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小野子三山 [上信越]

2014/05/24(土)

■第285回 : 小野子山(1208m)・中ノ岳(1188m)・十二ヶ岳(1200m)


今回は群馬県まで遠征して、上信越国境の山々の大展望台として知られる小野子三山に登ってきました。
その評判通りに、残雪が輝く国境の山々が視界いっぱいにズラリと並んだ、圧巻の展望を楽しめています。
ただ、4山を結ぶ縦走路は、急降下と急登が繰り返される非常にタフなルートで、かなり汗もかかされました。

 累積標高差(登り):1301m / 距離:14.3km / 歩行時間:4時間40分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間20分 

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 04:55-05:38 新宿
新宿 05:47-05:56 池袋 06:01-06:09 赤羽
赤羽 06:12-07:46 高崎 08:24-08:50 渋川
渋川 09:02-09:27 甲里

(登山行程)
甲里バス停  09:30
雨乞山    11:00-11:10
小野子山   11:50-12:05
中ノ岳    12:35-12:45
十二ヶ岳   13:10-13:30
小野上温泉駅 15:05

(復路)
小野上温泉 15:46-16:33 高崎 16:51-18:26 赤羽
赤羽 18:30-18:44 新宿 19:01-19:39 相模大野
相模大野 19:45-20:00 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回は移動距離が長いのですが、早起きして始発電車を捕まえたので、朝9時前には渋川駅に着いていました。
渋川駅で路線バスに乗り換えます。普通のバスかと思っていたら、来たのはなんとマイクロバスでした。計4人いた乗客のうち、ほかの3人は駅から近い区間の利用だったので、途中からは乗客が私だけになっています。
甲里バス停で下車します。吾妻線の小野上駅からも歩けるのですが、神奈川発で始発を乗り継いで来ると、ちょうど電車のない時間に当たって、歩き始めが約1時間遅くなってしまうので、それでバス利用を選択しました。


甲里バス停から少し戻って、この標柱が案内する脇道に入ります。
簡易舗装された道は、かなりの傾斜で登っていきます。北関東の朝は涼しかったので、フリースのベストを着たまま歩き始めていたのですが、ここでフリースは不要になりました。
集落の中を、地元の人しか通らなそうな細い道を結んで、最短経路で進みます。が、最初にバス通りから脇道に入る地点にこそ道標がありましたが、その後は道案内を見掛けなくなりました。中腹の登山口に駐車場ができた今となっては、麓から歩き始める人など稀にしかいなくなって、それでも何の問題も起こらないのでしょう。
登山地図で「道標」と書かれているT字路に出ると、そこには確かに道標と大きな案内図がありました。
その道標がこれなのですが、私は「小野上駅」の指示標とは逆方向(道標後方の道)から来ました。指示通りだと、広い道を進めるかわり遠回りになるので、この道標が案内したい相手はやはりドライバーなのでしょうね。
その先はしばらくは林道歩きが続きます。
バス停から45分で登山口に到着しました。「山と高原地図」はこの区間を30分としていて、そんな時間では到底無理だと分かったのですが、滅多に下から歩く人もいないので指摘されることもないのでしょう。
そこには30台は停められそうな広い駐車場があって、この時は6台ほど停められていました。
その先に見えている山並みは、ここに着くまでの間にも何度も眺めてきた榛名山です。


登山口の駐車場の少し先で、林道から登山道が分かれていました。
登山道は、直線的な木段がいつまでも続いて、始めからかなり苦しい登りとなります。そしてそれ以上に問題だったのは、木段が終わってヤレヤレと思ったのも束の間、実はその先に続いていたのが全く同じ傾斜の直登だったことです。むしろ木段がなくなった分だけ余計に苦しくなった程で、早くも足の筋肉が少し張り始めました。
急斜面なのに、ジグザグも描かずにほぼ一直線で登るトンデモナイ道は、この電波塔までずっと続きました。


電波塔を過ぎると、ようやく穏やかな区間も現れるようになります。途中には小さな岩稜を抜けていく箇所もあったりして、全般的には急登という傾向が変わりませんが、変化があって面白さも感じられました。
そして、登山道の周囲ではツツジがちょうど見頃を迎えていて、なかなか華やかな雰囲気でした。
短い間ですが、岩に手を掛けて登っていくような場所も現れます。


雨乞山の頂上に着きました。ご覧の通り樹林に囲まれていて、展望は全くありません。
小野子三山への登山としては、まだ道半ばに過ぎないのですが、急登が続いたためか、すでにかなり疲労しています。内心、まだこの先でもっと高い山を3つも縦走するのに耐えられるのかと、少し心配になっていました。
樹木にこの私製標識が掛けられていたあたりが最高点だった模様です。「山頂」とされていた前2枚の写真の地点は、ここより若干低かったようなのですが、三角点の存在に引きずられて山頂にされてしまったのでしょう。
でも標高差はほんの僅かなものでしたから、雨乞山の標高は三角点と同じ931mでOKだと思います。


雨乞山から少し下って、傾斜の穏やかな鞍部に出ると、そこは新緑が輝くトンネルになっていました。
これがあるから、この時期の登山はやめられません。
ツツジも引き続きあちこちで楽しめました。新緑も花もどちらもきれいで、言葉が出ません。
中にはかなり大きなツツジの木も。花付きが素晴らしかったばかりか、発色も鮮やかで見応えがありました。
とはいえ、登山道は相変わらずの急登で、時には岩道っぽい箇所もあります。ただ、新緑と花の励ましがきいたのか、身体も少しは急登に慣れてきたのか、苦しいながらも心配したほどの疲労困憊とはならずに登れました。


小野子三山のひとつめ、最高峰の小野子山に到着です。さほど広い頂上ではありませんが、居合わせた人数もそこそこで(出入りはありましたが常時10人程度)、腰掛けて休む場所には困らず、比較的静かに過ごせました。
早速、雪を抱いた谷川連峰が目に飛び込んできました。これが見たかったんです。
下の写真は山名ガイドを入れた縮小版ですが、元々空気が霞んで白っぽかった空に、縮小によって積雪の白さが埋もれてしまい、のっぺりした写真になってしまったので、ぜひ 大きな写真(文字入れなし) でご覧下さい。
東側には赤城山がどっしりと構えているはず、でした。
ところが、その象徴となる大きな裾野が霞んでいたので、なんだか “らしくない” 姿で見えていました。
西側の浅間山になると、すっかり霞んでしまって、ほとんど存在感がないほどでした。
小野子山は周囲に樹木があって、眺められる方角が限られていたのですが、最後に登る十二ヶ岳は360度開けているので、もっとスケールの大きな展望が楽しめるはずです。ただ、昼前からすでに空気が霞んでいたのが気懸かりで、せめてそこに着くまで、今と同じような状況が持って欲しいと、心の中で願っていました。


小野子山からの下りは、転がるような急降下が長く続いて、一気に200mを下ります。路面が乾燥していたこの日でも、注意しないと滑りそうな箇所があったので、雨後などで路面が湿った状況の日は避けないと、ここは難儀させられそうです。そして下ったら、今度は急登に変わって、ほぼ同じだけ登り返すことになるのでした。
小野子三山の中央に位置する中ノ岳は、展望のない地味なピークでした。
でも、次の十二ヶ岳に向かおうとしたら、そこへの道とは別の踏み跡が分かれていたので、たどってみました。
するとすぐに展望が開けた地点に出て、十二ヶ岳のほか、西側の山々が見えていたのですが、志賀高原方面はほとんど分からないくらいに霞んでしまっていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


中ノ岳と十二ヶ岳の間も、急降下したらすぐに急登が始まって、穏やかな場所はほとんどありませんでした。
この写真は、十字路になっていた鞍部を通過してから振り返ったものです。
十二ヶ岳への道は、その先で男坂と女坂とに分かれます。今回は登りなので、男坂を選んでみました。
すると、間もなくロープが下がる急斜面が現れました。大きな危険はありませんが、なかなかの険しさです。
さらに頂上直下では、岩の露出した急斜面になります。一応、階段状のような感じになっているので、登る分には何の問題もありませんでしたが、下るのは少し緊張しそうです。


いよいよ、楽しみにしていた十二ヶ岳の頂上に着きました。
ここもそれほど広さはありませんが、休憩中に居合わせた人数は最も多い時でも5人でした。ほかの人たちと干渉し合うこともなく、見たい時に見たい方角が見られて、存分に展望を楽しむことができています。
標識の先に、残雪を乗せた上信越国境の山々がズラリと並んでいました。標識の左上角の真上は谷川岳です。
とにかくスケールの大きな展望で、その場で見る分には圧巻なのですが、せっかくのパノラマ写真も、このブログのデザインに合わせるには、かなり縮小率を上げなければならないのが残念なところです。
そこで、谷川連峰だけ抜き出してみたのですが、肉眼ではスカイラインが明瞭に見えて迫力があったのに、写真では白っぽい空と残雪の稜線のコントラストが不足してしまい、あまりパッとした感じにはなりませんでした。
もう少し早い時期に来ていれば、残雪ももっと豊富にあって、説得力のある写真が撮れたのかもしれません。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
上信越国境のパノラマです。ほぼ180度にわたって残雪輝く稜線がドーンと見えていて、それを1枚にまとめると本当に小さくなってしまうので、まずは北西側の半分から。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
こちらが北東側のもう半分です。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
振り返れば、南側には外輪山まで含めた榛名山塊が丸ごと見えていました。足元が一旦吾妻川まで落ち込んでから、その先で裾野から立ち上がっているという、高低差のレンジが大きな眺めに目を奪われます。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最初に小野子山から眺めた時からそうだったのですが、結局この日、浅間山はずっと霞んだままでした。


十二ヶ岳を後にすると、小野上温泉駅への下山路は、珍しく穏やかな傾斜で始まりました。
しかし、やはり気持ち良く歩ける時間は長くは続かず、やがて急な下りに変わってしまいます。
一気に200m近く下ったところに、見透し台への分岐があったので寄ってみましたが、さっきまでいた十二ヶ岳や榛名山が見られた程度でした。でも、ここからは傾斜が緩んで下りやすくなります。
見透し台から先は特に見るものもなく、単調な景色の中をダラダラと下る感じがしばらく続きます。稜線から外れて、植林の鬱蒼とした斜面に入ると、間もなく林道に迎えられました(写真は振り返って撮ったもの)。
少し先にある登山口までの間は、未舗装の林道を下ります。


登山口まで下りてきました。ここの駐車場も広くて、20~30台くらいは停められそうです。
駐車場には大型のバスも停まっていて、その前では大人数の団体が整理体操中。こんなのと山の中で遭遇しなくて何よりでした。小野子三山の頂上はどこも狭くて、こんな団体がいたらそれだけで混雑してしまいますし、登山道も狭くて急な所が大半でしたから、大人数で押し掛けるのに向いている山だとは思えないんですけどね。
登山口から先は舗装林道を延々と下ることになります。途中で親切な車の方(登山口に着く直前に追い越していたご婦人2人組のお車でした)に乗らないかと声を掛けて下さいましたが、自分の足で歩くことにこだわりがあるので、申し訳ないと思いつつ、お断りさせて頂きました。どうもすみません。
この林道、沿道にほとんど何もなく、ただ淡々と歩かされて、結構退屈でした。ここまで何もないとは。。。
ようやく人家が見えてきたのは、1時間近く歩いて、いい加減駅のそばまで近付いた頃でした。


駅に近付いたのは確かなのですが、そこから駅へ直接下る道がないため、最後に大回りさせられるはずでした。
ところが作間神社の前を通りがかった時、その向かい側で見たものは‥‥
どこかへ下って行くこんな階段道でした。
同時に、この下の国道の様子を事前にGoogleのストリートビューで見ていて、この真下あたりに赤い鳥居があったのを思い出します。とすれば、作間神社への参道として作られた道が、そこから登ってきているのでしょう。
何の案内もありませんでしたが、確信して階段道を下っていくと、やはりストリートビューで見ていたこの鳥居の前に出ました。振り返っても奥に道があるようには見えませんが、実際には階段が隠れています。
国道に下ったところは、吾妻線を渡る踏切のちょうど手前でした。小野上温泉駅もすぐ左手に見えています。


ゴールの小野上温泉駅は無人駅です。駅舎の中には売店がありますが、営業時間は私が着く直前の15:00までとなっていて、そのわずか5分後に入った時には、もう中に誰もいませんでした。
ローカル線らしいのんびりとした雰囲気に浸りながら、しばらく来ない次の電車を待ちました。

タグ:上信越
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