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草戸山・榎窪山 [高尾・陣馬]

2015/11/13(金)

■第313回 : 草戸山(364m)・榎窪山(420m)


週末が土日ともに雨予報だったため、今回は金曜日の午後に半休を頂いて、短いコースを軽く歩いてきました。
日の短い季節で、一旦帰宅している時間の余裕がないことから、初めて、職場から直行する形を取っています。

金曜日がカジュアルデーなので、ウェアは朝から登山用を着て出勤しましたが、さすがに大きなザックで通勤するのは気が引けて、短時間歩くだけだからと、通勤用のデイパックに最小限の山道具のみを移して出掛けます。
そんな中途半端な装備で山に入るのも、初期の頃を除けば今回が初めてだったのですが、最後の最後でそれが見事に裏目に出て、少々しょっぱい後味の山行となってしまいました。

 累積標高差(登り):613m / 距離:10.7km / 歩行時間:3時間0分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:3時間55分 

(往路) ※職場から
四ツ谷 12:30-13:18 高尾 13:25-13:28 高尾山口

(登山行程)
高尾山口駅  13:30
四辻     13:40-13:45
草戸山    14:35-14:40
榎窪山    15:00
峰ノ薬師   15:15-15:20
普門寺    15:55
飯縄大権現  16:00-16:05
久保沢バス停 16:50

(復路)
久保沢 16:57-17:13 橋本 17:22-17:32 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

高尾山口駅への到着は午後1時半。山の中はあと3時間もしないうちに暗くなりますから、その前に最低でも山道区間からは抜けておく必要があり、あまりのんびりと歩いている余裕はありません。
でも平日のこんな時間にもかかわらず、これから高尾山に向かう様子の人は予想以上の多さでした。まぁケーブルカーを利用すれば、明るいうちに十分登って下りて来られますし、夜になっても1号路なら歩けますからね。
ところで高尾まで中央線で来たのは、新宿で京王線に乗り換える方が安上がりで到着時間も変わらないことに単に気付いていなかっただけなのですが、実際は人身事故の発生で京王線に不通区間があり、もし乗り換えていたら到着が遅れて、予定通りには歩けないところでした(高尾山への往復に切り替えるしかなかったでしょう)。


多くの人が行き交う高尾山への道には背を向けて、ひとり反対方向に歩き始めます。ほんの2~3分で着いた東高尾山稜への登山口もひっそりとしていて、この先はもう、すれ違う人も数えるほどでした。
10分ほどの登りで、すぐに稜線上に出ました(ここが四辻という分岐点)。曇り空で少し涼しいくらいなので、フリースのベストを羽織っていましたが、登り始めると暑くなって、ここからは山シャツ姿で歩いています。
すぐお隣の高尾山とは対照的に、こちらはとても静かです。道端にはこのようなベンチが随所にありました。
東高尾山稜は、小刻みなアップダウンを何度となく繰り返します。当面は、平坦な箇所がほとんどありません。
登り下りはどれも大きくはないものの、とにかく回数が多いです。だからこの道を下りに選ぶと、最後までアップダウンが続いて結構辛かったりするのですが、今回は登り始めたところなので、まだまだ余裕がありました。


ほどなく登山道脇に送電線鉄塔が現れて、ここで確実に現在地確認ができます。地図を見ると、四辻から草戸山までの中間点を少し過ぎたあたりでした。
送電線鉄塔を過ぎるとアップダウンが少なくなって、気持ち良く歩ける緩やかな区間も現れるようになります。
草戸峠まで来れば、もう草戸山は目と鼻の先です。ここは峠とは名ばかりで、実際は小ピークになっています。
草戸峠では東側が開けていて、お隣の高尾山を眺められました。奥の稜線で一番高く見えるあたりが頂上です。


草戸峠からは、ひと登りで草戸山に到着です。さすがに山頂には登山者が何人かいるだろうと思っていましたが、先客はわずか1人だけでした。
この展望台は来るたびに登っているので目新しさはなく、まぁ一応、この日の展望も確認しておきましたが‥‥
正面に橋本駅周辺のビル群が見られる程度にとどまりました。晴れていればその先に都心方面が見えそうですが、曇っていたこの日、そこまでの遠望はききません。特段見入るような展望でもなく、時間に余裕のある行程でもないので、ここでの休憩は5分で切り上げて、そそくさと先へ進みました。


草戸山を過ぎた途端、木段の多い道に変わります。
段差の大きな木段の登りが断続的に続くので、ここは少々きつく感じる区間でした。
木段をすべて登り終えたところに現れたのは、「ふれあい休憩所」でした。
どうでも良いことですが、この名前、もう少し何とかならなかったものなのか。。。
「ふれあい休憩所」の東屋からは、眼下に城山湖を見下ろすことができました。


「ふれあい休憩所」の先で、少々分かりにくい分岐点に差し掛かりますが、道標による道案内はしっかりしていました。手前の分岐を右に進み、わずかに登った先の分岐は、右に入れば榎窪山で、直進すると峰ノ薬師です。
分岐点からはひと登りで榎窪山へ。あまりパッとした地点ではなく、本来ならば取るに足らないようなピークに過ぎませんが、この日はここから下り始めてしまうため、ここが最高点になります。
山名も、4年前に来た時はこの道標の柱にマジック書きされていただけでしたが、いつの間にか新しいプレートが付けられていました。
榎窪山では大した展望はなく、木立の間から高尾山や小仏城山などが見えていた程度です(下の写真にマウスを乗せると、山名を示します)。長居するような場所でもないので、ここでは写真を撮るだけで引き返しました。


榎窪山から手前の分岐まで戻ったら、広い道に入って峰ノ薬師へと向かいます。このあと、いくつもの電波塔の脇を抜けていく間はずっと車道のような道が続いて、下り坂が始まるあたりから再び山道になりました。
峰ノ薬師(大覚山東慶寺)の薬師堂は、無人でひっそりとしていました。
明応元年(1492年)の創建と伝えられる古刹で、新井薬師・高尾山薬王院・日向薬師(大山)とともに武相四大薬師の一つに数えられたとされますが、これらの寺院と比べると、より寂れてしまった感が否めないでしょうか。
平日とあってか、峰ノ薬師の事務所(写真左端)にも人影はありません。午後3時を過ぎ、秋の早い夕暮れが急ぎ足で迫ろうとしていては、ほかに訪れる人もなく、周囲は静けさに包まれていました。
前の写真の広場からは、眼下に水をたたえる津久井湖や、「かながわの景勝50選」に選ばれた小倉橋、開通したての圏央道などが見渡せたほか、次に向かう普門寺が見えていたことを、帰宅後の写真編集時に知りました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
ここまでかなり順調に歩けていますが、時間の余裕はあるに越したことはなく、軽いコースのためか疲労感もほとんどないので、峰ノ薬師での休憩も5分で切り上げて先を急ぎます。


事務所前の広場からは、上に「東参道・中沢口」と書かれた門のようなものをくぐって、車道に入りました。
午後3時半ともなると、林の中はそこそこ暗くなりかけてきましたが、まだ歩く分には何の支障もありません。
市街地まで下ったら、そのまま道なりに進んでしまうと普門寺へ遠回りになるので、地図を見て予め考えておいた道順で、最近開通した圏央道の下をくぐる道に向かいます。
が、圏央道のそばまで来てみると、何やら行き止まりの看板が‥‥。
でもそこから圏央道の脇へ下る仮設階段があり、特に通行も制限されていないようなので、下ってみます。
ところが、仮設階段を下った先は圏央道側がフェンスに遮られて、反対側への道は閉ざされていました。通路自体は先に続くので進んでみたら、やがて圏央道を離れて登り返してしまい、結局さっきと同じ道に戻っただけ。事前にGoogleマップで、ちゃんと道が繋がっているのを確認していたのですが、実態とは違っていたようです。
本当は、この下あたりをくぐりたかったのですが、圏央道は橋でその上を渡ることになりました。そのための迂回でロスした時間は10分程度に過ぎませんが、その高々10分が、最後に大きく響いてしまうことになろうとは。


圏央道を渡った先で、元々予定していたコースに復帰して、普門寺の前までやって来ました。
まずは立派な仁王門をくぐって、とてもきれいに整えられていた境内に入ります。
普門寺は、天平年間に行基により創立されたと伝えられる由緒ある古刹です。手前が観音堂、その奥にあるのが本堂で、いずれも堂々とした構えをしており、往時の隆盛ぶりを偲ばせていました。
観音堂のアップです。
境内の奥には、飯縄大権現への参道がありました。
4~5連ほどの石段が連なっていて、上に行くほど傾斜が増すので登るのがきつくなります。
計147段あったらしい石段を登り詰めると、飯縄大権現の、これまた立派なお堂がありました。由緒書によれば、古来より戦や農業の神として信仰され、今日では諸願成就に欠かせない神として信仰されているとのこと。
高台にある飯縄大権現では南西側の展望が開けていて、丹沢方面の山並みが眺められますが、この天気で丹沢の核心部までは見通せず、見られたのは比較的近くにある前衛の低い山々にとどまりました。この景色を見つつ、午後4時を告げる市内放送(防災無線)のチャイムを聞きながら、最後の5分休憩を取っていきます。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
ここから先は、「フットパス ベストコース 首都圏I(ダイヤモンド・ビッグ社刊)」で紹介されていた、若葉台北尾根道と中央公園を経由するコースに入ります。若葉台北尾根道では山道を歩くことになり、そこを暗くなる前に通過するために、残された時間はもう多くありません。


飯縄大権現の裏手に回ると、すぐに車道に出て、車道を横断した先には、その山道への入口が見えていました。
若葉台北尾根道は、前書以外での紹介記事を見たことがなく、ヤマレコでも同じように歩いた記録が全くないコースなのが不安でしたが、入口にはしっかり道標が立っていて、道も細いながらもしっかり踏まれていました。
ただ、さすがにこの時間になって森の中に入ると、薄暗さが気になります。ここを早く抜けなければ。
名前の通り、結構登ってちゃんと尾根まで上がると、尾根上には道幅のゆったりした箇所やベンチもあります。
事前の予想に反してそこにあったのは、割と本格的に山を歩いている気分にさせてくれるガチっぽい道でした。
それでも南側が開けると、すぐ近くまで若葉台の住宅地が迫っていることが分かります。こんな状況で、よくぞこれだけ山深い感じを味わえる雰囲気が残されたものだと、感心しながら歩いていました。
さらに進むと、大きく展望が開けました。少し通り過ぎた所にあった道標によると、ここが「若葉の展望台」という地点らしいです。でも残念ながら、元からの曇り空に加えて薄暮も迫り、橋本駅周辺のビル群くらいしか分かりません。また写真を縮小したら分かりにくくなりましたが、街にはそろそろ明かりが灯り始めていました。
尾根道はまだまだ続きます。結構な歩き甲斐があり、また思いのほか気持ちの良い道でもあったので、もっと早い時間に来て、時計と競争したりせずにゆっくり歩きたかったなぁ。
途中にはやや入り組んだ分岐があり、一旦進路を誤りかけましたが、この道標に助けられました。
コースも終盤になると暗さが増していき、時間との競争もいよいよヤマ場を迎えて、自然と足が速まります。
(暗さで先の見通しが悪かったこともあってか)割と唐突に車道へ下る階段が現れました。暗くなり切る前に山道区間から脱出できて安心したのですが、現実はそう甘くなかったことを、このあと思い知ることになります。


階段を下ると真正面に、「若葉台七丁目」のバス停が立っていました。
若葉台住宅地の中を少し進みます。時刻はすでに4時半で、実際にはこの写真よりもずっと暗い感じでした。
この階段が中央公園への入口です。
公園内ならば、整備された歩きやすい道があるでしょうし、景色もある程度は開けていて、道案内もしっかりしているなど、少々暗くても支障なく歩けることを全く疑っていなかったので、何の躊躇もなく突入しました。
ところが実際は違いました。公園という名前にすっかり騙されましたが、中央公園は全くの未整備で、深い森の中にただ山道が巡らされているだけだったのです。帰宅後に確認してみると、相模原市による整備計画はあるものの、まだ構想段階で何も始まっていないらしく、現にほとんど人工物を見ることがありませんでした。

だから時折分岐が現れても案内が何もなく、方角で判断するしかありません。公園に入った頃まではどうにか残っていた明るさも、いよいよ日没時刻が迫ると急速に暗さが増して、みるみるこんな状況になってしまいます。
途中からはGPSの手も借りつつ、予定コースから外れることなく森の出口が見えてきて、一旦はホッとしたのも束の間、落とし穴は最後の最後に待っていました。
車道に下りる手前に短い坂があったのですが、暗さでそこが滑りやすいことが分からず、普通に歩いていたら足を取られてスッテンコロリン。あと2~3歩で車道という、本当にゴール寸前だったのが悔やまれます。

腕には擦過傷を負い、ウェアも一部が泥まみれで、とてもそのままではバスには乗れません。しかもこういう日に限って、冒頭に書いた通り装備がいつもよりも手薄で、救急セットも着替えもないという始末。
幸いにも車道に出たところに墓地があり、お手洗いの水道をお借りして、どうにか人前に出せる格好にできたのがせめてもの救いだったでしょうか。

そんなわけで、少々しょっぱい後味を引きずって、すっかり日が暮れた久保沢バス停でバスを待っています。

タグ:高尾・陣馬
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