乃木坂46 『アンダーライブ at 武道館』 『Merry X'mas Show 2015』 [その他]
今週は乃木坂46のライブウィークで、私も金曜日と日曜日の2度にわたって、足を運んできました。
開催されたライブは2種類。17日(木)・18日(金)に 『アンダーライブ at 武道館』 が、20日(日)・21日(月)に 『Merry X'mas Show 2015』 が、いずれも日本武道館で開催されるという日程です。
乃木坂のチケットはますます確保が困難になってきて、大箱で2公演ずつ行われるにもかかわらず、先行抽選は過去にないほどの落選祭り。もちろん私も両方とも落選で、仕方なく一般販売への参戦を余儀なくされます。
一般販売なんて単なる早押し競争でしかなく、混雑で申込画面の表示すらできないうちに発売終了となった苦い経験しかないのですが、今回は席数が多い武道館ということに一縷の望みを託してその日を迎えました。
11月21日(土)、好天でお出掛け日和だった3連休の初日を泣く泣く潰して、朝10時の発売開始から「申込」ボタンをクリックしまくりますが、案の定、混雑中を示す403エラーか、無応答のどちらかが繰り返されるばかり。
それでもこれまでと違い、なかなか発売終了にもならないので、やはり数はそれなりに出されているようだと、根気良くトライし続けます。PCの前で格闘すること1時間以上、もう何百回ボタンを連打したか分かりません。
結局のところ、実は今回も申込画面が1度も表示されないまま、11時半前後には発売終了となってしまったのですが、粘りどころはそこからでした。画面を何度かリロードしていると、時として「申込」ボタンが復活していたりするのです(回線切れなどで申込が完了しなかった分が再度申込可能になるかららしい)。
12時近くなると混雑も解消されてきたのか、ついに『アンダーライブ』の申込画面に到達できて、どうにか申込を完了。その後もダメ元で待機し続けていたら、今度は『Merry X'mas Show』の申込も可能になって、なんと両方のチケットを取れてしまいます。手続きを終えたのは12時をとうに過ぎていて、2時間を超える長い格闘でした。
まぁそんな状況なので、どちらも申し込めたのは通常の指定席ではなく、ステージ斜め後方の「ステージサイド席」(下図)で、メンバーや演出の一部が見えない場合があるとされています。とはいえ、片方の公演だけでも取れればと思っていたところ、2公演とも取れたのですから、休日を潰して待機していただけの甲斐はありました。
まず最初に『アンダーライブ』とは何かを簡単に説明しておきますと、“アンダーメンバー”(=非選抜メンバー)だけが出演するライブとなります。乃木坂では、シングルCDの発売ごとに16人前後が“選抜メンバー”に選ばれて、そのCDの表題曲を歌ったり、テレビの歌番組などへ出演したりするので、一般的にはその“選抜メンバー”がほぼ乃木坂を代表する形になっています。その選抜から漏れたのが“アンダーメンバー”ですから、将棋に例えれば飛車角落ちのような布陣で臨むようなもので、知名度の高いメンバーが出てくることが一切ないのです。
昨年春に初めてそのメンバーによるライブが開催された時には、さほど広くない会場が3分の1も埋まらないという現実を突き付けられました。しかし、それからわずか2年足らずの間に、武道館ですらチケット確保が困難になるほどの評判を得るまでに実力を付けてきた彼女たちが、一体どんなステージを見せてくれるのでしょうか。
前置きはこのくらいにして、18日の金曜日、『アンダーライブ』2日目を迎えた日本武道館にやって来ました。
この場所に来たのは、1992/07/30 『YOSHIKI TALK LIVE at 日本武道館』(YOSHIKIのトークライブでありながら、結局は X JAPAN の全員が登場)で、バックのオーケストラの一員として出演して以来ですから20年以上ぶり。
クラシックのコンサートとは全く異なる騒然とした雰囲気に包まれた会場で、日本を代表するロックバンドと同じステージに立ち、“Endless Rain”や“ART OF LIFE”を演奏したのは私の音楽活動の中でもとりわけ異色の体験で、実に貴重な思い出となっています。
もうちょっと派手な装飾とか出し物とかがあるのを期待して、会場の写真を撮るのを楽しみにしていたのでしたが、割と地味目な横断幕が1つ飾られていただけでした。
今回取れていたのはなんと1階席。これまでのライブでは2階席や3階席の、それも最後列から数えた方が早いような所が定位置で、双眼鏡がなければ話にならない席ばかりだったので、初めての1階席に期待が高まります。
事前に座席表サイトで確認した私の席は下図の★印あたり。ステージサイド席なので角度的に難はあるものの、ステージまでの距離という点では1階席の中でも格段に近いほうに当たる模様です。
会場入りしてみると、私の席はチケットが発売された最も端のブロックで、それ以上左側にはもう誰も入りません(席はシートで覆われていた)。一番隅なので近くには常に監視員が立っていて、開演前でもステージの見え方の写真すら撮ることができず、座席表サイトから写真を転載してしまいますが、ほぼこの通りの見え方でした。
ただ実際には、舞台装置が立体的になっているため、上の写真のようにはステージ全体を見渡せず、舞台装置の全容も真横からでは全然分かりません(開演前に正面から見られる区画に回って一応見ておきましたが)。
映像などが映し出されるスクリーンも真横からなので直接は見られず、何が映っているのかは近くに設置されていたモニタを通しての確認となります。
が、いざライブが始まってみたら、割とすぐ近くにお立ち台が2つあって、しかもそこにメンバーがたびたび現れます。握手会は別として、ライブでは初めて肉眼で直接見るメンバーの姿に興奮が抑えられませんでした。
特にそのうち片方のお立ち台は、メンバーと視線が合うほどの至近距離でしたから、アリーナ席と比べてもその後方なんかよりは余程恵まれていたかもしれません。俄然、コールにもライトを振る手にも力が入ります。
正面から見るライブ中の舞台がこんな様子だったことは、翌日にメンバーのブログでやっと分かったのですが(この写真もこっそり転載)、そんなことは関係なく、今までのライブの中で個人的に一番盛り上がりました。
※私がいたのは黄色い丸印の位置です(縮小前の写真ではスティックライトの色で私だと識別できた)。
さてライブの内容ですが、以前のアンダーライブで好評を得たノンストップライブの形式で始まり、途中からは前回好評を博した全員センター企画が取り入れられて、ちゃんと1人1人にスポットが当たる形で進行します。
手の凝った演出は一切排除して、生歌による全力パフォーマンスを全面に押し出すという、『アンダーライブ』ならではの熱演に、客席のファンも、もちろん私も、熱い声援を送って応えます。
寺田蘭世や佐々木琴子が、抽選の結果とはいえ比較的難しい曲でセンターを担当して懸命に踊っている姿など、二期生の成長が感じられる局面ではこちらも胸が熱くなりました。
ただ、アンダーメンバーの中では一番に推している伊藤かりんがセンターの「僕がいる場所」が前日に披露されてしまったほか、大好きなアンダー曲の「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」と「私のために 誰かのために」も前日に歌われていたことをネットの速報で知って、2日目を選んだことを少し後悔する気持ちがあったのも事実。
しかし本編終了後にアンコールが始まると、今回は不参加とされていた、現在は選抜として活動中のかつてのアンダーメンバー5人が、それぞれセンター曲を引っ提げて順に登場するというサプライズ。これには参りました。
客席の熱気もここで最高潮に達します。1曲目に伊藤万理華が現れ、次いで井上小百合が出てきた時点で、あとの3人が控えていることも自明だったのですが、分かっていても最後に、当時アンダーとして不当なまでに不遇な活動を強いられていたであろう衛藤美彩が晴れやかな表情で現れた時は、さすがにウルッとさせられました。
その後のMCで、辛い思いをすることも多かったアンダーとしての活動がここまで大きく花開いたことを、5人がそれぞれ感慨深く、時折感極まって言葉に詰まりつつも語り継いでいくと、ステージにいるほかのメンバーにもその涙が伝染します。客席でも涙を誘われた人が多かったんではないでしょうか。
そして、一旦はそんなふうに選抜メンバーがオイシイ所をさらったかのように見えて、ラストに再度スポットを浴びたのが、前日の公演で卒業を発表をした永島聖羅でした。
アンコールの締めくくりとして、ステージも客席も一体となって「乃木坂の詩」を歌い上げ、これにて終了‥‥のはずが、客席照明が点灯し退場のアナウンスまで流れ始めたのに、割れんばかりの「ながさんコール」は収まるところを知らず、客席も彼女のサイリウムカラーである黄色に包まれたまま。
卒業の時期が未定とされたため、すぐにお別れという訳ではないことは皆が分かっていましたが、アンダーライブをここまで育て上げた功労者の1人である彼女を讃えたい、そしてその姿を少しでも多く眼に焼き付けておきたいという思いで、会場にいる全ファンの心が1つになった瞬間でした。
このままで終わらせないぞというファンの総意に押し切られるようにして再度客電が落とされると、まずは永島聖羅が1人でステージに戻ってきます。
「みんなまだやりたいの? しょうがないな~」
大歓声とともに、全メンバーがステージに揃い、本編ですでに歌われていた「ハウス!」がもう1度熱唱されて、これ以上ないと思われる異様な盛り上がりのまま、ライブは幕を閉じました。
終演後は、乃木坂史上最高のライブだったと評する声がネットに次々と上がり、みんなの感想を読んでいるだけでもまた感動が蘇ってきます。これほど感動的なライブに立ち会えたのは、嬉しいの一言に尽きますし、50歳を過ぎてから、ライブなんかで(言い方は悪いですが)ここまで心が揺り動かされるとは思ってもみませんでした。
メンバーたちもみんな素晴らしかったけれど、客席で一緒だったお前らも、本当に最高だったぜ。
『アンダーライブ』の興奮もまだ醒めやらぬ2日後、今度は乃木坂全体としてのライブとなる『Merry X'mas Show 2015』の1日目を楽しみに、再び日本武道館へと向かいました。
初ライブ参戦が昨年のこの『Merry X'mas Show』でしたから、それからちょうど1年が経過したことになります。
『アンダーライブ』の項では前置きが長くなったため省略しましたが、交通機関を利用するにあたっては、トラブルがいつ発生するか分からないので、普段からなるべく早く目的地に着いてしまおうとする習性があり、実はこの2日間ともかなりの余裕をみて九段下まで来ています。
暖かい時期ならば北の丸公園を散策でもしていれば済む話ですが、さすがにこの寒空の下、屋外で時間を潰すのは無理と、建物の中で過ごせそうな場所を探していたら、なんとすぐ近くに理想的な場所が見つかりました。
それがこの、千代田区役所が入った「九段第3合同庁舎」という建物で、9階に千代田区立図書館があるほか、1階のロビーも「区民ホール」の名で一般開放されているのです。
18日は図書館でゆっくりと本を読んで過ごしていた一方、この日は空腹を満たしてから武道館に向かいたかったので、飲食可の区民ホールで持ち込んだパンを食べたりしつつ時間調整しています。
この建物の良い所はそれだけではなく、建物を出て正面の小道(=1つ前の写真の撮影地点)に入れば、すぐ目の前にこの清水門があって、くぐった先がもう北の丸公園という近さ。右手には武道館の屋根も見えています。
そうして武道館の前に立ってみると、2日前と横断幕が変わっていただけで、『Merry X'mas Show』だからといってクリスマス的な装飾は全く見られませんでした。何かしら武道館側からの制約があるのかもしれませんね。
日曜日とあって、平日だった一昨日よりも人の出足は段違いに良いようです。開場した後も、割と早い時間のうちに客席が埋まっていくのが分かりました。
ところでこの日の最大の気懸かりは、座席の位置とそこからの見え方でした。
2日前と同じ「ステージサイド席」という区分でしたが、取れていたのは2日前と違って2階席で、しかもその中でも一番上のブロックです。やはり一昨日の運が特別良かっただけで、このあたりが私の定位置なのでしょう。
いざ着席してみると、ステージはほぼ真下に見下ろすような具合です。水平距離は2日前の1階席と同様にそこそこ近いのですが、垂直方向に高低差がありすぎて、メンバーはかなり小さくしか見えません。
しかもステージの斜め後方にいる訳ですから、見えているのが後頭部ばかりということも多く、メンバーの識別は近くに設置されていたモニタを通してでなければほぼ不可能でした。
さてライブの内容ですが、昨年ほどクリスマスショー的な構成が前面には出されていなかったものの、クリスマス風のアレンジを加えたメドレーあり、ストーリー仕立てのお芝居ありと、歌とダンスをじっくり魅せることに徹していた『アンダーライブ』とは全く異なる方向性のものとなっていました。
舞台装置は『アンダーライブ』とほとんど変わらないように見えて、上部にいくらかクリスマス的な飾りが増えていた程度だったでしょうか。その代わり、レーザー光線やフレームマシンによる火球といった、『アンダーライブ』にはなかった特殊効果が多用されて、華やかなステージが演出されます。
歌衣装も、見慣れた制服やそれぞれの曲のオリジナル衣装ではなく、このライブのために製作された様子の新しい衣装が多く登場して、普段のライブとは違った表情を見せようとする意図も明らかに感じられました。
(この日のライブは、BSスカパー!で生中継されていました。私がいたのは黄色い丸印のあたりです)
でも、そうして視覚に訴える要素が多い分、舞台が見にくい席から楽しむのは厳しかった印象が否めません。
しかもこのグループは、クオリティの高い、「作品」と呼ぶに相応しいだけの曲を多数持っています。だから私にとって、ライブではその歌の世界をじっくりと楽しめるのが理想で、余計な演出に頼ることがむしろ邪魔に思えてしまうようなところもあり、そういう意味でも『アンダーライブ』ほどには心に響くものがありませんでした。
まぁこれは単なる好みの問題なので、善し悪しということとは違うのですが。。。
それと、選抜メンバーの存在感はそれなりに際立っていたものの、その他大勢で終わってしまったかのようなメンバーが少なくないと感じられたのもやや残念な点でした。
アンダーメンバーは『アンダーライブ』を含めると計4公演に連投するので、『Merry X'mas Show』を選抜メンバーがより頑張ることで、アンダーメンバーの負担軽減を図ったものと推測してはいますが、出演者1人1人にちゃんとスポットを当てる機会を作っていた『アンダーライブ』と比べてしまうと、ただでさえ出演者数が倍くらいになっていることもあって、どうしても個々の存在感が薄かったです。
推しているメンバーによっては、不完全燃焼で終わってしまったファンもいらっしゃったのではないかしらん。
※ただしこの点については、現場で専らモニタを通して見ていた故の誤解があるかもしれません。モニタに写されるのは、特定のメンバーのアップということが多くて、ステージ全体の様子が分かりにくかったためです。後日、録画しておいたBSスカパー!の生中継映像を確認してみて、もし認識が変わったら訂正したいと思います。
そんな訳で、割と淡々とした感じで楽しんで、正直なところ、平凡な印象のライブにとどまってしまったかなぁ。なにしろ2日前の『アンダーライブ』が凄すぎましたから、期待を高く持ちすぎていたのかもしれませんね。。。
開催されたライブは2種類。17日(木)・18日(金)に 『アンダーライブ at 武道館』 が、20日(日)・21日(月)に 『Merry X'mas Show 2015』 が、いずれも日本武道館で開催されるという日程です。
乃木坂のチケットはますます確保が困難になってきて、大箱で2公演ずつ行われるにもかかわらず、先行抽選は過去にないほどの落選祭り。もちろん私も両方とも落選で、仕方なく一般販売への参戦を余儀なくされます。
一般販売なんて単なる早押し競争でしかなく、混雑で申込画面の表示すらできないうちに発売終了となった苦い経験しかないのですが、今回は席数が多い武道館ということに一縷の望みを託してその日を迎えました。
11月21日(土)、好天でお出掛け日和だった3連休の初日を泣く泣く潰して、朝10時の発売開始から「申込」ボタンをクリックしまくりますが、案の定、混雑中を示す403エラーか、無応答のどちらかが繰り返されるばかり。
それでもこれまでと違い、なかなか発売終了にもならないので、やはり数はそれなりに出されているようだと、根気良くトライし続けます。PCの前で格闘すること1時間以上、もう何百回ボタンを連打したか分かりません。
結局のところ、実は今回も申込画面が1度も表示されないまま、11時半前後には発売終了となってしまったのですが、粘りどころはそこからでした。画面を何度かリロードしていると、時として「申込」ボタンが復活していたりするのです(回線切れなどで申込が完了しなかった分が再度申込可能になるかららしい)。
12時近くなると混雑も解消されてきたのか、ついに『アンダーライブ』の申込画面に到達できて、どうにか申込を完了。その後もダメ元で待機し続けていたら、今度は『Merry X'mas Show』の申込も可能になって、なんと両方のチケットを取れてしまいます。手続きを終えたのは12時をとうに過ぎていて、2時間を超える長い格闘でした。
まぁそんな状況なので、どちらも申し込めたのは通常の指定席ではなく、ステージ斜め後方の「ステージサイド席」(下図)で、メンバーや演出の一部が見えない場合があるとされています。とはいえ、片方の公演だけでも取れればと思っていたところ、2公演とも取れたのですから、休日を潰して待機していただけの甲斐はありました。
乃木坂46 『アンダーライブ at 武道館』
2015/12/18(金)
まず最初に『アンダーライブ』とは何かを簡単に説明しておきますと、“アンダーメンバー”(=非選抜メンバー)だけが出演するライブとなります。乃木坂では、シングルCDの発売ごとに16人前後が“選抜メンバー”に選ばれて、そのCDの表題曲を歌ったり、テレビの歌番組などへ出演したりするので、一般的にはその“選抜メンバー”がほぼ乃木坂を代表する形になっています。その選抜から漏れたのが“アンダーメンバー”ですから、将棋に例えれば飛車角落ちのような布陣で臨むようなもので、知名度の高いメンバーが出てくることが一切ないのです。
昨年春に初めてそのメンバーによるライブが開催された時には、さほど広くない会場が3分の1も埋まらないという現実を突き付けられました。しかし、それからわずか2年足らずの間に、武道館ですらチケット確保が困難になるほどの評判を得るまでに実力を付けてきた彼女たちが、一体どんなステージを見せてくれるのでしょうか。
前置きはこのくらいにして、18日の金曜日、『アンダーライブ』2日目を迎えた日本武道館にやって来ました。
この場所に来たのは、1992/07/30 『YOSHIKI TALK LIVE at 日本武道館』(YOSHIKIのトークライブでありながら、結局は X JAPAN の全員が登場)で、バックのオーケストラの一員として出演して以来ですから20年以上ぶり。
クラシックのコンサートとは全く異なる騒然とした雰囲気に包まれた会場で、日本を代表するロックバンドと同じステージに立ち、“Endless Rain”や“ART OF LIFE”を演奏したのは私の音楽活動の中でもとりわけ異色の体験で、実に貴重な思い出となっています。
もうちょっと派手な装飾とか出し物とかがあるのを期待して、会場の写真を撮るのを楽しみにしていたのでしたが、割と地味目な横断幕が1つ飾られていただけでした。
今回取れていたのはなんと1階席。これまでのライブでは2階席や3階席の、それも最後列から数えた方が早いような所が定位置で、双眼鏡がなければ話にならない席ばかりだったので、初めての1階席に期待が高まります。
事前に座席表サイトで確認した私の席は下図の★印あたり。ステージサイド席なので角度的に難はあるものの、ステージまでの距離という点では1階席の中でも格段に近いほうに当たる模様です。
会場入りしてみると、私の席はチケットが発売された最も端のブロックで、それ以上左側にはもう誰も入りません(席はシートで覆われていた)。一番隅なので近くには常に監視員が立っていて、開演前でもステージの見え方の写真すら撮ることができず、座席表サイトから写真を転載してしまいますが、ほぼこの通りの見え方でした。
ただ実際には、舞台装置が立体的になっているため、上の写真のようにはステージ全体を見渡せず、舞台装置の全容も真横からでは全然分かりません(開演前に正面から見られる区画に回って一応見ておきましたが)。
映像などが映し出されるスクリーンも真横からなので直接は見られず、何が映っているのかは近くに設置されていたモニタを通しての確認となります。
が、いざライブが始まってみたら、割とすぐ近くにお立ち台が2つあって、しかもそこにメンバーがたびたび現れます。握手会は別として、ライブでは初めて肉眼で直接見るメンバーの姿に興奮が抑えられませんでした。
特にそのうち片方のお立ち台は、メンバーと視線が合うほどの至近距離でしたから、アリーナ席と比べてもその後方なんかよりは余程恵まれていたかもしれません。俄然、コールにもライトを振る手にも力が入ります。
正面から見るライブ中の舞台がこんな様子だったことは、翌日にメンバーのブログでやっと分かったのですが(この写真もこっそり転載)、そんなことは関係なく、今までのライブの中で個人的に一番盛り上がりました。
※私がいたのは黄色い丸印の位置です(縮小前の写真ではスティックライトの色で私だと識別できた)。
さてライブの内容ですが、以前のアンダーライブで好評を得たノンストップライブの形式で始まり、途中からは前回好評を博した全員センター企画が取り入れられて、ちゃんと1人1人にスポットが当たる形で進行します。
手の凝った演出は一切排除して、生歌による全力パフォーマンスを全面に押し出すという、『アンダーライブ』ならではの熱演に、客席のファンも、もちろん私も、熱い声援を送って応えます。
寺田蘭世や佐々木琴子が、抽選の結果とはいえ比較的難しい曲でセンターを担当して懸命に踊っている姿など、二期生の成長が感じられる局面ではこちらも胸が熱くなりました。
ただ、アンダーメンバーの中では一番に推している伊藤かりんがセンターの「僕がいる場所」が前日に披露されてしまったほか、大好きなアンダー曲の「あの日 僕は咄嗟に嘘をついた」と「私のために 誰かのために」も前日に歌われていたことをネットの速報で知って、2日目を選んだことを少し後悔する気持ちがあったのも事実。
しかし本編終了後にアンコールが始まると、今回は不参加とされていた、現在は選抜として活動中のかつてのアンダーメンバー5人が、それぞれセンター曲を引っ提げて順に登場するというサプライズ。これには参りました。
客席の熱気もここで最高潮に達します。1曲目に伊藤万理華が現れ、次いで井上小百合が出てきた時点で、あとの3人が控えていることも自明だったのですが、分かっていても最後に、当時アンダーとして不当なまでに不遇な活動を強いられていたであろう衛藤美彩が晴れやかな表情で現れた時は、さすがにウルッとさせられました。
その後のMCで、辛い思いをすることも多かったアンダーとしての活動がここまで大きく花開いたことを、5人がそれぞれ感慨深く、時折感極まって言葉に詰まりつつも語り継いでいくと、ステージにいるほかのメンバーにもその涙が伝染します。客席でも涙を誘われた人が多かったんではないでしょうか。
そして、一旦はそんなふうに選抜メンバーがオイシイ所をさらったかのように見えて、ラストに再度スポットを浴びたのが、前日の公演で卒業を発表をした永島聖羅でした。
アンコールの締めくくりとして、ステージも客席も一体となって「乃木坂の詩」を歌い上げ、これにて終了‥‥のはずが、客席照明が点灯し退場のアナウンスまで流れ始めたのに、割れんばかりの「ながさんコール」は収まるところを知らず、客席も彼女のサイリウムカラーである黄色に包まれたまま。
卒業の時期が未定とされたため、すぐにお別れという訳ではないことは皆が分かっていましたが、アンダーライブをここまで育て上げた功労者の1人である彼女を讃えたい、そしてその姿を少しでも多く眼に焼き付けておきたいという思いで、会場にいる全ファンの心が1つになった瞬間でした。
このままで終わらせないぞというファンの総意に押し切られるようにして再度客電が落とされると、まずは永島聖羅が1人でステージに戻ってきます。
「みんなまだやりたいの? しょうがないな~」
大歓声とともに、全メンバーがステージに揃い、本編ですでに歌われていた「ハウス!」がもう1度熱唱されて、これ以上ないと思われる異様な盛り上がりのまま、ライブは幕を閉じました。
終演後は、乃木坂史上最高のライブだったと評する声がネットに次々と上がり、みんなの感想を読んでいるだけでもまた感動が蘇ってきます。これほど感動的なライブに立ち会えたのは、嬉しいの一言に尽きますし、50歳を過ぎてから、ライブなんかで(言い方は悪いですが)ここまで心が揺り動かされるとは思ってもみませんでした。
メンバーたちもみんな素晴らしかったけれど、客席で一緒だったお前らも、本当に最高だったぜ。
乃木坂46 『Merry X'mas Show 2015』
2015/12/20(日)
『アンダーライブ』の興奮もまだ醒めやらぬ2日後、今度は乃木坂全体としてのライブとなる『Merry X'mas Show 2015』の1日目を楽しみに、再び日本武道館へと向かいました。
初ライブ参戦が昨年のこの『Merry X'mas Show』でしたから、それからちょうど1年が経過したことになります。
『アンダーライブ』の項では前置きが長くなったため省略しましたが、交通機関を利用するにあたっては、トラブルがいつ発生するか分からないので、普段からなるべく早く目的地に着いてしまおうとする習性があり、実はこの2日間ともかなりの余裕をみて九段下まで来ています。
暖かい時期ならば北の丸公園を散策でもしていれば済む話ですが、さすがにこの寒空の下、屋外で時間を潰すのは無理と、建物の中で過ごせそうな場所を探していたら、なんとすぐ近くに理想的な場所が見つかりました。
それがこの、千代田区役所が入った「九段第3合同庁舎」という建物で、9階に千代田区立図書館があるほか、1階のロビーも「区民ホール」の名で一般開放されているのです。
18日は図書館でゆっくりと本を読んで過ごしていた一方、この日は空腹を満たしてから武道館に向かいたかったので、飲食可の区民ホールで持ち込んだパンを食べたりしつつ時間調整しています。
この建物の良い所はそれだけではなく、建物を出て正面の小道(=1つ前の写真の撮影地点)に入れば、すぐ目の前にこの清水門があって、くぐった先がもう北の丸公園という近さ。右手には武道館の屋根も見えています。
そうして武道館の前に立ってみると、2日前と横断幕が変わっていただけで、『Merry X'mas Show』だからといってクリスマス的な装飾は全く見られませんでした。何かしら武道館側からの制約があるのかもしれませんね。
日曜日とあって、平日だった一昨日よりも人の出足は段違いに良いようです。開場した後も、割と早い時間のうちに客席が埋まっていくのが分かりました。
ところでこの日の最大の気懸かりは、座席の位置とそこからの見え方でした。
2日前と同じ「ステージサイド席」という区分でしたが、取れていたのは2日前と違って2階席で、しかもその中でも一番上のブロックです。やはり一昨日の運が特別良かっただけで、このあたりが私の定位置なのでしょう。
いざ着席してみると、ステージはほぼ真下に見下ろすような具合です。水平距離は2日前の1階席と同様にそこそこ近いのですが、垂直方向に高低差がありすぎて、メンバーはかなり小さくしか見えません。
しかもステージの斜め後方にいる訳ですから、見えているのが後頭部ばかりということも多く、メンバーの識別は近くに設置されていたモニタを通してでなければほぼ不可能でした。
さてライブの内容ですが、昨年ほどクリスマスショー的な構成が前面には出されていなかったものの、クリスマス風のアレンジを加えたメドレーあり、ストーリー仕立てのお芝居ありと、歌とダンスをじっくり魅せることに徹していた『アンダーライブ』とは全く異なる方向性のものとなっていました。
舞台装置は『アンダーライブ』とほとんど変わらないように見えて、上部にいくらかクリスマス的な飾りが増えていた程度だったでしょうか。その代わり、レーザー光線やフレームマシンによる火球といった、『アンダーライブ』にはなかった特殊効果が多用されて、華やかなステージが演出されます。
歌衣装も、見慣れた制服やそれぞれの曲のオリジナル衣装ではなく、このライブのために製作された様子の新しい衣装が多く登場して、普段のライブとは違った表情を見せようとする意図も明らかに感じられました。
(この日のライブは、BSスカパー!で生中継されていました。私がいたのは黄色い丸印のあたりです)
でも、そうして視覚に訴える要素が多い分、舞台が見にくい席から楽しむのは厳しかった印象が否めません。
しかもこのグループは、クオリティの高い、「作品」と呼ぶに相応しいだけの曲を多数持っています。だから私にとって、ライブではその歌の世界をじっくりと楽しめるのが理想で、余計な演出に頼ることがむしろ邪魔に思えてしまうようなところもあり、そういう意味でも『アンダーライブ』ほどには心に響くものがありませんでした。
まぁこれは単なる好みの問題なので、善し悪しということとは違うのですが。。。
それと、選抜メンバーの存在感はそれなりに際立っていたものの、その他大勢で終わってしまったかのようなメンバーが少なくないと感じられたのもやや残念な点でした。
アンダーメンバーは『アンダーライブ』を含めると計4公演に連投するので、『Merry X'mas Show』を選抜メンバーがより頑張ることで、アンダーメンバーの負担軽減を図ったものと推測してはいますが、出演者1人1人にちゃんとスポットを当てる機会を作っていた『アンダーライブ』と比べてしまうと、ただでさえ出演者数が倍くらいになっていることもあって、どうしても個々の存在感が薄かったです。
推しているメンバーによっては、不完全燃焼で終わってしまったファンもいらっしゃったのではないかしらん。
※ただしこの点については、現場で専らモニタを通して見ていた故の誤解があるかもしれません。モニタに写されるのは、特定のメンバーのアップということが多くて、ステージ全体の様子が分かりにくかったためです。後日、録画しておいたBSスカパー!の生中継映像を確認してみて、もし認識が変わったら訂正したいと思います。
そんな訳で、割と淡々とした感じで楽しんで、正直なところ、平凡な印象のライブにとどまってしまったかなぁ。なにしろ2日前の『アンダーライブ』が凄すぎましたから、期待を高く持ちすぎていたのかもしれませんね。。。
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