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吾国山・難台山・愛宕山 [茨城]

2015/01/03(土)

■第298回 : 吾国山(518m)・難台山(552m)・愛宕山(293m)


今年の初歩きは、茨城県の南部まで出掛けて、筑波山のすぐ北東にある低山3座を巡ってきました。
JR線の駅と駅とを結んでいて、距離が15kmを超えている、なかなか歩き甲斐のあるルートです。
長丁場になったので、今回は普段よりも長めの記事になり、写真の点数も多くなりましたがご容赦下さい。

最後に登った愛宕山の山頂には、日本三大火防神社のひとつといわれ、創建が大同元年(806年)と伝えられる歴史ある愛宕神社があって、ついでに初詣も済ませてきました(今回このルートを選んだ最大の理由がこれ)。

 累積標高差(登り):1001m / 距離:15.8km / 歩行時間:4時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:47-05:50 町田 06:00-06:29 新宿
新宿 06:42-07:17 大宮 07:26-08:15 小山
小山 08:22-09:07 福原

(登山行程)
福原駅   09:15
吾国山   10:35-10:45
道祖神峠  11:05
難台山   11:55-12:05
団子石峠  12:35
南山展望台 12:55-13:05
乗越峠   13:20
愛宕山   13:40-13:50
岩間駅   14:25

(復路)
岩間 14:51-16:29 日暮里 16:34-16:55 新宿
新宿 17:11-17:49 相模大野 18:00-18:15 大沼


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

この日のスタートは、JR水戸線の福原駅。同じ電車から降りた人数は僅かでしたが、その中にもうひとり単独行の男性ハイカーがいて、難台山までは姿を見掛けたので、私とほぼ同一行程だった様子でした。
はじめは車道歩きが続きます。都心では早朝かなり冷え込んでいた上に、はるばる北関東までやって来たこともあって、相当の寒さを覚悟していたのですが、幸いにも現地はあまり厳しい寒さになっていませんでした。
すぐに右手の方向には、2年前に登った加波山がスッキリと見えてきました。
左端には足尾山も見えていて、奥に見えている稜線すべてが、そのままその時の縦走ルートになっています。
もちろん進行方向には、最初に目指す吾国山も見えているのですが、はじめのうちは建物や高速道路や電線などが一緒に入って、なかなか綺麗な写真になりません。
田畑が広がるエリアに入ると、ようやく何にも邪魔をされずに吾国山が見られるようになります。
でも、ずっと逆光方向に当たるため、写真を撮るには厳しい条件でした。


道順は複雑ですが、曲がり角には必ず道標が立っていて、道案内は万全です。しかも、この界隈の道は大半がGoogleのストリートビューで見られるので、どこにどんな道標があるのかも、全て事前に分かっていました。
途中には、畑の中を突っ切っていくような区間もあります。引き続き正面は吾国山です。
道端には、しばしば丁目石が現れます。吾国山は山頂に神社があるので、かつては信仰の道だったのでしょう。
それにしてもこの丁目石、短い間隔で次々と現れて、またたく間に数字が増えていきます。一体どこまで数えるのかと思って見ていたら、山頂直下が32丁目でした(山頂付近には33丁目があったらしい)。
ここが最後の分岐点。なぜかここに立つ標識だけ体裁が違うばかりか、文字が色落ちして今ひとつ主張が弱いので、ここに分岐があることを分かった上で気を付けて歩いていないと、見逃す可能性もありそうです。


最後の分岐点を過ぎたすぐ先で、いよいよ山道が始まりました。
良く踏まれている感じの、歩きやすい道が続きます。
途中で林道を横断して、さらに登っていきます。
はじめは鬱蒼とした箇所も少なくなかったのですが、標高を上げて空が近くなってくると、木々が葉を落としたこの時期ということもあって、明るい登山道を気持ち良く歩けるようになりました。
カタクリの群生地に入って、道の両脇が柵で区切られるようになると、山頂は間近です。


この日最初のピーク、吾国山に到着しました。山頂には田上神社が祀られています。
山頂は狭くて、どこに立っても神社全体を収めた写真が撮れないほど。
でも神社の周囲をぐるっと1周できるようになっていて、そこからの展望はなかなか見事でした。
吾国山からは南西方向が開けていて、筑波連山をほぼ全て見渡すことができます。
見えているのは、いずれも過去に登っている山々で、それぞれを登った時のことが懐かしく思い出されました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南西側以外の眺めは樹木に遮られたりしていて、次に向かう難台山も、樹木越しの眺めでした。
難台山の右側では、霞ヶ浦の水面が光っていたようです。
そんな中、北東方向に、ひときわ白くて大きな山がぼんやりと見えていました。
現地ではそれが何なのか分からなかったのですが、帰宅後に確かめてみると、浅間山だったようです。


吾国山から難台山へ歩き始めて、すぐに伐採地に出ると、これから向かう方向が一気に開けました。
右端が次に向かう難台山で、中央やや左寄りが最後の目的地となる愛宕山です。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
その後は比較的急な坂道が続いて、一旦大きく下ってしまいます。
ごく普通の山道なのですが、この時期は霜融けで滑りやすく、足の置き場を選ばなければなりません。北から南への今回の縦走では、この先も下るのが全て南斜面に当たるので、下り坂のたびに足元には注意が必要でした。
平坦地に出ると、そこには5年前に閉館した洗心館がありました。
洗心館の前から吾国山を振り返ります。閉館して久しい洗心館ですが、今でも手入れがされているのか、ベンチが置かれた広場はきれいに整えられていて、ホッとできる居心地の良さそうな空間になっていました。


さらに下ると道祖神峠に出て、ここが吾国山と難台山の間の最低鞍部に当たります。
車道を横断してから振り返った道祖神峠。ここから登り返しが始まります。
道祖神峠の先で、少しの間は未舗装の林道のような道を緩やかに登ります。
山道に入ると、一転して厳しい傾斜の登りに変わります。
最初の急坂を登り切ると、登山道から少し外れた場所に、428.5mの四等三角点がひっそりと埋まっていました。ここでひと息ついていきましたが、難台山への登りはまだ序の口です。この先も急坂が連続し、アップダウンも2度繰り返されるなど、消耗させられました。


難台山に到着しました。このピークがこの日の最高点です。
この時ちょうどお昼どきに当たったためか、北と南の両方から登ってきた人たちがそこそこ集まっていましたが、それなりに広さのある山頂で、ゆったりと過ごせました。
前2枚の写真の通り、樹木に囲まれた山頂で、すっかり落葉したこの時期でも展望はほとんどありません。こんなに立派な展望図が設置されていたのが謎だったのですが、かつては展望が良かったこともあるのでしょうか。
唯一樹木が途切れていた場所から、辛うじて筑波山から加波山にかけての稜線を望むことができました。
とはいえ、木々が葉を茂らせている季節だと、スッキリと見えるのが筑波山だけということになりそう。
  ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。


難台山から団子石峠へは、ダラダラした感じの長い下りが続くことになります。
その代わり、途中にはいくつかの見所があり、最初に見られるのが、難台山を出てすぐの所にある屏風岩です。
ところどころで右手側の樹木が途切れると、そこにはいつも筑波山や足尾山の姿がありました。
その後は何度か小さな登り返しがあって、431.8mの四等三角点ピークを越えていきます。
無名峰だと思っていた431.8m三角点峰では、「団子山」と書かれた私製プレートが樹木に掛かっていました。
団子山を過ぎると急降下が続くようになり、その途中で見掛けた、ひときわ目立つ大岩が団子石です。
大岩の下に回り込むと標識が立っていましたが、名前が書かれていただけで、由来などは不明です。


急坂を下り切ったところには、車道が通っていました。
地形図では、さきほどの団子石があった場所の近くに「団子石峠」と書かれているのですが、現地では、車道に降りた所に「団子石峠」の標識が立っていました。
団子石峠からすぐに、南山展望台へ向けての登り返しが始まります。さほど大きく登るわけではない割には、しばしば急登が出現して、いずれも短いものでしたが、疲れが溜まってきている足には結構堪えました。


南山展望台が建つピークに着いたのは、ちょうど誰もいない時にあたっていて、展望を独占できています。
南山展望台からは北東側に展望が広がっていて、最終目的地の愛宕山が大きく見えていました(写真中央)。
その愛宕山の右下あたりがゴールの岩間駅付近で、その真上あたりに水戸市街があります。また、遙か遠くにうっすら見える稜線が愛宕山の左上で尖っている所が、先月登ってきたばかりの高鈴山(日立市)のようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
愛宕山をアップで写してみましたが、ここからでは山頂にある愛宕神社の存在は分からないようです。
先ほどまでいた難台山は、樹木の上に少し顔を出すだけ、といった見え方でした。


次に目指すのは最後のピークとなる愛宕山です。
南山展望台の直下だけは急坂でしたが、そこを下ってしまうと、あとは穏やかな道がずっと続いていました。
しばらく進むと、「見晴らしの丘」へ分岐する道が出ていたので、寄り道していきます。
ほんの1分で「見晴らしの丘」に着くと、見える方向は南山展望台と一緒で、割とこぢんまりした眺めです。
下から登ってきたのならばともかく、展望台からの大きな眺望を楽しんでから下ってきた者にとっては、特に惹かれるような眺めでもないので、すぐに引き返してしまいました。
さらに軽く下るとすぐに車道に降りて、山道はここで一旦終了となります。
車道に降りた所が乗越峠で、ここから愛宕山の手前までは、車道をそのまま歩いて向かいます。


いよいよ愛宕山が目前に迫りました。駐車場に停められている車は、大半が初詣客のものだったでしょうか。
高台にある駐車場からの眺めも良かったです。南東側なので、そんなに目立ったものは見えませんが、左端のほうには涸沼が、また右半分には霞ヶ浦が見えてきていて、その先にある海まで見渡せていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
鳥居をくぐって最後の登りに取り掛かります。鳥居の下は車道なので、車でも頂上に行けるらしいのですが‥‥
鳥居のすぐ先で、右側に石段道が分かれていて、歩きの人はここを登ります。車で訪れた人たちも、多くは先程の駐車場に車を停めて、最後だけは石段を歩いて登っていたようですが、私が登っている間も、隣の車道をそのまま登ってしまう車がちらほら。労せずにした参拝で御利益があると思うなんて、都合が良すぎませんかねぇ。


愛宕神社で、今年1年の無事を祈願しました。
まだ三が日なので、初詣客もそこそこ見られて、社務所も正月らしい装いでした。
愛宕神社の奥にはさらに石段があって、この上が愛宕山の山頂に当たるようです。
石段の上には飯綱神社がありますが、一般の参拝客でここまで来る人はなく、ひっそりとしていました。
周囲の様子から、神社が建っているのが愛宕山の最高点であることは、まず間違いなさそうでしたが、神社の回りをぐるっと1周してみても、特に山頂を示すような物は見当たりませんでした。


愛宕神社を後にしたら、表参道の石段を下っていきます。
下り終えた石段を振り返りました。駐車場側の石段よりも傾斜が急で長いので、こちらから登るのは大変そう。
鳥居をくぐって車道に出たところで、石段は終わります。そして、道が分かりやすかったのもここまで。
ここから先は、歩いて岩間駅方面に下る際の道案内が全くありませんでした。
要所には道標が立っているものの、そのすべてが例外なく登る人に向けられたものばかりで、登る際にポイントとなる地点に、登る人の目線で立っているだけだったのです。
まぁ岩間駅からの往復で歩く人が多そうですから、その場合は往路の登りさえ的確に案内されていれば、復路の下りは来た道を引き返すだけで良くて、これでも問題にならないのでしょう。でも今回の私のように、下りでしか歩かない場合には困ったことになるのでした。

事前にネット上の山行記録やストリートビューなどから得た情報を総合的に検討して、どこに道があるのかの見当があらかた付いていたので、割とスムーズに歩けましたが、縦走路の末端にある山だけに、片道しか歩かない登山者の存在は決して少なくないはずです。歩行者用の参道まではGoogleマップでも描かれていませんから、山道を見つけられずに車道を歩いてしまったり、途中で迷ったりした人が、結構いるのではないでしょうか。

車道を横断して左を向くと、道路の一段下に鳥居があるのが見えるので、まずはそこに向かうのが正解です。
下る人の目線で考えるならば、まず最初の道標がここに欲しいところ。
ほどなく道が二手に分かれたら、左を選ぶとこの休憩舎の前に出て、それ以降も車道を全く歩かずにすみます。
その分岐点にも、ぜひ道標を。
休憩舎の前を通ると、ここで道路に突き当たりますが、いくらネット上の情報を集めても、ここだけは道の続きがある場所の確信を持てていませんでした。ストリートビューを見ていて、向かい側のガードレールがここだけ不自然に途切れているのを怪しいと睨んできたら、果たして、その通りそこに道が見つかって助かっています。
ここには下る人向けの道標が不可欠でしょう。ここから道路を下ってしまうケースが、実は結構ありそうです。
公園のような中を適当に下って、二の鳥居までは来ましたが、ここで道の続きを少し探すことになりました。
少しウロウロしていたら、トイレの裏に山道があるのを発見。ただ、奥まった所にあって見つけにくかった上に、この時点では、これが探していた道かどうか分からず、ほかに道がないから試しに下ってみたに過ぎませんでした。結果的にこの道で正解だったのですが、この道の所在と行先を示す道標の設置が望まれます。
はじめは道の片側に擁壁が続いていたりして、雰囲気が今ひとつでしたが、歩く距離は車道の半分ですみます。
車道に出たところを振り返りました。登る人への案内は、こんなに親切なのにね。


最後は少し車道を歩いて、市街地を抜けていきます。
ゴールの岩間駅。少し小腹が減っていましたが、登山口から駅までの間も、駅前も(もちろん反対側も確認)、駅の中にも、商店というものが全くないという想定外の状況に、空腹のまま電車を待つことになりました。

タグ:茨城
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宮崎雅子

初めまして、明日、今春初めての山行を山友と岩間から福原のコースを歩きをします。拝見したコースとは私たちはいつも逆コースです。メンバーは70歳過ぎばかりでこのコースは大変キツイのですが夏山のトレーニングには最適なので何度か登っています。筑波山などより静かで訓練するにはいいですね。記事を拝見して速い登りタイムだと感心いたしました。今ごろはかたくりに出合えるかなと・・。楽しみにしています。
by 宮崎雅子 (2015-03-22 19:53) 

cellist

はじめまして。メッセージありがとうございました。どうやらこのコースは、私とは逆方向に歩くほうが多数派のようですね(私の場合は、いつ歩き終えてもあまり電車を待たなくてすむようにと、電車の本数が多いほうの路線の駅をゴールに設定していたのでした)。歩く速さはともかく、かなりタフなルートだと感じましたから、70歳代でそこを歩かれる皆さんは、それはそれで十分に健脚なのだと思います。この日と違って、これからの季節は花々も見られるようになると思いますので、ぜひ楽しんで歩いてきて頂ければと思います。
by cellist (2015-03-23 21:22) 

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