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剣山・次郎笈(前編) ~ 見ノ越から剣山・次郎笈まで ~ [四国]

2015/10/24(土)

■第311回 : 剣山(1955m)・次郎笈(1930m) (前編)


今年の遠征計画は、天気が悪くて見送った以外に、体調が整わずに出発直前に中止することも1度や2度ではなく、全く実行できないままシーズンが終わってしまいそうでした。それでもこの日は、どうにか全ての折り合いがついてくれて、今年最初にして最後になりそうな遠征に、なんとか出掛けることができています。

今回の行先は、四国に2座ある日本百名山のひとつ、剣山です。
祖谷秘境の最奥に位置する山深い頂上からの、360度の大展望が素晴らしかったのはもちろんのこと、剣山から次郎笈・丸石にかけて、どこまでもササ原が続く開放的な縦走路もとても印象深いものでした。

 累積標高差(登り):942m / 距離:10.8km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:5時間15分 

(往路)
[前日] 古淵 14:42-15:12 新横浜 15:29-18:27 岡山
    岡山 19:05-21:14 徳島(泊)
[当日] 徳島 05:40-07:04 貞光 → 貞光ゆうゆう館 07:40-09:20(早着09:10) 見ノ越

(登山行程)
見ノ越バス停 09:15
リフト西島駅 09:55-10:00
剣山本宮前  10:25-10:30
剣山     10:35-10:55
次郎笈    11:35-11:55
丸石     12:40-12:55
丸石避難小屋 13:10
国体橋    13:50-13:55
二重かずら橋 14:15-14:25
二重かずら橋バス停 14:30

(復路)
二重かずら橋 15:28-16:00 久保 16:24-17:34 大歩危
大歩危 18:05-19:41 岡山 19:53-22:54 新横浜
新横浜 23:06-23:30 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

四国への遠征ということで、乗車券も長距離となりました(往復で経路が異なるため、往復割引にはできず)。
往路は経由地が多くて印字しきれずに、手書きで追記される始末。有効日数6日なんてのも初めて見ました。
※乗車券は往復ともに、下車駅での回収を免れるため、同額の範囲で下車駅よりも先の駅まで購入しています。
※中段の近距離券は、上段の往路券では徳島で途中下車できないため、佐古-徳島間用に別途購入したもの。
金曜日の午後は休暇を頂いて、一旦帰宅してから出発します。新横浜駅で新幹線を待っていると、なんとドクターイエローが入線してきました。動いているところを見られるとは、こいつぁ旅の始めから縁起がいいわえ。
新幹線と特急を乗り継いでも、宿泊先の徳島に着いたのは夜9時を過ぎていました。
それで何よりも残念だったのが、人生初の四国上陸だったにもかかわらず、瀬戸大橋を渡る頃にはすっかり夜になっていて、瀬戸内海を渡って四国に入ったという実感に乏しかったこと。
実は往路ばかりか復路でも、瀬戸内海上と四国内の車窓風景は、暗闇を眺めるだけに終わってしまうのです。
移動時間が長かったことで、はるばる遠くまで来たんだなぁ、という気分にだけはなれたのでしたが。。。


翌朝も、まだ暗いうちに徳島駅を出発。結局、徳島の街の様子や周辺の景色は、ほとんど分かりませんでした。
貞光駅で下車します。3路線ある剣山登山バスのうち、ここからの路線が一番早く見ノ越に着き、行動時間を最も長く取れるので、この路線でなければ次郎笈から丸石への縦走は計画できませんでした。それなのに、何故か運行期間はこの路線が一番短くて、今年の運行はこの週末まで。今週が計画実行の最終チャンスだったのです。
貞光駅で待っていても良かったのですが(その場合はもう1本遅い電車でも間に合います)、少し歩いてバスの始発地である道の駅・貞光ゆうゆう館まで来ました。乗車時間が長いので、できれば席を選びたかったのです。
道の駅事務所で乗車券を購入したら、このバス停でバスを待ちます。先客の方が1名だけいらっしゃいました。
この日、貞光ゆうゆう館から乗車したのは10名でした。2番目に並んでいた私は、最前列の窓際に座ることができ、荷物を前に置けて快適だったほか、初めて見る四国での車窓も存分に楽しんでいます。このあと、貞光駅でも10人以上の乗車があって、マイクロバスはほぼ満員になったので、駅で待っていなかったのは正解でした。


見ノ越には、予定よりも10分早く到着。元々余裕を見込んでいた行動時間に、さらに余裕が生まれました。
駐車場のすぐ奥にはリフト乗り場があって、ほとんどの人はそちらに向かっていたようです。
でもリフトを使ってしまうと、あまりにイージーすぎる登山になってしまいますし、やはりここは見ノ越から歩くしかないでしょう。登山口はバス停から道路を少し下った所にあって、登り始めは剱神社への石段でした。


石段を登り終えると、剱神社の境内の隅から、登山道が始まりました。
リフトの西島駅までは、緩やかな傾斜の歩きやすい登山道が続きます。
ただ紅葉に関しては、登り始めの標高ですでに盛りを過ぎていました。
ほどなくリフトの下をくぐり、その後も登山道からリフトが見える地点が多かったです。


リフトの西島駅まで来れば、すでに頂上までの半分以上を登っているのでした。
登山道はここから3本に分かれますが、この背後に大剣神社経由のコースと遊歩道コースが見えていて道標も立っているのに対して、歩く予定の尾根道コースはどこにあるのか不明です(その存在からして分からない)。
しばらく戸惑っていると、駅の建物の右側にある細い隙間を抜けて出てくる人がいます。試しにその隙間の先に行ってみて、無事に尾根道コースの登り口を発見できましたが、ここには道案内が欲しいと思いました。
ということで、尾根道コースを登り始めます。右端に少しだけ写っているのは、リフト西島駅の建物の一部。
尾根道コースは頂上への最短コース。階段が多くて登り応えがありますが、その分だけ高度がどんどん上がって、見るたびに頂上に近付いていくのが分かります。10分ほど登ると、刀掛の分岐点に出ました。
安徳天皇が刀を掛けて休んだ伝説が残される「刀掛の松」。枯死して倒れる前は立派な松だったのでしょうか。


刀掛を過ぎると高木が減って見通しが良くなり、剣山の頂上付近や頂上ヒュッテの建物が見えてきました。
それにしても階段が多い道ですが、段差が小さく作られているので、それほどキツくは感じませんでした。
眼下に峰を連ねている山々では、紅葉が見頃を迎えていそうな感じでした(この時見えていたのは赤帽子山)。


階段が石段に変わると、尾根道コースは間もなく大詰めを迎えます。
剣山本宮の鳥居が現れて、石段を登っていくと・・・
すぐに剣山本宮や頂上ヒュッテが建ち並ぶ一角に出ました。もう頂上は目と鼻の先です。
見ノ越から登ってきても、割とあっけなく着いてしまった感じでした。


剣山本宮と頂上ヒュッテの間にある短い階段を登ったら、もうそこは頂上台地の一部でした。
いよいよ頂上へ。日本百名山ですし、もっと混んでいるかと思っていましたが、人の数はほどほどで、写真撮影の順番待ちも短時間ですんでしまいます。標高2000m近い山の上はすでに晩秋を迎え、風が冷たかった影響もあるかもしれませんが、次々と人の出入りこそあるものの、ここで長居する人をほとんど見ませんでした。
ということで、頂上の標識も、ほかの人たちの映り込みを最小限に抑えて撮ることができました。
広い頂上台地には、標識や三角点がある最高点のほかにも、展望デッキなど居心地の良さそうな場所がいくつかありました。広い頂上に人が分散していて、それで最高点への人の集中が避けられているのかもしれません。
剣山の頂上では、360度の展望が広がっていました。どの方角を見渡しても山また山で、ほとんど平野らしいものが見えず、祖谷秘境の最奥に位置する山深さが感じられる眺めです。
その中でも一番に目を奪われたのが、すぐ隣にあってこれから向かう予定の次郎笈へと続く稜線でした。広々としたササ原の中に道がずっと続いていて、とても気持ち良さそうです。早くあそこを歩きたい!
はやる気持ちを抑えて、西側の展望をカメラに収めました。雲ひとつない晴天の下で、申し分のない絶景です。これで遠くが霞まずに、どちらかの方向に海でも見えていたら最高だったけれど、もう十分な眺めでした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


剣山の頂上で少しのんびりしたら、いよいよ次郎笈へ向かいます。
剣山の直下は岩の露出した急坂が続きますが、特に難しい箇所はなくて、グングンと下ります。
急坂を下り終えれば、目の前いっぱいに、来る前から楽しみにしていた景色が広がりました。
下ってきた道を振り返ったところ。右上が先ほどまでいた剣山です。
なんて大らかな景色なんでしょうか。
深田久弥が著書「日本百名山」の中で『昼寝を誘われるようなのんびりした気持のいい所であった』と評している(※)、まさにその通りの印象で、しばしば足を止めて写真ばかり撮ってしまいます。
(※)深田が評したのは剣山頂上のことで、現在は裸地化が進んでしまったため、今ならそうは書かなかったと思うのですが、このあたりの稜線ならば、その当時と様子がさほど変わっていないのではないでしょうか。
次郎笈峠で次郎笈を巻いて行く道を分けると、次郎笈への登り返しが始まります。
次郎笈への登りは傾斜が急で、結構キツかったです。
分岐点にもなっている手前のコブまで登れば、次郎笈へはあとひと登りとなります。


次郎笈に到着。標高は剣山とほぼ同じで(25m低いだけ)、一旦200m近く下ってから登り返してきました。
頂上標識です。
それほど広くない頂上ですが、人の数もそこそこで、混み合ってはいません。少し南側に行き過ぎたあたりにもスペースがあるらしく、そちらで休んでいる人たちも多かったようです。
次郎笈もササ原の頂上で遮るものが何もなく、剣山と同様に全方位の展望を楽しむことができます。
まずは、先ほどまでいた剣山を振り返ってみました。
東側の展望です。剣山の東側も、槍戸山のあたりまでは気持ち良さそうな稜線に結ばれていて、そこを歩く登山者もチラホラと見られました。中でも一ノ森からは、剣山と次郎笈が並んだ姿が見られて、剣山を望むのはそこからが最上だと深田久弥が書いているので、もしもまた来る機会があれば、その時はそちらを歩いてみたい。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

そして反対側を見ると、このあと向かう丸石のあたりまで、ずっとササ原の稜線が続いている模様です。

これから向かう西側の展望です。見えている山々の顔ぶれは剣山にいた頃とさほど変わりませんが‥‥。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。

今回は写真の点数が多くなったので、ここで記事を分割します。続きは 後編 をご覧下さい。

タグ:四国
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