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小笠山・三ツ峰 [静岡]

2018/01/06(土)

■第371回 : 小笠山(264m)・三ツ峰(216m)


今年の初歩きは静岡県西部の小笠山へ。山としてはかなりマイナーで、標高は低く見所も少なくて相当に地味な存在ですが、最後に法多山尊永寺へ下るコースを組んで、初詣を兼ねたお出掛けとしました。法多山尊永寺は、寺号の「尊永寺」よりも山号の「法多山」で広く知られた、静岡県内でも指折りの数の参拝者を迎える寺です。

今回歩いたコースを振り返ると、最初から最後まで細かな登り下りが延々と繰り返されて、穏やかな箇所がほとんどありませんでした。比較的長いコースを選んだこともありますが、標高が低いからと軽く見ていたら、意外にも登りの累積標高が1000mに迫るほどの運動量があって、十分以上の歩き応えを感じた山行となっています。

(往路)
古淵 04:45-04:49 町田 05:11-06:11 小田原
小田原 06:22-06:45 熱海 06:49-09:00 袋井
袋井 09:23-09:37 笠原駐在所前

(登山行程)
笠原駐在所前バス停 09:45
長坂峠       10:25
無線中継所     11:35-11:40
小笠山       11:55-12:00
東経138゚展望台   12:30-12:40
腹摺峠       12:55
三ツ峰       13:20-13:30
法多山尊永寺    14:00-14:10
法多山バス停前   14:25
愛野駅       15:00

(復路)
愛野 15:12-16:01 静岡 16:04-17:27 熱海
熱海 17:37-17:58 小田原 18:01-18:53 相模大野
相模大野 19:05-19:20 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

東海道線の袋井駅で、電車からバスに乗り換えます。新幹線を使わず鈍行だけに乗ってきた東海道線の駅では、これまでの最西端になりました。北口が栄えていますが、バスが南口からの発着だったので、写真も南口です。
バスには15分ほど乗って、笠原駐在所前で降ります。これから向かう長坂峠には、法多山行きのバスに乗るほうがずっと近くで降りられるのですが、法多山は帰りに寄るので、敢えて違う方向からのアプローチとしました。

はじめは住宅地の中を進みます。家と家の間のちょっとした土地(この写真の右側にあるような)がことごとく茶畑になっているのを見ると、いかにもお茶どころにやって来たなという印象でした。
少し歩いて家並みを外れると、一面に茶畑が広がる風景の中に入りました。このエリアに入る手前には「笠原茶産地」という看板が立っていて、このあたりが袋井茶の主要産地のひとつになっているようです。
平地だけでなく、山の斜面までくまなく茶畑が広がっているさまは壮観でした。
2車線の道路に出ても、まだ茶畑は続いています。この道路はやがて長坂峠へ向けて登り始めるので、前方に立ちはだかる山が次第に迫ってくるのですが、道の両脇に平坦な土地が見られる間は、そこはずっと茶畑でした。
長坂峠まで登ると、車道は峠をトンネルで越えています。これから歩く山道はこの上の尾根にあって、トンネルの反対側から登り始めますが、こんなに土被りの小さいトンネルならば、すぐに尾根まで上がれてしまいそう。
長坂トンネルをくぐって、出てきた北側の坑口を振り返りました。山道への入口は、このすぐ近くにあります。

その山道への入口がこちらです。そもそも、ここはコース自体が相当にマイナーですし、入口も2012年撮影のGoogleマップのストリートビューで不明瞭に見えていて少々不安でしたが、いざ来てみると木段ができているなど、人の手が入っているらしい様子が感じられてホッとしました。さすがに道標までは見当たらなかったけれど。
トンネルの真上まで登ると、そこを送電線の巡視路が通っていて、その巡視路をハイカーも歩かせてもらっている感じのようです。立っていたのも巡視路の標識だけで道標はなく、登ってきた道を示す案内は一切ありません。木段は巡視路仕様のものではないので、それだけは地元のハイカーが整備したのではないかと思われますが。
とはいえ、尾根上は単なる送電線巡視路の感じではなく、実に良く踏まれた遊歩道並みの歩きやすい道でした。
小刻みに登り下りが繰り返されて、楽に歩ける平坦な箇所こそほとんどないものの、登り下りはいずれも小さなもので勾配もきつくはなく、道はずっと歩きやすいままです。地元の人くらいしか歩きそうもない超マイナーなコースで、この日も小笠山に着くまでは誰とも会わなかったのに、ここまでしっかりした道なのが意外でした。
しばしば現れる分岐点で見掛けるのは、相変わらず送電線巡視路の標識だけで、道案内の類は一切ありません。
25分ほど歩くと林道に合流しますが、なんとここにも道標はなく、赤テープが目印になっているだけでした。

そこからは、少しの間だけ林道を歩きます。
するとすぐ、右に山道が分かれます。そしてその足元には、ここまで来てようやく初めて見られた物が‥‥。
それがこの道標で(上の写真でも右端に小さく写っている)、進行方向を「小笠山」、来た方向を「本谷・長坂峠」としていました。本谷は林道をただ戻れば着けそうですが、長坂峠へはこれを最後に道案内はありません。

再び送電線巡視路でもある山道に入ると、ほどなく送電線鉄塔の脇を通ります。
送電線の下は樹木が刈られているため、鉄塔の脇に立つと見通しが開けます。左手側を眺めると、最後に立ち寄る予定にしている法多山尊永寺の屋根が小さく見えていました(写真中央やや左寄り)。
一方、右手側には太平洋が見えていました。この日のコースで海が見られたのは、ここだけだったでしょうか。
送電線鉄塔の少し先のコブには、205m三角点がありました。(三角点の点名「百善歩道」の由来は不明。先程少し歩いた林道が「百善林道」なのと関連がありそうなのに、林道名の由来もネットでは判明しませんでした)
その後も頻繁に登り下りを続けながら、道は次第に登りが優勢になり、少しずつ高度を上げていきます。といっても標高は200m台のままなのですが、あまりに何度も登ったり下ったりするので、足にも相応の疲労感が生じて、もう少し高い所まで来ているような気分になります。ほぼ1本道のため、道標は再び全く見なくなりました。

しばらく歩くと、尾根が林道に分断されていて、一旦その林道に降りました(下ってきた階段道を振り返ったところ)。ここにもその道への案内はなく、ここまでは進路を自ら判断できる人向けの道だったことになります。
林道はほぼ横断するだけの形で、少し右に歩くとすぐに山道の続きがあり、そこには、この日初めて見る私製ではない公的な道標が立っていました。恐らく行政が登山道と認識しているのはここから先の区間なのでしょう。
林道から上がってすぐの所には、無線中継所がありました。地形図ではこの無線中継所のピークに265mの標高点が記入されていて、単純に見ると小笠山の三角点264.8mよりもわずかに高い値となりますが、標高点は小数点以下が四捨五入されているので、本当にここがこの日のコースの最高点に当たるのかは何とも言えません。

その後は、分岐点には行政が設置した道標が立って、しっかりと道案内をしてくれるようになりました。
小笠山の山頂直下まで来ると、山道が十字状に交差する分岐点がありました。
右に分かれるのは小笠神社への道です。神社は少し下った所にあるので寄りませんが、すぐ先に何かある模様。
少しだけ右に進んでみると、すぐの所に多聞天神社がありました。小笠神社と関係が深い神社のようです。
多聞天神社の手前には複数のベンチが置かれていました。多聞天神社は写真奥にあり、その前の斜面に刺された多数の破魔矢は、11月の矢矧祭(小笠神社に1300年以上前から続く伝統的な神事)で奉納されたものらしい。

分岐点に戻って山頂への道に入ると、わずかな登りで小笠山の山頂に着きました。
小笠山の山頂にあったものと言えば、この三角点と‥‥
私製の小さな標識だけ。さほど広いスペースはなく、樹林に囲まれて展望もない、とても地味な地点でした。
ところで、ここまで全く人に会わずに歩いて来たのに、山頂で過ごしたたった5分の間に、3組計4人の登山者が相次いで現れてビックリしていたら、このあと山頂を去ったが最後、またパタリと人と会わなくなりました。
袋井市と掛川市にまたがる小笠山ですが、ハイキングコースの整備は専ら掛川市が行っています。コースはどれも、小笠山の山頂付近で稜線上を歩く距離が短く(一番長くても腹摺峠の手前までしか行かない)、恐らくこの日会った方々も掛川市側からの登山者だったので、私とのコースの接点が山頂付近に限られたのだと思います。
一方の私は、袋井市側から登って袋井市側に下りるまで、稜線上のかなり長い距離を歩いたのですが、掛川市が整備したコースと重なる小笠山付近を除くと大半の区間は未整備だったので、歩く人も当然少ないのでしょう。

小笠山の山頂を後にすると、その後は斜面を横切るように付けられた道を進みます。山襞に沿って蛇行しながら進む道は、距離こそ長いものの、アップダウンが比較的穏やかなので、しばらくは珍しく楽に歩けました。
途中に、深く切れ落ちた鞍部を橋で渡る箇所があって‥‥
見通しが開けた橋の上から、富士山を眺められました。手前には、先月登ったばかりの千葉山も見えています。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
あちこちに分岐点がありますが、このあたりは整備された区間だけに道案内もしっかりしていました。
ただ、道は次第にアップダウンを繰り返すようになります。
下っては登り、また下ってはまた登る、というのが矢継ぎ早に連なって、平坦な区間がほとんどありません。
1度に大きく登り返すことのないのが救いではあるものの、勾配はそれなりにあって、木段が続くような少々苦しい登りも随所に現れます。すでに10km近く歩いてきた足には、結構きつくなってきました。

そんな中、「東経138゚展望台」への分岐が現れました。そこで展望を楽しみつつ、少し足を休めていきましょう。
分岐点からわずかな距離で「東経138゚展望台」に到着すると、北側の景色が大きく開けていました。
まずは、見えていた左半分の北西側の展望です。八高山と大尾山の間には、南アルプス・聖岳の雪をまとった山肌もちらっと見えていたのですが、頂上はあいにく雲の中でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
続いて、部分的には前の写真とも重複しますが、右半分の北東側です。このさらに右側に少し離れたあたりには、天城山をはじめとする伊豆半島の山々が、ぼんやりと霞んで見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
富士山をアップで。今年はまだ雪が少なくて、青空とのコントラストが今ひとつでした。手前左は千葉山です。

その後、小笠山トンネルの真上あたりで、下の車道へ下る道を左に見送ります。
整備されたハイキングコースはこの分岐点までだったようですが、その後も道標に関しては要所に私製のものが現れて、法多山尊永寺まで道案内をしてくれました(恐らくその先もエコパまで案内が続いたことでしょう)。
しかしその先も、道が少し細くなっただけで、アップダウンの多さは相変わらずでした。
1度大きく下って、鞍部の腹摺峠を通過します。

腹摺峠の先には、補助ロープが下がるほどの急斜面の直登が待っていました。しかもこれが結構長い! 疲れが増してきたコースの終盤になるほど、登り返しがきつくなるって、一体どうなのよ。
さらに進むと、稜線の右側が大きく切れ落ちたエリアに突入します。
しばらくの間、道の右側には垂直な崖が続きます。決して崖っぷちを歩く訳ではないので、特段の危険はないけれど、整備された区間ではないだけに転落防止などの安全策は何も講じられておらず、油断は禁物でした。
三ツ峰の手前になると、再び補助ロープの下がる急坂が現れて、喘ぎながら登ります。

急坂を登り詰めると、三ツ峰への分岐点があって、そこから三ツ峰まではほんの僅かな距離でした。
三ツ峰も樹木に囲まれて展望のない地味なピークで、あったのは三角点と私製の山名標だけです。決して広くはないものの、少し開けた明るい場所なので、居心地は悪くありませんでした。
小笠山を出て以降、全く人を見なくなっていて、どうせ誰も来ないだろうと、三角点に座って足を休めました。

三ツ峰の先も、崖っぷちの道は続きます(結構危険に見えますが、実際に歩いた道は写真の左端あたりです)。
時折右側が開けると、エコパスタジアムがもう間近でした。一般の人が、今回登った「小笠山」という名前に少しでも馴染みがあるとしたら、スタジアムのある場所の名前が「小笠山総合運動公園」だからでしょうね。
ここまで下って来ても道のアップダウンはなお健在で、楽に歩ける箇所がなく、これには最後まで苦しめられました。また、この終盤は道が一部でかなり細くなり、通る際の足さばきに多少の注意を払う必要もありました。
そして、もう誰とも会うことはないと確信していたら、久々にすれ違う人が現れて、しかもそれが私より年配とおぼしきご婦人の単独行だったのが意外すぎました。何も荷物を持たず軽装だったので、地元の方でしょうか。

ようやく、法多山尊永寺への分岐点まで来たようです。何故かここには法多山への道案内はなく、私製の道標も直進方向をエコパと案内しているだけですが、それを無視して、送電線鉄塔が見えてきた左側に進みます。
するとすぐに、少し開けた場所に出て、そこには尊永寺の奥の院がありました。
尊永寺の奥の院です。
眼下にはもう尊永寺の本堂などの屋根が見えています。しかも境内が相当に賑わっているらしく、喧噪がここまで響いてきて結構騒々しい様子。三が日を過ぎて、人出も少しは落ち着いているものと期待していたのですが。

奥の院と尊永寺境内の間は、どんな道があるのか情報不足で分からず不安だった区間です。距離が短いので、最悪道がなくてもどうにでもできそうでしたが、行ってみると、木段が組まれたしっかりした道がありました。
境内が見えてくると、やはり多数の参拝者で騒然とした雰囲気です。あとで分かりますが、下の広場で大道芸のパフォーマンスが実演中で、拡声器を使ったトークが行われていたことも、喧噪に拍車をかけていたようです。
途中までしっかりしていた道は、なぜか境内の目前でプツンと途切れ、そこから踏み跡レベルの道に変わって、最後はこんな石垣の脇を下る形に。振り返っても、今通ってきたばかりの道の所在は不明瞭でした。恐らく、一般の参拝者が次々と奥の院を目指すような状況は好ましくないと判断されているに違いなく、敢えて道の入口を分かりにくくしたものと思われます。そこを登山者が歩くことも、仕方なく容認されているだけなのでしょう。
下ったきたのは、境内がこのように見える地点でした。
騒々しい割に、本堂の前の列はごく短いものだったので、意外にも参拝はスムーズにできています。
その後は、人混みの中で境内を巡る気にもならず、参拝順路に従って出口へ直行して、仁王門をくぐってしまいます(写真は仁王門を振り返ったところ)。これほどの人出になることを、後になって知ったのが失敗でした。
山門の先には、たくさんの屋台が並んでいました。これだけ充実した数の屋台を見るのも久しぶりです。
さて、近くには法多山バス停があって、袋井駅へのバス路線が運行されています。ただ、午後は2時間に1本しかなく、それでも時間が合えば利用するつもりでいたところ、困ったことに1時間以上も待つようなタイミングです。20~30分なら、適当な店に入って軽く食事でもしていれば過ごせそうですが、さすがに1時間以上となると大いに持て余すので、そのまま愛野駅まで歩いてしまうことにしました。

ということで、法多山バス停前のT字路をバス停とは反対側に曲がって、北へ向かう道路に入ります。
しばらくすると、右手にエコパスタジアムの駐車場が現れます。このまま道路を進むより、スタジアムがある運動公園内を通るほうが近道だということは、事前に調べてありました。
駐車場の奥から運動公園内の遊歩道に入れば、もうスタジアムは目前です。
スタジアムが見えてきました。さすが5万人収容だけあってデカイ!
スタジアムの周囲を3分の1周ほどして、正面ゲート側へ向かいます。
エコパスタジアムを正面側から振り返ります。私はサッカー観戦も好きなので、清水エスパルスやジュビロ磐田がホームゲームを開催しているこのスタジアムは前々から知っていて、何度か代表戦も行われたお馴染みの会場に来たという感慨めいたものすら伴っていますが、一般の人にとっての認知度ってどんなものなんでしょうね?

エコパスタジアムまで来れば、愛野駅まで歩いて10分ほど。途中には動く歩道になっている区間もありました。
愛野駅への最後の直線道路です。大規模スタジアムへのアクセスルートとあって、歩道の広いことといったら。
愛野駅に到着しました。が、南口には手頃な飲食店が見つからず、少し手前に1軒だけあったコンビニにもイートインがなくて仕方なく買い物だけしたら、駅は駅で駅舎内には座って過ごせるスペースはなくホームに出ても当然のように待合室なんてなくて、吹きっさらしのベンチでパクつく羽目に。昼食を取らずに空腹のままここまで来てしまったことを少し後悔させられました。腹ごしらえだけは法多山の門前で済ませておくべきだったか。

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