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大小山・妙義山・大坊山 [栃木]

2017/12/30(土)

■第370回 : 大小山(282m)・妙義山(318m)・大坊山(285m)


この日は栃木県の最南部に出掛けて、大小山と、そこから稜線伝いに歩けるいくつかの山々を歩いてきました。
岩混じりの尾根道で結ばれながら、危険を感じるような急峻な箇所はなく、ちょっとしたスリルを味わう感覚で渡り歩けるのが面白い山々で、標高が低い割に展望に恵まれた尾根上からのパノラマも楽しみのひとつでした。

しかし、下界にいる間はのどかな好天だったのに、稜線に上がった途端、烈風が間断なく吹き荒んでいました。
耳をつんざく強烈な風の唸り声の中、時として身体が浮き上がりかけるほどの状況です。せっかく展望の良いピークに立っても、立ち止まるや否や体温を奪われるので、寒風に追い立てられて早々に退散させられる始末。
気温自体は低すぎず、身体を動かしていれば寒さは平気でしたが、とても穏やかな気分では歩けませんでした。

 累積標高差(登り):930m / 距離:11.0km / 歩行時間:3時間55分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
古淵 05:15-05:19 町田 05:22-05:56 新宿
新宿 06:05-06:24 品川 06:33-07:51 小山
小山 08:00-08:36 富田

(登山行程)
富田駅      08:40
阿夫利神社    09:10
大小山      09:40
妙義山      09:45-09:50
越床峠      10:35
つつじ山     11:10
大坊山      11:20-11:25
長林寺      12:40
白髭神社前バス停 12:50

(復路)
白髭神社前 12:56-13:15 足利 13:43-14:23 小山
小山 14:33-15:37 赤羽 15:43-15:57 新宿
新宿 16:00-17:53 相模大野 17:50-18:05 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

JR両毛線の富田駅から歩き始めます。同じ電車から降りた数人の乗客のうち、ハイカー姿は私だけでした。
はじめは住宅街の中を進みます。道順は単純ではありませんが、道標がしっかりと道案内してくれていました。
しばらく進むとのどかな景色に変わって、少しずつ山が近付いてきます。
田畑が広がるようになると、これから登る山がスッキリと見えてきました。中央に写っている2つのピークは、「大」「小」の2文字が頂上直下に見える左側が最初に登る大小山、右側がその次に登る妙義山です。
両毛線の車窓からも良く見えていた大小山の代名詞、頂上直下に掛けられた「大」「小」の文字をアップで。
登山口の手前まで来ると、大きな駐車場がありました。奥には大小山が見えています。


富田駅から30分ほどで登山口に到着です。ここにも車が停められるほか、簡易トイレも設置されていました。
登山口からは3本の登山道が分かれますが、阿夫利神社の横を抜けて見晴らしコースに入ります。
すぐに動物除けのフェンスを開閉して、いよいよ山道へ‥‥。
と思ったら、もうしばらくアスファルト舗装の道が続きました。
舗装された道が終わったら、今度は石段が始まって、これも少し長く感じるくらい続きました。
見晴らしコースは、途中で男坂と女坂に分かれます。男坂に階段が続くのを見て、ここは女坂を選びました。
女坂とはいえ、ほとんどジグザグを描かずに直登する感じの道で、それなりの勾配に早くも汗をかかされます。
ほどなく男坂と女坂は合流し、合流点の少し先で見上げると、「大」「小」の2文字が間近に迫っていました。遠くからも良く見える物なので当然ですが、近くで見ると結構デカイ!(小さな写真では伝わりませんが‥‥)


休憩舎のある見晴台に着くと、「大」「小」の文字はすぐ上の岩壁に掛かっていました。
見晴台からは、昨年の同じ日に縦走した晃石山・馬不入山・岩船山・三毳山が間近に眺められたほか、その奥では少し遠くの筑波山や加波山が霞みながら見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
見晴台の休憩舎には何冊ものノートが置かれていて、最新のメッセージを見るとつい昨日書かれたものでした。
ところでこの日は、良く晴れて気温もさほど低くはなく、風も穏やかで割と快適に歩いて来ました。駅から見晴台までの軽い登りでも結構汗をかいていたので、ここでジャケットを脱いでフリース姿になっています。


見晴台から、このハシゴを登ると、間もなく稜線に出ます。
稜線に出ると岩混じりの山肌になりますが、登山道は普通に歩ける程度で危険はありません。それよりも、稜線上では強風が吹き荒れていて、突然の豹変ぶりに戸惑いつつ、すぐ上に見えている大小山の頂上を目指します。
大小山の頂上でも、風の強さと冷たさに閉口します。
ということで、遠くに見えていた富士山だけカメラに収めたら、ほぼ素通りに近い形で先へ進みます。実は富士山は、両毛線の車窓からも当たり前のように見えていて、それに気付いた時はちょっとビックリしたのでした。


すぐお隣には、次に登る妙義山がもう間近に見えていました。今いる大小山よりも少し高く、周囲も開けているので、展望はそちらで楽しむことにします。
妙義山への登りも、岩の露出した尾根を進みます。一見険しく見えますが、傾斜が急な箇所はなく、道が階段状になっていて2足歩行のまま登れる上、手を添える必要もほとんどないので、岩場というほどではありません。
妙義山の頂上では全方位が開けていて、360度のパノラマを楽しめます。なのに、あまりの強風のため、立ち止まると身体が急速に冷やされて、とても長居はできません。とはいえ展望写真は欠かせないので、最小限の枚数でてきぱきと撮り終えるようにしたら、ここでもそそくさと撤収となりました。
妙義山には二等三角点がありました。国土地理院の地形図や一部のガイドブックはここを大小山としていますが、この記録では現地の標識に従い、ここを妙義山、「大」「小」の文字が掛かったピークを大小山とします。
妙義山からの展望を、南側から時計回りに紹介します。南側には、奥多摩や奥武蔵あたりの稜線の上に、富士山が頭ひとつ抜きん出ていたほか、西南西側には八ヶ岳がぼんやりと見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて西から北にかけての方角です。こちらは空気の透明度が今ひとつで、雲も結構出ていたので、赤城山は裾野しか見られず、浅間山・榛名山・男体山といったあたりも少し霞んで見える程度にとどまりました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
最後の東側は比較的近くの山々が中心の眺めで、ちょうど1年前に縦走した晃石山・岩船山・三毳山といった山並みの上で、筑波山や加波山が霞んでいるという、先程の見晴台からと似たような眺めになっています。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


妙義山の先も露岩の尾根を下りますが、この日はいつものトレランシューズではなく、ファイブテンのアプローチシューズを履いていて、靴底のグリップを完全に信頼できたので、足元への不安は全くありませんでした。
補助ロープが下がるちょっとした崖のような箇所もありましたが、ここはロープを使わずに下れました。
その後は小さなアップダウンを繰り返しながら、いくつかのコブを越えます。進むにつれて強風はさらに威力を増していて、しばしば耳をつんざくほど大きな唸り声が轟く登山道には、少々不穏な雰囲気が漂っていました。
小ピークの中には、私製の山名標を見掛けるところもありました。ここは「仮称 毛野山」だそうです。
途中には「がま岩」という標識が付けられた岩尾根があって、尾根上を乗り越えて通過していきます。ここがこの日のコースの中で唯一厄介な箇所だったのですが、帰宅後に調べると、ちゃんとした道が下にあったらしい。
「仮称 あいの山」の山名標があるピークを通過。似たようなアップダウンが続くので、少し長く感じます。
一旦大きく下って、全行程のほぼ中間地点にあたる越床峠へ。さすがに鞍部にいると強風もなく穏やかです。


越床峠からは改めて登り直す具合です。そこは「胸突坂」と呼ばれているらしいので、傾斜がきつくなりそう。
ほどなく道が二手に分かれました。尾根通しに直進する道(写真左端)は急斜面を直登していて、補助ロープがずっと連なっていることからも、いかにも苦しそうな急坂に見えます。一方、右に分岐する道はと言うと‥‥。
「ちょいやさしいコース」という標識が立っていたので、迷わずそちらを選んでみたら、その道は斜面に対して斜めに上がるような道筋を描いていて、確かに道の勾配がいくらか抑えられていたようです。


ふいに開けた場所に出ると、コースの手前から時々見えていて気になっていた建物が間近に迫っていました。
その建物の手前には簡易トイレも設置されていて、この日のコースで登山口以外にあった唯一のトイレでした。
一段上の平坦地には大きな休憩舎があって、隣には避難小屋のような建物も。休憩舎には「山頂番屋」という銘板が付けられていて、そういえば少し手前から「↑番屋 きてね」などの標識をたびたび見掛けていたのでした。
さらに奥には、しっかりした小屋も建っていました。年末のこの日はひっそりしていましたが、人がいれば軽食などが注文できるようですし、屋上が眺めの良いテラス席になっていて、そこでの休憩は気分が良さそうです。


山頂番屋を過ぎてさらに登ると、また道が左右に分かれました。右の道は足利鉱山を通るとされているので尾根筋を進むらしく、左はその巻き道になるようです。左の巻き道のほうが良く歩かれている様子ですが、すでに足利鉱山の直下に達していて、今から巻いたところで大きな差はなさそうですし、右の道で尾根を進んでみます。
足利鉱山まではほんの2~3分で到着しました。ここで登山道が左に折れるのに対して、それ以外の方向は鉄パイプやロープなどで厳重に封鎖されていて、一歩たりとも踏み出せないようになっています。
その理由は下を覗きこんで分かりました。眼下に採石場があって、山が大きく削られて崖になっていたのです。
足を踏み外せば、100m下へ真っ逆さま。登山道の崖側に、最小限の転落防止策は取られているものの、傾斜の急な岩混じりの尾根を細くて頼りない道で進むため、足腰に不安がある人は巻き道を選んだほうが安全です。


巻き道が合わさってからも、露岩の細い尾根道は続いて、いくつもの小さなコブを越えていきます。強風は相変わらず猛威を振るっていて、時として身体ごと持っていかれそうになることもあり、左右が切れ落ちている地点では油断していられません。まさか、こんな低い山で耐風姿勢を要求されることになろうとは‥‥。
ベンチのあるピークに着くと、そこが「つつじ山」で、展望が開けた気持ちの良い場所でした。
樹木に掛けられていた山名板です。このつつじ山のほか、先程の足利鉱山も展望が良かったのですが、見られた景色は妙義山からのパノラマの一部としてすでに見てきたものと大差なかったので、展望写真は割愛します。


つつじ山から軽く下ると、その次の小さなコブが、大坊山方面と長林寺方面との分岐点になっていました。このあとは、大坊山まで往復したのち、ここに戻ってきてから長林寺方面へと下ります。
大坊山へはひと登りで到着しました。広い頂上は、その全体がほぼ平坦地なので、すごく開放的な雰囲気です。
奥宮の小さな社がポツンと置かれたこの場所に、以前は大山祇神社が建っていたとのこと(落雷による焼失後、中腹に移されています)。今も残るその土台から、かつての社がとても大きな建物だったことが窺えますし、来た道の反対側からは立派な石段の参道が登ってきていたので、往時は多くの参拝者を迎えていたのでしょう。
大坊山の周囲はそれなりに開けていますが、若干の樹木があって、スッキリとした展望ではありませんでした。


先程の分岐点に戻って長林寺方面の道に入ると、それまでよりは穏やかな雰囲気の尾根に変わりました。
とはいえアップダウンはなお健在で、まだまだいくつものコブを越えていかなければなりません。
降り積もった落ち葉を踏みしめて歩ける優しい道。露岩の尾根道が続く間はほとんど味わえなかった感覚です。


長林寺が近くなってくると、道は何回か健脚者コースと初心者コースに分かれます。
最初の分岐で健脚者コースを選ぶと、露岩の尾根を進む道となりました。初心者コースは巻き道のようです。
越えてきた小さなコブを、2つのコースが再び合流した地点から振り返りました。このコブからの下りは少々嫌らしかったので、岩場が苦手な人は初心者コースのほうが無難そうです。
次に迫ってきたピークに、やたらと大きな山名標があるなぁ、と思っていたら、それは大きな展望標識でした。
朝からずっと見えていた富士山は、ここからもまだ、標識が示す方向になんとか見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると富士山の位置を表示します。


さらに下ると、林道のような広い道に迎えられます。
そこからしばらくは、その林道のような道を進んで、その間はほとんど平坦でした。
ほどなく車道に出ます。
車道とは、ほとんど横断するだけという接し方で終わって、少し右に進むとすぐにまた山道に入りました。


車道の先にはまたしても登り返しが現れて、疲労が溜まってきた足にはそろそろ登りがきつくなってきました。
そんな中で道は再び健脚者コースと初心者コースに分かれます。目前に迫ったピークを右に避けようとしている初心者コースのほうが明らかに楽そうでしたが、ここは敢えて健脚者コースを選んで、そのピークに挑みます。
登ったピークには浅間神社の祠がありました。そのためネット上にはここを浅間山としている記事もあります。
浅間神社のピークから下り始めると、いよいよ眼下には下山先の長林寺が見えてきました(写真中央)。


しばらく下ると、長林寺の道了堂のすぐ横に出ます。
道了堂に入ってみました。上の写真で分かる通り、急な崖の途中で空間にせり出して建っていて、今立っている場所の下に地面はありませんが、割と頑丈な造りのようなので、特に足元に不安は感じませんでした。
下を見ると、長林寺の本堂がもうすぐ近くに見えました。
道標は迂回する別の道を案内していましたが、階段状に削られていた道了堂の直下を直接下りました。この写真はちゃんとした道まで下って振り返ったもので、登山をする人ならば問題なくここを登り下りできるでしょう。
あとは整備された道で境内を進むだけです。さすがに下界まで下ってきたら、風も穏やかになっていました。
長林寺には中島が浮かぶ大きな池があり、池越しに見えてきたのが本堂です。落ち着いた佇まいの境内ですね。
長林寺の本堂前まで来ました。
長林寺の本堂です。1499年に常陸国で創建され、戦乱で焼かれた後、上杉謙信によってここに再建されたとか。
立派な山門を後にします。


最後は、白髭神社前バス停で足利駅行きのバスを待ちます。なお、このあと乗ったのは富田線のバスで、それなら1つ手前の上宮先バス停のほうが長林寺から近かったのですが、この白髭神社前バス停のほうが中央循環線も通っていて本数が少しだけ多くなるので、こちらをゴール地点として計画していたのでした。
JRの足利駅に到着しました。足利市を訪れるのは、昨年の足利行道山の時に次いで2回目となりましたが、昨年は東武線を利用していたので、JRの駅に来るのは今回が初めて。JR線は今回利用した全区間が休日おでかけパスのフリーエリア内だったものの、それでも東武線と比べてしまうと、運賃はかなり割高になりました。

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