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八溝山 [茨城]

2018/05/26(土)

■第384回 : 八溝山(1022m)


今回は1泊2日の行程で、茨城・福島県境にある八溝山に登ってきました。
少々遠出にはなるものの、時刻表の上では神奈川からの日帰りが成立する山なのですが、それには電車からバスへ短時間で乗り継ぐ必要があり、失敗のリスクも大きそうなので、より確実な2日間の行程で出掛けています。

 累積標高差(登り):741m / 距離:9.9km / 歩行時間:2時間30分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
[前日] 市営斎場入口 15:00-15:10 相模大野 15:33-16:09 新宿
    新宿 16:17-16:37 品川 16:55-19:14 水戸(泊)
[当日] 水戸 06:22-07:45 常陸大子 07:55-08:31 蛇穴

(登山行程)
蛇穴バス停    08:35
日輪寺遊歩道入口 09:30
八溝山      10:05-10:15
日輪寺      10:25
日輪寺遊歩道入口 10:40
あずまや     11:10-11:20
蛇穴バス停    11:25

(復路)
蛇穴 11:30-12:05 本町 (→ 道の駅「奥久慈だいご」で時間調整)
常陸大子 13:51-15:08 水戸 15:31-17:30 日暮里
日暮里 17:35-17:56 新宿 18:03-18:43 相模大野
相模大野 18:53-19:05 大沼


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

冒頭に書いた通り、今回は1泊2日の行程としたので、金曜日のうちに水戸まで移動して朝を迎えました。
ちなみに、往路のJRの乗車券がこちら。最終目的地は常陸大子ですが、普通に常陸大子までの乗車券を購入してしまうと、全区間が東京近郊区間内のため、有効期間が当日限りとされて2日にわたっての使用ができません。
そこで、東京近郊区間外となる少し先の矢祭山までで購入すると(料金は同じ)、2日間有効の切符になって、水戸での途中下車が可能になるのでした(ただし、途中下車駅で分割するほうが割安になる場合もあります)。


常陸大子駅で路線バスに乗り換えます。07:55発という早いバスなので、朝一番の水郡線に乗ってきました。
なお、2本目の10:37発のバスを選ぶと、神奈川からでも時刻表の上では日帰りが成立するため、できる限り日帰りでというポリシーを貫こうかと、かなり迷いました。しかし、その場合は電車からバスへの乗り換え時間がたった5分だけ(末尾の資料を参照)、単線かつワンマン運行の水郡線では遅延が決して珍しくなさそうですから、5分での乗り継ぎはギャンブルに近いと思われて、より確実な1泊2日の行程で出掛けてきたのでした。
乗客が私ひとりだけだったバスに30分ほど揺られて、八溝山への登山口である蛇穴まで来ました。
さて、今回はいろいろと冒頭にくどくどとした断り書きが多いのですが、もうひとつだけお付き合い下さい。
ここからの八溝山の登り下りは、標準的なコースタイムが約4時間なのに対して、普段の私のペースで歩けば、3時間半ほどでここに戻って来られそうです。ところが、行き帰りのバスの組み合わせにより確保できる行動時間のほうは、3時間を切るか、5時間以上となるかのいずれかのパターンしか存在しないのでした(末尾の資料を参照)。さすがに後者では大いに時間を持て余しそうなので、頑張って前者にトライすることにしました。


バス道路をもう少しだけ先へと進むと、すぐに八溝山林道が右に分岐するので、そこに入ります。
上の写真にも写っていますが、林道の入口には、頂上にある八溝嶺神社の大きな鳥居が。
鳥居の傍らには、「八溝山道」などと彫られた石碑も。八合目にある日輪寺は7世紀後半の創建と伝えられ、鎌倉時代には坂東二十一番札所として不動の信仰を得るようになり、「八溝知らずの偽坂東」と言われるほど関東一円で響いた霊場だったらしいので、往時は多くの人がここから山道を登ったのでしょう。


その山道も、今は車道が取って代わり、頂上までクルマで行けてしまう状況で、私もはじめは車道を登ります。
かつての山道も部分的には残されていて、ほどなく道標が「八溝山旧登山道」と示すその入口が現れました。
山道に入れば、てっきり木陰を進めるものと思っていたら、しばらく上空が開けた日なたの道が続いたのが予想外。しかもそこを、3時間での下山を目指してハイペースで登っているものだから、結構汗だくになりました。
でもしばらくして、ようやく樹木が日差しを遮ってくれるようになると、以降は頂上までほぼずっと日陰の道が続きます。関東の最北部だけに空気は涼しくて、日差しさえ避けられれば割と快適に登れました。良く踏まれていた道も、傾斜が一定に抑えられていたほか、段差などの歩きにくい箇所がなく、とても歩きやすかったです。


その後、一旦は車道に出てしまいますが‥‥。
次の大きなカーブのところから、再び山道が分岐していました。
するとその先は、やや草深い道に変わります。マイカー登山なら、普通はもっと上まで車で入るようなので、今ではバス利用の人にしか歩かれない道になってしまったのでしょう。この日はまだ誰も通っていなかったのか、時折クモの巣を突破しつつ進みました。道形も頼りなくて、このあたりは旧来の道なのか怪しかった印象です。


そして再び車道に上がると‥‥。
間もなく日輪寺への遊歩道が分かれて、その先には駐車スペースも見えてきました。ここからは周回コースを組んでいて、車道の少し先にある別の登山口から山頂を目指したあとで、この遊歩道を下ってくる予定です。
車道は頂上まで続いていますが、ここにある駐車スペースが、現在では実質的な登山口になっているようです。
もう少し車道を進んで、「八溝川湧水群を経て山頂」という大きな標識が見えてきたら、いよいよ登山道へ。


そこから先は、現在でも良く歩かれていて、ゆったりとした道幅のとても歩きやすい道でした。
しかも、このあたりまで標高を上げてくると、周囲には自然林が広がっていて、とても清々しい雰囲気です。
しばらく進むと、八溝川湧水群(八溝五水)のひとつ、「金性水」が現れました。八溝川湧水群は環境庁の「名水100選」に選定されていて、八溝五水のそれぞれの名前は水戸光圀公による命名とされています。
この「金性水」が、八溝五水の中で最も水量が豊富なようです。
さらに進むと、「八丁坂」という標識の立つこの地点から、長い木段が始まりました。左上に見えているのは、八溝五水の2番目となる「鉄水」の四阿で、屋根の下で地面から水が湧き出していました。
八丁坂の木段は、さほどきつい傾斜ではないものの、結構長く続くのがこたえます。しかも、下からずっとハイペースで登ってきていたところに、この長い木段ですから、もう肩で息をしながら登るようでした。
なお木段の途中には、八溝五水の3番目「龍毛水」への分岐がありましたが、先を急いでいたために立ち寄らず、同様に登山道から離れていたらしい4・5番目の「白毛水」「銀性水」への分岐もスルーしています。
八丁坂を登り切ったところで、日輪寺への車道を横断すると、頂上まではもうあとひと息です。
頂上直下の車道に出ると、鳥居をくぐった先に、神社の社殿が見えてきました。


八溝山の頂上部に上がると、まずは八溝嶺神社の立派な社殿の前に立ちます。
そして左手には、城をかたどった造りの展望台が。高さ16.5mの展望台からは、奥久慈や那須の山々のほか、日光連山や阿武隈山地などを一望でき、遠く富士山や太平洋まで望めることもあるようなのですが、果たして。
残念ながらこの日は、一応は晴れていたのに、遠くの景色は靄の中に霞んでいて、展望は楽しめませんでした。
それでも茨城県の最高峰だけに、360度どの方角もスッキリと開けていたことだけは、良~く分かりました。
眼下には、八溝嶺神社の屋根と、まだ踏んでいなかった山頂が見えています。すでに山頂よりも高い地点にいることで、高さ的には到達する意味合いが薄れてしまったとはいえ、やはり山頂を踏んでおかないことには‥‥。
ということで、展望台から降りてきて、三角点と山頂標識がある八溝山の山頂に立ちました。
ところで、山頂に近づくにつれて虫が増えてきていたのですが、特に山頂ではその数が多く、ちょっとでも立ち止まると途端に大量の小バエたちにたかられて、その鬱陶しいことといったら。
今回は行動時間を3時間としたため、元々長居するつもりはありませんでしたが、もしも5時間かけてゆっくり歩くパターンを選んでいたとしても、この状況ではとても山頂で落ち着いて過ごすことは無理だったでしょう。
そのためか、山頂で見掛けた数名の方々の中にも、どこかに腰を下ろして長居している人はいませんでした。


下山を始めるにあたり、まずは時間を確認すると、帰りのバスまでの持ち時間が2時間55分ある中、登りは普段より少しだけペースを上げる程度の歩き方で、ほぼ目標通りの1時間半で来ていました。頂上に滞在していた10分を引いて、残りは1時間15分あり、これなら下りもそう急がなくても、十分に間に合いそうです。むしろ、あと10分くらいなら頂上にいても大丈夫そうでしたが、虫の多さゆえ、とてもそんな気分にはなりませんでした。
下り始めたら、頂上直下の分岐で、登ってきた右からの道を見送り、日輪寺を経由する左の道に入ります。
走るつもりはなかったのに、歩きやすい道が続いていたおかげで駆け下りるような具合になって、日輪寺まで10分で着いてしまいました。自然林に囲まれた雰囲気の良い道だったので、飛ばすのは少々勿体なかったけれど。
日輪寺は板東札所21番の古刹で、頂上にいた登山者よりも、この境内にいた参拝客のほうが多かったようです。
日輪寺からさらに下る山道は、ここにある入口が分かりづらくて、その所在をちょっと探してしまいました。
というのも、この半分草に埋もれて字も薄くなっていた私製の標識以外に、適切な案内が見当たらなかったようなのです。ただ、道案内が不親切だったのはここだけなので、私が何かを見落としていたのかもしれませんが。
しかも日輪寺から林道までの間は、大きな段差が繰り返し現れる道で、とても快適には下れませんでした(登るのも骨が折れそう)。しかも、そうして急激に高度を落としたかと思えば、あとで100mもの大きな登り返しの末に林道に上がったりして、ちょっとちぐはぐな印象を受けています。元からこんな道だったのかしらん。


見覚えのある林道に戻ってきました。この時点で、帰りのバスの時間まであと50分あります。バス停からここまでは、登りでも55分で来ていたので、あとはもう余裕でしょう。
林道に出た後は、登ってきた道をそのまま引き返します。その途中、往路で登りやすいと感じた山道の区間は、下りでも歩きやすくて、急ぐ必要がないのに早足で快調に歩けてしまい、順調すぎるペースで最初の分岐へ。
この鳥居をくぐって県道に出れば、もうバス停まであと2~3分で着いてしまうような距離です。
でも、バスの発車時刻は20分後ですし、バス停の周囲には何もなくて、早く行っても手持ち無沙汰になるだけだと分かっていたので、鳥居のそばにあったこの休憩舎で帰り支度などを調えつつ、時間調整をしていきました。


往路で乗客が私だけだったバスは、復路の車内もしばらくは私だけ。かなり走って市街地へ出た頃に、ようやく別の乗客を拾いましたが、その方が割と短い区間の利用で降りてしまうと、車内は再び私だけに戻りました。
このバス路線は、すでに日曜・祝日の運行がなくなっていて、バス利用で八溝山に登れるのが土曜日(または平日)に限られているのですが、こんな状況で、よくぞ土曜日の運行をこの日まで存続してくれていたものです。
帰りのバスは、終点の常陸大子駅まで乗らずに、少しだけ手前の「本町」で降ろしてもらいます。
というのも、このバス路線のさらに不便なところが、JR水郡線への乗り継ぎを全く考慮していないらしいダイヤなのです。文末の資料をご覧になればお分かり頂けると思いますが、駅発の便が概ね水郡線から乗り継ぎしやすい時刻に発車するのに対して、なぜか駅行きの便は、大半が水郡線の発車時刻とはかけ離れたタイミングで駅に着いてしまうのです。今乗ってきた便などは、駅へ行ってもなんと1時間50分待ちという酷い有様で、しかも駅前には長い時間を過ごせるような場所も全くありません。そこで、ある場所へ寄り道することにしたのでした。


訪れたのは道の駅「奥久慈だいご」。常陸大子駅から徒歩10分、本町バス停からだと7~8分の距離にあります。
館内のレストランで食事をしたり、売店で土産物を買ったりしながら、ゆっくりと1時間ほど過ごしました。写真はレストランで注文した「つけけんちんそば」。けんちん汁でそばを食べるのはこの地域の郷土食だとかで、具だくさんのけんちん汁が美味しかったです。
最後は、少しだけ余裕を持って常陸大子駅へ。早い時間に帰途に就いたため、水戸からの常磐線は特急に乗らず、普通列車にのんびりと2時間揺られても、それでも明るいうちに帰宅できています。1泊2日にして宿泊費はかかりましたが、その代わりに交通費は最小限で済ませられたかな。

(最後に参考資料です)

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