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八高山 [静岡]

2018/01/13(土)

■第372回 : 八高山(832m)


この日は、先週に続いて静岡県西部の山へ出掛けてきました。前回はかなりマイナーな山でしたが、今回登った八高山はそれなりに人気があって、このエリアのガイドブックには結構載っている、割とポピュラーな山です。
とはいえ、この時期としても厳しい寒さに見舞われたこの日、さすがに登山者は少なかったですが、空気の澄んだ真冬ならではの、富士山や南アルプスの展望を楽しんできました。

(往路)
古淵 05:37-05:41 町田 05:51-06:10 本厚木
本厚木 06:12-06:54 小田原 07:08-08:10 掛川
掛川 08:25-09:10 泉

(登山行程)
泉バス停  09:15
川近神社  09:25
小天狗の峰 10:35
バランダ  10:50-10:55  (原の平)
八高山   11:05-11:35
馬王平   12:00
五輪段   12:25     (なだらかコース・急斜面コースの分岐点)
福用駅   13:05

(復路)
福用 13:35-13:57 金谷 14:09-14:41 静岡
静岡 15:23-16:41 熱海 16:46-17:08 小田原
小田原 17:23-18:13 相模大野 18:30-18:45 南警察署前


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

掛川駅を訪れるのは、粟ヶ岳に登った昨年5月以来2度目になりました。駅前で掛川市のバスに乗り換えます。
今回乗った掛川市の自主運行バスは、なんと乗車時間が45分に及びました。しかも、道のりの前半で早くもひと山越えたあとは、時折ポツリポツリと点在する小さな集落を見送りながら、山あいの細い道を走り続け、途中からは対向車もほとんど見掛けなくなった中を、八高山の麓にある最奥の集落まで運んでくれます。
終点の泉バス停で降りた時は、よくぞこんな山奥まで定時運行の路線バスが走っていてくれたと感動すら覚えましたし(全区間を通して乗客が私だけだったのは、朝早い下りの便だからでしょうか)、そのおかげで、いつも長くなりがちな登山口までの車道歩きも、今回はほとんどしなくて済みました。
バス停のポストは、バス転回所の向かいに立っていました。休日も1日6往復(ほぼ2時間に1本、平日なら8往復)あるダイヤに、45分乗って300円という料金設定、掛川市は市民サービスが充実しているという印象です。

歩き始めてすぐに小さな橋を渡ると、その先のT字路にコースの案内図があって、ここからのコースが3本載っていました。今回登るのは、そのうち川近神社の手前から登るコースで、ここは左折になります。
すると、すぐに山道が分かれます。これも先程の案内図にしっかり載っていたコースの1本なのですが‥‥。
「コース荒れ危険」という標識が立ち、八高山への矢印もこの道を見送る向きに書かれていました。一旦は整備したものの、何か問題が生じたのでしょうか。でも、元々ここを歩く予定ではないので、構わずスルーします。

もう少し車道を進んで、登る予定のコースの入口まで来ました。しかし、ここも敢えてスルーしてしまいます。
というのも、ほんのわずか先に川近神社への石段があるのを、予めGoogleのストリートビューで見て知っていたからです。石段の入口を見ると、両脇に門松が供えられて、お正月らしい装いになっていました。
川近神社の石段はさほど長いものではなく、すぐに境内まで登れてしまいます。
登山の無事を祈願していきます。先程の登山道だと、少し離れた所を進んでしまい、境内を通らないのでした。
本殿・拝殿のほかには、小さな社務所があるだけで、境内もさほど広くない、質素な佇まいの神社でした。

社務所の脇から微かな踏み跡をたどると、すぐに登山道に出ました。良く踏まれた感じの明瞭な道です。
紛らわしい箇所にはきちんと道標が設置されていて、道案内もしっかりしていました。
が、勾配はきつめで、地面がザレ気味の箇所も多く、登りは大丈夫でしたが、下りでは足元に要注意でしょう。
先程の案内図によると、登山道は日当山を通るはずなのに、実際は巻いていたようで、頂上に立たないうちに下りに変わります。下り切ったあたりでは、下で見送ってきたもう1つのコースが合わさるらしい地点がありましたが、そちら側のコースは入口を塞ぐように木の枝が並べて置かれ、分岐を示す標識等もありませんでした。

この日は冷え込みが厳しく、登り始めて小1時間ほど経っても、寒さが勝って全然身体が暖まりません。でも中腹あたりまでは、登山道が東側の斜面に付いていることが多くて、風の影響をあまり受けずに済んでいました。
ところが登るにつれて、道は尾根上に出ることが多くなります。すると西からの季節風に晒されるようになって、それがもう冷たいのなんの。このまま標高を上げ続けたらどんな寒さになるのかと、少し不安になりました。
林道に出る手前の596mピーク付近には、小さな祠がありました。つい最近のものと見られる真新しいお札が供えてあったので、今でもきちんと面倒を見ている人がいるようです。
そのすぐ先で、右側が大きく開けました。下で見た案内図で「東側展望良し」と書かれていた地点のようです。逆光の写真になってしまいましたが、中央で光っているのは太平洋、左側の一番高いピークが経塚山です。

そのまたすぐ先で、林道がU字にカーブしている地点に突き当たりました。
そこから少しの間は、その林道を進みます。
林道を歩く距離は短くて、林道が次にカーブする地点に、山道の入口がありました。

その先はさらに急勾配になって、中には地面に手を添えたくなるような箇所もあったほど。道もこのように、引き続きガレたりザレたりしている区間が多いので、下る時は大いに足元に気を遣わされそうです。
それでも、ササの中に入ると、ようやく傾斜が緩んできました。
小天狗の峰に到着。標高770m圏のピークですから、八高山との標高差はあと60mほどで、先が見えてきました。
展望は全くなく、上の写真の範囲がほぼ全てという、狭くて地味なピークですが、私製の山名標がありました。

先が見えてきたとはいえ、八高山までの間に越えていくピークはまだこの先にもあり、そのたびに下ってから登り返すので、もう少し登りを頑張らなくてはなりません。次のピークに近付くと、照葉樹が目立ってきました。
バランダ(原の平)に到着しました。ここからは北西側の稜線にも道が付いていて、分岐点になっています。
ここも展望のない地味な地点ですが、色々な標識が賑やかで、「天狗の座敷」という標識も。別名でしょうか。

バランダからは、ひと登りで八高山に到着です。登ってきたコースは比較的最近に整備されたもので、まだ知名度は低いらしく、ここまで全く人に会いませんでしたが、それは登山口あたりの閑散とした様子を見た時点で確定していたようなものでした。この山は反対側にある福用駅からのコースが断然メジャーなので、そこから登ってきた人が誰かしらいるものと思っていたら、まさかの無人。展望の良い頂上を、しばらく独り占めです。
山名を記した標識だけで4種類も。もう少し過ごしやすい季節ならば、きっと多くの人で賑わうのでしょうね。
お団子型の山名標を久々に見ました。この山域では、それなりの高さの山に長らく登っていなかったようです。
そして地面には、ひときわサイズの大きい一等三角点が。展望に恵まれた地点だという証でもあります。
八高山では、北東側と南側が開けていて、北東側には富士山のほか南アルプス南部の峰々を広く見渡せました。残念ながら、南アルプスの核心部(聖岳あたり)には雲がかかっていて、スッキリと眺められませんでしたが。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
南アルプス南部をアップにしてみました。さすがに3000m近いあたりは真っ白ですね。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
富士山とその周辺も少し大きく。  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
富士山もアップで。小笠山から見た先週と比べると結構雪が増えて、ようやくこの時期らしい姿になりました。
一方の南側は相変わらず逆光でしたが、太平洋の大海原と、昨年5月に登った粟ヶ岳などが見えていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると粟ヶ岳の位置を表示します。
見事な眺めで気分の良い頂上ですし、下山後に乗る予定の電車の時間にも相当の余裕があります。そして、ずっと風が冷たくて寒い思いをしながら登ってきたのに、この頂上では風が穏やかで、タップリの日差しを浴びるとポカポカと暖かさすら感じられて、居心地も上々。そこで、私には珍しく少し長居をしていくことに。すると、独占していた頂上にもやがて単独行の男性が現れて、これまた私には珍しく、しばらくお話しさせて頂きました。

八高山から福用駅方面に下り始めると、すぐに白光神社の前に出ます。福用駅の近くには里宮があって、ここはその奥宮。ちなみに読みは、山名と同じ「はっこう」ですが、どちらが先かなど詳しい由来は不明のようです。
トタンで修繕されていた壁が、なんとも安っぽく見えてしまいます。でもこれだけ高い場所にあると、維持するだけでも大変でしょうし、仕方のないことかもしれませんね。
鳥居も元々のものではなさそうです。里宮がある福用駅付近も大きな集落ではないので、何をするにも人手も財政も苦しい所ではないかと思われますが、もうちょっとどうにかならなかったのかなと思ってしまいました。

さらに下ると、樹木が一部伐採されて見通しが良くなっている地点があり、東側のかなり広い範囲を見渡せました。高草山や高山の上に、天城山をはじめとする伊豆半島の山々が連なって見えていたほか、その右の洋上ではるか遠くに霞んでいたのは、天上山がある神津島だったようです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
下に視線を移すと、馬王平がもう近くに見えていました。少し開けた場所になっているのが良く分かります。
ただ、馬王平までの下りは、段差の大きな箇所も多い道で、あまり歩きやすくはありませんでした。

馬王平まで下ってきました。ここは林道が四方から集まり、少し広めの平坦地になっています。林道はいずれも一般車が入れない筈ですが、この時は工事車両が2台も入ってきて、本来の平穏な景色ではなかったのが残念。
ベンチに腰掛けると、ちょうど正面に富士山が見えるという、なかなかのロケーションです。
富士山には、頂上にいた頃と違って雲が出ていたので、やはり展望を楽しむには早い時間に登るに限りますね。
ところで、馬王平に立つ道標が福用駅を指している方向には、林道が2本並んで出ていて、そのどちらが正しいコースなのかが明確には示されていませんでした(補助的な道標類も見られなかったと思います)。
2本の林道は、左は登り、右が下りとなって分かれていきます。下山途中なので当然右に下るのだろうと確信しつつ、念のため一応確認してからと地図を見てみたら、なんと左に登るのが正解で、少し危ないところでした。
八高山はほとんどが福用駅から往復する形で登られていて、ここは大半の人たちにとって登ってきた道を引き返すだけなので問題ないのでしょうが、私のように下りだけこのコースを使う人には少々不親切に感じています。

そんな訳で、左の林道を登っていくと、登り坂は最初に見えていた範囲くらいで、すぐに平坦な道となり、やがて緩やかに下り始めます。この一帯では新しい林道が建設中で、今後は登山コースの様子も変わりそうでした。
林道を進むことしばし、この地点で右に登山道が分かれました。
林道を左に見送り、道標に従って再び山道に入ります。
少し進むと、予期しない分岐が現れました。右に「福用川コース」が分かれていたのですが、私が参考にしていたガイドブックが古いために載っていなかったようです。少しそそられましたが、ここは予定通り直進します。

その後、登山道は広く伐採された斜面に入って、すこぶる見通しが良くなります。
伐採地内を通っている間は、再び南アルプスを含む広範な展望が楽しめました。
ただ、南アルプスも富士山と同様に、頂上から見ていた時と比べて雲が増えてしまっていました。
  ※下の写真にマウスを乗せると山名ガイドを表示します。
背後には、八高山が端正な形で見えていました。登った道は結構急だったのに、こちら側は穏やかな表情です。

その後は穏やかな道が少し続きます。
さらに進んで、「なだらかコース」と「急斜面コース」との分岐点まで来ました。
分岐点には「五輪段」という地名が付けられていました。これも私が持っているガイドブックにはないので、割と新しい名前なのでしょう。さて、登りはどんなに急でも別に構わないけれど、下りはできる限り緩やかなほうが足腰への負担が軽く、それゆえにトラブルも少ないので、迷うことなく「なだらかコース」に入ります。

「なだらかコース」に入るとほどなく、「木立トンネル」と名付けられた区間が現れます。
なるほど、その名前からイメージできる通りの景色の中に入りました。そんなに長い区間ではなかったけれど。
さらに進むと、今度は「茶の木トンネル」なる区間の登場です。
ここもそのまんまの景色ですが、先程の「木立トンネル」の景色が山の中では割とありふれているのに対して、こちらは珍しいと思います(同じような景色は、満観峰に登った時に日本坂付近で見たことがあるだけかと)。
その後の登山道の様子です。「なだらかコース」の名前通り、確かに道の傾斜は緩やかだったものの、道が抉れていたり石がゴロゴロしていたりで足下に気を遣うことも多く、下りで歩きやすいとは言えなかったような。
さらに下って、登山道脇に石垣が現れたのが、集落に近付いてきたサインになりました。

間もなく車道に迎えられて、登山道はおしまいです。寒さが厳しかったこの日は、この冬初めてジャケットを着たままで山を登り下りしましたが、東側の山麓に下りてくると、西からの季節風が山に遮られていて穏やかです。日中になって少しは気温も上がり、標高も落としたので、ようやく暑さのほうが勝って、ここでジャケットを脱ぎました(でも駅まで行くと風が冷たくて、電車を待つ間にまたすぐジャケットを羽織ったのでしたが)。
車道はすぐに集落の中へと入っていき‥‥
このあとで初めて乗るのを楽しみにしている大井川鐵道の線路に突き当たったら、線路沿いを進みます。

本日のゴール、大井川鐵道の福用駅に到着です。
福用駅は無人駅ですが、駅前にある金谷福用簡易郵便局で、乗車券の委託販売が行われています。
郵便局なので、てっきり休日はお休みだろうと思って諦めていたところ、屋内には煌々と照明が点っています。「大鉄売札所」の文字も見られる入口の前に立ってみたら、なんと自動ドアが開いてくれました。
外観は単なる郵便局でしかなさそうだったのに、局内に入ると、食料品や日用品のほか土産物なども並んだショーウインドウが多くのスペースを占めていて、ほとんど商店のような雰囲気というギャップに驚かされます。
さらに、建物自体は住宅とも兼ねているようで、奥の部屋から出てきた、ここにお住まいとみられる年配のご婦人に対応して頂いて、欲しかったものを手に入れることができました。
それがこの乗車券です。記念切符など購入自体を目的としたものを除いて、実際に使用する目的で手にした硬券なんて、いつ以来だったでしょうか。このあと、終点の金谷駅で駅員さんの許可を頂いて持ち帰りました。
福用駅のホームで電車を待つ間、長閑な雰囲気の中で、ゆったりとした時間が流れていました。
やって来たのは、かつて南海電鉄を走っていた21000系でした。

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