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明神ヶ岳・明星ヶ岳・塔ノ峰 [箱根]

2014/06/21(土)

■第287回 : 明神ヶ岳(1169m)・明星ヶ岳(923m)・塔ノ峰(586m)


今週は遠出を目論んでいたのですが、こんな時期なので、どうも全国的に天気がパッとしないようでした。
そんな中で、神奈川県内ならば天気が持ちそうでしたし、丹沢と違って箱根エリアは前日までの雷雨にもほとんど降られておらず、登山道の状況も良くて快適に歩けそうなので、行先を箱根の山に変更しています。
今年は軽めの山行が多くて、少々身体が鈍っている感覚がありました。夏山へ向けて、そろそろ標高差・距離ともに充実したコースを歩いておきたいところで、箱根外輪山の縦走コースがちょうど打って付けだったのです。

明神ヶ岳から塔ノ峰への縦走路は、登山1年目の2006年に歩いていて、縦走部分のコースはその時と同じです。
その代わり、明神ヶ岳への登りと、塔ノ峰からの下りには、いずれも今回初めて歩くコースを選んでみました。

 累積標高差(登り):1412m / 距離:21.0km / 歩行時間:5時間45分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:7時間25分 

(往路)
古淵 05:37-05:40 町田 05:48-05:50 相模大野
相模大野 05:54-06:10 本厚木 06:11-06:53 小田原
小田原 07:00-07:24 諏訪原上

(登山行程)
諏訪原上バス停 07:25
二宮金次郎腰掛け石  08:15
登山口     08:25-08:30 (二宮金次郎柴刈り路)
見晴台     09:05-09:10
明神ヶ岳    10:20-10:45
明星ヶ岳    11:40-11:50
林道降下点   12:35
塔ノ峰     13:00-13:15
林道ゲート   13:50
風祭駅     14:10

(復路)
風祭 14:15-14:22 小田原 14:25-15:14 相模大野
相模大野 15:45-16:00 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回、明神ヶ岳へ登るコースには「二宮金次郎柴刈り路」を選びました。
このコースの難点は、登山口までの交通機関がないことです。最も近い塚原駅からだと車道を1時間半は歩くことになりますし、ほぼ標高0mからのスタートになってしまうのも大変です。

そこで、いろいろ検討した結果、小田原駅からバスに乗って、諏訪原上というバス停から歩くことにしました。
そこからならば、車道歩きは1時間ですみますし、標高も150mほどあるので、塚原駅から歩くよりは楽です。

日中は晴れ間もあるという予報だったのに、バスを降りて振り返ると、箱根の山々には雲が纏わり付いていました。でも、初めて登る山でもないですし(明神ヶ岳は今回で3回目)、そもそも近場で済ませることにしたのが、少々天気が悪くても諦めがつくようにと考えてのことなので、空模様はあまり気になりませんでした。
住宅が建ち並んでいたのはバス通り沿いだけで、バス停から脇道に入った途端、こんな景色になりました。
少し登ったところで振り返ってみました。海が大きく見えているはずなのですが、霞んで良く分かりません。


間もなく林道は山裾に取り付いて、森の中を進むようになりました。
しばらくは、こんな景色ばかりを見ながら、小1時間ほど林道を歩き続けます。
45分ほど経った頃、十字路に出ました。横切っているのが塚原駅方面から登ってきた道で、ここを左折します。
十字路から5分ほど進んだあたりに、「二宮金次郎 腰掛け石」がありました。
“この地に柴刈りに来た金次郎がこの石に腰を掛け休んだと言い伝えられています”(←解説板の説明です)


さらに林道を登り続けます。
舗装が途切れて、車両進入禁止のゲートを通過したら、登山口はもうすぐです。
ゲートの手前には4~5台が駐車可能なスペースがありますが、停められていた車は1台もありませんでした。
ここまで歩いて来る人もなかなかいないと思われるので、この日はまだ誰もここから登っていないのかも。
登山口に到着しました。歩き始めてまだ1時間、登ってきた標高差も200mに過ぎないので、さほど体力は使っていないはずなのですが、すでに暑さによると思われる消耗を感じ始めています。
樋から流れ落ちている沢水が冷たくて気持ち良く、クールダウンも兼ねて、ここでひと息入れていきました。


「二宮金次郎柴刈り路」は、とても穏やかでいい道でした。
傾斜はずっと緩やかなままですし、段差の大きい箇所や足場の悪い箇所もなくて、特に歩きやすさは満点です。
見通しのきかない森の中を進むばかりで、単調な景色が続くのが玉に瑕ですが、傾斜が緩いおかげで、バス停からのトータルで標高差1000mに及ぶ登りも体力的には楽でしたから、蒸し暑さだけに苦しめられた感じでした。
40分ほど登ると、少しだけ林道を歩く区間があります。
林道に出る手前は見晴台になっていました(上の写真の位置で振り返ると、こうなります)。相模湾を見渡せるようなのですが、麓から見た時点ですでに霞んでいた海は、ここからではもう全く分かりませんでした。
林道上に出ると、初めて前方の景色も開けたのですが、目指す稜線には相変わらず雲が出ているようです。
林道を少し歩いたあたりで、右上に登っていく、鉄パイプの手すり付きの木段を発見しますが、ここには何の道案内もありませんでした。地図を見ながら歩いている人にとっては、これが登山道の続きであることが明白なのですが、そういう人ばかりではないと思うので、ここには何らかの道標類があるべきだと思います。


前の写真の木段が、たぶん「二宮金次郎柴刈り路」で最も急だった場所で、その後は穏やかな道に戻ります。
植林帯を抜けて、草深い箇所も現れる道に変わると、やや傾斜が増してきて、歩くペースが少し落ちました。
さらに登ると、箱根の山らしくハコネダケが出てきて、狭い道でその間を抜けていくようになります。
この日はただでさえ微風しかなかったのですが、こうなるともう全く風が通らず、暑苦しくてたまりません。
ただ、最後まで傾斜がきつくなることはなかったので、足運びはずっと楽なままでした。「山と高原地図」では、このあたりに「急坂」と注記されていますが(しかも2箇所も)、何かの間違いではないかと思います。


稜線に上がると、前方を横切る縦走路が見えてきました。
ここまで全く人に会わずに登ってきましたが、縦走路に出た途端、たびたび人を見掛けるようになります。
稜線上の縦走路だけに、景色の良い開放的な雰囲気を期待しましたが、背丈ほどの草木に挟まれて進むことが多く、両側ともほとんど展望はありません。もっともこの日は雲り空で、元々大した景色などなかったのですが。


明神ヶ岳に到着しました。
登山者に踏み固められて裸地化し、土壌流出も著しかった山頂付近では、先月から環境省による保全工事が行われています。土壌流出を最小限に抑えて、植物が定着できる環境を作るために、最新の工法が導入されたようで、その効果が表れて以前の姿に戻ることを願ってやみません。登山者の側にも、ロープの柵外に出て植生復元エリアを踏み荒らしたりしないよう、節度ある行動でこのような活動を支援することが求められると思います。
明神ヶ岳からの展望は、すぐ向かい側にある神山ですらご覧の通りで、スッキリした眺めはありませんでした。
一応パノラマ写真を作成してみました。近くの神山や箱根駒ヶ岳ですら霞んでいる状況で、もっと遠くの景色などは望むべくもありませんでしたが、天気が良ければ、右のほうには富士山と金時山が重なって見えていたはずです。下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
なお、標識と広場のある場所は、明神ヶ岳の最高点ではありません。地形図の三角点付近が最高点だと思われたので、そこまで行ってウロウロしてみたものの、三角点は見つけられませんでした。この写真は最高点付近を撮ったのですが、三角点がありそうなあたりは濃密なササ藪となっていて、その中にでも隠れていたのでしょう。


明神ヶ岳からは、明星ヶ岳・塔ノ峰への縦走に向かいます。
まずは来た方向に戻って、さきほど登ってきた「二宮金次郎柴刈り路」への分岐を見送って直進します。
縦走路は大半がこんな具合で、稜線上なのに展望はありませんし、足場の良くない箇所も少なくありません。
しかも火山性の土壌が滑りやすいので、地面が乾燥していない日にはあまり歩きたくない道です。
展望地はごく限られていますが、次の展望地を通った時には、神山と駒ヶ岳の頂上がどうにか見えていました。
こういう道ばかりを歩いているので、なかなか縦走中という気分になりません。実はここを歩くのが3回目なのに、以前歩いた2回分の記憶が定かではなかったのですが、たぶん2回とも特段の印象がなかったのでしょう。
「奥和留沢みはらしコース」への分岐点まで来れば、次の明星ヶ岳まではあとひと登りです。
2009年に金時山から縦走してきた時は、その年に開通したばかりのこの道に入って、和留沢へ下ったのでした。


明星ヶ岳も、明神ヶ岳と同様に、最高点を通り過ぎて少し下った場所に山頂標識がありました。
明星ヶ岳の山頂標識。中途半端な場所にあるという点は明神ヶ岳とは違っていて、全然山頂らしくありません。
2つ前の写真の左側にあるこんもりとした小山には、鳥居の奥に「御嶽大神」の碑と祠がありました。
このあと、少し引き返して最高点付近をウロウロしてみましたが、ここでも三角点は見つけられませんでした。
そこは明神ヶ岳と同じく濃密なササ藪となっていて、容易に人を寄せ付けず、探すこと自体を諦めた感じです。


明星ヶ岳から塔ノ峰へ向かうと、かなり標高を下げたからか、森には鬱蒼とした雰囲気も出てきました。
久しぶりに景色が開けた地点に出てみると、神山はまだ見えていましたが、駒ヶ岳は雲の中に入ったようです。
塔ノ峰の手前では、やや急で不揃いな歩きにくい木段が続いて、ガクンと高度を落としていきます。
木段を下り切ったところで、一旦林道に出ます。


林道を歩く距離は短くて、10分ほどでまた山道に入ると、塔ノ峰へはひと登りで到着となります。今回の縦走でほぼ最後の登りとなるので、ここまで歩いて来た長い道のりを思い返して、噛みしめながら登りました。
しばらく、暗い感じの森の中が続いていたのですが、塔ノ峰の山頂手前は少し明るい雰囲気になりました。
道の左側がいくぶん開けていて、市街地をぼんやりと見下ろせました。その先には曽我丘陵らしい山並みも。


塔ノ峰の山頂です。2006年に来た時は、ただ狭いだけで何もないため、休憩するにも立ったままで過ごすしかなくて、ほとんど素通りしてしまっていました。それが、少し開かれて明るい場所に変わっていたほか、丸太や切り株がベンチ代わりに置かれて、落ち着いて過ごせる場所になっていました。
上2枚の写真にもハッキリと写っていますが、塔ノ峰まで来て、この日初めて三角点を見ることができました。


塔ノ峰には、箱根湯本駅(または塔ノ沢駅)から登り降りするのが一般的ですが、その道は2006年に下っていたので、今回は北東に続く稜線をさらに歩いて、風祭駅を目指します。

塔ノ峰から「水之尾」の道標が示す道に入ると、いきなり藪っぽくなっていて、先行きにやや不安を感じる下り始めでしたが、すぐに明瞭な道に変わってホッとしました。ただ、歩く人が少ない分、整備のされ方もそれなりのようです。この写真のように、道を塞いだままの倒木を何度も乗り越えて行くのが、少々煩わしかったです。
道は細くなることはあっても、明瞭さを失うことはありませんでした。かなり標高を落として下界に近付いたことで、作業道が交差して迷いやすいかもと思ったのですが、最後までずっと1本道で、その心配も杞憂でした。
林道に降りた地点を振り返りました。もう少し草深くなったら、下ってきた左端の木段は隠れてしまいそうです。写真中央やや上寄りには道標も写っているのですが、それはすでに草木の中に埋もれつつありました。


あとは道路を歩くだけですが、「山と高原地図」ではほぼ道なりに進むように書かれていて、それだと少し遠回りになってしまいます。そこで、この地点で鋭角に右に折れて、細い道に入りました(この写真は分岐点を振り返ったもので、右の道を奥から歩いて来て、そのまま手前側に直進せずに、ターンして左の道に入ります)。
何の案内もなく、ほとんど地元の人しか通らなそうな道は、車道にしては急な傾斜でグングン下っていきます。
ゴールの風祭駅です。土曜日の午後、まだ少し早い時間帯だからか、登山電車は空いていました。

タグ:箱根
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