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滝戸山・春日山・春日沢ノ頭 [富士山とその周辺]

2013/12/07(土)

■第271回 : 滝戸山(1220m)・春日山(1158m)・春日沢ノ頭(1235m)


今回は、2010年に1度登っている滝戸山のリベンジ編。前回の記事は こちら です。
3年前のその日も、今回とほぼ同様の縦走を計画して出掛けたのですが、予想外の積雪によるトレースの消失により縦走は諦めざるを得ず、最初に登った滝戸山だけをピストンして帰ってきたのでした。

そこで、今回は滝戸山へ登るルートだけを変えて、その先の縦走に再チャレンジしています。
なお、滝戸山までのルート(金刀比羅神社から貉山を経て滝戸山へ至る尾根道)は、登山道として整備されたものではありません。このまま未整備の状況が続けば、さらに荒れていく一方だと思われますので、この記事を参考にして歩かれる方は、別の情報も参照するなどして、なるべく最新の状況をご確認下さい。

 累積標高差(登り):1421m / 距離:14.7km / 歩行時間:5時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間0分 

(往路)
古淵 05:58-06:21 八王子 06:35-08:10 甲府
甲府 08:26-08:59 石橋

(登山行程)
石橋バス停    09:05
金刀比羅神社   10:20-10:25
貉山       11:05-11:15
滝戸山      11:55-12:05
鶯宿峠      12:30
名所山      13:10-13:20
春日山      13:40
春日沢ノ頭    14:00-14:10
鳥坂峠      14:30
芦川農産物直売所 15:00

(復路)
芦川農産物直売所 15:50-16:22 河口湖
河口湖 16:29-17:24 大月 17:34-18:22 高尾
高尾 18:29-18:35 八王子 18:43-19:05 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

朝の甲府駅バスターミナル。先週は帰りのバスでここに着いたので、なんだかその続きをやりに来た気分です。
笛吹市の境川町までバスに揺られて、石橋バス停からスタートします。このあたりはまだ市街地ですね。


しばらくは車道歩きが続きます。歩き始めた時点では、山はまだずっと遠くに見えていました。
最初に登る滝戸山が正面に見えてきました。しかし・・・
まずはその麓まで行かなければ山登りも何も始まらない訳ですが、そこまでの道のりがまだ長い感じです。
境川町の藤垈地区に入り、その外れまで来た頃、右手に智光寺を見送ります。すぐ先には笛吹市営バスの金刀比羅神社入口下バス停があったはずなのですが、余程目立たなかったのか、気付かずに通り過ぎていたようです。
以前は平日ならば、笛吹市営バスに乗り継いでそのバス停まで来られたのですが、昨年6月に行われた山梨交通バスのダイヤ改正でそれが不可能になり、石橋バス停から長い距離を歩かざるを得なくなっていたのでした。
さらに進んで、ここから向昌寺の参道に入りますが、当初予定していた道と違っているのにすぐ気付きました。
そこで、畑のあぜ道を通って2本ほど右の小道に移って軌道修正しています。


やがて、舗装された道のまま登り坂が始まり、すぐに九十九折りを描くようになります。
ここで舗装が途切れます。その先に山道が続くはずなのに、それがすっかり草藪に埋もれているようにしか見えず、先行きが不安になりましたが、草藪はこの場所だけで、すぐに明瞭な山道が現れてホッとしました。
上にある金刀比羅神社の参道でもある山道は、道形こそ明瞭ですが少々荒れていて、現在ではほとんど歩かれなくなっている様子です。しかし、道が付けられている尾根がかなり急なのに対して、丹念にジグザグが繰り返されて、道自体に急な箇所が全くないなど、神社への参道であることを彷彿とさせる歩きやすい道でした。
神社へお参りする人が無理なく歩けるようにと、昔の人たちが大変な手間を掛けて急斜面を開き、守り続けてきた道なのでしょう。神仏への信仰が薄れつつある世の中で、集落でも人口減少や高齢化が進んでしまっては、小1時間も山道を登らなければ参拝できない場所が廃れてしまうのは致し方ないのかもしれません。でもこんないい道が、このまま歩かれなくなり、やがて埋もれてしまうとしたら、それは本当に勿体ないことだと思います。
かなり登った頃、足元に町目石を見つけました。この道がかつて良く歩かれていたことを、今に伝えています。


杉木立に囲まれて、少し厳かな雰囲気に変わったことを感じると間もなく、前方に鳥居が現れます。
左下隅に写っている町目石には「十二町目石」と彫られていました。
金刀比羅神社の境内に入ります。そこには本殿と拝殿のほか、神楽殿や社務所と思われる建物なども揃っていて、深い山の中に建てられたことを考えると、とても立派な神社であることが窺えました。
毎年4月に行われていた例大祭は、2009年を最後に記録が探せなくなっていて、2010年以降は行われなくなってしまった模様。でも現在もある程度は維持管理されているのか、建物に大きな傷みは見られませんでした。


良く踏まれた道で神社の奥へ進んでいくと、すぐに林道に出て、「金刀比羅神社裏参道入口」と彫られた石柱が立っていました。今では、車などで楽に来ることができるこの地点から神社へ向かうのが一般的なのでしょう。
すぐに尾根に取り付きたいところですが、裏参道の向かい側は高い擁壁が続いていて登ることができません。
そこで、林道を右に進んでいくと、事前に調べておいた通りに分岐点が現れました。
振り返ると、分岐する道はこんな具合です。
すでに道の体裁をなしていませんが、歩く分には支障がなく、労せずして尾根に向かうことができました。


尾根筋に出たところから、明瞭な掘割状の道が始まりました。この先も、かつては良く歩かれていたようです。
しかし、今では滅多に歩かれていない様子で、掘割の底は落ちた枝などが散乱して歩きにくいことも多く、しばしば掘割から外れる必要はあったのですが、掘割を追ってさえいれば、地図を見なくても歩ける状況でした。
貉山の手前で、踏み跡は尾根筋を外して進むようになり、林道のガードレールが途切れたこの地点に出ます。
写真では分かりにくいのですが、直進方向には、再び尾根筋へと復帰するための踏み跡も続いていました。
尾根筋に復帰したら、少し戻るようにして、貉山の頂上とされる地点に寄っていきますが・・・
そこにはただ三角点があるだけで、山名標などは全く見られず、周囲も少々荒れていたりして殺風景でした。


貉山から先も、掘割状の道が途切れることなく続いていきます。藤垈集落から滝戸山までの尾根道は、再び踏み固めて、倒木などの障害物を取り除き、道標を付けさえすれば、全部をそのまま登山道として使えそうでした。
とはいえ、滝戸山の直下で急斜面に突き当たった地点だけは、左右どちらに進むのかが分かりにくかったです。
左に進んでみたところ、やがて踏み跡が怪しくなり、登りながら適当に右に戻っていくと歩きやすい道に合流したので、最初から右に進んでおくのが正解だったのでしょう。


滝戸山に到着しました。2010年以来3年ぶりの頂上は、3年前と同じく無人でした。
頂上を示す物は三角点と山梨百名山の標柱だけ。このほか道標を除けば、目立った物は何もありませんでした。
落葉した木立の間に、上部に雪をまとった南アルプスが見えていたのですが、写真は上手く撮れませんでした。
今の時期ですらこの状況ですから、葉が茂る季節になると、展望など全くないのでしょう。


滝戸山を後にして、鳥坂峠への縦走路に入れば、この先はもうずっと一般登山道。道標も完備されていました。
俄然歩きやすくなった登山道を快適に下って行くと、この日初めて、別の男性ハイカーとすれ違います。一般登山道に入って、この先は会う人も増えるのかと思いましたが、結果的に人と会うのはそれが最初で最後でした。
一旦200m近く下って、車道に降ります。停まっていた車は、先ほどすれ違った男性のものかもしれません。
車道に降りた所には、登山口の大きな看板が立っていました。駐車も可能で、確かに登山口として使えます。
でもここからだと、ほんの40分で登れてしまって、登山の楽しさを味わうには、いささか短すぎる気がします。ここまで車に乗って来る時間ばかりが長そうで、山を歩くよりも車を運転するほうが好き、という人向けかな。


鶯宿峠までは、少しの間だけ、車道をそのまま進みます。
鶯宿峠から再び山道に入ります。
「ナンジャモンジャ」の木は、鶯宿峠のすぐ脇に立っていました。


鶯宿峠からは穏やかな道が続きますが、地形も緩やかになっている分、道が不明瞭な箇所もありました。
一般登山道とはいえ、このあたりはまだ「山と高原地図」の収録範囲外。歩く人もそう多くはないのでしょう。
その後は、防火帯の尾根道に入ります。結構急な斜面を直登するので、なかなか苦しい登りです。
小ピークまで登り詰めたところで、登山道は道標に従って右折しますが、左方向に少しだけ寄り道します。
寄り道の理由は、ほんの数十メートル先にあったこの三角点。写真だけ撮ったら、すぐに引き返しました。


小ピークから軽く下った先で、名所山への登り返しが始まると、防火帯の急登の再現となりました。
落ち葉が滑って足元が定まらない箇所もあり、疲労が蓄積しているところへ、この急斜面はキツかったです。
名所山の頂上は、ここに写っている範囲がほぼ全てという狭い場所で、展望もありません。
ただ、急登が続いて息が上がっていたので、境界見出標の標石に腰を下ろして、呼吸を整えていきました。
名所山からの下りは、引き続きトンデモナイ急な斜面で、しかもそれが結構長く続きました。
足場が悪い箇所も多く、降雨後や凍結時などコンディションが悪い時は、転倒が避けられなさそう。
名所山からは「山と高原地図」の収録エリアに入りましたが、この斜面には何らかの注記が欲しいところです。


150m近くを一気に下って、黒坂峠で林道を横断すると、またすぐに木段の登り返しが始まります。
このあたりは、登りにせよ下りにせよ、とにかく傾斜が急な斜面が続いて、気が休まりません。
次に踏んでいくピークは春日山。滝戸山に次いで、この日2座目の山梨百名山です。
ただ、ここの標高は地形図によれば1158mとなっているのに、山梨百名山の標柱には1235mという、次に向かう春日沢ノ頭の標高が書かれていました。1つ前の名所山にも「春日山最高点」なる標識がありましたし、このあたりの山名には何通りかの解釈があるのかもしれません。
春日山は、頂上部の大半を電波塔が占めていました。電波塔の左側は、次に向かう春日沢ノ頭です。
春日山からの眺めは、木立越しであまりスッキリとしていません。甲府盆地の先に八ヶ岳を望むことができましたが、その八ヶ岳も稜線には雲がかかっていました。また、写真右端のあたりに見えているのは金峰山です。
春日山の先は、写真中央の木立の中に進みます。標識もその方向を指しているのですが、標識を見ても最初はその方向に道があるとは分からず、左側の道路を下ってしまいそうになりました。


縦走の最後のピーク、春日沢ノ頭に到着しました。
春日沢ノ頭は地形図に山名の記載がなく、標識も比較的最近に取り付けられたもののようです。
北西側だけは樹木が伐られたのか景色が開けていて、南アルプスを一望できました。ただ、すでに日が傾きつつある時間で、クリアな眺めではなくなっていたのが残念です。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
春日沢ノ頭からは、北側にもルートが伸びていて、笛吹市が設置したと思われる道標が付けられていました。
「山と高原地図」には未掲載ですが、自治体が整備しているルートならば、安心して歩けそうです。


春日沢ノ頭までは急な登り下りを繰り返してきましたが、春日沢ノ頭の先でようやく道が穏やかになりました。
明るい冬木立の中の歩きやすい道を、気持ち良く下っていきます。
ササが出てくると、間もなく鳥坂峠に到着します。
鳥坂峠の先も、稜線上には登山道が続いていきますが、ここで尾根から外れて、芦川町を目指します。
峠からの下りは、自然なジグザグで傾斜が緩和された、昔から峠越えで歩かれていたらしい優しい道でした。
鳥坂トンネルの出口まで来れば、あとは車道を下るだけとなります。
来た道を振り返ります。こちらは旧トンネルへと続く旧道ですが、このゲートのため車両は入ることができず、旧トンネル自体もコンクリートで完全に封鎖されていました。


しばらく車道を下っていくと、ゴール地点の芦川農産物直売所が見えてきました。最後にこの階段を下ります。
芦川農産物直売所「おごっそう家」の全景です。行楽の人出がそろそろ鈍る時期で、しかも夕方が近い時間帯とあって、もう訪れる人の数はチラホラとなっていました。
建物内では果物や野菜などの農産物やその加工品の直売が行われているほか、軽食コーナーもあり、最初からそのつもりでお腹を空かせてきていたので、カレーライスを注文してしばらく過ごしていきました。
食事客は私のほかには全くなく、1人で食べるカレーライスの味も平凡だったと思いますが、お店の方とお話ができて、私がバスで帰ることを聞くと、外は寒いから時間までここで待つように言って下さったりして、温かい対応をして頂けました。訪れたのが客足の少ない時期に当たって、それがむしろ良かったようです。
最後は駐車場の片隅にあるバス停で、河口湖駅へ向かうバスを待ちますが、同じバスを待つ人などほかには誰も現れず、走り出してからもしばらくの間、乗客は私ひとりだけでした。

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