのです。
苑地の駐車場の北東端には小道の入口があって、森の中を歩いても登山口に向かえるようになっています。
縮小写真では潰れてしまいましたが、ちゃんと道標も立っていました(写真中央付近)。
すぐ右手には舗装道路が並走していますが、やはり木立の中で土を踏みしめながら歩く方が気持ち良いです。


とはいえ、小道を歩けるのは5分ほどだけで、やがて車道に合流してしまいます。
山岳宗教の修験場だった飯縄山らしく、途中で鳥居をくぐったり、こんな灯籠を見たりしながら進みます。
道路は舗装されても、かつて参道だった名残は十分に感じられました。
ほどなく左手に飯縄大明神の鳥居が現れて、その鳥居をくぐった先から登山道が始まります。
車でもここまで入れるようですが、私有地のため、一ノ鳥居苑地の駐車場を利用するようにとの案内看板が立てられていました。もっと遠くならまだしも、ほんの15分で歩ける距離なのに、実際はこの通り。


登山道を登り始めて10分ほどすると、道のすぐ脇に第一不動明王の石仏が置かれていました。
この登山道沿いには計十三体の石仏が安置されていて、次々と現れる石仏に励まされながら登っていきます。
登山道の傾斜は、当面の間は比較的穏やかで、割と楽に登ることができます。
ただし路面は石がゴロゴロしている箇所が多くて、決して歩きやすいという訳でもなかったのですが。
バスの車窓から良く見えていた飯縄山も、森の中の登山道からは全然見られなくなっていましたが、第六弥勒菩薩を過ぎた先で、木立の間から一瞬だけ頂上付近を覗くことができました。でもまだまだずっと上です。
11番目の石仏がある「駒つなぎの場」まで来ました。ここはガイドブックで頂上までの行程のほぼ中間点とされていて、腰を下ろせるスペースもあったので、ひと息入れて行きました。


標高を上げるにつれて、次第に木々が色付いてきましたが、鮮やかに染まった樹木は少数かつ散発的。
秋になっても暖かな日が続いていた今年、本格的な紅葉にはまだ早かったようです。
中腹を過ぎて、やや傾斜がキツくなってきたのと引き換えに、所々で眼下の景色が楽しめるようになりました。
「天狗の硯石」まで来ました。ここも景色の良い場所で休憩向きです。
 (標識では「硯岩」ですが、登山地図では「硯石」となっていて、この表記のほうが多数派らしい)
たぶんこれが「天狗の硯石」です。左側の岩で、中央が凹んでいるあたりを、硯に見立てたのでしょうね。


さらに標高を上げると、どんどん景色が良くなっていきます。パノラマ写真は、代表して頂上からのものだけを掲載しましたが、登山道の上部まで来れば、どこからでも大きな展望を楽しむことができる山なのでした。
北アルプスが見えてきた時、それが予想外に雪化粧していたのには驚きました。昨夜から今朝にかけて急激に気温が下がり、この秋一番の冷え込みとなっていたので、高所稜線では初冠雪となったようです。
雪が付いているのは白馬三山のあたりです。この白さからすると、かなりの量が降ったのではないでしょうか。


やがて高い樹木がなくなって、頂上付近をずっと見ながら登るようになりました。
縮小写真では分かり難いですが、登山道上には点々と登山者が連なっています。
西登山道との分岐点まで来ると、北アルプスは、北は白馬から南は槍・穂高まで、ほぼ全部が見えてきていて、雄大な眺めに振り返るたびに足が止まってしまいます。
飯縄山は北峰と南峰からなる双耳峰で、まずは飯縄神社の鳥居と祠がある南峰に到着です。
南峰に立てば、もう最高峰の北峰はすぐお隣にあります。あとは穏やかで開放的な稜線を進むのみ。


飯縄山の頂上に到着です。頂上標柱には「飯綱山」が「飯縄山」と書き換えられた形跡が。
1つ前の写真にも入っていますが、三角点は頂上標柱のすぐ後方に埋まっていました。
頂上は多数の登山者で賑わっていましたが、そこそこの広さもあって(現在立っている背中側にもスペースがあります)、さほど手狭な感じは受けません。
私自身も、ひととおり写真を撮った後は、空いていた場所で適当な岩に腰掛けて少し休んでいます。


頂上からの大パノラマは、まずは北アルプス方面から。この時は、燕岳付近以南に雲が出てきてしまいましたが、登っている途中には槍ヶ岳がハッキリと見えている時間帯もありました。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら です。
さらに北側では、屏風のように切り立った岩尾根が連なる戸隠山に、正面から対峙する形となっていました。
その峻険さは縮小写真では伝わらないので、ぜひ 大きな写真 でご覧下さい。
初冠雪した北アルプス・白馬三山のアップです。
そしてこちらは、東側から南側にかけてのパノラマ。大きな写真は こちら です。


北側には、すぐお隣に霊仙寺山があって、当初の計画では飯縄山から往復して戻ってくる予定でした。
まだ先が長いですし、人が大勢いる頂上も落ち着かないですし、どうせまた戻ってくることでもあるからと、頂上での休憩を10分ですぐに切り上げて、いざ霊仙寺山に向かいます。
すぐに、これから向かう霊仙寺山と、そこから戻ってきた後で向かう瑪瑙山との分岐点に出ます。
とても正面に登山道があるようには見えませんが、笹藪が濃いことは事前の調査で分かっていて想定内だったので、構わずササを掻き分けて、ヤブの中に突入しました。
ところがその笹藪の濃密さたるや、想定を超越するものでした。
道の所在がほとんど分からない程で、悪路に対する覚悟はできていたのに、それでも前進をためらう事態です。
急な下りなのに足元が全く見えず、段差や障害物があっても分からないため、闇雲に進めば危険も伴います。

でも本当に驚いたのは、少し進んでみて振り返った時でした。どちらを向いても笹また笹の大海原に囲まれて、今さっき自分がどこをどう進んできたのかが、もう全く分からなくなっていたのです。
これまでに突破してきた笹藪とはレベルが違っていて、深入りしないうちに引き返さなければヤバそうな雰囲気がありあり。こんな状況では、霊仙寺山への往復は諦めざるを得ませんでした。

この時点では、まだ大した距離は進んでおらず、しかも真っ直ぐに下っていただけ。だから道が分からないながらも、真っ直ぐに登り返してさえいれば、やがて笹藪の先にさっき見た分岐点の道標が現れてホッとしました。
こんなことならば、飯縄山の頂上で、もっとゆっくりしていても良かったのです。
今から引き返すことも考えましたが、短時間で戻ってきたのに気付く人がいれば、下る道を間違えたか、大キジでも撃ってきたかと思われるのが関の山なので、敢えて飯縄山には戻らずに進むことにしました。
それにしても、これから向かう瑪瑙山への道が、なんて立派に見えることか。


飯縄山からは、瑪瑙山を正面眼下に捉えながら下っていきます。
背後には、戸隠山のゴツゴツとした岩稜と、高妻山(その右奥)が控えていて、なかなか壮観です。
こちらの道では、飯縄山への登りにはなかった鮮やかな紅葉を、散発的にですが何度か見ることができました。
飯縄山と瑪瑙山との鞍部は、低木もありますが草原のような開放的な景色で、気持ちの良い場所でした。
鞍部から見上げる瑪瑙山。標高差は大きくありませんが、ほぼ直登する具合で少々キツく感じる登りでした。


瑪瑙山の頂上に到着しました。背景は先程までいた飯縄山です。
こちらはほとんど人が来ない静かな頂上だったので、飯縄山の分も含めてゆっくり休んでいきます。
瑪瑙山から西側の眺めです。飯縄山にいた時よりも、戸隠山がさらに近くなって迫力を増していました。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら です。
北側には、飯縄山からは見づらかった火打山・妙高山や、2009年に登った黒姫山がスッキリと見えていました。
大きな写真は こちら です。


瑪瑙山を後にして、どんどん近付いてくる戸隠山を正面に見ながら、スキー場のゲレンデを下っていきます。
ゲレンデを下る途中ですれ違ったパーティーを率いていたのは、テレビの山番組などへの出演も多い登山ガイドの橋谷さんでした。すれ違うまでは全く気付かず、こちらがハッとするほど元気な声で「こんにちは!」と挨拶されて、挨拶を返そうと初めて顔を見て誰だか分かったので、後ろ姿の写真になってしまいましたが。
スキー場のゲレンデを下り終えて山道に入ると、あとは美しい森の中に、穏やかな道が小1時間ほど続きます。
最後のほうでは、傾斜もほとんど平坦に近いくらいに緩まって、すこぶる快適に歩ける気持ちの良い道でした。
ただ、ひたすら森の中を進むために景色にほとんど変化がなく、歩くこと自体を楽しめる人でないと辛いかも。


突然目の前が開けたと思ったら、現れたのはキャンプ場でした。なんて居心地が良さそうな場所なんでしょう。
キャンプ場の中を抜けて車道に出た先には、また別のキャンプ場の事務所があって、ここが今日のゴールです。
上の写真の事務所のすぐ前にバス停があって、ここで長野駅行きのバスを待ちます。
ここから乗ったのは数人でしたが、その後は観光客で賑わう戸隠高原の核心部を通っていき、途中から増発便を手配するほど混み合ってきたので、始発のバス停から乗れるように計画しておいたのは正解でした。

タグ:上信越
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