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鼻曲山・天丸山 [上信越]

2016/11/05(土)

■第337回 : 鼻曲山(1655m)・天丸山(1343m)


やってしまいました、道間違い。しかも今回は、後戻りする気が起こらないような地点まで下ったあたりで、ようやく気付くという体たらく。そんな日に限って、雲ひとつない快晴で絶好の展望日和だったのでした‥‥。

この日の当初の予定は、鼻曲山 → 氷妻山 → 浅間隠山という3山縦走ルートです。
しかし、鼻曲山から氷妻山に向けて歩き始めた直後に、あったはずの分岐を完全に見落としてしまいます。気付いた時には、全然違う方向に相当な距離を歩いていた上に、かなり高度も落としていました。元のルートに戻るには、鼻曲山の頂上まで登り返すしかありませんが、その後でさらに縦走を続けるのは体力的に厳しそうです。

とはいえ、この日は鼻曲山の登り下りだけで行動を終えては勿体ないほどの好天。たまたま下った先に遊歩道があったので、それからは気持ちをハイキングに切り替えて、最後に天丸山からのパノラマを楽しんできました。

 累積標高差(登り):689m / 距離:13.3km / 歩行時間:3時間35分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 04:45-05:17 東神奈川 05:18-05:20 横浜
横浜 05:25-05:52 東京 06:28-07:34 軽井沢
軽井沢 08:00-08:18 長日向

(登山行程)
長日向バス停  08:20
鼻曲峠分岐   09:10-09:15
鼻曲山     09:35-09:50
スカイパーク  10:25-10:30 (展望台)
国境平     10:55
天丸山     11:50-12:05
浅間牧場バス停 12:35

(復路)
浅間牧場 12:52-13:26 軽井沢 13:55-14:46 大宮
大宮 15:27-16:29 横浜 16:35-17:18 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

朝一番の新幹線で軽井沢へ。最低気温の予想が氷点下だったので完全な冬装備で来ましたが、到着した時点でもう厳しい冷え込みはなく、力強い日差しには温もりすら感じられました。でもさすがに吐く息は白かったです。
バスのりばで8時発のバスを待ちます。少し分かりにくい写真になりましたが、右のほうに写っているのは2013年に登った離山で、その右肩にちらっと顔を出していた浅間山は、頂上部にうっすらと冠雪が見られました。


長日向バス停から歩き始めます。
はじめは別荘地内の車道を進みます。
やがて沿道に建物を見なくなると、間もなく林道と交差します。直進方向を道標が案内していました。
その後も当分の間は林道が続きます。車の轍が見られるので、今でも林業の作業道として使われているのかも。
車道だけに緩やかな傾斜が続いて、楽に歩くことができます。それでも登りは登り、だんだん身体が暖まってきたので、このあたりでジャケットを脱いでフリース姿になりました。
カラマツの黄葉は落葉が進んでいたものの、その名残は楽しむことができました。退屈に感じることの多い林道歩きですが、ここでは道幅が広めの登山道と思えなくもなく、景色はそこそこ綺麗ですし、緩やかな坂道を楽に登れていますし、カラマツの落ち葉でフカフカの地面が足にも優しくて、こういう林道なら悪くないです。
結局、別の林道と交差するこの地点まで、ほとんど道幅は変わりませんでした。


十字路を直進した先も、カラマツの植林が続いている間は道幅が広かったのですが‥‥。
景色が変わって雑木林の中を進むようになると、次第に山道っぽい細い道になって、傾斜も強まってきました。
気温がグングン上がっているようで、次第に小春日和どころかポカポカ陽気になってきます。風がほとんどないくらい穏やかに晴れていることもあり、登り続けているとフリースを着たままでは汗をかかされるほどでした。
歩き始めて小1時間ほどのこの地点で小休止。以前はここが鼻曲峠への道を分ける分岐点になっていましたが、その道はかなり前から通行止めになっています。かなり暑くなってきたので、ここでフリースを脱いだら、意外にもこの日はもう頂上でも寒く感じることがなくて、以降はほぼずっと山シャツ姿のままで過ごせました。


かつての分岐点を過ぎると、急に傾斜がきつくなりました。斜面がやや荒れているため、足場も良くありませんし、段差の大きな箇所も多くて、この区間はかなり苦しく感じています。
急登が収まると、道はササの中に入っていきます。このあたりまで来ると、視線の先に時々頂上部を捉えられるようになったのですが、うまく写真に撮れるような地点はありませんでした。


最後に、足を取られやすいザレ場の急登を、補助ロープに助けられて登っていくと、鼻曲山の頂上に出ました。
鼻曲山は大天狗・小天狗の2つのピークからなり、着いたのは小天狗で、この通りほとんど何もありません。一般的には大天狗が頂上とされていて、頂上標識もそちらに立っているようなのですが、国土地理院のデータでは小天狗のほうが標高が高く、実際に現地でもそう見えていたので、この記録ではここを頂上としています。
西側にドーンと浅間山、というのを期待していたら、一応見えている、という程度にとどまっていました。この時期だからどうにか見えていたものの、樹木が葉を茂らせていたら、満足には見られなくなってしまいそう。
そして北側に見えていたのは、次に向かう予定だった浅間隠山。こちらも落葉期でなければ、頂上だけの眺めになりそうです。さらに右奥のほうに目を向けると、稜線が雪化粧した谷川連峰を望むことができました。
鼻曲山からの展望は、なんといっても開けていた南側でした。雲が全くないばかりか、空気もかなり澄んでいたようで、富士山や木曽駒ヶ岳といった遠くの山々まで見渡すことができています。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


さて鼻曲山からは、氷妻山経由で浅間隠山を目指す予定にしていて、その方向はてっきり1本道だとばかり思っていました。下は当日も持参していた登山地図ですが、北側には登山道が1本しか描かれていないからです。
ところが、実際は頂上直下に分岐があったことを、のちに知ることになります。帰宅途中の書店で、最新版の登山地図を確認すると、確かに私が持っている版にはない登山道が記載されていたのです(上の地図にマウスを乗せると、最新版の状況を表示します)。持っている地図は2008年版だったので、いい加減買い換えなければ。
分岐があるとも知らず、恐らく散漫な注意力で歩いていた私は、道標すら立っていたはずの分岐点を完全に見過ごして、国境平へ下る予定外のルートに進んでしまったのでした(ネットの情報によると、その分岐点では氷妻山への道がササに覆われがちで、国境平への道のほうが明瞭に見えるとされ、それも影響したようです)。


鼻曲山を後にすると、間もなく登山道はササに埋もれるようになります。今になって考えると、この時すでに予定ルートから外れていたようなのですが、上の地図でも見られる通り、予定ルートに「ササ・カヤト帯(迷)」の注記があるのを見ていたため、現地ではそれが現れたと思っただけで、何も不自然には感じませんでした。
続いて現れたのは長い長い急降下。傾斜がきつい上に足場が悪く、ロープを頼らないと難儀するほどの状況が、これまた予定ルートの「急坂」という注記に符合したので、予定通りに歩けているとばかり思っていました。
急降下を過ぎると、次第に傾斜が緩んで、平坦に近い区間も現れるようになり、これも地形図から読み取れる予定ルートの状況と全く同じなのです。おかしな点が少しでも出てきていれば、方位なりGPSなりを確認したと思うのですが、ここまでのところ、予定通りのルートを進めていることを疑う理由が何もなかったのでした。
ここから道は登りに変わり、目の前の小さなコブを越えていきます。するとその先に、氷妻山への大きな登り返しが現れるはずなのに、それが見えてこなかったことから、次第に違和感を覚えて不安になり始めていました。
!!!
突如として、大きく開けた場所に出ました。氷妻山へ行く途中に、地図でこんな場所あったっけ? しかも前方の稜線は下る一方で、この先に現在地より高い所がもう見当たりません。何かを間違えているのは明白でした。
目指していたはずの浅間隠山はどこ?、と思って周囲を見渡すと、右後方を振り返るようにした時に、木立の間にそれらしい姿の山が見えていました。全然違う方向に来てしまっていると分かって、愕然とした瞬間です。
慌ててGPSを確認して、北に伸びる稜線伝いに歩く予定だったのに対して、実際には北西の稜線に沿って進んで来ており、鼻曲山の頂上を出た直後にはもうルートを外していたらしいことを知ります。
現在地は、軽井沢スカイパーク(冬季はスノーパーク)のリフト頂上駅付近にある展望台でした。2つ前の写真に写っている展望図にも「SKY PARK / SNOW PARK」と書かれていて、間違いありません(7枚上の地図画像にマウスを乗せた時に現れる「■展望台」の位置に当たります)。

幸いこの場所には休憩舎があったので、腰を下ろし落ち着いて今後の作戦を考えることができました。
できれば予定通りに浅間隠山へ向かいたいところですが、すでに書いた通り、全然違う方向に相当な距離を進んだ上、かなり高度も落としています。鼻曲山に登り返してさらに縦走を再開するのは厳しいと判断しました。
とはいえ、この晴天でこのまま行動を終えるなんてあまりに勿体なさすぎます。地図を見ていて、バス道路に向かう方向に、白糸ノ滝と浅間牧場を結ぶ遊歩道があることが分かったので、そこを歩いてみることにしました。
それにしても、バス路線がある西側への道間違いだったのは不幸中の幸いだったと思います。もし反対側の東側へ下ってしまっていたら、帰ってくるためには鼻曲山に登り返すしかなかったことでしょう。


腹が決まったら、せっかく来たのですから、このスカイパークからの展望も楽しんでおきましょう。鼻曲山では樹木に邪魔をされてスッキリとは見られなかった北側が大きく開けていて、なかなか爽快な眺めでした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
展望を楽しんだらスノーパークのゲレンデに向かいます。澄み渡った青空の下、浅間山の堂々たる姿を正面に見ながら、見頃が過ぎたとはいえまだまだ見事な秋色の中を下るのは、決して悪くない気分だったのですが‥‥。
前の写真でも右端に写っていますが、浅間山の裾野の先に、北アルプスの峰々がクッキリと見えているのが壮観で、でもそれが逆に空しくも感じられました。よりによって、なぜこんな絶好の日に道迷いをしてしまったのだろう。浅間隠山に登れば、頂上では360度の大展望が待っていたはずで、できればそれを楽しみたかったです。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
実は左手の稜線にちゃんとした登山道が存在していたことを、あとで最新版の登山地図を見て知ることになるのですが、この時はそうとは知らず、ゲレンデが歩きやすそうなのをこれ幸いと下っていました。でも樹林の中の登山道を歩くよりは、こちらのほうが景色を楽しめたと思うので、これはこれで良かったのかもしれません。


スキーゲレンデを下りきったら、軽井沢スカイパークの前の車道に出て、しばらくはこの車道を歩きます。
何も標識はなかったけれど、地図によればこのあたりが国境平でした。昔は近くに草軽電鉄の駅があったとか。
周辺に点在するゴルフ場などのリゾート施設にだけ通じているような道路なので、車の往来が少なくてのんびり歩くことができますし、カラマツの黄葉もなかなか綺麗です。
そう、景色は確かにいいんですよ。でも、こんなにいい天気なのに、なんでこんな低いところを歩いているのだろうかという思いもあって、少々複雑な心境でした。
車道を歩いている間は、ずっとこんな景色でした。道の右側に沿って続いている緑色は、ゴルフ場の芝生です。


景色にほとんど変化がなくて、少し長く感じた車道歩きも、ようやく遊歩道と交差する地点に着きました。
ここから遊歩道を北上して、天丸山を経て浅間牧場まで、ほとんど平坦な4kmほどの道のりを歩きます。ちなみに反対に南下すると、2013年に小瀬から白糸ノ滝を経て峰ノ茶屋まで歩いた信濃路自然歩道に出られます。
はじめは右手のゴルフ場と左手の牧場に挟まれた窮屈な道で、風に乗ってウ○チ臭が漂ってきたりしました。
しばらくすると、牧場の端を歩くようになりました。
どんどん景色が開けてきます。
正面に浅間隠山が見えてきました。この青空ですから、もし登っていれば素晴らしい展望が楽しめたのにと悔やまれます。浅間隠山には再度チャレンジする予定ですが、これほどの好天にはそうそう当たらないだろうなぁ。
そして振り返れば、牧場越しに浅間山。左側の裾野の手前には、2013年に登った小浅間山を従えています。
右側の樹木が途切れた場所では、鼻曲山から浅間隠山にかけての稜線を見渡せました。実はこのあと登る天丸山からでは、この方向に少し木立があってスッキリとは眺められなかったので、ここでパノラマを撮っておいたのが正解だったのです。もし予定通りに歩けていれば、今頃は二度上峠から浅間隠山を目指していたでしょうか。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


天丸山が間近に迫りました。ま、山というよりも丘ですかね。以前から気にはなっていたのですが、単独で目的地にするほどの場所でもなく、なかなか来られなかったので、今回の道間違いが良い機会にはなりました。
ここから天丸山への登山を開始します。ってことはここを登山口と言えなくもないのかな。登山道は全長にわたり木段が整備されていて歩きにくい箇所はなく、頂上までの標準コースタイムは1分ってとこでしょうか(笑)。
あっという間に登頂を果たしてしまいます。後方に見えているのは浅間隠山。
実態が小さな丘に過ぎないので頂上も広くはありませんが、標柱・三角点と2つのベンチのほか、展望図まで設置されていて、山頂として一丁前の風情を醸し出しています。そしてここからの展望が、またそれに見合う見事なものでした。その展望の見事さが、ここを「山」と呼ばしめているような気がします。
その展望の主役は、なんといっても浅間山でした。
南東側を見ると、最初に登った鼻曲山が結構遠くに見えて、かなりの距離を歩いて来たことが実感できる眺めです。頂上から左に延びる稜線に向かうはずが、間違って手前に歩いてきてしまい、中腹にあったスカイパークの展望台からは、ここからも良く目立って見えているスキーゲレンデの中を下ってきたのでした。
このほか、北西側も大きく開けていて、群馬・長野県境の山々が良く見えていました。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


展望を楽しんだら、天丸山を後にして浅間牧場に向かいます。遊歩道の続きとはいえ、天丸山から先はずっと舗装道路に沿うようになり、遊歩道までもが舗装されていたので、なんとなく消化試合感が否めなくなりました。
ちょっと写りの悪い写真になってしまいましたが、途中には飼育舎があって、間近に牛の姿を見ることができました(それまでは、広々とした牧場で放牧されている牛を、遠くから見るだけだったのです)。
しばらく歩くと、ポルシェやフェラーリといった高級車を含むレーシングカーが何台も並んでいる一角に出ました。この日は浅間牧場などを会場とした「浅間モーターフェスティバル2016」が開催され、レースやパレードなどが行われていた模様で、ここが待機場所になっていたようです。
最後に牧場エリアを離れて坂道を下って行くと、前方に茶店や売店などの建物が見えてきて、もうゴールは間近です。時計を見るとまだ12時台、道間違いをしたおかげで、かなり早く帰れることにはなりました。
ここにも高級車がズラリと並び、その周囲も関係者やギャラリーで賑わっていました(だから、イベントのない時にはもう少し落ち着いた雰囲気の場所なのかもしれませんね)。
この茶店で食事ができるようなので、時間があれば寄りたいところですが、まずはバス停を探さなければ。
バス停も2008年版の登山地図が示す場所になくて、少し焦りましたが、少しウロウロしていたら、国道に出たところで見つかりました。こんな早い時間のダイヤは未確認でしたから、気になっていた時刻表を真っ先に見ると、なんと約10分後にすぐ来る便があって、何も分からずに歩いていたにしては上出来です。その便を逃すと、次を1時間以上待つことになるので、食事は後回しにして、まずは軽井沢駅に向かってしまうことにしました。

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