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斑尾山 (前編) ~ 斑尾山登山編 ~ [上信越]

2013/11/02(土)

■第266回 : 斑尾山(1381m) (前編) ~ 斑尾山登山編 ~


今回の行先は長野・新潟県境の斑尾山です。
山での紅葉は既にピークを過ぎたものの、山麓ではまだまだ楽しめるという情報だったので、下山後に希望湖や沼の原湿原を巡って紅葉散策をするというロングルートで歩いてきました。
休憩を除いた正味の歩行時間が6時間を超えたのは約3年ぶりで、久しぶりにどっぷりと山に浸かれましたし、紅葉をはじめとする美しい景色にも多々出会えて、充実した1日になっています。

 累積標高差(登り):1127m / 距離:22.1km / 歩行時間:6時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間15分 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:55-05:38 新宿
新宿 05:46-05:55 池袋 06:01-06:09 赤羽
赤羽 06:12-06:28 大宮 06:50-08:05 長野
長野 08:12-08:41 古間

(登山行程)
古間駅        08:45
斑尾登山道入口バス停 09:35
大明神岳       11:10-11:15
斑尾山        11:20-11:40
沼の原湿原      13:05
希望湖        13:30-14:20 (湖畔一周)
沼の原湿原      14:35
万坂峠        15:15
タングラムバス停   15:30 (タングラム斑尾玄関前)

(復路)
タングラム 16:40-17:10 黒姫 17:37-18:12 長野
長野 18:46-20:02 大宮 20:12-20:43 新宿
新宿 20:51-21:28 相模大野 22:00-22:15 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

長野新幹線から妙高1号(特急型車両ですが普通列車です)に乗り継いで、古間駅で下車します。
乗降客は少なくて、一見して観光客と分かる人はほかにいなかったような。
小さな駅舎があるだけで、周辺の集落も決して大きくはないのですが、意外にも有人駅でした。


斑尾山は、山麓を走っていた路線バスの相次ぐコミュニティバス化で、公共交通によるアクセスがすっかり不便になってしまいました。なので今回は約1時間ほどかけて、車道を延々と歩いてアプローチします。
そんなルートですから当然、前後をいくら見渡しても、歩いている人なんて私のほかには誰もいませんでした。
古間駅の周辺は朝靄がかかってどんよりとしていましたが、幸いにも歩き始めるとすぐに靄が晴れて、これから目指す斑尾山も遠くに見えてきました(中央やや右寄りの奥で一番高く見えているあたり)。
こんな農道をしばらく歩く区間もあります。見渡す限り、のどかな山村風景が広がっていました。
振り返った方向にはまだ朝靄が残っていましたが、先月登ったばかりの飯縄山(左端)と4年前に登った黒姫山(右端)は、頂上がその靄の上に顔を出していました。
登山口の手前まで来ると、山肌がいい感じに色付いているのが分かって、期待が高まります。
なお左奥に写っている稜線で一番高い所は、斑尾山手前の大明神岳で、その右隣の小さな突起が斑尾山です。


古間駅から歩くこと小1時間、登山道入口のT字路まで来て、初めて斑尾山を案内する道標を見ました。
道路の反対側には「斑尾登山道入口」バス停がありますが、コミュニティバス化されてしまった今では、地域住民の通勤・通学の足として最小限の運行が保たれているに過ぎません。
土日祝は全便運休、平日も朝は駅行きの便、夕方は駅発の便だけで、観光目的での利用には不向きです。もっとも、登山口まで来ても周囲に誰も見掛けないこの状況からして、そもそもそんな需要が少な過ぎるのでしょう。
T字路を左に折れて、間近に迫っていた山裾に向かいます。
はじめ舗装されていた道も、すぐ近くにあるお寺の前を過ぎると、未舗装に変わりました。
その先で一旦山道に入りますが、すぐに別の車道に合流して、さらに少し進んだところが登山口でした。
力強い日差しを受けて、すっかり身体が暖まっていたので、ここでフリースを脱いで山シャツ姿になりました。


はじめは軽車両の轍が続く道。周囲の森も鬱蒼とした感じで、あまり気持ちの良い道ではありません。
その後は何度か林道を横断します。
最初の林道を横断した後で、山道に変わりました。まだこのあたりでは、常緑樹が主体です。
2度目の林道横断点。ここは直進ではなく(踏み跡がすぐ消滅)、林道を少し左に歩いて次の山道に入ります。
3度目の林道横断点。ここまでは緩やかな道でしたが、この先でいよいよ傾斜が増していきます。


標高を上げていくにつれて、ところどころで黄葉が楽しめるようになってきました。
断続的ではあるのですが、いい感じの場所が増えていきます。
4度目(最後)の林道横断点では、路肩に1台だけ車が停められていました。
ここまで全く人の気配を感じずに来ましたが、この先は少なくともこの車の主が往復しているのでしょう。ちなみに、ここからだと頂上までは1時間ほど。山を歩いた気分に浸るには、ちょっと物足りないような。
黄葉は、このあたりの標高が一番鮮やかでした。
登り続けていくと、次第に黄葉の盛りを過ぎた、くすんだ色合いの木々が混ざるようになります。


稜線に出た所で、反対側の野尻湖畔から登ってくる道を合わせます。なぜか標識には「釜石山」とありますが、ここは鞍部であってピークでも何でもありません(標高値の1020mも間違っていて、正しくは1070mほど)。
釜石山は、南東に400mほど進んだ所にある1100m峰です。この日は時間に余裕があるので、踏み跡でもあれば寄ってみようと思っていましたが、人が入っている気配の全くない笹藪を見て、あっさり諦めました。


しばらくは、穏やかな稜線を進みます。展望こそないものの、歩いていて気持ちの良い道です。
ただしここまで標高を上げると、さすがに落葉した樹木が目立ってきました。
残っている黄葉も、もう見納めといった風情です。
しばらく進むと、「蟻のと渡り(=門渡り。戸渡りとも)」なる名前の付けられた場所がありました。
しかし、アリ1匹どころか、ゾウでも通れそうな道幅があって、この名前はいくら何でも盛りすぎでしょう。


さらに登っていくと、なんだか黄葉が復活してきました。場所によって早い遅いがあるようです。
稜線上の黄葉は最終盤でしたが、なんとか間に合った感じでした。
ほとんどが黄葉する樹木だったのですが、中には珍しく鮮やかな紅葉も。


大明神岳に着きました。ここに写っている範囲がほぼ全てという狭いピークですが、展望は良好です。斑尾山がほとんど展望のないピークなので、展望はこちらで楽しんでいきましょう。
眼下には野尻湖が見えていて、その先にあるのは4年前に登った黒姫山です。
大明神岳からの展望です。下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら
左半分の黒姫山までは長野県ですが、妙高・火打は新潟県の山。火打山の頂上はすでに冠雪していました。


大明神岳まで来れば、斑尾山はもう指呼の間にあって、標高差もわずか。ほんの5分ほどの道のりです。
さすがに頂上付近は落葉が進んでいましたが、その分日差しが入って明るい尾根道です。
この日の昼間は気温が上がり、とても11月に入って長野・新潟県境の山にいるとは思えないような小春日和に。
日差しを浴びれば山の上でもポカポカ陽気で暖かく、今シーズン初めての「日溜まりハイク」を味わえました。


斑尾山の頂上に到着しました。ここもさほど広くはなく、控え目な標識があるだけの地味な頂上です。
3人組の先客がいましたが、彼らがやがて出発していくと、その後しばらくは私ひとりの頂上となりました。
ほとんど展望のない頂上ですが、この時期は、葉を落とした樹木の間から、北東側の山麓に広がる斑尾高原一帯を見下ろすことができました。高原も紅葉の盛りを迎えている模様です。


頂上で少しゆっくりした後は、新潟県側へと延びる稜線を北上します。こちらも気持ちの良い尾根道でした。
5分ほどで、斑尾高原方面と万坂峠方面との分岐点に出ました。
ここが長野・新潟両県の県境となっていて、この先はどちらに折れても県境の稜線を進むことになります。


少し下って行くと左側の景色が開けた地点に出て、つい先程までいた斑尾山を合わせて、飯縄・戸隠・黒姫・妙高といった、いわゆる北信五岳を一堂に見渡すことができました。
ただ、1枚のパノラマに合成できるように考えて5枚に分けて撮ったつもりでしたが、Windows Live フォトギャラリーが半分ずつしか繋げてくれなかったので、写真は2枚に分かれています。
まずは左半分のガイド付き縮小版で、大きな写真は こちら です。
そしてこちらが右半分のガイド付き縮小版。大きな写真は こちら です。
反対側を振り返れば、紅葉に染まる斑尾高原の奥のほうで、次に向かう希望湖の青い水面が光っていました。
その先にぼんやりと霞んで浮かんでいるのは、いつか歩いてみたい信越トレイル方面の山並みです。


ふと、登山道の遙か上に付けられた標識を発見(写真中央上部の丸形のもの)。
スキーシーズンには、あそこが道の高さになるのでしょうね。
しばらく紅葉を目にしていませんが、降り積もった落ち葉をサクサクと踏みしめて歩く、この時期ならではの感触が心地良くて、軽快に足が進みます。
ほどなく、今度は右側が大きく開けた地点に出て、下山後に巡っていく希望湖や沼の原湿原といったあたりを広く見渡せたほか、遙か遠くには苗場山まで見えていたようです。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら


やがてリフト乗り場が現れると、気持ちの良い山道はそこで終わってしまい、あとはずっとスキーゲレンデを下るようになります。
ゲレンデの途中で再び左側の景色が開けると、これまでよりも北にある山々が見渡せるようになりました。
下はガイド付きの縮小版で、大きな写真は こちら
かなり標高を落としてきたおかげで、進むにつれて木々が色鮮やかになっていきます。
このあたりでは黄葉に紅葉が混ざって、また違った美しさがありました。


途中で万坂峠へのコースを外れ、ルピナストレイルに入っても、相変わらずスキーゲレンデをたどる道でした。もう下るだけなので、なんとなく惰性で歩いていますが、こちら側から登るのはあまり楽しくなさそうですね。
最後までスキーゲレンデの道が続いて、スキー場の施設が見えてくれば、登山道はおしまい。
このあと希望湖と沼の原湿原に向かいますが、写真が多くなったので、ここで記事を分けることにしました。

後編:希望湖・沼の原湿原散策編へ

タグ:上信越
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