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さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[後編] [東京・神奈川(平野部)]

2021/02/22(月)

■第437回 : さがみはら・みどりの散歩道(歴史の散歩道コース)[後編]


前編 では、相模原麻溝公園から歩き始めて、天満宮(当麻市場)・無量光寺・当麻山公園・八景の棚の4ヶ所を巡り、三段の滝への入口に着いたところまでをお伝えしていました。ここからはその続きになります。

(前編ラストと同じ写真)八景の棚から県道46号線を南下して、三段の滝まで来ました。この付近で県道はずっと河岸段丘の端を通っているので、ここも道路のすぐ右側には崖があって、その崖に階段が付けられています。
階段を下っていくと、少し下に一旦平坦になったテラスのような場所があって、そこからの展望が格別でした。
まず目の前には、間近に迫ってきた相模川の流れが大きく広がっています。こちらは左手の下流側。
一方こちらは右手の上流側です。
そして対岸の彼方には、丹沢山系を一望です。先程までいた八景の棚からよりも広々とした範囲をずらりと見渡せているのが、実に爽快な眺めでした。でも季節外れの陽気に空気が霞んでしまい、圧巻とまではいえないのが残念だったので、ここには条件の良い時を見計らってまた来てみたいと思います。
  ※下の写真は縮小版で、大きな写真は こちら です。
河畔まで階段を下ったところが三段の滝展望広場(でも展望を楽しむなら断然、階段の上のほうからでしょう)。川岸に沿って続く「相模川散策路」がこの広場を通っているので、このあとはその散策路に入ります。
三段の滝展望広場から、ついさっき下ってきたばかりの階段を振り返っています。
広場には何本か梅の木があって、いずれも満開でした。


三段の滝展望広場から下流に向かって「相模川散策路」を進むと、すぐに「新三段の滝橋」を渡ります。
橋の上では鳩川分水路の三段の滝が見られます(橋の左側にあるのはそのうちの二段で、もう一段は右側に)。
鳩川はこのあたりで相模川と並行して流れていて(前編では「水道みち緑道」を歩く途中で渡っていました)、下流域の治水のため途中から相模川へ短絡するように築造された分水路が、ここで相模川に注いでいるのです。
段丘上を流れる鳩川との高低差で生じる水流を緩和するため3段の段差が設けられたことで「三段の滝」と呼ばれていますが、滝として見るには風貌が人工的過ぎて、情緒も何もないと感じてしまうのは私だけでしょうか。
  ※なお鳩川分水路には新旧の2つがあって、こちらは1988年に新設された新分水路です。
「新三段の滝橋」を渡った先には、またすぐ、今度は「新」の付かない「三段の滝橋」があります。
「三段の滝橋」から見られるのは1933年に造られた旧分水路のほうで、新分水路よりも規模は小さめながら、やはり3段の緩衝滝を経て相模川に注がれています。こちらは石組みの景観などに少し風情が感じられるかな。


その後はしばらく「相模川散策路」を進みます。
進むにつれて、川の流れが間近に迫ってきました。
この散策路では、ずっと丹沢の山々を対岸に眺めながら歩けます。山好きな人なら、きっと楽しく歩けるかと。
河畔ギリギリを歩くようになると、次のスポットがもう間もなくです。


6番目の立ち寄りスポット、磯部頭首工公園に到着しました。
ちょっとした広場があるだけの小ぶりな公園では、ちょうどお年寄りの皆さんがゲートボールの準備中でした。
「頭首工」という言葉は今回の計画時に初めて触れたもので、全く意味を知らないまま、現地に何らかの説明があるだろうと期待して来てみたら、意外にもそれらしい解説板の類は見当たらず、結局意味が分からずじまい。
  (スマホを使えばその場で調べられたはずが、まだ使い慣れていなくてそう気付けなかったのです)
だから写真も適当に撮っていただけなのに、それが思いがけず的を射ていたようで、ここで使える写真になっていたとは‥‥。「頭首工」は河川などから農業用水を用水路へ引き入れるための施設で、通常は取水堰と取入口から構成されるものだとか。そして、私がたまたま写していたのが取水堰に当たっていたのでした。


磯部頭首工公園からは、「相模川散策路」を離れて、住宅地の中を縫うように進みます。
ほどなく「正八幡宮」と掲げられた鳥居の前へ。この道は、次に向かう磯部八幡宮の参道に当たるようです。
参道を進んで行くと、広い通りに突き当たる手前で歩道橋に上がります。
歩道橋を渡って、7番目の立ち寄りスポット、磯部八幡宮の境内に入りました。でも奥にはさらに石段が。
どうやらお社はこの急な石段を昇った上にあるようです。
石段を途中まで登ると一旦踊り場があって、そこで2本目の鳥居をくぐります。
残りの石段を上がったところに、昭和60年に新築したばかりという立派な社殿が建っていました。磯部八幡宮の創建年は不詳ながら1536年以前とされていて、その当時から旧磯部村の鎮守として信仰を集めていたようです。
石段の上には、社殿がやっと建っているような少々手狭なスペースしかなく、参拝後は下の境内に戻ります。
昇ってきた石段の脇には金比羅神社や疱瘡神社などの境内社があって、それらを巡りながら下りました。
さほど広くはなかった磯部八幡宮の境内。社務所の前にあったベンチで少し休んでいきました。


今回のコースもそろそろ終盤で、立ち寄るスポットも残りは2つ。このあとはそれらを巡りつつ、現在は河岸段丘の下段にいますから、そこから元々いた上段まで登り返すことにもなって、ここまでとは逆に上り坂が多くなります。まずは磯部八幡宮の横手にある坂道を登って、JR相模線の踏切を渡ります。
これで名前が出るのも3度目になる鳩川を渡れば、そのすぐ先が史跡勝坂遺跡公園の駐車場でした。
それでは、史跡勝坂遺跡公園の中へGO!。本日8番目の立ち寄りスポットです。入口には案内図がありました。
その案内図に、公園内の道順を示しました。 ※下の画像にマウスを乗せると、赤矢印でコースを明示します。
この公園は河岸段丘の下段と中段にまたがっていて、案内図の公園内に左上から右下にかけて斜めに濃い緑色で描かれている樹林帯がその境の段丘崖にあたります。従って、現在地からまずはその斜面樹林の中を登って中段の広場に上がり、ほどなく有鹿神社への寄り道をしに斜面樹林を下って一旦下段に戻ったのち、再度中段に登り返して南側の入口から再入園したら、復元集落などを見て回って最後に管理棟のあたりへ、という段取りです。
ということで、樹林の中へ入ったら山道っぽい道を登っていきます。
分岐には道標があったりなかったり。でも道が複雑に入り組んでいる訳ではなく、最小限の案内で大丈夫そう。
「くさはら広場」に上がりました。ぱっと見では何もないただの広場のように見えますが‥‥
いくつかこうした住居跡等の展示と説明がありました。ここは縄文時代中期(約5000年前)の大集落跡で、発掘調査後に遺構を保存するため土をかぶせて広場としていたものを、のちに遺跡公園として整備したようです。
しばし広場のへりを歩いて、森の中へ下る道を見つけたらそちらへ。ここに道標がないのは不親切だったかな。
すると一気に段丘崖を下ります。ここは急坂の割にほとんど階段状になっておらず、少々滑りやすい道でした。
下り切ったところに、石垣で守られた小さな祠と鳥居がありました。
そこが有鹿神社で、海老名市にある同名の神社の奥宮に当たるらしい。背後の斜面からの湧水が神聖なものとして信仰され(「有鹿」は古代語で水を意味するとか)、ここも起源が縄文期に遡るとも見られているようです。
ふと神社の先を見ると、先程入ってきた入口のほうから伸びてきている木道が目に入って(地図には道なんて書かれていなかったのに)。実際には森の中の道を登ったり下ったりしなくても、ここまで来られたのでしょう。
有鹿神社からは、一旦公園の外へ出てしまいます。ここでは山道を歩くような感覚を少し楽しめました。
道路に出たところを鋭角に折り返していくと‥‥
すぐ先が史跡勝坂遺跡公園の南側の入口で、ここから再入園します。
公園の南端には復元集落があって、2棟の竪穴住居が並んでいました。
それらは土葺きと笹葺きの竪穴住居で、それぞれ解説が付いていました。いずれも中を見ることはできません。
少し離れて「廃絶住居の窪地」の復元展示も。竪穴住居の耐用年数は数年から十数年程度なので、集落跡には建て替えなどによって生じるこのような住居跡も多く見られるとのことです。
広場の真ん中あたりはこれといった展示らしい展示もなく広々としていて、歩く分には気持ち良かったです。
広場の北端まで来ると、管理棟のそばにはいくつものテーブルとベンチがあります。歩いてきた距離はすでに10kmを超えていて、そろそろ疲れを感じ始めていたので、腰掛けて少し休んでいきました。
管理棟横の入口で公園を振り返ると、復元集落からはだいぶ離れたので、ただの広場にしか見えませんでした。


史跡勝坂遺跡公園を後にしたら、最後に立ち寄る勝坂歴史公園は、河岸段丘の中段から上段へ登り返す坂道の途中にあって、ここがもう公園の南端に当たります。
でも勝坂歴史公園の南端にはスポーツ広場があるだけで、お年寄りの方々がゲートボールのゲーム中でした。
ということで、道路脇の小道を歩いて公園の北側に向かっていくと、その道は次第に道路から離れていきます。
小道から道路がほとんど見えなくなったあたりまで来たら、道標と朽ちかけたベンチがあって‥‥
そこから山道へ入れるようになっていました。勝坂歴史公園は、ほとんど広場しかないような地味な公園ですが、ちょっとした山道を歩ける散策路があって、ここが入口なのです。
その散策路は、軽い登り坂で始まりました。
すぐに小さな尾根まで上がると、そこからは尾根道を進みます。
尾根とはいえ裾野との標高差なんて数m程度で、時折木々の間から下にある広場が見えているほど。でも車道歩きが大半の今回のコースにあって、そこそこの長さで山道を歩ける貴重な場所ですから、楽しんで歩きました。
尾根上の分岐点にも案内図とベンチが。ここだけを見れば、あたかも山の中にでもいるような感覚になります。
しかしそんな景色も束の間、ほどなく下り坂が始まったと思ったら、次の瞬間にはもう車道が見えていました。
最後にこの公園のメインの広場へ。後方に写っている森の中にある散策路をぐるりと回ってここまで来ました。


あとはスタート地点に戻るだけ。まだ河岸段丘の上段まで登り切れていないので、緩やかな登り坂が続きます。
相模原麻溝公園西交差点まで来ると、もうグリーンタワー相模原(写真中央の塔)が間近に見られるように。そしてこの交差点から先は、左側が相模原麻溝公園になりました。
ゴールの手前で少しだけ相模原麻溝公園の中を歩いて‥‥
駐輪場に帰ってきました。久しぶりに長い距離を歩いて、程よい疲労感が心地良かったです。
最近はこんなご時世で、山歩きのブログなのに、公園紹介みたいな内容ばかりが続いていますが、山をせっせと歩いていた頃は遠くへ出掛ける一方であまり目を向けていなかった身近な場所にも、豊かな自然や美しい景色や歴史ある見所がたくさんあることを知り、住んでいる地域の良さを改めて感じるいい機会になったと思います。

結びに備忘録として、スマホを使ってみた結果についても少しだけ書いておきます。

・GPSに関しては、今回は深い谷や鬱蒼とした樹林など、電波状況が問題になりそうな場所がほとんどなかったからか、記録したログをガーミンとiphoneとで比較しても、ハッキリとした差は出ていませんでした。
ガーミン機は10年以上前の2008年に購入した、当然「みちびき」にも対応していない古い機種にもかかわらず、電波状況が良好であれば最新の機器と比べても遜色ない性能を発揮するあたり、さすがは専用機です。
まだ当分は山に出掛けられそうにないので、今後もしばらくは両機を併用することにして、ガッツリと山を歩けるようになった頃に、改めてタイトな状況での性能の比較を試みたいと思います。

・カメラについては、撮影した写真を今のところこのブログでしか活用していないという状況においては、これはもう明らかにiphoneはオーバースペックでした。
ピクセル数で400×300(パノラマ写真でも横1500ピクセル)なんて小さな写真なら、標準的なデジカメで十分なのです(そのデジカメですら、撮影時の画像サイズを小さめの設定にして、性能を持て余していたり)。
iphoneだと撮影時のサイズは規定値から変えられず、撮影後にリサイズする手間が増えますし、PCへの転送もSDHC経由のデジカメより時間が掛かるので、普段はデジカメをメインで使い、iphoneはその補助でいいかな。

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