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四阿山 [上信越]

2014/09/28(日)

■第292回 : 四阿山(2354m)


この日歩く予定にしていたのは、菅平高原でバスを降りたら、まずはあずまや高原に向かい、そこから四阿山に登ったのち、お隣の根子岳へとプチ縦走して、避難小屋経由で下ってくるという、大きな周回ルートでした。

ところが、あずまや高原へのルートとして選んだ道まで行ってみると、なんと私有地内で通行止めというハプニングが発生。このため遠回りを余儀なくされて、登り始める前から時間も体力も大幅にロスしてしまいます。
登山口に着いた時点で、すでにかなりの疲労感がある状況で、一旦はそのまま帰ろうかと考えたほどでした。
しかし、見上げた空の抜けるような青さに、この絶好の好天を無駄にするのはあまりに勿体ないと思い直して、最短ルートで四阿山だけを巡る計画に縮小し、どうにか登頂だけは果たしてきました。

 累積標高差(登り):1174m / 距離:18.4km / 歩行時間:5時間25分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:8時間15分 

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:24-07:51 上田
上田 08:15-09:05 菅平高原ダボス

(登山行程)
菅平高原ダボスバス停 09:10
あずまや高原登山口  10:40
四阿山        12:50-13:15
中四阿        13:45
菅平牧場管理事務所  14:45
菅平高原ダボスバス停 15:15

(復路)
菅平高原ダボス 15:45-16:40 上田 17:01-18:02 大宮
大宮 18:22-19:16 八王子 19:27-19:49 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今回の下車駅は長野新幹線の上田駅。駅前で菅平高原行きのバスを待ちます。
バスの乗客は登山者4名(私を含め全員が単独行男性)・観光客2名・地元の方2名の計8人だけでした。
約1時間バスに揺られて、「菅平高原ダボス」バス停に到着。すぐ前にあるのは待合所と水洗のトイレです。
公共交通利用で四阿山に登る場合、ここから歩き始める以外の選択肢はほとんどなく、乗客の登山者4名は全員がここで降りて、歩き始める方向も一緒でした。


「山と高原地図」の登山ルートは、少し遠回りで描かれていますが、最短距離で直線的に歩くこともできます。
この道が登山地図に載らないのは、途中で明治大学の私有地内を通過するために、通行できる時間が限られている(8:00~18:00)からでしょう。でも今回は行きも帰りもその時間内なので、有り難く通らせて頂きました。
明治大学の私有地内には山道の区間があり、舗装道路ばかりを歩かなくて済むのもここを通るメリットです。
明治大学の私有地内を抜けて再び一般道に出ると、また車道歩きに戻ります。


間もなく料金所が現れて、係の人に入山料200円を支払って通ることになりました。
あずまや高原へ通じる道は、一般には全く案内されていませんが、この料金所の裏手から分岐しています。
あずまや高原へ通じる道に少し入ってから、料金所を振り返ったところです。
ゲートが閉じていて、通っても良いものか迷いましたが、ここが通れなければ計画を見直すしかありません。幸い、立入禁止とは書かれていませんし、歩きならゲートの脇を抜けられます。絶対に気付いた筈の料金所の人にも何も言われなかったので、車両の進入を制限しているだけと都合良く解釈して、進んでみることにしました。
すぐに「菅平スカイトレイルコース」の看板が現れました。そうなのです、ここがトレイルランのコースだという情報を得ていたので、ならば歩いて通るのも問題ないだろうと考えて、ここを通る計画を立てたのでした。


この道を境に森が途切れて、左手側は牧草地らしい草原になっています。
左を向けば、牧草地の先に四阿山(右)と根子岳(左)がスッキリと見えていて、このあと両方の頂に立てることが楽しみで仕方ありませんでした。この時点では‥‥。
ところがこの道は、次第に草深くなってしまいます。路面も少々荒れていて、普段から良く歩かれているという気配も感じられず、もしかすると、トレイルランの大会等の時だけに開放されている道なのかもしれません。
事前に何の情報も得られず心配だった徒渉点は、大きな石が並べられてその上を渡れるようになっていました。


あずまや高原への近道となるはずだった道への分岐点に来ました。しかし、厳重に封鎖された上に、立入禁止と掲示されていて、これでは通るわけにはいきません。柵の向こう側では多数の牛が放牧中で、明らかに牧場として管理されていたので、もしも立入禁止と書かれていなくても、やはり通行はためらわれたでしょう。
が、あずまや高原への近道候補は、この先にもう1本存在するのでした。いわゆる「プランB」ってヤツです。
しかし、その分岐点まで来て、ほとんど道がないのを見て愕然としました。左への分岐は、写真にすると道形が全く分からないほど希薄です。少し足を踏み入れてみても、激しい草藪が続いていて、廃道に近い様子でした。
強行突入したとして、仮に距離は短縮できたとしても、これでは時間が余計にかかってしまうでしょう。
パックアッププランまで不調に終わってしまいましたが、引き返すよりは、あずまや高原に向かう方が近いところまで来ていたので、来た道をそのまま直進します。ほとんど平坦な道をただ水平移動しているだけなので、すでにかなりの距離を歩いたのに、左手側の景色は、この道を歩き始めた頃とほとんど変わりませんでした。


想定外の事態で、用意してきた地形図の範囲からも間もなく外れてしまい、勘を頼りに歩くしかない状況です。
しばらくして別の道に合流すると、歩いて来た道は「私有地 立入禁止」となっていました。写真は合流点を振り返っていて、右の道から出てきたのです。一体どこからが立入禁止だったのだろう?(最初からだったりして)
その後は割とスムーズに歩けて、あずまや高原ルートの登山口にたどり着きました。菅平高原の登山口からあずまや高原の登山口へ、1時間以上かけてただ移動しただけですが、辛うじて最低限の結果だけは出せた形です。
とはいえ、当初の思惑が相次いで外れて、先の見えない状況から早く抜け出したかったり、時間のロスが気になったりして、特に後半は早足で歩いてしまったことから、足にはかなり疲れが溜まっていました。
にもかかわらず、今はまだ登山口です。最初から重たい足取りで登り始めたのでは、頂上まで登り切れる自信もなく、冒頭に書いたような葛藤がありましたが、とりあえず行けるところまで行ってみることにしました。


あずまや高原ルートは、最初はやや笹が濃い中を進んでいきます。
15分ほどで一旦景色が開けました。ここは、もしも近道に成功していれば、もっと早くに写真左手の道から出て来られたはずの地点ですが、やはりその道も立入禁止と書かれていました。事前の調査が甘かったようです。
その後も笹の間を抜けていくような道が少し続きます。
かと思うと、行く手に牧場が現れて、しばらく牧柵に沿って進むようになったりします。
ここで久しぶりに四阿山(右端)と根子岳(牛のいるあたりの背後の稜線上に頂上だけ出ている)が見られました。


牧場の上端に達して、森の中に戻ると、次第に木々の色彩が変わってきました。
目を見張るような鮮やかさではないものの、それなりにきれいです。
中四阿コースへの分岐点まで来ると、黄葉の中に紅葉が混ざるようになってきます。
様々な色合いが混ざった紅葉も、なかなか美しいと思いました。


どちらかといえば歩く人が少ないコースらしく、間もなく到着する分岐点までの間に、2人の登山者としかすれ違いませんでした。そんなこともあってか、かなり標高を上げても、足元では笹がしばしば深くなります。
途中からかなりキツくなっていましたが、この8合目の標識を見て、頂上まで登り切れると確信しました。
8合目を過ぎると、ロックガーデンのような景観が現れるなど、変化があって飽きないルートでした。


そして今度は、岩屑が積み重なったやや急な斜面に入ります。登り詰めた先には、標識が見えてきました。
この標識が立つ分岐点で、中四阿ルートに向かう道と、鳥居峠ルートに向かう道に分かれます。
直進する写真の道は中四阿ルートに向かっていて、こちらは「山と高原地図」の赤実線ルートです。
分岐点で振り返ると、すでにこの時点で、南側から北西側にかけての大きな展望が広がっていました。
昨日噴火してしまった御嶽山を見ると、噴煙を上げ続けている様子もハッキリと見て取れています。
下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


中四阿ルートは下山時にも通るので、先程の分岐点を右に折れて、鳥居峠ルートに向かう道に入ります。
現在の登山地図では赤破線ルートとなっていますが、かつてはこちらがメインルートだったのか、途中には8合目で見たのと同じ体裁で9合目の標識が立っていました。
赤破線ルートらしく、地面が見えないほど笹が濃くなったりしますが、迷うような箇所はありませんでした。
しばらく笹の間を抜けていくと、ひょっこりと鳥居峠からのルートに合流しました。


その後は木段が続くようになります。
木段を少し登ると、すぐに別の木段に突き当たって、ここで今度は根子岳からの縦走路に合流です。
分岐点から見上げると、木段が続く先に目指す頂上が見えてきました。頂上直下はかなり急なように見えましたが、道が上手く付けられていたのか、この疲れた中でも、登るのはそんなに大変ではなかったです。


四阿山の頂上は、2つの祠が立てられていて、まずは群馬県側を向く上州祠の前を通ります。
上州祠の前は展望が良くて広いスペースもあり、ここで休憩していた人のほうが多かったようです。
上州祠の少し奥には長野県側を向いた信州祠があって、ここが最高点に当たります。
信州祠の手前と裏手に、それぞれ休憩できるスペースがありました。
手前側(下の写真)は記念撮影する人も多そうなので、裏手のスペースに回って休憩しています。


四阿山ではほぼ全周を見渡すことができました。こちらは南側を中心とした180度に近い範囲で、写真には写りませんでしたが、このとき籠ノ登山の後方には、うっすらと富士山も見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして反対側には北アルプスが見えていたのですが、北側は雲の動きが速くて、南側の写真を先に撮っている間に、ほとんど隠れてしまいました。結果論ですが、撮る順番を逆にしていればと悔やまれます。
ほんの数秒後にはこんな状況になって、次に再び北アルプスが見られるようになるのは、下山を始めてからになるのでした。まぁ、この雲海は雲海でまた趣があったのでしたが。


展望を楽しんだら、四阿山の頂上を後にして、根子岳との分岐点まで下ってきました。
当初の計画では根子岳にも登る予定だったのですが、200m近くを登り返す余力はもうないので、おとなしく中四阿コースに入って下山を続けます。根子岳は、将来の宿題として残ってしまいました。
分岐点から少し下ると、再び北アルプスが見えてきました。縮小写真では厳しいですが、肉眼では槍ヶ岳の突起や御嶽山の噴煙が結構クリアに見えていたのです(この写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します)。
眼下に菅平高原を見下ろし、彼方に北アルプスを眺めながら下るというのは、なかなか爽快な気分です。
上の写真でほぼ中央奥に写っている御嶽山を望遠で撮ったものですが、私のカメラではこの程度が限界でした。
実際に肉眼で見たイメージがない限り、この写真だけで噴煙が上がっていると認識するのは難しそうです。


前方に見えてきたのは、このあと少し登り返して踏んでいく中四阿のピークです。
中四阿の手前から、四阿山を振り返りました。登山道は比較的穏やかな斜面に付けられていますが、中には荒々しい斜面もあって、迫力ある眺めでした。
ここが中四阿です。積み重なる岩の上が最高点のようですが、危険なのか、ロープで通せんぼしてありました。


北側のガスはいつまでも晴れず、なかなか根子岳がスッキリとした姿を現してくれません。
でも進行方向は、引き続き爽快な眺めでした。
しばらく下った頃、ようやくガスの中に根子岳の頂上付近が見えてきました。右手に見えている、気持ち良さそうな笹の斜面は、前々からずっと歩きたいと思っていたので、それを果たせなかったのが強烈に心残りです。
さらに下って、四阿山を振り返りました。四阿山の北側だけに、ガスが居座っているようです。


登りで歩いた、あずまや高原ルート側を見ると、いい感じに秋色に染まりつつあるのが良く分かりました。
今下っている中四阿コースもやがて樹林帯に入って、鮮やかな色彩の中を通り抜けていきます。
しかし中四阿コースでは、紅葉の中を歩ける時間は短くて、やがて林道のような幅広の道に出ます。


その後は再度山道に入り、飛び石で沢を渡った後で、牧場の脇を通るようになれば、登山口は間もなくでした。
道路に出てから振り返ると、いつしかガスが晴れていて、四阿山と根子岳がともにスッキリと見えていました。
最後は延々と車道を歩きます。しかもずっと1本道でほとんど変化がないので、なかなか退屈でした。
「菅平高原ダボス」バス停で帰りのバスを待ちますが、15:45発の便を利用したのは、わずか3人だけでした。

タグ:上信越
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