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八幡平(草紅葉が始まりました) [東北]

2014/09/20(土)

■第291回 : 八幡平(1613m)


紅葉が例年より1週間ほど早く推移して、頂上付近の草紅葉が見頃を迎えつつあると聞いて、この日は八幡平に出掛けてきました。岩手と秋田にまたがる広大な高原は、池沼や湿原が点在する楽園的な景観が魅力で、すっかり観光地と化していますが、バスを少し手前で降りれば、なだらかに連なる山々を静かに歩くこともできます。

7月の早池峰山に続いて今年2度目の東北遠征となった今回は、これまでの山行で最も移動距離が長くなったのですが、それでもどうにか日帰りができてしまうあたりは、もう新幹線サマサマ、というところでしょうか。
さすがに現地では、普段のようにガッツリと歩くほどの時間は取れませんでしたが、八幡平の主な見どころはひと通り見て回れましたし、天気もマズマズで、滅多に行かれない東北の山々の展望も心ゆくまで楽しめました。

 累積標高差(登り):442m / 距離:8.5km / 歩行時間:2時間10分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:2時間50分 

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜 05:25-05:52 東京
東京 06:32-08:45 盛岡 08:46-08:56 盛岡バスセンター 09:30-11:22(延着11:35) 茶臼口

(登山行程)
茶臼口バス停   11:35
茶臼岳      12:10-12:20
黒谷地湿原    12:45-12:55
源太森      13:20-13:30
八幡平      14:00
八幡平頂上バス停 14:15

(復路)
八幡平頂上 15:10-17:05 盛岡 17:50-19:38 大宮 19:43-20:14 新宿
新宿 20:21-21:00 相模大野 21:30-21:40 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

行先を八幡平に決めてからも、例によって天気予報と体調を見計らっていて、切符の手配は2日前の木曜日。
当然ながら、土曜日の朝の下り東北新幹線を「東京-盛岡」で検索すると、とっくに満席になっています。
でも実際に満席になっているのは仙台までで、仙台から先は空席があったため、「東京-仙台」を立席、「仙台-盛岡」を指定席として、新幹線の特急券を手配しました。こういう場合、3枚組で発券されるんですね。
(本当は前日まで様子を見たかったのですが、前々日に空席が残り僅かになったので、見切り発車しました)
立席といっても、携帯チェアを持参して、入線と同時にデッキの奥を確保すれば、楽に座っていられるのです。


新幹線が盛岡に到着したら、八幡平行きのバスに乗るだけならば、駅前で待っていれば十分です。ところが、そのバスの始発地点である盛岡バスセンターというのが、気になり過ぎてどうしようもない物件でした。
駅前に出ると、ちょうど目の前にバスセンター行きのバスがいたので、駅舎の写真も撮らずに駆け込みます。
これが盛岡バスセンターの外観。あまりの主張のなさに、一見しただけでは交通機関の拠点だと分かりません。
昭和35(1960)年に開業したこの施設、ほとんどリニューアルされることもなく、開業当時の様子を留めているようなのですが、老朽化こそしているものの寂れた様子は全くなく、休日の早朝なのにどの売店も絶賛営業中。
昭和全開のレトロ感に、テンションは上がりまくりです。あれ?、今日って何しに出掛けてきたんだったっけ?
なお、詳しいレポートが「新日本DEEP案内」というサイトにあるので、気になった方は こちらへどうぞ
窓口で乗車券を購入しました(券売機でも同じ物を購入できたようです)。
出てきた乗車券がこれなのですが、全ての情報が両面に同じように印刷されていて、料金箱に入れた時にどちらの面が上を向いても大丈夫という代物でした(赤線は筆者が記入)。
バスの券売機としては、相当レアなものだと後で知りました。保存用に最低区間でも買っておけば良かった‥‥
こちらが乗り場の様子。鉄道の終着駅にあるホームのような構造をしていて、行先別のレーンにバスが頭から突っ込んで停まり、発車時になると誘導員が来てバックさせてから目的地へ向かっていきます。もう何を見ても萌えるものばかりで大変でした。再開発計画があるようですが、次に来た時もこのままの姿で残っていて欲しい。


盛岡バスセンターで八幡平行きのバスを待っていたのは、私ひとりだけでした。盛岡駅では30人近くが乗ってきましたが、観光バス型の大型車両には空席がまだまだあり、盛岡駅からでも余裕で座れたことになります。
乗車から1時間以上が経過して八幡平市に入ると、いよいよ目的地周辺の山並みが車窓から見られるようになりました。右に大きく見えているのは前森山で、八幡平は左端に写っている緑の屋根の建物の真上あたりです。


前置きが長くなりましたが、2時間以上揺られたバスを茶臼口で降りると、ようやく登山が始まります。
この長距離路線は途中までの一般客も多くて、降りる時に車内を見渡すと乗客は10人位に減っていました。ここで降りて歩き始めたのもたった2人で、大半は終点まで行って頂上付近だけを散策する観光客だったようです。
登山口は、バスを見送った方向のすぐ見えるところにありました。まずは茶臼岳を目指して登っていきます。
今回のルートは、普段の半分くらいの運動量しかなく、しかも涼しいから快適に歩けるかも、と甘く見ていたのですが、結構急な木段が出てきたりして、意外にも汗をかかされてしまいました。
登る途中で岩手山を振り返ります。バスの車窓から見ていた時点では、中腹から上がすっかり雲に覆われていたのですが、だんだん雲が晴れてきているようで、今後の展開に期待が持ててきました。
最初のコブを越えると、正面に茶臼岳が現れました。このあと、右側から回り込むようにして取り付きます。
その後も思っていたほど楽な登りではありませんでしたが、とはいえ30分ほどで茶臼山荘に着いてしまったので、終わってみればあっけない登りでした。茶臼山荘は豪雪地域の山小屋らしく、高床式の構造をしています。


茶臼山荘からはひと登りで茶臼岳に到着です。手狭な山頂なので、ここで団体さんと遭遇したら不運でしょう。
茶臼岳からは、南側を中心とした展望が素晴らしく、岩手山(まだ雲の中でしたが)と八幡平を結ぶ山並みをズラリと見渡せて爽快だったほか、眼下に広がる美しい森のあちこちで光っている湖沼群の水面も綺麗でした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


茶臼山荘に戻って八幡平への道に入ると、石がゴロゴロした歩きにくい路面に変わります。ほとんど平坦に近いくらいの緩やかな下りなので、歩きにくさはさほど苦になりませんが、とても快適には歩けません。
しかも、それが結構長く続きます。この区間は、左右を背の高い樹木に遮られていて、見られる景色もほとんどないので、注意が必要な足元ばかりを見ながら、ただ淡々と歩くことに終始した感じでした。
石ゴロの道がいつまで続くのかと嫌気が差してきた頃、唐突に景色が開けて小さな湿原が現れました。
評判通りに、見頃を迎えようかという草紅葉が黄金色に輝き始めていて、この先の景色にも期待が高まります。
やがて木道が始まって、いくつかの小さな湿原の脇を抜けていきます。


草紅葉に染まる黒谷地湿原に到着しました。思っていたよりも、こぢんまりとした湿原です。
このあとさらに、もう少し深みのある色合いに変わるのでしょうが、これでも十分に綺麗です。
南へ分岐する「黒谷地湿原」バス停への道が、しばらく湿原の中を進むようなので、少し寄り道してみました。
すると、ところどころに池塘があるなど、変化のある景色が楽しめました。
ただ、5分も進まないうちに湿原が途切れて、前方には車道が見えてきたので、ここまでで引き返します。


分岐点まで戻って先へ進むと、そこから道は再び登りに変わりました。
途中には、深い溝のようになった箇所も。7月の長雨と、8月の台風による豪雨で、登山道がかなり掘られてしまったようで、このあたりは少し歩きにくかったです。
一旦傾斜が緩むと、お花畑とされる草原の横を通過していきますが、さすがにこの時期になると、リンドウが目立っていた程度だったようです。ところでこの場所だけ、草原の側にずっと柵が続いているのは、こうしないと踏み荒らして花をダメにしてしまう不届き者が多いからなのでしょうね。


源太森の頂上は、メインの登山道からは僅かに外れていますが、分岐点にはしっかり道案内が立っていました。
茶臼岳よりもさらに狭い山頂からは、ほぼ360度近い展望があります。ただし顕著なピークではないため、特に丘のようになだらかな地形をした南側は、樹木に邪魔をされてスッキリとした眺めはありませんでした。
歩いて来た方向を振り返ると、さきほど登った茶臼岳が、ポコンと出っ張った山頂を見せていました。
これから向かう八幡平も一望できて、なだらかな高原が広がっている様子が良く分かる眺めでした。


源太森を後にして、ほどなく始まる木道を進んでいくと、八幡沼の北側に広がる湿原が目前に迫ってきました。
いよいよ湿原内の木道に入ります。ここが最も楽しみにしていた場所で、せっかく草紅葉もいい具合に色付き始めていたのに、ここにいる間ずっと曇っていたことだけが残念でした。
木道の左手側では、ずっと八幡沼が見え隠れしていました。
こんな美しい景色の中を歩けるのが、とても贅沢な気分です。
でもやっぱり、日差しを浴びて黄金色に輝く姿を見たかったかな。
ところどころには、小さな池塘も現れました。
人が少ないのも良かったです。バスを利用する上での制約から、ここを歩く時間が午後にならざるを得なかったのですが、それがむしろ幸いしたらしく、観光客の周回ルートに合流した先でも、こんなに静かに歩けるとは。
途中にあった分岐道を入ると、少しの間だけですが八幡沼の畔を歩くことができました。
まだ湿原は続きます。それにしても、この湿原を歩いている間は一瞬たりとも晴れなかったなぁ。。。


湿原を抜けた先には、陵雲荘が建っていました。
陵雲荘のデッキから見た八幡沼です。
陵雲荘を過ぎると、道は敷石風の遊歩道に変わって、あとはバス停までずっと遊歩道が続きました。
最短距離の周回ルートに入ったこともあってか、次第に観光客の姿が目立ってきます。
ガマ沼分岐の展望デッキから、八幡沼や陵雲荘を振り返ってみました。
すぐ下にあるガマ沼は、割と小さいのですが、デッキからでは近すぎてカメラに全容が収まりませんでした。


八幡平の最高点が見えてくると同時に、なにやら物々しい雰囲気が漂ってきました。
展望台が老朽化したため、改築するための工事が行われていたのです。工事は11月まで続くとのこと。
元々、ただ展望台があるだけの場所ですから、その展望台に登れないとなれば、こんな殺風景な場所に用はありません。写真だけ撮ったら、そそくさと通り過ぎました。百名山なのに、登頂がこんなに味気ないなんて。


八幡平の最高点から、駐車場やレストハウスへ向かう道に入ると、途中でめがね沼を見下ろしていきます。
次に見られるのは鏡沼で、文字通り鏡のような水面が、対岸の景色をきれいに映していました。
そして鏡沼の畔では、わずかに色付いた樹木も見られました。この日に見られた唯一の樹木の紅葉です。
来月になると、あたり一面がこんな色に染まるのでしょうね。


駐車場やレストハウスの建物が見えてきました。この日のゴールは間もなくです。
八幡平山頂レストハウスの売店で、帰りのバスのチケットとお土産物を購入しました。
路線バスと自然散策バスのバス停は、八幡平山頂レストハウス1階の売店側の出口前にありました。
多くの人が行き交う駐車場側ではなく、割とひっそりとした場所になります。予めウェブで場所を確認していたから良かったものの、そうでなければ、バス停は一体どこにあるのかと探し回ることになったかもしれません。


駐車場の奥に展望台があったので登ってみると、周囲を360度見渡せて壮観でした。こちらは、先程まで歩いていた八幡平の頂上です。北側はこの頂上に遮られて、さらに向こう側が見られなかったのでしたが。
その北側を除けば、残る東~南~西側は広い範囲をぐるりと見渡せるので、なかなか迫力のある眺めです。あまりにパノラマ写真が横長になったので、ガイド付きの縮小版は2枚に分けることにしました。
まずは東~南の範囲です。なかなか雲が取れなかった岩手山が、ようやくスッキリと見えてきていました。
続いて南~西の範囲です。こちらでは、茶臼岳からは見えていた秋田駒ヶ岳が、すっかり霞んでしまいました。
以上の2枚が山名ガイドを入れた縮小版で、両方を合わせた大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


帰路は普通の路線バスではなく、「八幡平自然散策バス」を利用しました。こちらも路線バスと同様に、大型の観光バスでの運行です(この写真は、途中の八幡平ロイヤルホテル前で時間調整した時に撮ったもの)。
ただ、八幡平頂上からの乗客は10人ほどしかなく、しかも藤七温泉で何人かが降りたので、盛岡駅までの利用者はわずかに6人。土曜の帰りの便で宿泊客に縁が無いとはいえ、大型バスにしてはあまりに寂しい車内でした。
八幡平ロイヤルホテルは、玄関の正面に岩手山を見上げるような配置で建っていました。
岩手山は、いつの間にか頂上が晴れ渡っていて、1日の中でこの時が最もきれいに眺められたのでした。
自然散策バスは、さらにさくら公園に寄ってトイレ休憩を入れていきます(ダイヤでそう設定されている)。
さくら公園の裏手からは、岩手山の全容がスッキリと眺められました。
こんな堂々とした姿を見せられたら、今度は登りたくなってしまうではないか。
さくら公園内には「松尾八幡平ビジターセンター」もあったので、少しお邪魔していきます。
ビジターセンター内には、観光案内や自然ガイドの展示などのほか、こんなジオラマもありました。
左上は岩手山で、この日歩いた八幡平は右下のあたりです。
自然散策バスは、結構あちこちに立ち寄って、いつまでも八幡平エリアから離れません。果たしてダイヤ通りに盛岡駅に着くのかなと心配していたら、なんと最後は東北自動車道に入って一路盛岡駅を目指すのでした。
東北道に入ると、はじめは岩手山を正面に見て走ります。そして、盛岡駅にはほぼ定刻での到着となりました。

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