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大台ヶ原 [関西]

2016/11/12(土)

■第338回 : 大台ヶ原(日出ヶ岳・1695m)


今回は関西に遠征して、吉野熊野国立公園の大台ヶ原に行って来ました。さすがに日帰りできる距離ではないので、この時期にしてようやく今年最初の、そして今年唯一になりそうな前日発の行程を組んで出掛けています。

先週に続き、この日も雲ひとつない快晴で、しかもそれが行動時間中ずっと続く絶好のハイキング日和。最高点・日出ヶ岳からの360度の大展望をはじめ、断崖絶壁の大蛇嵓からのスリリングな絶景や、立ち枯れた樹木が醸し出す荒涼とした風景といった大台ヶ原らしい風景の数々を、抜けるような青空の下で堪能できています。

 累積標高差(登り):463m / 距離:7.6km / 歩行時間:2時間25分 (休憩除く) 
(参考) 同コースの標準時間:3時間40分 

(往路)
[前日] 長久保 15:15-15:21 古淵 15:36-16:02 新横浜
    新横浜 16:19-18:17 京都 18:46-19:24 大和西大寺
    大和西大寺 19:25-19:31 近鉄奈良(泊)
[当日] 近鉄奈良 06:34-06:40 大和西大寺 06:48-07:15 橿原神宮前
    橿原神宮前 07:27-08:18 大和上市 09:00-10:51 大台ヶ原

(登山行程)
大台ヶ原バス停 10:55-11:15
シオカラ谷吊橋 11:15
大蛇嵓     11:50-11:55
牛石ヶ原    12:05
尾鷲辻     12:15
正木ヶ原    12:25
正木嶺     12:45
日出ヶ岳    12:55-13:15
大台ヶ原バス停 13:45

(復路)
大台ヶ原 14:30-16:21(早着16:07) 大和上市 16:11-17:42 大阪阿部野橋
天王寺 17:50-18:12 大阪 18:15-18:19 新大阪
新大阪 18:30-20:44 新横浜 20:53-21:17 古淵


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

今年はなにかとトラブルに見舞われ続きなのですが、今度はこれでした。京都駅で新幹線を降りたあと、奈良線のホームに移動して、乗る予定の電車を並んで待っていたら、なんと人身事故発生のアナウンスが‥‥。
初訪問の地で全く土地勘がなく、お手上げに近い状況だったものの、駅の窓口に行くと分かりやすい案内が用意されていました。そしてそれを見ると幸いにも、京都-奈良間はJR線と近鉄線がほぼ並走しているではありませんか。だから迂回経路が分かりやすかったですし、時間のロスもほとんどなく済んで、事なきを得ています。
(左下は近鉄線で配られた振替乗車票。関東ではあまり見なくなっていて珍しかったので、一緒に写しました)

近鉄線に振り替えたので、近鉄奈良駅に到着して、ホテルも駅の目の前にありました。それなのに、翌日のJRのキップを奈良に到着してから手配する予定だったため、わざわざ少し離れたJR奈良駅まで歩いて来るハメに。せめて京都駅で機転を利かせて購入しておけば良かったのに、急なトラブルでそこまで気が回りませんでした。
金曜日はバタバタしましたが、時間のロスがなかったのが幸いして、当初の予定とあまり変わらない時間にホテルにチェックインでき、夜もゆっくりと眠れました。明けた土曜日は、目の前の近鉄奈良駅からスタートです。
近鉄線は色々な車両の寄せ集めでしたが、最初に乗った車両のシートはなかなか画期的でした。ロングシートが個別の椅子を繋げた形状をしていて、2脚ごとに肘掛けまで備えています。これなら、全員が1人分の幅を守って気持ち良く座れそう。ただ、その肘掛けにスペースを割いたゆえか、7人掛けにはできていなかったけれど。


前置きが長くなりましたが、近鉄線の電車を3本乗り継ぎ、大台ヶ原への玄関口となる大和上市駅に到着です。
大台ヶ原行きのバスは1日2往復で、第1便は2台出されました。乗車時間は2時間近くに及びます。
大台ヶ原に到着しました(着いた時に写真を撮り忘れて、これは帰りの便を待つ間に撮ったものです)。
200台以上を収容できる大駐車場には、多くの車がほぼビッシリと停められていました。


高原状の大台ヶ原は、東西の2エリアに分けられていて、今回歩くのは東大台をぐるっと1周するコース(西大台は利用調整地区に指定されているため、利用には事前申請が必要で、1日の利用者数も制限されています)。
反時計回りの場合、歩き始めはこの入口から。標準コースタイムは約4時間で、その通りに歩くと帰りのバスは第2便になりますが、もしもそれに遅れると一大事なので、3時間半後の第1便に間に合わせるのが目標です。
最初は平坦に近い歩きやすい道です。ただ、穏やかに晴れているように見えますが、この時は冷たい北風がかなり強く吹いていて、山シャツの上にフリースとジャケットを重ねた真冬の格好で対応することになりました。
反時計回りにすると、まず最初に一番低い地点まで下ってしまうので、やがて下り坂が始まります。
次第に傾斜が増して、グングンと下るようになり、あっという間に150m以上を下ってしまいます。


シオカラ谷の流れまで下ったところで、この吊り橋で谷を渡ります。
割とガッシリとした造りの吊り橋で、あまり揺れませんでした。
吊り橋の上から見るシオカラ谷は、すっかり落葉していて寒々しい景色でした。


吊り橋を渡ると、すぐに登り返しが始まりました。傾斜は急で、段差の大きなところもあり、このコースで一番苦しいところです。多くの観光客はこの区間を避けるようにして易しいコースを選んでいるらしく、シオカラ谷の前後を歩いていたのは登山者くらいで、静かな雰囲気を味わえました。
途中で一旦は傾斜が緩んで、歩きやすい道になりますが‥‥。
ほどなく急な登りの再現となりました。確かにこんな道を観光客が歩くのは厳しいでしょう。なお、風が強いエリアから抜けられたことと、道が登りに変わって身体が暖まってきたことで、ジャケットは不要になりました。
急登が収まるとほぼ平坦な道に変わって、ササに地面が覆われた美しい森を気持ち良く歩けるようになります。


すぐに大蛇嵓への分岐点に出ました。大蛇嵓を往復した後で歩く正面方向の道は、シオカラ谷を経由しないアップダウンの少ないコースで駐車場と結ばれているので、このあたりから観光客の姿が増えてきています。
分岐した道を緩やかに下っていくと、次第に露岩の上を進むようになり、道幅も狭くなって険しさが増していきます。そして最後にこの岩頭を越えたら、その先に大蛇嵓のスリリングな絶景が待っていたのでした。
細長くせり出した岩場は、両脇と前方が大きく切れ落ちていて、谷底までの標高差は1000mに達するとも。さらに、そんな深い渓谷を隔てて雄大な景色が視界いっぱいに広がっているさまが、もう圧巻でした。
高度感に加えて、風が強かったこともあり、少し足がすくみましたが、一応岩場の先端まで下りてみました。
こちらが大蛇嵓からの大パノラマ。西大台の山並みの先に、大峰山脈を一望です。その山容の険しさはこの距離からでも十分に窺うことができ、大峯奥駈道が修験の道であることを納得できる眺めでした。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
右手の蒸籠嵓という絶壁にはクライマーの姿があり、かなり上まで登ってきているところでした(丸印)。


元の道に戻ると、間もなくササ原が広がる牛石ヶ原に出ました。
開放的でとても気持ちの良い場所です。しかも雲ひとつない青空の下でしたから、爽快感もひとしおでした。
牛石ヶ原の東端には休憩できるスペースがあって、多くの人たちが足を休めています。でも私は、帰りのバス(第1便)に余裕を持って間に合わせたかったので、日出ヶ岳までは休まずに歩いてしまうことにしました。
前の写真でも左端に写っていますが、牛石ヶ原には東征神話にちなんだ神武天皇像が立っていました。


牛石ヶ原を過ぎても、しばらくは同じような景色が続きます。
その後、林間の道に変わると、休憩舎の前を通過していきます(写真は振り返って撮ったもの)。
休憩舎が建っていたのは尾鷲辻。すぐ先に分岐点があって、駐車場からの歩きやすそうな道を合わせました。


尾鷲辻からは緩やかな登りが続いて、こんもりとした丘のようなピークに上がったところが正木ヶ原です。
正木ヶ原にはちょっとした木道があって、その先にさらに高い場所が見えていました。
見えていたのは、最高点の日出ヶ岳かと思ったらそうではなく、次に登る正木嶺だったようです。


正木ヶ原から鞍部に下ると、木段の登りが始まりました。この先は正木嶺を越えて日出ヶ岳まで、ほぼ全ての区間が木段か木道になっていて、木段の下を覗くと、深く抉れたかつての登山道が隠れているのが分かります。
大台ヶ原は駐車場から山頂を目指すだけなら、標高差がほんの100m少々しかなく、最も簡単に登れる百名山のひとつ。その手軽さゆえ登山道がオーバーユースになっていて、こうして保護するしかなかったのでしょうね。
木段を登っている途中、右手側には何箇所か展望デッキがありました。
そう、ここまで上がってくると、遠くに熊野灘が見渡せるのでした(少し霞んでいて分かりにくいですが)。
鞍部から続いている、トウヒという樹木が立ち枯れた白骨林も、大台ヶ原を象徴する景色です。1959年に伊勢湾台風が甚大な倒木被害をもたらした上に、近年は鹿の急増といった要因も加わり、現在の姿に至っているとか。


正木嶺はこの通り開けたピークで、ほぼ全方向に展望がありました。
が、展望は最高点の日出ヶ岳からのほうが一枚上だったので、写真は熊野灘を望んだ1枚だけにしておきます。
そして前方には、これまで正木嶺に隠されていた最高点の日出ヶ岳が、ようやく見えてきました。
日出ヶ岳はもう指呼の距離。頂上の展望台が良く見えますし、そこまでのアップダウンも大したことなさそう。


正木嶺から木段と木道を下って、日出ヶ岳との鞍部にある分岐点まで来れば、この日の行程ももう残りわずか。まずはここを直進して日出ヶ岳を往復したあとで、最後に左の道に入ってバス停がある駐車場へと戻ります。
日出ヶ岳への最後の登りが始まりました。ここからの高低差なんて大したことないと思っていたら、この区間の木段は大きな段差ばかりが続くので、途中で何度か足を止めて息を整えつつでないと登れません。急登の苦しさも手伝って、かなり暑くなってきたので、ここでフリースを脱いで山シャツ姿になりました。
とはいえ、そう長い登りではありませんので、頑張って登っているうちに山頂が近くなってきました。


大台ヶ原の最高点・日出ヶ岳に到着しました。さほど広くはない山頂ですが、人の数は思っていたよりずっと少なくて、何も不自由なことがなかったのが意外です。駐車場に停まっていたたくさんの車で繰り出してきた人たちは、今頃一体どこにどう散らばっているのだろう?
日陰になっていたため写りの悪い写真になってしまいましたが、山頂部のほぼ真ん中、展望台の階段のすぐ前に三角点があって、展望台の上を除けばそこが一番高かったようです。
展望台に登らなくても、素晴らしい眺めが広がっていましたが、かといって登らないわけにもいきませんよね。
ということで、360度の眺望が楽しめた展望台の上からのパノラマ写真を載せていきます。まずは西側の眺めで、大蛇嵓から見た時と同様に、大峰山脈の峰々がほぼ全部見渡せていたのではないかと思います。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
次いで北側には台高山脈の峰々。こちらは私には馴染みが薄く、あまりピンと来ない山名が多いのですけれど。
  ※下の写真は山名ガイドを入れた縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
そして東側には、熊野灘が大きく広がっていました。条件が良ければ水平線の先に見えることがあるらしい富士山は、さすがに分かりませんでしたが、でも御嶽山らしい形の山が浮かんでいるのはしっかり見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
このように、どの方角にもほとんど雲らしい雲がなく、遠くまでクリアに見渡せたのが嬉しかったですし、またこの時間になるとかなり暖かくもなってきて、いくらか風があった山頂での休憩中も含めて、このあと駐車場に帰るまでずっと山シャツ姿のままで快適に過ごせたのも良かったと思います。


展望を堪能して、日出ヶ岳を後にしたら、鞍部の分岐点に戻ります。正面のピークは先ほど登ってきた正木嶺。
分岐点から駐車場への道は、はじめのうちはそれなりの下り坂が続きましたが‥‥。
やがてほぼ平坦な道に変わると、以降は鼻歌を歌いながらでも歩けそうな道が駐車場までずっと続きました。


スタート地点まで戻ってきました。大駐車場では、相変わらず多くの車がひしめき合っています。
目論見通り、バスの出発時刻にかなりの余裕を持って戻ってこられたので、左側に写っている上北山村の物産店で、お土産などの買い物をする時間が取れました。
バス停に列ができ始めたので、ザックを置いて順番を確保します。復路の第1便も2台で運行され、このうちほとんどの人が乗れた1台目が、直通便として途中バス停での乗降をせずに走ってくれたため、大和上市駅には予定よりもかなり早く到着。当初の計画の1本前の電車に乗り継げて、30分ほど早く帰宅することができました。

タグ:関西
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