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津久井城山 [高尾・陣馬]

2020/09/30(水)

■第430回 : 津久井城山(375m)


今回は、前回から約5ヶ月ぶりの山となります。

このコロナ禍に私が外出する際の最大のネックが公共交通機関の利用だと感じていて、4月頃からは、移動を自転車だけで済ませる山行の形を試し始めていました。その場合は、行先がどうしても近場に限られますから、私の所からだと低い山にしか行かれなくなりますが、そこは割り切って受け入れるしかなさそうです。

ところが、山らしい山に行かないうちに6月になると、雨の日ばかりで全く出掛けられなくなり、梅雨がやっと明けたと思ったら今度は猛暑が続いて、とても低い山なんて歩ける状況ではなかったので(山歩きだけならまだしも自転車での往復でも消耗しますし)、涼しくなるまで待っていたら5ヶ月が経過してしまったのでした。

選んだ行先は津久井城山。4月の記事「自転車行で津久井湖へ」の時に2番目の行先にしていて、既に視察済みのコピオ相模原インター(ショッピングモール)を拠点に周回するコースで、相模原市内で完結する行程です。

 累積標高差(登り):376m / 距離:9.2km / 歩行時間:2時間45分 (休憩除く) 
標準タイムは不明(登山地図の収録範囲外) 

(往路)
自宅-自転車移動(約12.8km)-コピオ相模原インター

(登山行程)
コピオ相模原インター    10:50
十兵衛山展望台       11:20
鷹射場           11:45-11:50
津久井城山         12:10-12:30
津久井湖城山公園(花の苑地) 13:10-13:20
津久井湖城山公園(水の苑地) 13:30-13:20
コピオ相模原インター    14:10

(復路)
コピオ相模原インター-自転車移動(約12.8km)-自宅


大きなマップで見る(Googleが運営するFirebaseのサイトに遷移します。※上に埋め込んだマップも同サイト上のものです)

自宅からママチャリを1時間少々走らせて、コピオ相模原インターまでやって来ました。
視線を少し左に移すと、これから登る津久井城山が近くにそびえていました。
ママチャリを自転車置場に停めたら行動開始です(写っている自転車は私のではありません)。
できれば公園などの公共の場所に停めたくて、先にその方向を検討したものの、このあたりの公園等はいずれも小さくて、平日は日中といえどもほとんど無人になりそうな所ばかり。自転車を放置すると不審がられるでしょうし、イタズラされる可能性もありそうなので、人目がある商業施設を利用させて頂くことにしました。
※その代わり、今日は普段の買物を帰りにここですることに。また、営業時間の制約を受けるので、早朝からの登山は諦めました。


コピオ相模原インターから登山口までは、5年ほど前に開通したばかりの津久井広域道路を進みます。
新小倉橋で相模川を渡ります。津久井城山が目の前に迫ってきました。
見えてきた圏央道の下をくぐれば、その先に登山口があります。
案内に従って、右に分かれるスロープを登ります。


上の写真のスロープを登り切ったところが登山口で、歩き始めて20分ほどで着いています。
ここには、山中に一部通行止めの箇所があることを示す地図が掲出されていました。ほぼ山全体が県立の津久井湖城山公園として整備されているだけあって、こういった案内もしっかりしているようです。
登山口の近くには、ガイドマップの入った箱が置かれていたので、1部頂きました。内容はウェブで見られるものと同じですが、大判で見やすかったです。
はじめは沢沿いの木道を進みます。ここは空気がヒンヤリとしていて快適でした。
すぐに男坂と女坂の分岐があって、男坂を選ぶと沢筋からは離れて斜面に取り付きます。
ほんの2~3分で分岐点に出たら、頂上は左折です。でも右折してすぐの展望台にちょっと寄り道。
十兵衛山展望台には先客がおひとりいらっしゃいました。
十兵衛山展望台からの眺めです。まだほとんど標高を上げていないからか、相模原市街を見渡せる程度で遠望はなく、目立っていたのも橋本駅周辺のビル群くらいだったでしょうか。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


分岐点に戻って男坂の続きに入ると、いよいよ登りはここからが本番。今回で3回目となる津久井城山は、最初に訪れた2009年の時にもこの男坂を登っていますが、とにかく急だったという印象で、ガイドマップにも「急峻で危険」と注記されています。序盤のうちは、ちょっとした木段が断続的に現れる程度でしたが‥‥。
送電線鉄塔の下をくぐると、その先で登山道の様子が変わります。
勾配が少しきつくなり、手すり状のクサリが現れました。でも何らかの補助が必要なほどの急坂ではなく、左斜面への落下防止用という印象で、ここはまだ普通に歩いています(下りではクサリが有難い場合があるかも)。
登るにつれて急になりますが、この形状のクサリは経験上あまり強度がないので、なおも足だけで頑張ります。
しかし、しまいには容赦ない急登に。体力自慢の人なら足で登り切れるのかもしれませんが、油断すると途中でよろけそうになるほどの斜度なので、クサリに助けてもらうことにしました。いざクサリを持ってみると、支柱が細いながらも堅強に固定されているため、思いのほか頑丈で、身体を預けても全く不安はなかったです。
男坂の上部は厳しい急登が緩むことなく続いて、もしクサリがなかったら相当デンジャラスだったと思います。


下で分かれた女坂が合わさってくれば、きつかった傾斜もようやく収まります。
さらに登って、少し開けた鷹射場に出ました。この山の肩に当たる地点で、ここまで来れば頂上部が間近です。
鷹射場からは都心方向を眺められましたが、暖かさで空気は澱んでいて、高層ビル群はぼんやり霞み、スカイツリーも肉眼でもうっすらと見える程度。だから写真は撮らずに、もっぱらベンチに腰掛けて休んでいきました。
鷹射場の先で、花の苑地からの道を合わせますが、その道は下の登山口で見てきた案内通りに通行止めでした。
頂上部に入ると、戦国時代の山城跡だけに、いろいろな遺構が次々と目を楽しませてくれるようになります。次に現れたのがこの宝ヶ池で、頂上直下にありながら、当時から枯れることのない安定した水源だったらしい。


烽火台や鐘撞堂の跡とされる場所に上がると、再び展望が開けて、ここまでとは違って南側を眺められました。
南側に見えていたのは、最高峰の蛭ヶ岳をはじめとする丹沢主脈の山々などです。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
その少し左を見て、愕然としてしまいます。この方角にあるのは、2012年に登った小倉山で間違いないはず。
小倉山の頂上部が、いつの間にかこんな無残な姿に変わり果て、しかも2012年に歩いたその尾根がゴッソリ削り取られているのは、大変衝撃的な光景でした。調べてみると、元々西斜面にあった採石場の拡張とかで、昨年あたりから立入禁止になっている模様。奥の山頂はまだ緑に覆われていて、反対側からなら登れそうな様子にも見えますが、実際は反対側からの登山道も途中までで通行止めらしい。こうなる前に登っておいて良かった‥‥。


頂上の南東側にある、頂上と対をなす形になっているピークに登ると、そこに飯縄神社が鎮座していました。
神社の社殿は鉄柵でガードされていて、保安上必要なのでしょうが、残念で色々と考えさせられる景色です。
飯縄神社がピーク上に建っていたので、石段を下って先へ進みます。
下った鞍部は十字路状になっていて、ここから頂上を往復したのち、左の道を下る予定です。
頂上の手前には大きな堀切がありました。山城の防御のために尾根を途中で断ち切って深く掘り込み、空堀にしたもので、平時は橋が架けられていて、その橋も非常時に容易に外せる仕組みになっていたとか。
堀切を通り過ぎてから振り返ったところです。


津久井城山の頂上に着きました。案内板の後方が最高点のようです。
手狭だった最高点は、この「築井古城記碑」が面積の大半を占めていて、その周囲をぐるりと回るくらいしかできません。津久井城の沿革や建碑の由来などを記して、1816年頃に建立されたもののようです。
少し下には小広い平地がありますが、ここもほとんど何もなく、あまり長居する感じの場所でもありません。
その代わり、もう一段下がると(高さは3枚上の案内板が立つ地点とほぼ同じ)、あちこちにベンチが置かれていたり、展望が開けていたりする場所がありました。
こちらは、そんな場所のひとつから、北西方向を眺めたところで、なんとか大菩薩あたりまで見えていました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。
別の場所からは、南側に丹沢の山々を眺められました。途中の烽火台・鐘撞堂跡からの眺めと大差ないですが。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真(文字入れなし)は こちら です。


頂上で少しゆっくりしたら、鞍部の分岐点まで戻って、根小屋方面への車坂(男坂)を下り始めます。
こちらの男坂は、最初に登ってきた十兵衛山展望台からの男坂のような険しさはなく、歩きやすい道でした。
今回は小網口を下山先に選んだので、男坂を途中まで下ったら、方向を変えて女坂に入ります。
女坂はいたって緩やかでした。いくらかは登り返しになるのを覚悟していたのに、次の分岐点までの間はずっと、ほとんど登っているのを意識されられない程度のわずかな傾斜しかなくて、楽に歩けました。
小網口への分岐点まで来ました。ここからは本格的な下りになります。
小網口への道は、何度も丹念にジグザグを繰り返すことで傾斜を和らげていて、引き続き快適に歩けます。
何度折り返しを続けただろうか、という頃、またも分岐点が現れました。
今度は花の苑地への分岐点で、このあと結局はそちらに向かうのですが、ここはあくまで小網口を目指します。


さらに数回のジグザグを重ねて、湖畔展望園路まで降りてきました。
そのまま湖畔展望園路を突っ切って下り続けると、北根小屋バス停に出られるようです。
でもそこからは湖畔展望園路に入って、花の苑地へ向かいます。はじめは見通しが良くなかったものの‥‥。
花の苑地に近付くにつれて、「湖畔展望園路」という名前の通りに、展望が開けてきました。木々の緑と同化して判別しづらいですが、左手には緑色の津久井湖の湖面も見えています(写真左端)。
湖畔展望園路からは、津久井湖と、その対岸の南高尾の山などが眺められました。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。


最後に国道を跨いで、津久井湖城山公園の「花の苑地」に入ります。
「花の苑地」には広々とした芝生広場があって、湖の対岸には、次に向かう「水の苑地」も見えていました。
「花の苑地」というだけあって、花々もきれいに咲き揃っていました。


「花の苑地」を後にしたら、国道413号線を少し歩きます。この国道は城山ダムの堤体上を通っているのです。
上の写真の奥のカーブを左折すれば、そこはもうダムの堤体の上で、渡った先は津久井湖の対岸になります。
一旦国道を離れて、先程対岸から眺めていた津久井湖城山公園の「水の苑地」へ。
ただ「水の苑地」は4月の「自転車行で津久井湖へ」の時にも来ていますし、「花の苑地」で少し休んだばかりでもあるので、今回は上からチラッと見るだけで先へ進みます。4月に来た時はまだ茶色がかっていた芝生が青々としていたので、後から思えば改めて写真を撮っておく手があったかもしれませんけれど。


さて、4月はこの「水の苑地」まで自転車で来ていたのに対して、今回はコピオ相模原インターまで戻らないと帰れないので、さらに3kmほど歩かなければなりません。でもその前に、この近くにちょっと気になるモノがあるのを見つけていたので、少しだけ寄り道することにして、城山バス停の前を通過します。
それは、バス停1区間分を歩いて、次の三本松バス停がある交差点に差し掛かったところにありました。
というか、この案内板がここにあることは、Googleマップのストリートビューで事前に確認済みだったのです。
それがこの「関東ふれあいの道」の案内板で、書かれている内容に少し興味があったのでした。
というのも、今回の計画を立てるため地形図を眺めていた時に、この地域に「義・智・忠・信・孝」なる地名が点在するのを発見し、それが南総里見八犬伝に出てくるの8つの玉の名前と一致することに気付いたのです。
さらにインターネットで調べていく中で、この案内板の所在も説明文も既知のものとなっていたのですが、せっかく近くまで来たのだからと、実物を見ておくことにしたのでした。


あとはコピオ相模原インターへ戻るだけです。長閑な景色の中をのんびり歩たのは、はじめのうちだけで‥‥。
再び国道413号線に出たら、以降は幹線道路ばかりを歩くことになって、少々退屈な道のりでした。
コピオ相模原インターに戻ってきました。郊外のモールだけに車での来店が大半でしょうし、平日のお昼時でもあり、思惑通り自転車置場も混まなかったようです。とはいえ長時間駐輪しただけでは申し訳ないので‥‥。
今日は買物をここですませていくことに。


ここからは余談になりますが、帰り道の途中で、相模原北公園に立ち寄っています。
お目当ては、ちょうど見頃を迎えていた彼岸花です。しばらく写真を撮りまくりました。
最後は池を眺めながら、先程ついでに買ったパンで遅めのランチにしつつ、疲れた足を休ませていきました。

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