SSブログ

権現山・弘法山・吾妻山 [丹沢]

2020/04/03(金)

■第427回 : 権現山(243m)・弘法山(235m)・吾妻山(140m)


このところ1ヶ月以上、山歩きを控えていたわけですが、新型肺炎の流行は長期化の様相を呈していて、どこかで折り合いを付けて両立できないかと模索したくもなってきました。
食料や日用品の買物や、近所の公園での軽いジョギングなど、最小限のお出掛けは毎日のようにしているので、感染リスクをそれらと変わらない程度に抑えて山にも出掛けられたらと思ったのです。
出掛けたからといって、誰に会うという訳でもなく、常に1人だけで行動し、むしろ他人には近付かないようにして、自らが伝染すことも、周囲から伝染されることも、極力抑えるよう努めることは言うまでもありません。

ただそうなると、マイカーを持たない身としては、公共交通機関の利用を避けられないのが最大のネックになってしまうのですが、短距離の移動にとどめた上で、利用者の多そうな路線や時間帯を外すように考えて、まずは平日の昼間に、自宅から最も近い山の1つである弘法山の界隈を歩いてみることにしました。

 累積標高差(登り):399m / 距離:7.9km / 歩行時間:1時間50分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
市営斎場入口 11:09-11:20 相模大野 11:26-11:58 秦野
秦野 12:15-12:26 弘法山入口

(登山行程)
弘法山入口バス停 12:30
権現山      12:55-13:05
弘法山      13:15-13:30
吾妻山      14:05-14:15
矢倉沢往還降下点 14:30
善波バス停    15:10

(復路)
善波 15:34-15:58 伊勢原 16:01-16:19 相模大野
相模大野 16:30-16:40 市営斎場入口


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

小田急線の秦野駅で路線バスに乗り換えます。秦野駅からスタートして鶴巻温泉駅へと(またはその逆)、駅から駅へ歩くのが弘法山の最もポピュラーなコースなのですが、そこはもう何度も歩いていることに加えて、なるべく空いているコースを選ぼうと、人が少なそうな登山口へ向かうことにしました。
思惑通り(というか想定した以上に)、電車とバスは空いていて、電車であればロングシートの両端にそれぞれ1人ずつ座っているような具合でしたから、人と人との間隔を十分に取って乗ることができました。
とはいえ、そこまで空いていたのは、大多数の方が外出を自粛されているからにほかならず、そこに私のような者が次々と現れれば途端に感染リスクが上がって、自粛されている方々の心掛けを無にしてしまうのは明らかです。多くの方々の自制心に甘える形でしか、今回の行動が成立しなかったことは肝に命じておくべきでしょう。

弘法山入口で下車したのは、私を含めて2人だけでした。正面が弘法山ですから、すぐに登れてしまいそう。
車道を少し登ると、加茂神社の境内では桜が満開でした。ここでは弘法山への道標が左を案内していますが、それだと権現山―弘法山―吾妻山という縦走路の途中に出てしまうので、まずは権現山を目指して右へ進みます。
なので、しばらくは車道歩きになって、登っていることを意識させられない程度の緩やかな勾配が続きました。
途中の展望地まで来ると、駐車スペースがあるほか、弘法山から直接下ってくる道もあるので、何人かの姿が。
そこからは、西丹沢の低いあたり(高松山とか)が眺められた程度で、あまりパッとしなかったのですが‥‥。
車道をもう少し先まで進んだら、さらに景色が開けて丹沢の山々を広く見渡せるようになりました(右端あたりに写っている車が何台か停められている場所が、ベンチが置かれていた展望地です)。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
さらに進んで弘法山公園が近付くと、満開の桜が見られるようになりました。斜面の下方には、公園内ではないため規制されていないからか、レジャーシートを広げた家族連れの姿も(人が通らない場所ではあるけれど)。


ほどなく右手に浅間山駐車場が現れれば‥‥。
その反対側に登山口があるので、そこから権現山に取り付きます。
木段ばかりの登山道も、標高差が小さいので距離は短く、すぐに行く手には頂上に建つ展望台が見えてきます。
5分も登れば、もう頂上に建つ展望台が目前でした。


権現山の頂上に着きました。桜は満開のピークこそ少し過ぎた頃合だったものの、まだ十分に見頃です。
こんなご時世の平日とあってか人出は少なくて、ほかの人との距離を保ったまま歩き回れたのも幸いでした。
三角点は展望台の近くに。「関東の富士見百景」に選定された展望台も、人が少なかったので登っておきます。
残念ながらこの日は空気が澱んでいて西の方角には雲も多く、富士山は全く見られませんでした。
それでも、箱根や西丹沢の山々まではどうにか見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
その一方、東丹沢のあたりは雲もなくスッキリと眺められました。
    ※下の写真にマウスを乗せると、山名ガイドを表示します。
南の相模湾上にはうっすらと伊豆大島も(肉眼ではこの写真よりもずっとハッキリ見えていた印象です)。
展望を楽しんだら、弘法山公園内を通って、2つめのピークとなる弘法山へと向かいます。


弘法山公園内は遊歩道が整備されていて、特別な装備や格好をしていなくても安心して歩くことができます。
馬車道まで降りてくると、ここからはほぼ平坦な道に変わります。
しばらくの間、桜のトンネルを楽しんで進みます。この時期は夜間のライトアップも行われているようですね。
馬車道も人出は少なめで、引き続き感染を危惧するような状況には全く遭遇しなくてすみました。
桜は遊歩道沿いだけでなく、斜面側にも広がっていて、結構な本数になるようです。
馬車道が終わると、はじめにバスを降りたバス停方面に下る車道を分けて、弘法山への道に入ります。
弘法山の手前で、道は遊歩道と山道に分かれるので、迷わず山道へ。
遊歩道と山道はすぐ近くを並走しているだけなので、見える景色はほとんど変わらないのですが、やはり土の感触のほうが心地良いだけでなく足腰にも優しいですし、ほとんどの人たちが遊歩道を行き来するので、なによりこの時期は、会話しながら遊歩道を歩く家族連れなどと時折すれ違うのを避けられるのもベターでした。


弘法山の頂上まで、権現山から10分ほどしかかからずに到着です。
ここも人の数は疎らでしたし、やはり皆さんほかの人との距離に気遣いながら動かれている様子でした。
大きな桜の下には釈迦堂があります。
釈迦堂には弘法大師像が祀られていて、ここが弘法大師の旧跡であることが、山名の由来なのでしょう。
ほとんど展望がない中で、樹木の間に三浦半島と江ノ島が見えていました(権現山からも見えていたのかも)。
上の写真は縮小したら私でも分からなくなったので、三浦半島と江ノ島のアップを改めて。


弘法山を後にしたら、次は吾妻山を目指します。公園として整備されているのは弘法山までなので、ここから先はずっと山道を歩けるようになります。
やはり山道を歩くのは気持ちが良いですね。しばらく忘れていたこの感覚を久しぶりに思い出しました。
新緑もちょうど美しい時期で、気持ち良さも倍増です。これからも山を歩き続けたいと、改めて思いました。
鞍部まで下ったところで一旦車道をかすめて、さらに続きの山道に入ります。弘法山から先の区間は、花見だけの人が入らない分、歩く人も少なくなったようで、時折すれ違う人と会う程度になりました。
ただ、家族連れが家族単位で行動するのは当然としても、中にはそうでなさそうな人たちがグループで歩いている様子も散見されて、少々首を傾げたくなりました。ま、私自身の行動とて五十歩百歩ではあるのですが‥‥。
元々低い山である上に、ここは縦走路のアップダウンも軽め。楽に歩けるから歩く楽しさも存分に味わえます。
時折現れる登り坂も傾斜が緩めで距離も短いので、体力的にきつく感じる箇所がほとんどないのです。
しかも、吾妻山のほうが弘法山よりも低いので、進むにつれて下りの割合のほうが多くなってきました。
矢倉沢往還へ下る道の分岐点まで来ました。ここから吾妻山を往復したら、最後にこの分岐道を下る予定です。


先程の分岐点から5分ほどで、吾妻山に到着です。
この時期に来たのは初めてですが、ここにも何本か桜の木があったのですね。割といい雰囲気でした。
弘法山方面から来た人たちが次々と鶴巻温泉駅へと下っていく中、私は休憩を終えたら来た道を引き返します。


先程の分岐点まで戻ってきました。ここから矢倉沢往還へと下ります。
すると、畑地になっている私有地との境界を進むようで、右側にはずっと柵が続きますし、左側も鬱蒼とした森がすぐ近くまで迫っていて、狭くて居心地の悪い道になりました。「関東ふれあいの道」の区間なのに‥‥。
そんな道も10分とは続かず、ほどなく車道に突き当たります。その道が矢倉沢往還、かつては東海道の裏街道的な役割を担い、大山街道の名でも親しまれた由緒ある道で、前から何かの折に歩きたいと思っていたのでした。
分岐点を振り返りました。左奥から山道を下ってきたところで、ここを鋭角に折れて右奥へと進みます。


矢倉沢往還には、馬頭観音など古そうな石像が並ぶ、長い歴史を感じさせる風景もあるにはありますが‥‥。
簡易舗装されて、現代の車道の雰囲気にすっかり染まり、期待していたほどの情緒は感じられませんでした。
少し進むと、右側が畑地に変わったことで、北側の景色が開けます。が、なにぶん標高を下げ過ぎていて‥‥。
高取山や聖峰がある方角なのに、それらが前山に隠されて、名のある山が何も見えていないのが残念でした。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
その後も所々で舗装が途切れるものの、基本的には舗装された道が続きます。
途中で何度か集落側へ下る道が分かれていて、この分岐点から先は、ここまで矢倉沢往還を辿ってきたGoogleマップのストリートビューが右へ下ってしまうため、事前には道の様子が分からなかった区間になります。
その先で人家が何軒か並ぶ一角を過ぎると、道が未舗装になるなど、ちょっと雰囲気が変わりました。
そしてこのあたりなどでは、もしかすると往時の佇まいがかなり色濃く残されているのかも、と感じました。
しかし風情のある道は長くは続かず、矢倉沢往還を辿れるのもここまでで、「関東ふれあいの道」は右へと分かれます。直進方向も立派な道に見えますが、標識によれば通り抜けはできないとのこと。
国道が近付いてくれば、今回のコースも終わりが間近。時間に余裕があったので、原っぱで道草を食いました。
最後に交通量の多い国道246号線を渡るのが、ちょっと難易度高めでした。でもこの時は交通量が多すぎたのか、渋滞していてノロノロ運転だったので、むしろ渡りやすいほうだったのかもしれません。
善波バス停で待つのは、平日にしか運行されず、しかも1日わずか3往復だけという超過疎ダイヤの路線バス。案の定、バスを待つ人は私のほかに誰も現れませんでした。


さて、私もこれまで1ヶ月以上は自制する側に徹していたわけですが、この日は外出を試みるに至りました。
今後も時には再び、近所への毎日のお出掛けよりも少し余計に羽を伸ばした外出をしたくなることがあるかもしれません(もちろん、誰にも会わない単独行動とし、他人との距離感も保つことが大前提と考えます)。

そこで最後は余談になりますが、最新の研究によれば、人々が外出を2~3割自粛する程度では感染拡大を全く抑えられないのに対して、8割の人々が自粛すれば流行を終息に向かわせられるとのこと。
であれば、緊急事態が宣言されて全面的に外出自粛が要請されるような事態になったとしても、例えば自動車のナンバーで交通量を抑制する時のように、マイナンバーの最終桁が日付の1の位と同じ数字の人だけは外出を許容するとかにすれば(31日だけは例外的に全員で自粛かな)、単純計算で人出は平時の1割に抑えられ、外出自粛要請の有効性があまり損なわれずに済みそうなので、検討に値するのではないでしょうか。

タグ:丹沢
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。