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日光白根山 [上信越]

2016/10/15(土)

■第335回 : 日光白根山(2577m)・前白根山(2373m)・五色山(2379m)


この日の行先は群馬・栃木県境にある奥日光の日光白根山。日本百名山にして、標高が2500mを超える関東以北最高峰も、ロープウェイを利用することで、600mほどの登りで難なく頂上に立つことができるのです。
しかし、そこまでお気軽だとかえって物足りないので、火口湖の周囲を取り囲むように聳える計3つのピークを巡る形で、周回コースを組んで歩いてきました。

ロープウェイの山頂駅から望む日光白根山は、かつて激しい水蒸気爆発を繰り返したことを彷彿とさせる、荒々しい山肌がむき出しの豪快な山容をしています。現在も、気象庁によって活火山に指定されてはいますが、ただし明治23年を最後に噴火活動は観測されていないので、まずは安心して登れる山と言って良いでしょう。

 累積標高差(登り):1013m / 距離:10.5km / 歩行時間:4時間20分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:6時間30分 

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:36-07:53 上毛高原
上毛高原 08:10-09:34 鎌田 09:40-10:05 丸沼高原スキー場
ロープウェイ山麓駅 10:25-10:35 ロープウェイ山頂駅

(登山行程)
ロープウェイ山頂駅 10:40
七色平(分岐点)   11:10
日光白根山     12:25-12:30
五色沼避難小屋   13:05-13:15
前白根山      13:40-13:45
五色山       14:05-14:15
弥陀ヶ池      14:40-14:45
七色平(分岐点)   15:15
ロープウェイ山頂駅 15:35

(復路)
ロープウェイ山頂駅 16:05-16:15 ロープウェイ山麓駅
丸沼高原 17:05-17:30 鎌田 17:40-18:37 沼田
沼田 18:52-19:37 高崎 19:46-21:24 赤羽
赤羽 21:26-21:40 新宿 21:51-22:29 相模大野
相模大野 23:00-23:15 大野小学校入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

上越新幹線を上毛高原駅で降りて、駅前でバスを待ちます。尾瀬方面行きの乗り場はこの通り平和でしたが、奥にある谷川岳行きはバスが2台出ても乗り切れず、バス1台分くらいの人数が積み残されていました。このあと乗ったバスで無線を聞いていると、これから手配するような様子でしたが、ちゃんとバスは来たのでしょうか。
私は写真中央手前の緑色系のザックの位置に並んでいて、大清水行きのバスはほぼ座席定員ちょうどの乗客数。そのまま尾瀬方面に向かった人と、私と同様に鎌田で丸沼高原行きに乗り換えた人とが半々ずつくらいでした。

丸沼高原に着いたのは10時過ぎ。最寄駅の始発を捕まえて、朝1番の新幹線に乗ったのに、バスを2台乗り継いでいる間にこんな時間になってしまうのですから、やっぱり奥日光は神奈川からだと遠いですね。
センターハウスで往復のチケットを購入して、ロープウェイの乗り場へ向かうと、ほぼ快晴の青空の下をゴンドラが次々と発着しているのが見えてきました。これならすぐに乗れそうだと、この時は思ったのでしたが‥‥。
しかし駅前にはかなりの列ができていて、ここで15分くらい待たされました。たかが15分で、待ち時間としては許容範囲ではあるのですが、この15分が元となり、のちに良からぬ影響を2つも招いてしまうことになります。
そうとも知らず、この時点では予報通りの天気の良さに上機嫌でゴンドラに乗り込みます。乗車時間は10分ほどで、しばらくすると、前方に日光白根山の頂上部が見えてきました。
山頂駅が近付くとともに、どんどん日光白根山の姿が大きくなってきます。


ロープウェイを降りて、山頂駅(右奥の建物)から出てきました。ここを起点にして1~2時間で歩ける散策コースや、無料の足湯(左奥の高台の上)があったりするので、周囲を見渡すと観光客のほうが多いくらいです。
このところ急に気温が下がっていたので、この日は防寒対策を万全にしていたのに、意外なことに標高2000mまで上がっても寒さはなく、力強い日差しを浴びていると暖かさすら感じられる、まさにハイキング日和でした。
前方にはドドーンと日光白根山。その凛々しい姿に、いやが上にも気分が盛り上がります。そして振り返れば、谷川連峰や尾瀬方面の山々がズラリと連なっていることを、ロープウェイの車窓から見ていたのですが、頂上でもっと素晴らしいパノラマが待っているからと写真を撮らなかったことを、後で後悔する羽目になるのでした。


歩き始めのうちは、観光客向けの散策路と重なっていることもあって、いたって穏やかな道です。
次第に登り坂が増えてきますが、まだまだ散策路なので、歩きやすい道が続きます。
分岐点ごとに案内図とともに分かりやすい道標があるなど、散策路はとても良く整備されていました。
散策路エリアの最後の分岐を過ぎると、本格的な登山道に変わって、山腹を徐々に登っていくようになります。
ところどころに急坂が現れますが、急坂が長く続くことはなく、割と登りやすい道です。でもその間は、似たような景色ばかりが繰り返されて(だから写真もこの1枚だけ)、変わり映えのしない道がしばらく続きました。


しかし長かった樹林帯を抜けたその途端、開放的な斜面が広がるようになって、一気に爽快感がアップします。
そしてその後は景色が次々と変化して、目を楽しませてくれました。ただ、ここなどは写真で見ると気持ち良さそうな道ですが、実際は砂礫のザレた地面にたびたび足を取られて、1歩1歩が少々苦しかった区間です。
頂上に近付くにつれて、次第に大きな岩が増えてきて、登山道もその中に入っていきます。
日光白根山の頂上は、下から見上げた写真でも良く分かる通り、3つのピークが隣接していて、最高点は中央のピークです。登山道がまず南側のピークに登り詰めると、小さなギャップを挟んだ先にその最高点ピークが見えてくるとともに、さすが百名山だけあって、頂上一帯がかなり賑わっている様子も目に入ってきました。
一旦小さく下ったら、あとは最高点ピークへの登りを残すのみ。最後は大岩の間を縫うように登っていきます。
すると、頂上を目前にして渋滞に巻き込まれました。頂上での撮影待ちの列らしく、しかも人を待たせていながら時間を掛けても平気な人が多いのか、なかなか列が前に進まないので、ほとんど停滞に近いような状況です。
しかし私は頂上での記念撮影などに一切興味がないので、律儀に順番を待つ意味がありません。登山道を外れても登れるルートが見つけられそうだったので(上の写真もそのルートから撮ったもの)、途中で列を離れて適当に頂上を目指すと、案の定、頂上では撮影会が延々と繰り返されていました(全くこれだから百名山は‥‥)。
せっかく来たので、一応三角点も撮っておきました。
行列にも閉口しましたが、重ねて残念だったのが、つい先程まで良く晴れていたのに、今しがた雲が出始めて、方角によっては完全に曇ってしまったこと。ロープウェイ待ちの15分が、こんな形で響いてしまったのでした。
西側はまだ、ロープウェイの車窓から眺めた時と比べると大いに霞みながらも、谷川連峰や尾瀬方面がなんとか見えていたのですが‥‥。 (下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します)
東側はすっかり雲に満たされていて、日光方面の展望はほほ皆無。眼下の五色沼と、それを囲む稜線(そこをこれから歩きに行きます)という、ごく近い範囲を見るのがやっとでした。
さて日光白根山の頂上は、3つのピークを合わせるとそれなりの広さがありますが、どこもかしこも登山者で賑わっています。落ち着いて寛げそうな場所が見つからず、展望も今ひとつですし、ロープウェイ待ちの分だけ、スケジュールもわずかに遅れ気味となっていたので、頂上では小休止にとどめて先へ向かうことにしました。


ということで、広い頂上部を前白根山に向けて歩き始めると、これから歩く稜線がさらに良く見えてきました。
はるか下に見下ろす五色沼を囲む稜線を、反時計回りに周回する計画で、これから目指す前白根山が写真右奥で地面が白っぽく見えているピーク、そこから稜線を左に伝って、雲にかかりそうにして尖って見えるピークがその次に向かう五色山です。そしてこの時点では、そのあとさらに五色沼の畔にも立つ予定でいました。
さらに右を向くと、奥白根山へ続く稜線の先に、中禅寺湖がうっすらと見えていましたが、写真を縮小したら分かりにくくなってしまいました(写真の中央少し左寄りで、稜線のすぐ上に写っています)。
3方向からの登山道が合流する日光白根山の頂上はもちろん、ロープウェイ駅からの登山道にも人は結構いたのに、前白根山への道に入った途端に人が激減して静かになりました。百名山では良く見る光景ですが、きっと多くの人たちは日光白根山に登りさえすれば満足で、その周囲の山になんて興味を持っていないんでしょうね。
やがて奥白根山への道は急斜面に入り、五色沼とほぼ同じ高度まで一気に下ります。大小の岩がゴロゴロ転がる上、ザレて足を取られやすい地面での急降下が続くので、ここは得手不得手が大きく分かれるところでしょう。
この日は、先週ソールが剥離してしまったファイブテンのシューズ「キャンプフォー」を早速買い換えて臨んでいて、ステルスソールがしっかり岩を捉えてくれるので、足元に何の不安もなく軽快に下ることができました。
長かった急坂をようやく下り切って、ほぼ平坦な道に変わると、前方に五色沼避難小屋が見えてきました。
五色沼避難小屋の前で、この日初めて腰を下ろしての休憩を入れました。ここは分岐点になっているので、これまで歩いてきたペースを計画と比べて、この先どのコースを歩くかの最終判断をしようと思っていたからです。
もし予定より大幅に遅れていれば、稜線歩きをやめて五色沼直行プランに変更するところですが、時間を確認すると、相変わらずロープウェイ待ちの15分だけ遅れているという状況。これなら、あとで微調整を入れる必要はあるかもしれないけれど、大きな計画変更はしなくても良さそうで、予定通り稜線に向かうことにしました。


ここから、前白根山と五色山をプチ縦走する形になりますが、高低差の大きな登り下りがない、気持ち良く歩ける稜線が待っているはずです。五色沼避難小屋からの登り返しも、わずか10分ほどでその稜線に上がりました。
とても見晴らしの良い稜線で、これから歩く前白根山までの道がすべて見渡せました。
稜線の反対側は、少し前までよりも雲が少なくなっていて、中禅寺湖の湖面がしっかり見えてきていました。
この日2つ目のピーク、前白根山の山頂に到着です。頂上直下がザレて歩きにくい斜面になっていたので、わずか60mほどの標高差が、そろそろ疲労がたまってきている足には少しこたえました。
前白根山は平坦で広い山頂部を持っていますが、周囲で休んでいた人をすべて合わせても10人ほどという静けさです。標識の先に見えている日光白根山が、今もまだかなり賑わっている様子なのとは好対照でした。


次に向かう五色山までの道も全部見えていて、穏やかで気持ち良さそうな稜線を歩くのが今から楽しみです。もしスッキリと晴れていれば、見た目にももっと爽快な景色だっただろうと、その点が少し惜しまれますが‥‥。
五色山へ向かう途中で、右手側の景色が開けると、湯元温泉あたりが見えてきました。そちらに下るコースも2つありますが、どちらもかなり厳しい下りなので、そこを歩くには相応の覚悟をして臨む必要がある模様です。
穏やかに見えた五色山への道は、五色山の手前で思っていた以上に下っていて、しかも登り返しが少し急だったので最後は少々こたえました。とはいえその登りも50mほどのこと、さほど時間はかからず五色山に到着です。
五色山は無人で静まり返っていました。まぁ、中途半端な地点にいるには、そろそろ遅い時間になりつつあるので(なにしろ歩き始めが10時40分なんて時間でしたから‥‥)、誰もいないのも当然だったかもしれません。
五色山からは、すぐ下に五色沼を見下ろせます。ただこの時間は太陽と同じ方向になっていて、水面が日光を反射してしまうので、せっかくの綺麗な色があまり良く分かりません(右上は日光白根山です)。
それでも、雲が時折光の加減を変えてくれると、神秘的なエメラルドグリーンの水面が現れたりもしました。


五色山からの下りは、ササ原の中を進みます。斜面が緩やかなうちは、なかなか雰囲気が良かったものの、次第に傾斜がついてくると、道が深く掘られたりしていて、必ずしも歩きやすくはありません。
下るにつれて五色沼が近付いてきます。当初の計画では沼の畔まで行って、その美しい水面を間近から愛でる予定でしたが、このあたりで見納めとすることになりました。
その訳は、計画からの15分の遅れが、ここまで来ても挽回できていなかったからです。そこで、五色沼への寄り道を取りやめて、この分岐点からロープウェイ駅へ直行する近道に入り、少し時間を浮かすことにしました。
(計画にはある程度の余裕を見てあるので、少々遅れても実際には全く問題にはなりませんが、かといってロープウェイの運行時間内(~16:30)に駅まで戻れないと大変な事態になるので、ここは万全を期しています)
弥陀ヶ池に到着。ここも、午後3時に近いという時間だからか、ほとんど人がいなくてひっそりとしています。
ここまで来れば、いい加減ロープウェイ駅までの所要時間が計算できるので、ゆっくり休んで行けるものと思っていました。しかし、距離や高低差などを元にした計算では相当の余裕があるはずなのに、現地の案内図が、その倍近い時間が掛かるとしているのを見て少し不安になります。静かな池畔の雰囲気をもっと噛みしめたいところでしたが、地図には現れない難所でもあるのかもしれないと、とりあえず先に進んでおくことにしました。


弥陀ヶ池の時点で、あらかた下ってきた気になっていたのですが、その先にも大きな下りが延々と続いていて、なかなか終わりが見えません。一体いつまで下るのかと、このあたりで少々ウンザリしてしまっています。
それでも、七色平の小さな湿原が見えてくれば、長い下りもようやく収束します。
小さな湿原の先には七色平避難小屋が建っていて、その脇を通過していくと間もなく・・・
見覚えのある地点に出ました。ほんの4時間ほど前に、日光白根山へ向けて歩いていた道に戻ったのです。あとはロープウェイの駅まで、遊歩道に近い道を引き返すだけなので、もう何の心配もいらないのでした。
結局ロープウェイの駅には、ほぼ自分で計算していた通りの時間で戻ってこられました。案内図に表示されているコースタイムに惑わされましたが、きっとそれは観光客向けにゆっくり歩く設定で書かれているのでしょう。


日光白根山を振り返ると、再び良く晴れてきているような。雲が多かったのは昼過ぎだけだったのでしょうか。
足湯がある高台に登ると、山裾が良く見えるようになって、少し違う印象の見え方になりました。
そしてこちらが、最初に来た時に写真を取り損なった、駅前からの西側の展望です。朝はまだ、武尊山の左後方に谷川連峰が見えていたのですが、この時間になるとすっかり霞んでしまっていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
時間はたっぷりあるので、最後はこの「天空の足湯」で少しゆっくりして行きます(たまたま人のいない一角を撮りましたが、実際には多くの登山者や観光客が展望を楽しみながら足湯に浸かっていました)。
ロープウェイで丸沼高原まで下りてきたら、最後はセンターハウス前でシャトルバス(無料)を待ちました。
 (写真左端に写っている、ベンチのある一角がシャトルバス乗り場です)
普通の路線バスは、14:20発などというあり得ない時間に最終が出てしまって、到底間に合わないので、ロープウェイ会社が運行してくれているらしいこのシャトルバスがなかったら、今回の計画は実現しませんでした。

タグ:上信越
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