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御嶽山・古賀志山 [栃木]

2017/12/16(土)

■第368回 : 御嶽山(560m)・古賀志山(582m)


今回の行先は栃木県宇都宮市にある古賀志山。稜線上のあちこちに様々な難易度の岩壁が点在して、クライマーに人気のある山です。登山者向けにも、岩尾根をクサリ場やハシゴで登下降するような変化に富んだルートがいくつもある中で、岩場らしい岩場のない穏やかなコースを選んで歩いてきました。

頂に立った2つのピークのうち、周囲が開けた御嶽山は日光連山の格好の展望台となっています。積雪はまだ期待よりもずっと少なかったのですが、冠雪した山並みが銀白に輝く、この時期ならではの展望が楽しめました。

 累積標高差(登り):500m / 距離:11.0km / 歩行時間:3時間15分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:22-06:55 大宮 07:13-08:18 宇都宮
宇都宮 08:45-09:20 ニューサンピア栃木

(登山行程)
ニューサンピア栃木バス停 09:25
南登山道駐車場      10:00
不動ノ滝         10:25
御嶽山          10:55-11:05
古賀志山         11:15-11:30
東稜見晴         11:35-11:40
富士見峠         11:50
赤川ダム         12:30
森林公園入口バス停    13:10

(復路)
森林公園入口 13:33-14:10 宇都宮 14:36-16:14 新宿
新宿 16:20-16:53 相模大野 17:05-17:20 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

宇都宮駅で鉄道からバスに乗り換えて、ニューサンピア栃木というバス停で下車します。ここは古賀志山の滝コースの登山口に最も近いバス停になるはずですが、クルマ社会地域の山ゆえにバス利用の登山者など滅多にいないのか、古賀志山への道案内が全くないなど、一般的に登山の起点として想定されていない場所のようでした。
ニューサンピア栃木の前を通って、そのまま奥へと進みます。このリゾートホテルには、温泉やレストランなど日帰りで利用できる施設もあるので、逆コースを組めば帰りにここでゆっくりする手が使えそう。
途中の車道からは、古賀志山の主稜線全体をスッキリと眺められました。全部を縦走するには難所をいくつか通過する必要があるので、今回は右のほうの御嶽山から古賀志山までの稜線歩きにとどめた計画となっています。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


歩き始めて25分ほどで、県道70号線を横断します。かつてはこの県道をバスが走っていて、この交差点に「古賀志山入口」なるバス停があった模様ですが、その路線はかなり前に廃止されてしまったらしい。
県道横断後、緩い登り坂となった道が城山西小学校の前を過ぎると、間もなく休憩舎のある唐沢池に出ます。
唐沢池の前から見た古賀志山(右端のピーク)です。唐沢池の表面は一部が薄く凍り付いていました。


唐沢池のすぐ先(なので上の写真でも、すでに左端に写っています)には南登山道駐車場があり、すでに多くの車が停められていました。のちに分かるのですが、その多くはクライマーさんの車だった模様です。
駐車場を過ぎても、もう少し車道が続きました。車道の分岐点では、瀧神社への案内標識に従って進みます。
車道の終点に突き当たると、古賀志山神社・御嶽山神社・湯殿山神社の3つの祠が並んで祀られていました。


車道の終点から山道に変わるのかと思っていたら、登山道の標識の先も林道のような道がしばらく続きます。
ようやく山道が始まると、ルートがなんだか混沌としています。道筋がいくつも存在する上、それらがしばしば無秩序に合流や分岐をしたりしていて、どう進むのが正しいのか不明なのです。道標がないことから、どれを選んでも構わないものとは思いましたが、不案内な遠征先での道迷いは避けたいところ。幸い、地元の小学生が描いた「山をきれいに」などのポスターが適度な間隔で掲示されていたので、それを目印に進むことにしました。
7~8分ほど登ると、前方に立ちはだかる垂直な岩壁と、そこに取り付くクライマーの姿が見えてきました。
不動ノ滝への案内に導かれて岩壁の基部まで登ると、瀧神社の小さな社があって、そのすぐ左側に流れ落ちていたのが不動ノ滝(雄滝)らしい。でも滝の水量は極めて少なくて、水の流れというよりは、水滴がポタポタ落ちているだけに過ぎず、この通り瀧神社の左側に滝があるようには全く見えない写真にしかなりませんでした。
クライミングを楽しんでいるグループがあちこちに。この周辺には、こんな岩壁がほかにも多数あるようです。


瀧神社から先へ進むと、さらに道が拡散して、もうどこでも歩けるような感じになってきました。
ただ、垂直な岩壁のすぐ近くを登っているだけに、道が付いている斜面もそれなりの急勾配。適当に歩いてしまうと結構歩きにくい箇所があったりして、良く歩かれているところを見極めて進むのが良さそうでした。
そうなると、やはりポスターに沿って歩くのが一番確実で、このポスターの存在は有り難かったです。
「アルマヤ堂アト」と書かれた標識のところから、左に分岐する道があったので入ってみます。
すぐに大きな洞窟の前に出ました。昔は洞窟内にお堂があって、それがアルマヤ堂と呼ばれていたようです。


元の道に戻ると、そこからはひと登りで稜線直下の分岐点に出ました。まずは左にある御嶽山に向かいます。
稜線に上がると、さらにハシゴを登って登り詰めます。
ハシゴの先にはもういくらの登りもなく、割とあっさりと御嶽山の頂上に着きました。
頂上には標識のほか、木曾御嶽山から分社されたという御嶽神社の小祠がありました。
御嶽山では、大きく開けた西側~北側の展望が素晴らしかったです。まず西側~北西側の眺めでは、雪化粧を始めていた日光連山の見応えが十分で、とりわけ関東以北最高峰の日光白根山が、ひときわ白く輝いていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
その右に視線を移すと、北側には遠くの那須岳まで見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
振り返ると南東側では、筑波山など茨城の山々が、霞の上に浮かぶ島の如く、少々粋な見え方をしていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。


御嶽山で展望を楽しんだら、引き返す形で主峰の古賀志山を目指します。先程登ったハシゴを下りると、その先に続く岩尾根が一応は歩けるようでしたが、少し厳しい岩場らしいので、分岐点まで戻って登り返すことに。
この案内図の「岩場ルート」を避けて、分岐点へ下ってから、上の写真の岩場の反対側に登り返してきました。
稜線上に赤い鳥居が出現しました。
が、そこにあったのは鳥居だけ。かつて社が建っていたらしい場所には土台だけが残されていました。
さらに稜線を進みます。分岐点には、そこと直結するコースを記載した案内図が立っていたりしましたが‥‥。
登山道が多数あって、未整備の難路も含めると100以上ものコースがあるとも言われる古賀志山は、「山と高原地図」で収録エリア外なのをはじめ、書籍で登山コースの詳細を記載したものは出版されていないようです。
また地元自治体等のウェブにも、古賀志山に関する詳細な情報を載せたものはなく、どうやら登山コースの全貌をまとめた資料はどこにも存在しないようなのです。このため今回の計画を立てる際も、どこにどんな具合・難易度の道があるのかは、ウェブ上の個人の山行記録をいくつも参照して情報収集するしかありませんでした。
これが地元の人しか登らないような無名な山ならともかく、関東百名山や日本百低山に名を連ねるなど知名度がそれなりにある山なので、今のこの状況は少し寂しく感じます。例えば、これら案内図の設置者(団体?)が、全ての分岐点に立てた案内図を1枚にまとめるだけでも、登山者にとって有用な情報になると思うのですが‥‥。


頂上の手前で岩尾根が現れますが、普通に2本足で立って歩けるので、岩場というほどの場所ではありません。
古賀志山に到着しました。そこそこの広さがあって、ゆったりした気分で過ごせる頂上です。
頂上の標識と三角点です。標識の柱の片方には、小さなクリスマスリースが飾り付けられていました。
周囲の樹木に景色を遮られ、木々が葉を落としたこの時期も、辛うじて枝越しに日光連山が見られた程度です。
たくさんのベンチが置かれていました。着いた時に空いていたこれらのベンチも、しばらく滞在しているうちに埋まってきたので(お昼時に合わせて登ってきた人が多かった?)、騒がしくなる前にここを後にしています。


古賀志山から東へ進むと、すぐに東稜見晴への分岐がありました。展望が良いらしいので寄っていきます。
たいした登りもなく、東稜見晴には頂上から5分もかからずに到着です。
開けていたのは北側と南側で、北側に関しては御嶽山よりも狭い範囲の眺めにどまりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
一方の南側は、かなり広い角度を見渡せました。眼下には下山先の赤川ダムも見えてきています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


分岐点まで戻ると、進路が北向きに変わり、富士見峠へ向けてグングンと下っていきます。
富士見峠は、とても富士山が見られるとは思えないような場所でした。
富士見峠からは、赤川ダムに向けての北コースを下ります。下り始めは、岩壁と岩壁に挟まれたなかなか凄い景色の中を急降下しますが、登山道は階段状になっていて難なく歩くことができました。
しばらく下って傾斜が落ち着くと、鬱蒼とした植林帯に入ります。東向きの斜面なので、少し薄暗い道でした。
さらに下ると、傾斜がいっそう緩やかになって、道幅も広がります。歩きやすい道ですが、景色は単調でした。
赤川の畔まで下ってきたところで、歩いてきた道を振り返りました。
そこからは、少しだけ赤川の右岸沿いを下ります。赤川の水は鉄分を多く含んでいるのか、川底が錆色でした。


赤川に沿って5分も歩けば、景色が開けて車道に迎えられました。赤川ダムを囲む一帯は宇都宮市森林公園として整備されていて、この時は課外活動で来たらしい中高生くらいの運動着姿の生徒さんを多く見掛けました。
車道を歩いて行くと、間もなく赤川ダムのダム湖が見えてきたので、湖畔の道に入ります。
赤川ダムの堰堤が近付いてきました。このあと、堰堤上を歩いて対岸に渡ります。
赤川ダムの先には森林公園の無料駐車場(写真奥)があり、私の前後を歩いていた登山者は一様にそちらに向かった模様。最寄りのバス停まではまだ3km以上あるので、やはりバスで来る人なんていないのでしょうね。
でも私はそのバス停がゴール地点。そこに向かうには、対岸の道のほうが若干距離を抑えられるので、ここで堰堤を渡ります。
赤川ダムの堰堤上から、登ってきた古賀志山を振り返ると、湖面にも逆さ姿が映って絵になる眺めでした。
そこからは、古賀志山だけではなく、上流側にある広い範囲の山々を見渡せて、全体ではこんな眺めでした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
ところで、後日この記録を書くため森林公園のサイトを見て知ったことには、堰堤を渡った先にあった「宇都宮市サイクリングターミナル 湖森館」の建物内にはレストランも入っていて、そこで「赤川ダムカレー」が食べられたらしい。最後にバス停で20分ほど時間を余らせたので、そんなことならここでカレー食べていくんだった!


赤川ダムの下流を赤川の右岸沿いに下る道は、入口がロープで塞がれていたので入るのが躊躇われましたが、掲示されていたのが車両通行止の標識だけだったので、歩行者の通行は何も制限されていなかったはずです。
長閑な雰囲気の道が長く続きます。車がほとんど通らず、のんびりと歩けるのも良いことだけれど‥‥。
いくら歩いても景色もほとんど変わらず、あまり歩いていて楽しい道でもありませんでした。
バス停にかなり近付いて振り返ると、朝と同じように、古賀志山の主稜線全体ををスッキリと眺められました。
朝はバスに乗ったまま通過した森林公園入口バス停で、同じ路線の復路の便を待って、宇都宮駅に戻ります。山にも森林公園にも多くの人がいたのに、そこにバス利用者はいなかったようで、バスを待つのは私だけでした。

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