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高水三山 [奥多摩]

2015/09/12(土)

■第308回 : 高水三山 (惣岳山(756m)・岩茸石山(793m)・高水山(759m))


前回の高尾山がブランク後の足慣らしのつもりだったのに、そこからの間隔がまた3週間開いてしまいました。
しかもこの日は出掛けるのがお昼前になって、長いコースは時間的にも厳しいので、今回も軽めのコースの中から、奥多摩の入門コースとも言える高水三山のプチ縦走路を選んで歩いてきました。

このコースは、どのガイドブックを見ても一様に反時計回りで書かれていて、自分も山を始めて1年目の2006年に歩いた時はそれに倣いましたし、2010年に2度続けてグループ山行で歩いた時も、当然同じ回り方でした。
5年ぶりの再訪となった今回は、過去3回とは違う景色を見ようと、進行方向を時計回りにしてみたほか、起点も一般的な御嶽駅から沢井駅に変えて、惣岳山への登りにはこの日初めて歩く赤破線コースを選んでいます。
果たしてその結果は、、、このコースは反時計回りで歩くに限ると思い知らされる山行となりました‥‥。

 累積標高差(登り):763m / 距離:9.6km / 歩行時間:2時間50分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:4時間20分 

(往路)
古淵 10:58-11:20 八王子 11:24-11:34 立川
立川 11:36-12:05 高尾 12:25-12:38 沢井

(登山行程)
沢井   12:40
惣岳山  13:50-14:00
岩茸石山 14:30-14:45
高水山  15:00
常福院  15:05-15:15
高源寺  15:45-15:50
軍畑   16:10

(復路)
軍畑 16:25-16:39 青梅 16:43-16:59 拝島
拝島 17:12-17:25 八王子 17:29-17:41 橋本
橋本 17:45-17:55 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR青梅線の沢井駅から歩き始めます。出掛けた時間が遅かったので、着いたのはもう午後1時前でした。
奥多摩の山々は結構歩いてきた私ですが、この駅から歩けるような一般的な登山道は1つもないので、今回初めてこの駅を利用しました。そう、これから向かうのは、登山地図に赤破線で描かれたマイナールートなのです。
天気予報は晴れで、実際に平野部は良く晴れていたようなのですが、奥多摩の山中は時折日が差す程度でした。
細い坂道を上る途中で道標を見ましたが、近くの青渭神社(これから登る惣岳山の頂上に奥宮があります)を示すもので、登山口を案内するものではありませんでした。この道標を無視して、さらに奥へと進みます。
山の斜面が間近に迫り、簡易舗装が途切れた先に、登山口を示す道標が小さく見えてきました。
ここを左に折れて山道に入ります。マイナールートらしく、駅からここまで、道案内は全くありませんでした。
登山口はこんな様子でした。


山道は、細いながらも良く踏まれていて明瞭でした。
そして2箇所にだけあった私製の標識が、最小限にして必要十分な案内をしてくれます。
ここは直進する送電線巡視路のほうが立派なので、標識がなければ左折せすにそのまま進んでしまいそう。
植林地内に入ると、山仕事の人たちに良く歩かれたりしているのか、道はいっそう明瞭になりました。
このあたりの道は、最新の地形図では破線ではなく実線で描かれているのですが、この様子なら納得です。
歩きやすい道ですし、あとは道標さえ立ててしまえば、すぐにでも一般登山道に昇格できそう。
途中には1箇所だけ草深い区間がありましたが、短いものですぐに抜けられてしまいます。
草深い区間で右手を見上げると、2本の送電線と鉄塔があって、絶好の現在地確認ポイントになっていました。
その後は、植林の良く似た景色の中、変わり映えのしない折り返しが何度も続いて、今どこ?状態になります。
歩きやすくて傾斜もほどほどで、体力的には楽な道なのですが(特に下る時に快適に歩けそうなので、いつか下りも試してみたい)、楽しめるような景色が何もないので、気分的に退屈なのは否めません。
だから登山道として整備したとしても、あまり人気は出なさそうですし、もしろ歩く人が増えることによるダメージで、歩きやすさが損なわれてしまいそうなので、ここは今後もマイナールートであり続けて欲しいなぁ。


バリエーションルートの沢井尾根に乗り上げました。しばらく見失っていた現在地も、ここで復活です。
この道標は、登ってきた道への降下点を示していて、これがないと下山時に沢井尾根をそのまま直進してしまうケースが続出しそう。ただ、沢井尾根ルートもそれなりに通れるらしいので、そのうち歩いてみたいかも。
沢井尾根に上がった地点のすぐ先には、こんな祠がありました。本体はともかく、外側の建物は結構新しそう。
次第に尾根上を歩くことが多くなりますが、見晴らしの良い所があるわけでもなく、引き続き淡々と歩きます。
やや傾斜が増して、木の根を階段代わりに登るようになると、惣岳山も間近です。誰にも会わないまま静かに登ってきましたが、この先ですれ違った単独行の男性が、このコースで見掛けた唯一のハイカーとなりました。
惣岳山の直下まで来ると、頂上の一段下を通っている巻き道に突き当たります。立っている道標は、左右の巻き道と、歩いてきた道の計3方向を示していますが、頂上には、それらの案内を無視して直進するのが近道です。
頂上への近道は、所々で不明瞭になる踏み跡程度でしたが、やがて頂上に建つ青渭神社奥宮が見えてきました。
登ってきたコースを逆に下る時は、青渭神社がこの角度に見える位置に、薄い踏み跡を探すことになります。


青渭神社奥宮が建つ惣岳山の頂上です。樹木に取り囲まれて、展望はほとんど楽しめません。
着いた時は無人で、人気があるコース上の頂上にしては、珍しく静かな雰囲気を味わえています。
ただし、到着直前に人の声を聞いているので、つい先程まで誰かがいた様子ですし、5分ほど経った頃には、岩茸石山の方向から4人組のグループが到着してきました。


惣岳山から先は、一般登山道で岩茸石山から高水山へと縦走します。
惣岳山の直下にはちょっとした岩場があって、下ってから振り返るとこんな具合でした。
下りでは手を添えて通る箇所もありますが、斜面に向き直ったりすることもなく通れる程度のものです。
その先は、なだらかな道がしばらく続いて、一般登山道だけに、すこぶる快適に歩けます。
この日は遅い時間からのスタートでしたが、この区間では10人くらいのハイカーとすれ違いました。
途中には右手が開けた場所があって、このあと縦走する岩茸石山から高水山にかけての稜線を眺められました。
 (下の写真にマウスを乗せると、山名を示します)。
岩茸石山の手前まで来ると、岩が露出したやや急な斜面が現れますが、階段状になっているため、少し手を添える程度で問題なく登り切れます。高水三山の縦走路は、3つのピークの間が概ね穏やかな道で結ばれていて、とても気持ち良く歩けるのですが、各ピークの直下だけは少々急になるのでした。


岩茸石山に着いたのはもう2時半で、さすがに先客は1人だけです。
しかもその方が、すぐに惣岳山へ向けて出発されたので、ここもしばらく私が独占する状態になりました。
展望が良くて長居する人が多い頂上なので、こんな時間でもなければ、なかなか静かには過ごせない場所です。
でも、私がこの日の最後の訪問者になるのかなと思っていたら、その後も縦走路の両方向から計3人が現れました。いずれもランナーで滞在時間が短かったため、結局私が1人で取り残されることにはなりましたが。
北側いっぱいに大展望が広がる頂上なのですが、雲が多かったこの日に見られたのは、奥多摩や秩父方面などの、比較的近くにある山々に限られました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして東側には、奥武蔵東部の低い山並みが折り重なっていました。天覧山や多峰主山などが見えているはずですが、このサイズの写真ではちょっと識別が困難です。右端で間近に見えているのは、この次に向かう高水山。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
高水山の右には西武ドームがハッキリ見えていて、その先には都心のビル群もうっすらと見えていました。
 (都心のビル群は、写真を縮小したら厳しくなりましたが‥‥)


岩茸石山を後にして、間近に見えている高水山へと向かいます。時間は間もなく3時になるところ。この先は東向きの斜面が多くなり、暗くなるのが早いので、トラブルを起こさないように、今一度気を引き締めました。
もう誰とも会わないだろうと思っていたら、鞍部まで下ったあたりで単独行の男性とすれ違いました。この日、高水三山を反時計回りで歩いた最後のハイカーだったはずです。
高水山の直下で巻き道を分けると、そこから再び傾斜が急になりました。実は過去3回歩いた時の記憶でここが急だった印象がなく、あとはのんびり歩けるとばかり思っていて、ちょっと不意を突かれた感じです。急斜面は長くは続かず、割とあっさり登れて良かったのですが、さすがに5年以上前の記憶なんてアテになりませんね。


高水山への到着は3時ちょうど。予想通り、もう誰もいません。少し暗くなりかけて、寂しげな雰囲気も漂い始めた頂上でした。(ここから先は、かなり下ったあたりで2人組のハイカーを追い越すだけとなります)
ほとんど展望がない上に、時間も時間なので通過するだけにして、すぐ下にある常福院まで行ってしまいます。
常福院の境内に入りました。こちらのほうが、高水山の頂上よりも落ち着いて過ごせると思ったのです。
雰囲気は確かに落ち着いていたのですが、稜線上と違って風が全くなく、暑かったのだけが見込み外れでした。


常福院での休憩を終えたら、まずは立派な山門をくぐります。
そして、山門へと続く石段を下ります。(以上の2枚は、いずれも振り返って撮影したもの)


その先の登山道は、過去3回登った時の記憶では、割とありきたりな印象しかなかったのでしたが‥‥。

いざ下りが始まると、木段の道がずっと続いて、普通の坂道が全くなく、とても快適には下れません。
やっと木段が終わったと思ったら、その先に待っていたのは石ゴロの歩きにくい道。引き続き段差がある箇所も頻繁に出てくるので、非常に煩わしいです。
さらに下ると、道が細くなるとともに荒れた場所も現れるようになり、段差の大きな箇所も増えて、さらに歩きにくくなります。不安定な姿勢で踏ん張ることが多いためか、下りなのに大汗をかかされていました。
かなり下って沢沿いを進むようになっても、荒れた感じの石ゴロ道は相変わらず。1歩ごとにいちいち足の置き場を選ぶ必要があるのが鬱陶しく、段差の多い道をずっと下っているために、足への負担もきつく感じました。
なるほど、どのガイドブックでも一様に逆方向が設定されているのは、きっとこの厄介な下りを避ける意味合いが大きいのでしょう。登りであれば、下りと違ってこれほど煩わしく感じることもないでしょうから。
そして最後のトドメが、この長い階段です。この階段は5年前に登った時の記憶にもあって、やがて出てくることが分かっていましたが、いざ目の前に現れた時は、もう苦笑するしかありませんでした。
階段を下り切った先が登山口で、ようやく心安まる場所まで来た気分になれました。
結局、常福院から登山口までの間に、楽に下れる箇所なんてほとんどなかったことになります。入門用とされているようなコースなのに、ただ歩く方向を逆にしただけで、まさかここまで状況が一変するなんて。
そして同じ道が、登る時と下る時とでこうも印象が異なるとは。今では、どの道を歩く時も、いつか反対方向に歩く時のことを少し想像しながら歩いたりするのですが、5年前はそういう見方が足りなかったんでしょうね。


しかしその先も、高源寺までは車道にしては急な下りが続いて、疲れた足に微妙に響きました。
足を休めようと高源寺に寄り道したところ、境内に座れる物が何もなかったのは意外でしたが、隣接する建物の縁側のような所に腰を掛けさせて頂いて、ひと息入れることができました。
高源寺から軍畑駅までは、傾斜の緩やかな道路を歩くだけです。
ただ、この区間にしても、登り始める前のウォーミングアップで歩くなら何も気にならないのに、下山後に歩くとなると地味に退屈だったのでした。もう2度と、このコースを時計回りで歩くことはないでしょう。
行く手にJR青梅線の線路(赤い高架橋)が見えてきた時は、もうヤレヤレという心境でした。
軍畑駅に到着したのは午後4時過ぎ。遅い時間からのスタートでしたが、ショートコースをサクサクと歩いて、ゴールは割と普通の時間になりました。

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