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積雪の三ツ峠山 [富士山とその周辺]

2014/01/25(土)

■第275回 : 三ツ峠山(1785m)・天上山(1139m)


今週も、先週に続いて雪山を歩いて来ました。豊富な雪量を期待して、かなり標高を上げて選んだ行先です。
また三ツ峠山は、間近から望む雄大な富士山をはじめ、南アルプスや八ヶ岳、さらに条件次第では北アルプスまで見えるという展望の山でもあります。空気の澄んだこの時期ならではの大展望も楽しみのひとつでした。
 (上の写真は三ツ峠山頂上からの富士山です)

が、ここ数日季節外れの暖かさだった影響か、三つ峠駅からの登山道は頂上直下までほとんど雪がありません。
今週もハズレなのかと気を揉みましたが、さすがに頂上部は積雪が多くて、十分に楽しむことができています。
そして意外にも、河口湖駅へのルートではかなり下まで雪道が続き、下山時は雪の感触を長時間味わえました。

 累積標高差(登り):1437m / 距離:16.5km / 歩行時間:5時間40分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:8時間35分 

(往路)
古淵 05:27-05:48 八王子 05:52-06:37 大月
大月 06:53-07:21 三つ峠

(登山行程)
三つ峠駅      07:25
いこいの森     08:10-08:15
達磨石       08:25
馬返し       09:10-09:15
八十八大師     09:45-09:55
三ツ峠山(開運山)  10:30-10:50
三ツ峠山(御巣鷹山) 11:05-11:10
三ツ峠山(木無山)  11:40
霜山        12:45-12:50
天上山       13:25-13:35
河口湖駅      14:05

(復路)
河口湖 14:21-15:14 大月 15:21-16:22 八王子
八王子 16:29-16:40 橋本 16:43-16:53 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日のスタートは三つ峠駅。今回で3回目になる三ツ峠山ですが、ここから登るのは初めてになります。
駅の裏側には、これから目指す三ツ峠山が見えています(写真右半分で奥のほうに写るギザギザが頂上)。
駅からの標高差は1200m近くあるので、まだまだ遙か上を見上げる具合でした。


富士急線の車窓から良く見えていた富士山は、建物が多い駅の周辺では一旦見づらくなります。
それでも歩き初めて数分もすれば、見通しの良い場所が現れました。
そしてもちろん、進行方向には三ツ峠山が見えていますが、高いだけではなくて、まだまだ遠い感じでした。
三ツ峠山のアップです。頂上には大きな電波塔が建ち並んでいるので、遠くの山から見てもすぐに分かります。
三つ峠駅側から見ると、コブが4つ見えて「四ツ峠山」みたいな姿なのでした。一番左のコブが最高点の開運山です(御巣鷹山は中央のコブの裏に隠れていて、木無山は左側のフレーム外(前の写真には写っています))。


駅から登山口までの途中で、さくら公園にあるトイレに寄っていきます。
さくら公園のトイレはこの時期も利用可能で、外観がなんと三ツ峠山そのもの。なかなかシャレています。
三つ峠駅からのルートは、はじめの車道歩きが結構長く続きます。
延々と車道を歩いても、三ツ峠山は遙か彼方のまま変わらず、少しも近付いた気がしないので気が滅入ります。


車道を歩くこと1時間(標準コースタイムでは1時間半)、ようやく登山口に着きました。
ここまでの車道だけで、すでに標高差300m以上を登っています。それなりに汗をかかされていて、息も少し上がっていますが、でもここからが本番なのでした。
登山口のすぐ上にあった達磨石。水難防止の祈願のために、大日如来の梵字を刻んだものだとか。


しばらくの間、登山道には全く雪がなく、すっかり乾燥していました。
登山道は、比較的きつめの傾斜が一貫して続きます。木段の箇所も多くて、なかなか登り応えがありました。
それにしても、いくら登っても全く雪が出てきません。歩きやすいのは良いのですが、ちょっと拍子抜けです。


「股のぞき」なる標識が現れました。幹が二俣に分かれた樹木の前に、登れとばかりに階段が作られています。
段の上に乗ってみると、ちょうど二俣に分かれた幹と幹との間から、富士山を覗くことができるのでした。


標高が1300mを過ぎ、「馬返し」のあたりまで来ると、ようやく雪が見られるようになります。でも、まだ雪がある箇所は断続的で、量もわずかなので、歩くのに支障はありません。
さらに登り続けていくと、次第にツルツルの箇所が目立ち始めたので、ここでチェーンアイゼンを着けました。
ところがそのあとも、雪はあったりなかったりで、むしろ雪のない箇所のほうが多い状況が続きます。
こういう時、土の上でも違和感なく歩けるチェーンアイゼンは、着けたり外したりする手間がなくて楽ですね。


なにやらたくさんの赤いものが目に入ると、それは揃って赤い前掛けを着けた八十八大師でした。
四国の八十八ヶ所巡礼にかえて、88体の弘法大師像を置き、お参りしたものらしいです。
八十八大師まで来れば、長い登りも8割がた終えていて、いよいよ残りが見えてきます。
八十八大師を過ぎて目の前に現れる頂上部も、かなり間近に感じられるようになっていました。
雪道と呼べる箇所が現れ始めたのも、このあたりからでした。まだ途切れ途切れではありましたが・・・


やがて登山道は、頂上直下にある屏風岩の下を、ほぼ水平に横切っていきます。
屏風岩はロッククライミングのメッカですが、こんな時期ですから、岩に取り付いている人はいなかった模様。
屏風岩の下をぐるっと回ると、前方に四季楽園の建物が見えてきました。あそこまで行けば、もう頂上まで残す登りはわずかです。それにしても、屏風岩の絶壁さが半端ではない様子が、良くお分かり頂けるでしょうか。
頂上部の一角に出ると、そこから上は、さすがに雪が深く積もっていました。ここが頂上への最後の登りです。


三ツ峠山の最高峰、開運山に到着です。登山シーズン中は、いつ来ても賑わっている人気の頂上も、この日の先客はわずか7~8人。静かで落ち着いた雰囲気でしたし、写真も好きな場所から存分に撮ることができます。
さらに驚かされたのは、気温が高い上にほぼ無風という気象条件が重なって、休憩中も山シャツ姿のまま、何も羽織らなくても全く寒くなかったこと。とても真冬に標高1800mの頂上にいるとは思えない穏やかさでした。
三ツ峠山と言えば、やっぱり富士山。大きな裾野を左右ともに広く見渡せて、とても貫禄ある姿に見えます。
積雪に関しては、先週三頭山から見た時よりも少ないようで、それもここ数日の暖かさの影響でしょうか。


ここからは、開運山からの展望です。薄曇りという天気に加えて、気温が高かったこともあってか、クリアな眺めではありませんでしたが、それでもどうにか、遠くの北アルプスまで見えていました。
まずは、富士山をはじめとする南西側の眺め。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
西側には、南アルプスがほぼ全部見られて壮観でした。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
北西側に並ぶのは、八ヶ岳や奥秩父の山々。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
東側には丹沢や道志の山並みも見られました。大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして肉眼では、南アルプスと八ヶ岳の間に、ぼんやりと白銀の北アルプスも見えていたのですが、カメラに収めるのは厳しかったです(特に、写真をこのサイズにしてしまっては)。


開運山に続いて、次は御巣鷹山に向かいます。『三ツ峠』ですから、やはり3つのトッケ(突起)を全部踏まないことには。 って、先週の三頭山でも全く同じことを書いていたような。。。
開運山から御巣鷹山に直行するルートには、ほんの2~3人分のトレースしかなく、降雪直後にほぼ近い状況が保たれていて、滑って降りたり腿まで埋まったりと、楽しい雪道でした。
開運山と御巣鷹山の鞍部で、四季楽園から登ってくる車道を合わせても、トレースの数は変わりませんでした。
御巣鷹山は頂上を電波塔が独占して殺風景なので、わざわざ寄って行くのは余程の物好きぐらいなのでしょう。
先行者の足跡をなぞって進みますが、引き続き深い所は腿のあたりまで沈みます。
御巣鷹山への登りが始まる手前に、北口登山道への分岐点があります。2007年、最初に三ツ峠山に登ったのが、この北口登山道からだったので、その当時を思い出して少し懐かしい気分になりました。そして意外にも、北口登山道にはトレースが付いていました。無雪期でも難路なのに、こんな時期に歩く人がいるなんて。


御巣鷹山の頂上に着きましたが、ただ電波塔が建っているだけなので、写真に撮るような景色はありません。
電波塔のフェンスの縁をぐるりと伝って、一番高い裏手に回ってみましたが、そこにも何もありませんでした。
山頂標識が見当たらないので、その代わりに本社ヶ丸方面への案内標識を撮っておきます。
ちなみに本社ヶ丸への道は、全くトレースがありませんでした。


御巣鷹山からは、車道をそのまま歩いて四季楽園に戻ります。普段ならば退屈しがちな車道も、これだけの雪景色のおかげで、楽しんで歩くことができました。
四季楽園の前を通過して、3つのピークの残り1つである木無山へ向かいます。
四季楽園と木無山の間には、こんな展望地がいくつもありました。


木無山の頂上は、わずかに登山道から外れています。何もない場所で、付いていたトレースも1~2人分だけ。
今回は敢えて踏みに行きましたが、このあたりの登山道は両脇がロープで仕切られている箇所も多く(私が入った所にロープはなかったものの、出た所にはあったので)、もしかすると立入禁止だったのかもしれません。
木無山の標識は、頂上近くの登山道脇に立っていました。


木無山からは府戸尾根を下って、河口湖駅まで歩きます。今回が3回目の登頂となった三ツ峠山、登ったルートは3回とも違うのですが、下りは毎回決まってこのルートばかりを選んでいることになります。
距離は長くても、その分だけ緩やかなのが、このルートを好きな一番の理由ですが、施設が充実している河口湖駅なら、中途半端な時間に着いても時間を有効活用できますし、富士急線に始発から乗れるメリットも大です。

河口湖駅まで続く府戸尾根ルート、もちろん最初はタップリの積雪の中を下り始めます。
ところが、大して進まないうちに、雪の途切れる箇所が出現してしまいます。こちらも、登ってきた三つ峠駅からのルートと同じように、雪が楽しめるのは頂上直下だけなのかとガッカリしたのですが・・・
嬉しいことに、間もなく雪道が復活しました。先程までの深さはないものの、雪の感触を味わうには十分です。
その後も、時折局所的に雪が消えたりしますが、基本的には雪道が続いてくれて、雪景色を長く楽しめました。


登山道はずっと樹林帯を進むため、途中からの展望はほとんどありませんが、送電線鉄塔が立つ地点では、唯一樹林が切れて景色が開けます。いつの間にか、河口湖の湖面が近い高さに見えるようになっていました。
そして反対側の富士山は、樹木が落葉したことで、そこそこスッキリとした姿で眺められました。
その後は間もなく、三角点ピークの霜山付近に差し掛かりますが、登山道はピークをわずかに巻いています。
踏み跡は付いているものの、普段ならば気を付けていないと見落としがちな三角点です。でも木々が葉を落としたこの時期は、登山道上からも三角点の白い標柱が見えていて、分かりやすくなっていました。
前の写真の左上端にも写っていますが、霜山にはこんな小さな標識がありました。
前に来た時はなかった物ですし、見るからに新しそうなので、比較的最近に設置されたのでしょうね。


標高を落とすにつれて、雪のない箇所が増えていましたが、霜山を過ぎると、ほとんど雪を見なくなります。
でも、林道を横断した先で北向きの斜面に変わるので、チェーンスパイクは着けたままにしていました。
案の定、天上山への登りに変わると、再び雪が残る道になりました。
とはいえ積雪はごく浅く、チェーンスパイクを外していたとしても、間違いなく普通に歩ける程度でしたが。
天上山の頂上です。まだこの先も300m近い標高差を残していますが、すぐ下にカチカチ山ロープウェイの駅があるので、ここまで来れば下界まであと一歩という気分になります。
そしてここで、チェーンスパイクとスパッツを外したり、その他荷物の整理などをしていきました。


天上山からわずかに下ると、カチカチ山ロープウェイの富士見台駅に出て、一気に観光客の世界に変わります。
富士見台から見る富士山は、間近で迫力がありますし、裾野の広がりもデジカメの視野に収まらない雄大さでした(広角レンズが欲しい・・・)。手前には、富士急ハイランドも見えるようになっています。
富士山の反対側では、河口湖がやはりデジカメの視野に収まらないほど大きな姿を横たえていました。
河口湖の奥のスカイラインは御坂山地で、右端が黒岳です。
ゴールの河口湖駅に到着したら、駅舎内のお店で土産物の品定めなどをしつつ、電車の時間を待ちます。
このあと天気は下り坂で、夜には雨が降り出す予報でしたが、その割に富士山には雲がかかることもなく、最後までクリアに見えていました。

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ぴすけ

cellistさんこんにちは。
私はこの日、三ツ峠の南東に位置する石割山に登っていました。
この日は暖かくて、曇天にもかかわらず富士山はクリアでしたね。
富士山は、晴れているから見える、曇っているから見えないというわけではないようです(三ツ峠山荘の御主人が話しておられました)。
石割山に向かう途中、三ツ峠が見えたので、また行きたいねと夫と話していたところにこの記事!
楽しく拝読いたしました。

by ぴすけ (2014-01-28 07:59) 

cellist

あらあら。ぴすけさんもそんなお近くにいらっしゃったとは!

実はこの日、私も富士山を見に行きたい気分になっていて、行先候補には三ツ峠のほかに、山中湖の南にある三国山稜も考えていたのです。
もし三国山のほうを選んでいたら、石割山自体はルートに入っていませんが、スタートが石割の湯のはずでしたから、どこかでニアミス、なんてこともあったのかもしれません。

でも本当に、予想していたよりもずっと雲が多かったのですけれど、お目当ての富士山がきれいに見られて良かったです。
コメントありがとうございました。

by cellist (2014-01-29 00:08) 

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